車を売却する際の引き渡し日は、当日もしくは後日から選択することができます。

後日に引き渡す場合は査定価格の相場のリサーチが可能なため、大まかな適正相場を把握したうえで車を売却できます。しかし、タイミングによっては査定額が変わる可能性があるため注意が必要です。

この記事では、売却した車の引き渡しのタイミングについて詳しく解説していきます。

また、愛車をより高い価格で売りたいと考えている方向けに、車を売却する時の基本的な流れと注意点、査定価格引き上げに有効な中古車市場の需要拡大の時期についても解説します。

車の引き渡しタイミングは3つある

車の引き渡しタイミングは3つある
車を売却した後、業者に引き渡すタイミングは、以下の3つがあります。

  • 売却が決定した直後にその場で引き渡す
  • 別日に自宅で業者に引き渡す
  • 後日、車を買取店舗まで持っていく

ここからは、それぞれのタイミングについてメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

売却が決定した時点ですぐに引き渡す

売却が決定した時点ですぐに引き渡す
買取店舗や自宅で売却を決めた時点で車を引き渡します。

車の引き渡し日をあらためて調整する手間が省ける点がメリットではありますが、一方で売却価格を比較できず、なおかつ複数業者の査定を受けるチャンスがなくなります。

車の査定価格は業者によってばらつきが大きく、車種や状態によっては売却価格に数百万円単位の差がつくケースも珍しくありません。

また、複数業者から査定を受けることで売却価格のおおよその相場が分かるため、査定価格の向上につながります。

別日に店舗側から回収しに来てもらう

別日に店舗側から回収しに来てもらう
売却契約を結んだ後、日をあらためて店舗スタッフに自宅まできてもらい、車を引き渡します。

店舗側とのスケジュール調整が必要な反面、複数業者による査定を受けたうえで引き渡し日を決められる点がメリットです。

ただし、買取店舗によっては自宅での引き渡しに対応していないところがあるため、事前の確認が必要です。

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後日に買取店まで渡しに行く

後日に買取店まで渡しに行く
売却を決めた後、自分で買取店舗まで車を持っていきます。

自宅での引き渡しとは異なり、店舗側とのスケジュール調整の必要がなく、納得したタイミングで車を引き渡せる点がメリットです。

車を売却する際、引き渡しのタイミングは自分で決められますか?
車の引き渡しのタイミングは自分で決められます。
スケジュールに余裕があれば売却を決めたとしても引き渡しまでの期間をできるだけ空けるのが重要です。
車は買取店舗によって査定価格が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることで適正な相場価格が把握できます。
また、新車の買い替えによる売却の場合、納車日に古い車を引き渡すのがスムーズです。納車日の前に古い車を引き渡すと手元に残らないため、通勤や休日のお出かけなど暮らしに支障が出てしまいます。
一方で、査定から引き渡しまでの期間が空きすぎるのは問題です。長い期間が空くと査定価格が大幅に下がってしまいます。
買取業者によっては再度査定を行うケースがあり、その場合も査定価格が低下してしまうため査定後はできるかぎり短い期間で引き渡しが行えるよう、スケジュールの調整が必要です。

売却契約から入金までの流れ

売却契約から入金までの流れ
売却契約の締結後、実際に売却価格が入金されるまでには大きく分けて5つのステップがあります。具体的な流れは以下のとおりです。

  1. 売却契約を結ぶ
  2. 提出書類の準備
  3. 引き渡し日のスケジュール調整
  4. 車の引き渡し
  5. 入金

ここからは、それぞれの注意点を解説していきます。

①売却契約を結ぶ

車の査定価格に納得したら売却契約を結びます。

原則として、売却契約を結ぶ前であれば複数の業者に査定依頼が可能です。また、売却契約を結んだ後でも書面による正式なサインが終わっていなければ任意のタイミングでキャンセルできます。

特に電話やメールのみによる口頭合意の場合、業者側に金銭的な損害が出ていなければ自己都合によるキャンセルが可能です。ただし、以下のケースでは契約後のキャンセルが認められません。

  • 書面によるサインが完了している
  • レッカー手配がすでに完了している
  • 車の買い手が決まっている
  • オークションに出品している

売却契約後の取り消しでは原則としてキャンセル料が発生します。また、契約の取り消しそのものを認めていない買取業者もあるため、契約のルールについては事前の確認が重要です。

最近では一定期間内で無償キャンセルを認めている買取業者が増えているため、ぎりぎりまで査定に時間をかけたい方にはおすすめです。

②提出書類の準備

売却契約に同意する意思を示した後は必要書類の提出に移ります。

普通自動車の売却に必要な書類は以下のとおりです。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車リサイクル券
  • 自動車税の納税証明書
  • 実印
  • 印鑑登録証明書
  • 委任状
  • 譲渡証明書

車検証や自賠責保険証明書は、万一紛失した場合でも再発行が可能です。

自動車リサイクル券は、廃車費用を負担済みであると証明するための書類で、原則として新車購入時に発行されます。紛失した場合、再発行は基本的に認められませんが、自動車リサイクルシステムのWebサイトから自動車リサイクル料の預託状況をプリントアウトすることで代用可能です。

納税証明書は、自動車税の納付書を使って支払いを済ませた後に手元に残る半券のことです。自治体の窓口やコンビニ、郵便局などで支払いが可能です。

また、クレジットカードをはじめとしたオンライン決済も可能なので、忙しい方でも確実に支払えるしくみが整っています。

なお、オンラインで納税した場合、手元に捺印のある納税証明書はありません。そのため、納税証明書が必要な場合は税事務所や自治体窓口などで申請しましょう。

委任状や譲渡証明書は、買取業者が用意するため準備する必要はありません。

③引き渡し日を相談

必要書類を提出し受理されたら具体的な引き渡しのスケジュールを業者と話し合います。

契約を結んだ時点で引き渡す場合は、その場で車が業者の車庫に移されるため、帰りの移動手段の確保が必要です。

売却契約から期間を空けて引き渡す場合は、日程と合わせて引き渡し場所についても決める必要があります。

平日日中に時間が取れない方や休日であればスケジュールを空けられる方には自宅での引き渡しがおすすめです。

一方で、スケジュールが流動的で業者側の都合に合わせられなかったり、自宅にあまり第三者を招きたくなかったりする方には店舗での引き渡しが便利です。

出張での引き渡しについては対応不可の買取業者もあるため、事前の確認をおすすめします。

④予定日に車を引き渡す

車を引き渡す際は、まず忘れ物に注意が必要です。万が一、車内に忘れ物が残っていても引き渡しまでに気づかなかった場合、クリーニングや整備の際に廃棄されてしまう可能性があります。

特に、車の中に重要な書類をしまっておく習慣がある人は、引き渡し日までに車内確認をしておきましょう。

引き渡し前にマナーとして洗車を行う人がいますが、基本的には必要ありません。中古車の洗車は基本的に買取業者の業務範囲であり、引き渡し前の洗車によって査定価格が上がる可能性もありません。

むしろ、洗車の過程で誤って車体に傷がついた場合、売却者の過失と見なされ、査定価格が下げられるリスクがあります。

⑤入金の確認

通常は車の引き渡しから2週間以内で売却金額が入金されます。事前の見積もりと実際の振込金額がずれていないか、必ず業者の提示金額と振込金額が一致しているかどうかを確かめましょう。

売却契約をしてから引き渡し日までに車に乗らないつもりですが、カーリースやレンタカーを手配したほうがいいでしょうか?
売却金額の締結から引き渡しまでの間に車に乗りすぎると傷や故障のリスクが高まり、査定価格が下がる可能性があります。査定価格の確定後も明らかな故意や過失による傷の場合は減額の理由に含まれるため注意が必要です。不必要なトラブルを避ける意味でも、売却契約を結んだ後はカーリースやレンタカーなどで代車を用意し、売却する車は駐車場で大切に保管しておくのが一般的です。

売却契約から引き渡しまでに気をつけること

売却契約から引き渡しまでに気をつけること
売却契約を結んだ後も安心はできません。引き渡し前の事故や傷によって査定価格が引き下げられる可能性があります。

ここからは、大切な愛車を安全に引き渡すために意識しておきたい注意点を解説します。

引き渡しの延期は減額の可能性がある

車の引き渡しを延期すると査定価格が減額される可能性があるため、避けたほうが無難です。

引き渡しを延期すると業者側にとってもスケジュールの再調整の手間がかかるため、複数回にわたる延期はあまり歓迎されません。

買取業者によっては売却契約から一定以上の期間が空いた場合、再査定によって価格を引き下げるところもあります。

また、引き渡しを延期するほど傷や故障のリスクが高まるため、できるかぎりスピーディな引き渡しが大切です。

売却が決まった車は極力乗らない

売却契約を結んだ車は極力乗らずに車庫や駐車場で大切に保管するのが基本です。

通勤などで乗ると傷や故障のリスクが高まり、査定価格が下がってしまうかもしれません。また、傷や汚れが目立たなかったとしても車は乗るだけで走行距離が増え劣化します。

売却後も車が必要な場合は、カーリースやレンタカーの利用がおすすめです。

車内に私物が残っていないかチェックしよう

車を売却する際、忘れ物を車内に残してしまう可能性があります。

一部の買取業者は忘れ物を保管し返却してくれる場合もありますが、気づかないまま次の販売先に車が運ばれたり、一定期間経過後に処分されたりするケースも珍しくありません。

車の引き渡し後に忘れ物に気づいた場合、すぐに連絡すれば保管してもらえる可能性があります。ただし、時間が経過すると返却が難しくなるため、引き渡し前の入念な確認が不可欠です。

特に、ワイヤレスイヤホンやETCカードなどは車内のわずかな隙間に入り込みやすいため、事前のチェックが欠かせません。

ガソリンは最低限の量で

売却時、車のガソリンが満タンでもエンプティーでも査定にはほとんど影響しません。

むしろ、ガソリンが満タンの場合は実車の販売時に安全上のリスクから売却しにくくなるため、買取業者から減らすように求められます。

車を売る際はガソリンの量に特別な注意を払う必要はありません。

引き渡し直前の車体を写真に収めておく

引き渡し前に車の外観や内装を写真に収めておくことで業者との後々のトラブルを防止できます。

一部の買取業者では、引き渡し後の過失によってついた傷を売却者本人の責任に含め、査定価格を不当に下げようとする場合があります。

もちろん、引き渡し後の車体の傷や故障は業者側の責任です。引き渡し前に車の状態を写真に残しておくことで、万一引き渡し後に傷がついたとしても責任の所在を明確化できます。

また、長く乗った愛車の想い出を大切にする意味でも記念撮影がおすすめです。

車を高額買取してもらうためのポイント

車を高額買取してもらうためのポイント
同じ車でも状態によっては査定価格が大きく変わります。

ここからは、車を高額買取してもらうためのポイントを詳しく解説していきます。

高値で売れる時期を狙う

車の売却では時期の見極めが重要です。中古車市場では高値が比較的つきやすい時期と相場が低い時期があります。

最も高く売れる時期は1~2月です。この時期は春からの新生活にそなえて中古車を買う人が増えるため、買取専門店や買取業者は需要の増加にそなえ、相場を多少引き上げてでも多くの中古車を買い取ろうとします。

また、7月や8月もボーナスで車を買う人が増えるため、売却には最適な時期です。

車の売却を避けるべき時期は4月や年末です。

4月に車を売ると翌年3月までの1年分の自動車税が課されます。所有していない車の自動車税を納めているのと同じであり、大きな損失になります。

また、年末はクリスマスや帰省などで出費が重なるため全体的に需要が落ち込むと考えられています。

点検整備記録簿を持参する

点検整備記録簿は車が定期的にメンテナンスされている証拠のため、査定時に持参することで査定価格のアップが期待できます。

また、メーカーの保証書も高額買取には効果的です。一般的な車の場合、購入から5年以内または走行距離10万kmまでなら保証対象の範囲に含まれます。

点検整備記録簿とメーカーの保証書を合わせて提示することで査定価格が引き上げられる可能性があるため、大切に保管しておくことがおすすめです。

洗車・車内クリーンニングを行う

車をきれいな状態で引き渡すことで好印象につながるだけでなく、査定価格のアップが期待できます。

特に車内の細かい汚れやホコリは見落としやすく、引き渡し当日に気づいて慌てるケースも珍しくありません。

汚れが極端にひどい場合は売却契約後であっても査定価格が減額される可能性があるため、事前の入念な車内クリーニングが大切です。

ただし、車体全体のクリーニングは基本的に買取業者の業務範囲のため、コストをかけてあえて洗車を済ませておく必要はありません。

純正パーツがあれば持っていく

メーカー限定の純正パーツが多く残っていると査定価格が引き上げられます。

特に、メーカー付属の純正オプションは原則として新車購入時のみ設置できるため、売却時の価値も高まります。

純正オプションの中でも「カーナビ」「ETC」「ドライブレコーダー」は、中古車市場でも需要が安定しているため査定価格アップの交渉材料として効果的です。

値段交渉する

ある程度の幅であれば査定価格について業者との交渉が可能です。交渉をしなければ相場より低い査定価格を提示されてしまう可能性もあります。

値段交渉の際は適正相場の把握が重要です。売る側が相応の知識を示すことで業者側も利益のバランスを見て相場を引き上げます。

場合によっては相場以上の査定価格を提示してもらえるかもしれません。

適正相場や市場の需給バランスなど、正しい知識を仕入れたうえでの値段交渉が得策です。

査定は複数社で受ける

車の売却では必ず複数の業者から見積りを取るのが基本です。

業者側も相見積りを通して競合意識が生まれ、より高い相場での査定価格を提示してくれる可能性があります。

そんな時に「一括査定サイト」を活用することで、全国100社以上の業者の見積りをワンタッチで比較できます。

車を売却する際、引き渡しを即日にしたほうが高値で売れますか?
車の売却では、査定から売却契約までにある程度の期間を置くのがベストです。売却契約までの期間に複数業者による相見積りを依頼し、売却価格の適正相場を把握できます。営業スタッフの中には査定価格の引き上げを条件に即日の引き渡しを勧めてくる場合もありますが、ほとんどは単なるリップサービスです。また、売却契約後であっても正式な署名捺印の前であれば無料で契約のキャンセルが可能なため、充分なリサーチに基づいた業者選びが重要です。

まとめ

①引き渡しのタイミングは自身の都合で融通が利く
②車の売却の流れに沿って必要な書類を前もって揃えよう
③引き渡し日までの運転は控えよう
④引き渡し日の延期やガソリン満タンは避けよう
⑤できればその場で引き渡しせずに、相見積りを取ったほうが高額買取を狙える

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