車を売りたいので査定をしてほしいと思ったとき、どのくらい時間がかかるか気になるという方は、多いかもしれません。
なかには「10分査定」など短時間査定を売りにしている車買取業者もあります。しかし、車買取まで本当に10分で完了するわけではないため注意しましょう。
査定時間が気になる方は、車買取の流れと時間を確認しておくと安心です。とくに時間がかかりやすい部分を把握しておけば、スケジュール管理がしやすくなります。
また、査定の時間を短縮するコツも合わせて、参考にしてみてください。事前の情報収集を利用しながら、スピーディな取引を心がける方法を紹介します。
車買取の流れとかかる時間について
業者を決めるところから、お金が振り込まれるまでの流れを紹介します。それぞれでかかる時間を把握しながら、全工程のスケジュールを立てるといいでしょう。
紹介する項目のなかには、人によって不要なものもあります。書類の再発行が不要な場合は、飛ばして読んでください。
どの業者に依頼すべきか、迷ってしまうという方もいるかもしれません。しかし、全工程の日程を考えると、依頼する業者は10~20分くらいの短時間で選びたいものです。
業者選びのポイントは、自分が満足できる査定額を提示してくれるかが重要でしょう。ただし、査定額が高くても減額の可能性がある業者だと、意味がありません。
査定金額だけで決めるのではなく、「スピーディに対応してくれるか」「出張買取に対応しているか」「担当者の対応はどうなのか」など、総合的に判断してください。業者選びで迷ったら、ネットの口コミも参考になります。
担当者による査定の前に、前商談があります。
前商談は、車の状況を聞くヒアリングのことです。事前の聞き取りは、10分ぐらいかかる業者が多いです。
電話で車買取を依頼する際にいろいろな情報を聞かれることもあるため、車検証など車の情報がわかる書類を準備してください。また、ネットでの申込なら、車の情報を入力して送信できます。
聞かれる内容は業者によって多少異なりますが、車種・型式・走行距離・修理(修復)歴・オプションなどです。
査定の前に、必要書類を準備しておくと取引がスムーズです。書類によっては準備に1週間くらいかかるものもあるため、事前に用意することをおすすめします。
書類は、普通自動車と軽自動車で以下の書類が共通しています。
- 自動車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車リサイクル券
- 振込先の銀行口座番号(契約をする場合のみ)
- 納税証明書
また、普通自動車の場合は、車買取に「印鑑登録証明書」と「実印」が必要です。譲渡証明書と委任状は業者が用意してくれることが多いでしょう。
軽自動車の印鑑は認め印で構いません。(シャチハタは不可)自動車検査証記入申込書は、業者が用意してくれる場合が多いです。
一般的に、車検証と呼ばれる書類で、車検を通している証明になります。車内に車検証があれば、この項目は飛ばして構いません。
書類がなければ、管轄の運輸局に再発行の手続きをします。即日発行が可能ですが、半日くらいかかる場合があるため時間に余裕をもって申請してください。
自賠責保険の証券が手元にあるなら、この項目は飛ばして構いません。
車検を取る際に保険を支払っているため、車検証と自賠責保険の証券は一緒に保管をしていることが多いです。
書類を紛失していた場合、保険会社に再発行の連絡をします。再発行は、1週間くらいをみておきましょう。
依頼してから即日で発行されることは少ないため、余裕をもって手続きをしておくと安心です。
印鑑登録証明書は、お住まいの市区町村の役所に行くと、即日で発行してもらえます。また、マイナンバーカードを持っていれば、コンビニ交付での即日発行が可能です。
地域によっては、窓口が混み合うところがあります。混雑防止のため、各特別出張所が近くにないか確認してみましょう。
ただし、実印の変更をしたい場合は、再度登録の手続きが必要です。登録してからの書類発行では、通常より時間がかかる場合があるため注意してください。
査定後の価格交渉にかかる時間は、人によって大きく変わります。金額に満足すれば10分程度、時間がかかる場合は20~30分くらいです。
パソコンで相場を調べられるため、短時間で査定金額を出すことができます。ただし、満足いく査定金額でなければ交渉が必要になるため、時間に余裕をもっておきましょう。
価格交渉に時間をかけたくないときは、「予定がある」と伝えておくと長引きづらくなります。
査定金額に満足したら、その場で契約手続きができます。
業者から委任状・譲渡証明書を渡されたら、必要事項を記入し提出してください。トラブルを防ぐため、契約前に「売買契約書」の内容によく目を通しましょう。
書類の記入自体は数分~10分程度ですが、契約書を読む時間を想定して、30分くらいをみておくと安心です。
売り手が用意する書類が揃っていない場合は、後日まとめて書類を渡すことができます。もちろん、書類が揃っていてもその日に契約する必要はないため、よく考えたいなら後日の契約でも構いません。
お金が振り込まれるのは、契約や必要書類と車を渡してからです。現金での支払いのところでは、書類や車を渡したらすぐ現金を受け取れるところもあります。
銀行振込の場合は、早くて2営業日くらい、遅くても1週間程度です。振り込みの期間は業者によっても異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
車を引き渡してから、2日~1週間の間に査定額が振り込まれているか確認してください。振り込みがなければ、担当者に連絡しなければなりません。
車買取サービスの査定にかかる時間はどのくらい?
続いて、査定にかかる時間について紹介します。査定は担当者と直接会うため、スケジュール調節が必要です。
また、査定を依頼してすぐに担当者が来るわけではないため、依頼から査定までの期間も確認しておきましょう。
査定全体にかかる時間の目安は、30分~1時間程度です。なかには「10分査定」など短時間の査定を売りにしている業者もありますが、その時間は車の状態をチェックする工程のみを示しているため、注意してください。
査定には、車の状態をチェックする工程、価格交渉が含まれています。あくまでも、査定10分とは、査定金額を出す時間のことです。
時間がかかりやすいのは、事故車や修理歴がある車の場合です。担当者にその旨を伝えれば、慎重に状態をチェックするため時間がかかるかもしれません。
とくに車に不具合がないときや、価格交渉がスムーズなら、査定全体は30分で終わらせることもあります。どのくらいの時間がかかるかは、業者の査定基準によっても変わります。
業者の混雑状況によって、査定依頼から査定までは即日~1週間くらいです。電話やホームページでお問い合わせしてから即日で来てくれる業者もあれば、混み合っており予約が必要な業者もあります。
すぐに車買取をしてほしい場合は、数社に問い合わせるといいでしょう。スタッフを多く抱えている業者なら、即日対応可能な場合があります。
ホームページなどで「即日買取」を謳う業者なら、スピーディな対応をしてくれるかもしれません。車買取を急いでいる場合は、業者の情報から比較してみてください。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!
【パーツ別】車買取サービスの査定にかかる時間
査定では、車の状態をチェックする作業があります。パーツ別にかかる時間が異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
時間がかかりやすいのは、外装や内装です。足回りやエンジンは、見た目だけで判断できない部分のため、査定で時間をかけることはあまりありません。
状態の確認に時間をかけやすいのは、外装部分です。査定では、ボディやバンパーなどに傷はないか、へこみがないかをチェックします。
洗車や飛び石による細かい傷は、防ぎきれないため、あまり査定額に影響はありません。問題となるのは、車をぶつけた、物がぶつかった傷やへこみです。
もし問題がみつかれば、損傷の大きさまで詳細にチェックするため、査定に時間がかかります。また、ボディ全体の色あせもチェックされています。
外装の次に時間がかかりやすいのは、内装です。査定では、シートの汚れやニオイがチェックされています。
汚れがひどく清掃で除去できない場合は、シートの張替が必要で減点要素です。また、タバコ・ペットのニオイがシートに染みついている場合も、評価が下がりやすくなります。
喫煙車の場合は、タバコのヤニ汚れがダッシュボード・壁・天井などに付着していることがあります。小さいお子さんを乗せていたり車内で飲食をよくしたりする場合はシートが汚れていることもありますので、事前にきれいにしておきましょう。
査定では、足回りのチェックにそれほど時間をかけません。錆があるかなど、簡単にチェックする程度です。
足回りの状態を詳細にチェックするには、リフトアップが必要です。査定ではリフトアップはできないので、目視だけで確認しています。
基本的に、足回りは売り手の申告を信用して、短時間で済ませるケースが多くなっています。車の所有者も確認が難しい箇所のため、適切にメンテナンスされていれば問題ないと判断されるでしょう。
査定では、エンジンをかけて異音がないかチェックします。あまり時間をかけないことが多く、短時間で済むことがほとんどです。
また、エンジンルームにオイル漏れがないか、簡単にチェックされます。足回り同様に、売り手の申告をベースにしており、適切なメンテナンスをしていれば問題ないと判断されます。
詳細な不具合の発見は、整備工場でチェックしないとわかりづらいでしょう。売主本人もトラブルを把握しづらい部分のため、査定では簡単にチェックする程度です。
なぜ短時間での査定が可能なの?
査定金額が出るまで、最短で10分でも可能です。それは、中古車オークションの相場情報を参考にしているからです。
同じ車種、走行距離、年式など基本情報がわかれば、すぐに査定金額が出せます。中古車オークション情報は、どの業者でも共通でやり取りできます。
査定金額の相場がわかったら、あとは査定する車ごとの状態を照らし合わせて、加点や減点していくだけです。外装や内装の状態から、足回りとエンジンなどを考慮して査定額が決まります。
人気の車種やグレードで需要が高いなら、プラス要素になるでしょう。オプションがついていることで、査定額がアップすることもあります。
短時間での査定で不安かもしれませんが、多くの買取業者でも中古車オークションを参考にしており、基準は大きく変わりません。ただし、業者によっては査定担当者は金額を決める決定権がなく、本社とのやり取りで時間がかかるケースがあります。
車買取の査定にかかる時間を節約するコツ
査定時間が気になる方のなかには、できるだけ時間をかけたくない場合があるでしょう。時間を節約したい方が知っておきたいポイントをいくつか紹介します。
価格交渉をスムーズにするコツや、時間短縮になるポイントを活用してみてください。
30分~1時間ほどの査定内で時間がかかりやすいのは、価格交渉です。時間をかけて交渉することもできるため、人によっては1時間以上かかるかもしれません。
業者による査定金額の提示自体は、パソコンを使って相場を調べるため、10分程度でしょう。その後の価格交渉は、売り手次第で時間短縮ができます。
ただし、買取業者としても安く買った方がいいため、相場より低い査定額となるかもしれません。ここで納得せず価格交渉をするなら、スムーズな取引を心がけてください。
よくあるセールストークに、「今すぐ決めてくれれば、この価格で買い取ります」というものがあります。即決すれば条件の良い査定額となると錯覚しがちですが、実はまだ交渉の余地は残されています。
最初に提示された金額は、相場より低いケースが少なくありません。即決するとお得だと錯覚しやすく注意が必要です。
売り手の判断時間が短ければ比較が難しく、業者のペースに乗せられやすいでしょう。自分が主導権を握るくらいの気持ちで、最初の金額では引き下がらない対応を示してください。
複数社に査定を依頼していると、他社の査定額を交渉に使いがちです。しかし、他社の金額を伝えると、少し上乗せした金額で納得できるよう強引に交渉を進められるかもしれません。
他社の価格を参考に、相手に決めさせるのではなく、担当の業者がいくら出せるかの金額を引き出しましょう。相手に他社の金額を聞かれても答えず、「いくら出せますか?」と聞けば、その業者の基準がわかります。
自分の希望買取価格も、相手には伝えないようにしましょう。他社の金額を伝えない理由と同様に、相手に主導権を握らせてしまうからです。
希望額を伝えると、それ以上の価格は期待できません。自分から査定額に制限を設けるようなものです。
金額を聞かれたら「1円でも高く」の回答を心がけてください。重要なのは自分の希望額ではなく、対応する業者がいくらまで出せるかです。
待ち時間を減らすため、車買取は出張査定がおすすめです。査定は予約した日時に行えるため、忙しい方でも短時間で対応しやすいでしょう。
お店に行って査定してもらう方法だと、お店の混雑状況に左右されてしまいます。出張査定なら、約束の時間に担当者が来てくれるため、時間のロスを防ぐことができます。
また、車買取業者によっては、自宅以外の場所でも出張査定してくれる場合があるため便利です。例えば、仕事がある日に職場まで来てもらうこともできます。
週末は査定を依頼したい人が増えやすいため、査定に時間がかかる恐れがあります。出張査定で日時を指定して後日に来てもらう場合でも、予約がいっぱいかもしれません。
また、問い合わせした当日の査定を希望する場合は、週末だと待ち時間が長くなってしまうでしょう。連絡してもすぐに担当者が来てくれるとは限らない点に注意してください。
待ち時間を減らしたいなら、空いている日時を直接聞くのが一番です。空いている時間帯があれば、予約をすることで査定がスムーズになります。
季節ごとで混み合いやすいのは、冬から春(具体的には2月、3月)にかけてです。新生活で車を売却したい人が増えやすいという点と決算期ということで車の売買が活発になるため、査定の予約がいっぱいの場合があります。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!