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車の買い替えなどで下取りに出そうと思っている方もいるかもしれません。
愛車のボディを見てみると「傷」や「へこみ」ができていたということも十分ありえることです。
そこで、この記事では車に傷やへこみがあるとどの程度査定額で減額されるのかについてまとめました。
また、傷やへこみがあった場合は修理に出すべきかどうかについても紹介しますので参考にしてください。
傷やへこみのある車を下取りに出す際の査定額への影響
もし車のボディに「傷」や「へこみ」が認められた場合、査定に何らかの影響が出る可能性が高いです。基本的には減点の対象になると考えておきましょう。
ただし、どの程度の減点になるかは、その状態によって変わります。ここでは減点の程度について詳しく見ていきます。
傷やへこみがあると基本減額の対象
傷やへこみのある車を下取りに出した場合、査定でマイナスに評価される可能性は高いです。これは中古車として販売する時に、買い手がつきにくいからです。
自分が中古車購入しようと思った時に、傷やへこみのない綺麗な状態の車を購入したいと思う方がほとんどでしょう。
傷やへこみのある車は、そのままでは販売できないかもしれません。しかし、修理した上で中古車として販売することは十分予想できます。そこで、その修理費用分は査定金額から差し引かれることになります。
このような事情で、傷やへこみのある車は減点の対象になりやすいわけです。
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薄い傷なら減点されない
傷やへこみといっても、いろいろな状態のものがあります。
もし本当に薄い傷であれば、ほとんど減点されないと考えていいでしょう。目安としては「1cm未満」程度の傷と考えてください。
手で触った時に爪が引っかからない程度の傷であれば、減点されない、されたとしてもほとんど減額されないことが多いです。
へこみについてはどんなに小さなものでも減点対象になる可能性が高いです。基本的に10点の減点となるでしょう。
査定の世界では「1点=1,000円」と評価されるため、10点の場合は10,000円分マイナスとなります。
因みに「カードサイズ程度のへこみ=10,000円マイナス」と考えると分かりやすいです。
1cm以上だと減点の対象
1cm以上の傷の場合は減点対象になりますが、塗装することで修理できるような傷であれば、作業もそれほど大変ではないため、それほど大きな減点にはならないでしょう。
ただし、大きさによってどの程度減点されるかが変わってきます。
まず、カードサイズ以下の傷であれば、乗用車の場合10,000円程度のマイナスです。
もう少し大きな傷でA4サイズ程度までなら10,000~20,000円程度のマイナスとなります。
それ以上の広範囲な傷の場合は15,000~40,000円程度マイナスされるかもしれません。
ただし、これはあくまでも目安です。最終的には査定士が傷の状態を見て判断することになります。
板金が必要だと大きな減額の可能性
傷やへこみの程度がひどくなると、減点も大きくなります。再塗装だけでは対処できずに板金修理が必要なものになるとかなり査定額はマイナスとなるでしょう。
A4サイズ以下のひどい傷やへこみの場合、10,000円程度のマイナスになります。
A4サイズ以上の広範囲にわたる大きな傷になると15,000~50,000円程度のマイナスは覚悟してください。
広範囲にわたるひどいダメージを受けている車の場合、マイナス査定の影響は大きくなります。例えば、パネル全体の半分以上修理しなければならなければ、20,000~80,000円程度マイナスになると考えておきましょう。
ただし、どこに傷やへこみがあるかで、減点の程度も変わってきます。例えばルーフに大きな傷がある場合には、80,000円程度のマイナスは避けられません。
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交換が必要なへこみは減額も大きい
へこみでひどいものになると、板金修理だけでは完璧に直せない場合も出てくる可能性があります。パネルの半分以上が大きくへこんでいる場合、交換しなければなりません。この場合、かなり大きな減点になります。
減点の程度は、どこの箇所に目立つ大きなへこみがあるかによって変わってきます。
比較的減点の程度の低いところは、フロントフェンダーやボンネットです。フロントフェンダーであれば65,000円、ボンネットは70,000円程度のマイナスが目安になります。
一方、減点が大きい箇所としてリヤフェンダーがあります。目安とされるのは4ドアの場合130,000円、2ドアで150,000円程度です。
交換などの大掛かりな作業が伴う修理が必要な車は、かなり下取価格が安くなるでしょう。
傷やへこみは修理すべき?
傷やへこみがある場合、マイナス査定の対象になることが多いです。
このように言われると「下取りに出す前に傷やへこみを修理したほうがいいのでは?」と思うかもしれません。
ここではマイナス査定を避けるために修理をしたほうがいいのかについて見ていきます。
結論から言うと「自分で修理できる程度であればやったほうがいい」「工場に出すぐらいならやらなくていい」ということです。
軽微な傷の場合、自分で修理できるかもしれません。
カー用品店に行くとコンパウント剤や塗料などが販売されています。これらを使って車のメンテナンスを行えば、傷が綺麗に消える可能性はあります。
自分で修理するので工賃もゼロの上、修理費用もそんなにかからないでしょう。これなら修理のコストよりも修理したことによるプラス査定のほうが大きくなります。結果的に、修理したほうがお得です。
ただし、自分で修理する場合は逆にうまくいかずに失敗する可能性もあります。うまく修理できなければ減点対象になりうるので、自己責任のもとで実施してください。
大きな傷になってくると、自分で対処するのは難しいので、整備工場などに出して修理をお願いすることになるでしょう。
プロが修理してくれるので、綺麗に傷やへこみも直るはずです。しかし、整備工場に出すとなると「修理費用」が発生します。
傷を直したことによるプラス査定と修理費用を比較した場合、修理費用のほうが大きくなってしまう可能性が高いです。整備工場に出した場合、出ていくお金のほうが大きくなり、結局損してしまいます。
自分で対処できないような傷やへこみの場合、修理に出さずにそのまま査定を受けたほうがいいでしょう。
ディーラーは自前の整備工場を持っていることが多いです。安く修理できるので、こちらで修理に出してもそこまで査定面で高く評価してくれません。
修復歴車と下取りの関係
傷やへこみの減点には、大きな差があります。最も大きく減点されるのは「修復歴車」です。
「修復歴車」という言葉を聞いたことがない方もいるでしょう。
そこで、ここからは修復歴車とは何か、下取価格を決める上でどう関係してくるのかについて詳しく見ていきます。
修復歴車とは、車の骨格部分の修理や交換をした車両のことです。
車の骨格部分とは、車体の8カ所を指します。具体的には、以下の8カ所です。
①フレーム
②クロスメンバー
③インサイドパネル
④ピラー
⑤ダッシュパネル
⑥ルーフパネル
⑦ルームフロアパネル
⑧トランクフロアパネル
「修復歴車」と「事故車」を混同している方もいるかもしれません。事故車と修復歴車は被るところもありますが、厳密にいうと異なります。
事故車は文字通り、交通事故を起こした車のことです。事故車の中には、上で紹介した8カ所に手を加えていないものもあります。この場合、修復歴車としては扱われません。
例えば、カードレールや塀などに軽くぶつけた場合、骨格部分には何のダメージのないケースも多いでしょう。事故車だからといって、一概に大きな減点対象になるというわけではありません。
修復歴車と判断された場合、大幅に下取価格は減額されます。同じ車種で修復歴なしの車の下取価格と比較して、15~50%程度の減額は覚悟しておいたほうがいいでしょう。
減額の幅は、車両価格から一定のパーセンテージで減額されることが多いです。つまり、高値査定の出る高級車であればあるほど、その減額幅も大きくなります。
例えば、買取価格が200万円の高級車だったと仮定します。修復歴があると、30~100万円程度減額される恐れがあるわけです。
軽自動車の場合、もともと新車がリーズナブルなので下取価格はあまり高くありません。しかしそれでも10,000~30,000円前後減額される可能性が高いです。
修復歴車が大きな減額の対象になるのは、骨格部分に手を加えているからです。この場合、見た目はきちんと修理されていても走行性能に問題が生じる危険性があります。
中には修復歴車だと下取価格が出ないので、黙っていようと考える方もいるでしょう。しかし、査定士が見れば、骨格の修理をした痕跡が残っているので、かなりの確率でバレてしまいます。
万が一バレずに下取りに出せたとしても、後々修復歴車であると発覚した場合大きな問題に発展しかねません。下取価格を返還するように求められる可能性もあります。
そして、次のオーナーが修復歴車に乗って、それが原因でトラブルに巻き込まれたら、賠償問題も起こりえます。
修復歴車なら、その旨を査定の段階で伝えておきましょう。
傷やへこみのある車を少しでも高く下取りに出す方法
傷やへこみがあると、その分マイナス査定になることは前述しました。しかし、それでも少しでいいから高値で下取りに出したいと思うでしょう。
実は傷やへこみ以外でもプラス査定になる箇所があるため、自分でリカバリーできるかもしれません。
そこで、ここからは傷のある車でも下取価格を高くするコツを4つ紹介します。
車内を綺麗に掃除しておくことで、査定士の印象が良くなり、査定がプラスに影響する可能性があります。綺麗な車を見れば「大事に扱われていた車に違いない」と査定士が判断するからです。
車を綺麗にするのは、洗車だけではありません。内装もきれいに掃除することで、さらに査定士に好印象を与えられます。
長年使っていた車ほど内装も結構汚れているものです。掃除機だけでなく、車用のクリーナーや汚れをふき取るシートなども売られているので、下取りに出す前に掃除しておきましょう。
意外に重要なポイントとして、車内の「臭い」が挙げられます。自分では気付かないかもしれませんが、他人は結構気になるものです。
消臭剤などを使って、臭い対策をした上で下取りに出すと査定額が多少アップするかもしれません。
車を購入するにあたって、メーカーオプションやディーラーオプションをつけている車もあります。
最近では各メーカーやディーラーとも、いろいろなオプションを用意している傾向が見られます。
もしオプションをつけているのであれば、査定の時にアピールしたほうがいいでしょう。その部分をプラスに評価してくれて、多少査定額がアップするかもしれません。
純正オプションは後々取り付けることができないので、下取りで高く評価される傾向にあります。
ただし、社外品のパーツを取り付けているのであれば、話は別です。カスタムカーは好き嫌いが分かれるので、むしろマイナス評価の対象になりえます。
車を購入した際、一緒に販売店から渡されているものがあります。それは「取扱説明書」「保証書」「車のスペアキー」などです。
このような付属品は無くさずに、きちんと保管しておきましょう。同じ車両でも付属品が揃っているかどうかで、査定額が変わってきます。
特に無くさずに保管してほしいのが「定期点検整備記録簿」です。これは、これまで車にどのような点検や整備が施されているか記録された書類で、私たち人間にとってのカルテのようなものです。
修理の痕跡を悟られまいとして、定期点検整備記録簿を破棄しようとする方も中にはいますが、記録簿がなければ、減点の対象になるので、破棄しても意味はありません。
下取価格は年間通じて変動します。そこで高値にしてもらいやすいタイミングを見計らって、下取りに出すのも一つの方法です。
一般的に下取価格が高くなるのは「2~3月」と言われています。3月の決算期に向けて、車のニーズが高まるからです。
また、決算月は少しでも業績を良くしようとして、各ディーラーでいろいろなセールを実施しています。そのため、少しでも車を売りたいと思い下取価格を高くするお店も少なくありません。
もし2~3月が近づいているのであれば、もう少し待ってから下取りに出すといいでしょう。
傷やへこみのある車を買取に出す際の注意点
傷やへこみのある車を下取りに出す際に、いくつか注意すべきポイントがあります。
どのようなことに注意すればいいのか、ここで見ていきましょう。
新車を購入する場合、車種によっては納車までに多少時間がかかることも十分考えられます。
納車までに期間がある場合、しばらく下取りに出す車に乗り続けないといけないでしょう。その間に事故に遭遇したり、どこかにぶつけてたりして新たに傷やへこみができてしまうかもしれません。
この場合、当初の査定額からさらに減額される恐れがあります。軽微な傷であれば、当初の下取価格が適用されるかもしれません。
しかし、大きな傷やへこみ、特に板金修理が必要なものだと100,000円単位でさらに減額される恐れがあります。
傷をつけてしまったのであれば、引き渡しの際に正直に報告しましょう。後々発覚すると、差額を請求される可能性があります。
仕事などで運転する機会の多い方は、いくら自分が注意して運転していても、「他からぶつけられた…」などで、傷やへこみができることも考えられます。
もし心配であれば、ディーラーに相談してみるといいでしょう。ディーラーによっては納車されるまでの間、代車を用意してくれることもあります。
代車を運転して、下取価格を下げないようにするのも一つの方法です。
下取りに出す場合、ディーラーのほうで見積書を作成してくれます。金額のほうに目が行きがちですが、その内容についてもしっかり確認しましょう。
特に注意してほしいのは、下取価格とリサイクル料金が別々になっているかです。
リサイクル料金は、廃車にする際のリサイクル料を保有者が負担する費用です。車を下取りに出すということは、基本廃車にせずに次のオーナーに販売することが前提になります。そのため、リサイクル料金は下取りに出した人に本来返還されないといけません。
しかし、一部のディーラーは下取価格にリサイクル料金を含めている場合があります。この場合、リサイクル料金はきちんと反映されているか確認する必要があります。