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車を手放す際、少しでも高値で売りたいと考えるものです。しかし、そのためには車が高く売れる「売り時」を知っておく必要があります。

そこで今回は、車が高く売れる時期や、意識すべきタイミングについてまとめてみました。

車の売り時を決める判断材料としてぜひ参考にしてみてください。

車は「時期」で価格が変わるって本当?

結論から言うと、車は売る時期によってその買取価格が上下します。しかも、車は商品としての価値が高いため、時期の違いによる買取価格差も大きいのが特徴です。

世の中にある商品は、需要と供給のバランスで取引価格が変動します。そして、一般的に欲しい人がたくさんいれば、その商品の価格は上がります。

この時、生鮮食品や日用品であれば、生産量を一時的に増やすことで需要とのバランスを取り、価格をある程度調整できます。しかし、中古車は「一点もの」のため、供給を販売店の意図だけでは増やせません。

そのため、販売店は需要に応えるために幅広いジャンルの車を揃える必要があります。結果、販売店は相場を上げてでも、ユーザーから車を何とか買い取ろうと躍起になるわけです。

車は早春の1~3月中旬までが一番高く売れる!

車は早春の1~3月中旬までが一番高く売れる!
1年を通して車の需要が最も増え、一番高く車を売れるのが1月中旬から3月中旬までの時期です。

その理由は、春の就職・就学・転職・転勤シーズンに備えて車を購入しようと考えるユーザーが増えるからです。

また、この時期は新成人や新社会人などといった若い世代の需要が高い傾向にあります。そのため、新車に比べてリーズナブルで「新米ドライバー向き」と言える中古車の売れ行きが1年を通して最も多い、中古車販売店にとっての繁忙期でもあります。

車は夏・冬のボーナス後(7月・12月)も比較的高く売れる

車は夏・冬のボーナス後(7月・12月)も比較的高く売れる
早春ほどではありませんが、夏・冬のボーナス後(7月・12月)も車が高く売れる時期です。

その理由は、買い手であるユーザーの「お財布事情」が大きく関係しています。車は、新車にしろ中古車にしろ、大きな出費を伴う買い物です。そのため、多くの方にとって1年を通し最も大きな収入である、ボーナスが支給された後に購入意思が高まります。

ただし、年末で何かと出費の多い12月はおのずと購入意欲が低下するため「避けたほうがいい」という意見もあります。しかし、年内に買い替えを終えると、年式が1年得をするというメリットもあるため、車を売る時期としては候補に入れておいてもいいでしょう。

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反対に4月・10月は車を売るのを極力避けるべき

反対に4月・10月は車を売るのを極力避けるべき
反対に、高く売れやすい時期の直後、具体的には4月・10月は車の買取価格はガクンと下がってしまいます。そのため、この時期に車を売るのは極力避けたほうがいいでしょう。

早春、そしてボーナス時期の繁忙期を終えると、中古車業者はラインナップを充実させるため、やや無理をして揃えた在庫車の販売に専念します。その結果、全く同じ程度の車であったとしても、買取相場が下がってしまうのです。

特に、4月は車の買取価格の下落幅が大きいので、可能であれば予定を前倒ししてでも、3月中旬までに売り切ってしまったほうが良いでしょう。

車を賢く売りたいなら「売るタイミング」も重要!

前項で述べた通り、車には高く売れる時期がありますが、車を売るのに適した「タイミング」もあります。

高く売れる時期というのは、需要と供給のバランスで左右されるのに対し、タイミングは車の状態や車業界のトレンドによって変化します。

時期を合わせてもタイミングを誤ってしまうと、何かと不都合が発生します。車を高く賢く売りたいのであれば、売る時期とともにタイミングも意識して、ベストな「売り時」を決めましょう。

ここからは、車の売り時として意識すべきタイミングを3つ紹介します。

車の売り時として意識すべきタイミング①車検の残り期限

車の売り時として意識すべきタイミング①車検の残り期限
車を維持していく上で、最も大きな出費を伴うのが車検です。そのため、車検の残り期限が切れるタイミングで、車を売ろうと考える方も多いです。

ベストなタイミングは車検の残り期限が切れてしまう1~2ヶ月前とされています。それだけ期間が残っていれば、売却先の選定に手間取っても間に合うでしょう。

また、支払った重量税や自賠責保険料も無駄になりません。

車検切れの車はマイナス査定の対象に

「せっかく車検を通したのだから、車を売るのは車検が切れるギリギリまで粘りたい」というのがユーザーの心理でしょう。

しかし、車検切れになってから売ってしまうと、買取査定でマイナス評価される可能性があるため注意が必要です。

車検切れになった車は公道を走行できないため、一般ユーザーは自分で買取店へ車を持ち込めません。車検が切れたとしても、出張査定などもあるため買取自体は可能ですが、業者によっては車を引き取るにあたり車載車両を用意するなど手間がかかるため、その手数料分をマイナス査定されることもあります。

車検を受けた直後に車を売ると損をすることが多い

車検の残り期限が半年・1年と長く残っていれば、その分買取査定額がプラスされることもあります。

しかし、車検が残っている車を買い取ったとしても、すぐに売れなければ在庫中に車検の残り期限はどんどん短くなります。そのため、プラスされる金額は微々たるもので、日本自動車査定協会が規定している基準では最高3,000円程度です。

つまり、車を売る前にわざわざ車検を受けても余計な費用と手間がかかるだけで、ほとんどの場合損をすることになるでしょう。

車の売り時として意識すべきタイミング②年式と走行距離

車の売り時として意識すべきタイミング②年式と走行距離
次に意識すべきなのが、年式と走行距離です。

車は10年・10万kmを超えると、ガクンと買取相場が下がってしまうため、近づいているようならその前に売り切ってしまうことをおすすめします。

月数はそこまでこだわる必要はありませんが、年をまたぐと年式が1つ古くなってしまうため、それだけは意識しておきましょう。

また、走行距離は買い取った業者が転売する際、セールスポイントとして「〇万km以下」と言えるかどうかが重要です。極端な例ですが、50,001kmの車より、49,999kmの車のほうが高く売れる傾向にあるので、普段からマメに走行距離をチェックしておきましょう。

車を売る時は年式と税金との関係もチェックしよう!

車を売る際、年式と毎年支払う税金との関係も事前に確認しておきましょう。

車は年式によって税額が変わるため、それに合わせて買取査定額も少なからず上下します。

まず、自動車税(軽自動車税も)は新規登録から13年を超えると高くなるため、その前に売ったほうが高く売れる可能性は上がります。また、車検のたびに支払う重量税も新車登録から13年経過すると高くなります。

以上のことから、初回から数えて5回目の車検(通常11年目に受け、13年目に期限を迎える)が残っているうちに売り抜いてしまうのがベストでしょう。

低年式・過走行気味の車でも高く売れる可能性アリ!

前述した通り、10年・10万kmを超えた車の買取相場はガクンと下がります。しかし、それでもその車の状態が急激に悪くなるわけではありません。

特に、最近の車はタイミングベルトからタイミングチェーンに変わっているため、10年・10万kmを大きく超えていても整備次第で十分売り物になります。

低年式・過走行気味の車になると、買取価格が付かず廃車になってしまうと思っている方もいるかもしれません。しかし、しっかり相見積もりを取れば、高く買い取ってくれる業者が見つかることもあります。

車の売り時として意識すべきタイミング③新型へのモデルチェンジ前

車の売り時として意識すべきタイミング③新型へのモデルチェンジ前
車種によっては、時期的な要素より大きく買取価格に影響しかねないのが新型へのモデルチェンジです。

モデルチェンジには「1~2年に一度のマイナーチェンジ」と「4~6年に一度のフルモデルチェンジ」があります。その中でも買取価格に影響が大きいのはフルモデルチェンジです。

そのため、売却予定の車が現行型モデルであれば、先代モデルになる前に、先代モデルであれば先々代のモデルになる前に売り切ったほうが、高く売れる可能性があります。

ただし、モデルチェンジ直前になると、先代モデルの買取価格がかえって下がることもあります。そのため、発売の数ヶ月前に行われるメーカーの正式発表前から、売却先探しを始めたほうが良いでしょう。

モデルチェンジのタイミングを見極める秘訣

車がフルモデルチェンジされる前に売却するべきと前述しましたが、タイミングを正確に見極めるのは至難の業です。

そこで、メーカーが情報を小出しにするモデルチェンジのタイミングを見極める方法を紹介します。

1つ目は、愛車の歴史を良く知ることです。車のモデルチェンジは、代々同じタイミングで実施されることが多いです。先々代から先代へのスパンと同じ年数が経過していたら、「そろそろかな…。」とアンテナを立てておきましょう。

2つ目は、現行モデルの中古販売相場をチェックすることです。もし中古販売相場が下がり始めていたら、モデルチェンジのうわさが業界内では既に出回っている可能性もあります。

競合車のモデルチェンジも影響する?

買取相場に影響を与えるのは、売りたい車のモデルチェンジだけではありません。競合他社の同モデル車のモデルチェンジも、買取相場に大きく影響を及ぼすことがあります。

例えば、N-BOXとタントのように、購入層が共通する車種が存在する場合、ライバル車種がモデルチェンジすると、そちらに市場興味とユーザーが流れ、買取相場が下落することもあります。

ただし、売りたい車のモデルチェンジよりは買取相場に影響が出るスピードがやや鈍いため、若干ながら買取業者を吟味する時間はあるでしょう。

車種やタイプによっても高く売れるタイミングは変わるのか

「車種とタイプ」によってもタイミングは変わるのか
車には、軽自動車やコンパクトカーからミニバンやセダン、スポーツカーまで数多くの車種やタイプが存在します。

この「車種とタイプ」によっても、高く売れるタイミングは変化します。

例えば、通勤・通学の足にうってつけで、新卒者やその土地に不慣れな転勤族でも扱いやすい軽自動車やコンパクトカーは、1~3月に需要が集中するため、そこが高く売るベストタイミングです。

また、多人数が一気に移動するのに適したワンボックス・ミニバンは、行楽シーズン前が売り時です。

一方、スポーツカーや高級車、輸入車などの趣向性が高い車は、あまり車種・タイプによるタイミングが変わらない傾向にあります。

なお、為替が円安だと中古車の海外輸出で大きな利益が望めるため、車種とタイプ問わず、円高よりは若干買取相場が上がってくるようです。

車を売るなら「時期」と「タイミング」のどちらを優先すべき?

車を売るなら「時期」と「タイミング」のどちらを優先すべき?
車を売るベストな「時期」と「タイミング」が、運よく揃えば言うことはありませんが、そううまくはいかないものです。

例えば、「車検がもうすぐ切れてしまうタイミングで、モデルチェンジのうわさを聞き、新型モデルに乗り換えたくなったが、10月なのでちょっと時期が悪い…。」というケースも十分あり得ます。

このようなケースに陥った場合、車の売り時を決めるにあたって、「時期」と「タイミング」のどちらを優先させるのが、正しい選択になるのでしょう?

車を売る「時期」は調整できるけど、「タイミング」を決める要素の調整は難しい…

車を売る「時期」と「タイミング」のどちらを優先させればいいかというと、どちらのほうが調整しやすいか、にかかっています。

車を売る「時期」は、自分の意志ひとつで延期や前倒しも可能なので、多少なら調整できます。

一方、「タイミング」はなかなかそうもいかず…「走行距離」こそ乗り方でわずかに調整できますが、「年式」「車種とタイプ」「車検」を受けるタイミングは購入した時に決まります。また、「モデルチェンジ」は自動車メーカーの判断次第ですから、これらはユーザーの意志で調整することがほぼできません。

そのため、車を売る「時期」と「タイミング」に大きくズレが生じた場合は、「タイミング」のほうを優先すべきだと考えられます。

一度車を売る「時期」のほうにあわせれば、おのずと「タイミング」は揃ってくる

タイミングのどれかがズレている場合、それを無視して「時期優先」にする手もあります。そうすれば、乗り換えをした車を売る際、高く売れる時期とタイミングが自然に揃ってくるからです。

例えば、ズレたタイミングを一旦無視して車が最も高く売れる1~3月に合わせて今の車を売り、次の車(満期の車検付き)へ乗り換えたとしましょう。すると、次の車の継続車検は、おのずと1~3月の間に期限を迎えることになるため、高く売れる時期と車検期限が揃います。

また、モデルチェンジについてもメーカーは「販売戦略」として、車業界の繁忙期(早春とボーナス時期)に実施することが多い傾向にあります。

うまくいけば、車が高く売れる「時期」と車検切れ・モデルチェンジ前というタイミングがキレイに揃ってくるため、次の車を売る時に有利になるでしょう。

車の売り時を決める時に注意して欲しい3つのこと

車の売り時を決める時に注意して欲しい3つのこと
もちろん、車を売る時期とタイミングの優先順位は、状況によって変化します。

実用的な車種は時期によって販売台数が大きく上下するため、そちらを優先すべきです。一方、趣向性の高い車種は時期に販売台数が左右されにくい半面、車検代や税金が高い傾向にあるため、タイミングを強く意識することをおすすめします。

いずれにせよ、時期とタイミングを組み合わせて考えることが、車が高く売れる「売り時」を決める秘訣であることは確かです。

ただし、それ以上に意識して欲しい「注意事項」が3つあります。

①新しい車の納車予定を事前に確認しておく

1つ目は、新しく購入した車の納車予定を事前に確認しておくことです。

2022年7月現在、新型コロナ禍の影響で半導体が不足し、それを多用する車の製造が遅れ、納車待ちが伸びています。特に、人気車種になると半年・1年待ちになることも珍しくありません。

その結果、売り時を誤ると、車が必要なのに使うことができない「空白時間」ができてしまう可能性があります。空白時間があまりに長いと、それを埋める代車やレンタカーの手配に余計な費用がかかってしまうことも考えられます。

そのため、販売店に納車予定を事前確認し、空白時間ができないように売り時を決めることが必要です。

②「時期」と「タイミング」を極端に意識しすぎない

時期とタイミングを意識することは、車を高く売る秘訣です。しかし、それを極端に意識しすぎると日常生活や仕事に支障が出て、高く売れたとしても実質的に「損」をしてしまうこともあります。

例えば、車を高く売ることだけに気を取られ、次に購入する車の事前リサーチを疎かにすると、「前の車のほうが良かった…」と後悔することになりかねません。

運転免許を返納しない限り、車との付き合いは今の車を売った後も長く続きます。車を売る時期とタイミングを意識するのは大切なことではありますが、ほどほどに留めておきましょう。

③車の売却先を1つの業者に絞り込むのはNG

車には、ある程度「相場」があるため、車種や年式・状態、そして売る時期とタイミングによって、その車の買取価格(相場)は決まっています。

しかし業者が変われば求めている車も違うため、同じ車であっても買取価格は上下します。

そして1つの業者に決め込んで買取依頼をすると、競争相手がいないため相場より低い買取査定額を提示される可能性もあります。

車を少しでも高く売りたいのであれば手間を惜しまず、複数の買取業者に査定を依頼することが必要です。その上で、見積額を比較する「相見積もり」を実施し、価格交渉を行うようにしましょう。

まとめ

①車が一番高く売れる時期は1月中旬から3月中旬
②車を賢く売りたいならタイミングも大切
③タイミングを決める要素には「車検の残り期限」「年式と走行距離」「モデルチェンジ」の3つがある
④車を売る「時期」と「タイミング」はどちらかというと調整が難しい後者を優先すべき
⑤車を売る「時期」をあわせると、「タイミング」も揃ってくるためおすすめ
⑥新しい車の納車時期の確認は必須
⑦時期とタイミングは意識すべきだが、日常生活や仕事に支障が出ない程度に留める
⑧車を高く売りたいなら複数の業者に依頼して相見積もりを実施しよう

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