手続きの流れを把握し、車を手放す理由を整理しましょう
車を手放す時は、スムーズに手放せるよう手続きの流れを理解しておくことが大切です。また、車を手放すと生活が大きく変わることがあります。
本当に車を手放すことが正しいのか、手続きに踏み切る前によく考え、納得しておくことも重要です。車を手放した後、トラブルや後悔のないように、準備をしっかりとしておきましょう。
車のない生活をシミュレーションしましょう
車を買い替えるのであればともかく、完全に車を手放すという場合は、一度じっくり時間をとって車のない生活について考えておくことが重要です。車を手放すということは、今まで車に乗っていて車があることそのものに、何らかの不満を感じたということでもあるでしょう。
しかし、ここで勢いに任せて車を手放してしまうと、その後「やはり車を手放すべきではなかった」と後悔してしまうことがあります。
車のない生活をシミュレーションする上で大切なことは、車がないことでのデメリットをよく考慮しておくことです。例えば、今まで通勤に車を利用していた人が自宅近くの会社に転勤し、車が不要になるケースがあるでしょう。
自宅から近いとなると、車ではなく自転車で十分だと考えるかもしれません。しかし、単純にこれだけで車を手放してしまうと後悔する可能性が高くなります。
普段は自転車で通勤できたとしても、冬の寒い日や残業後の暗い夜道、あるいは寝坊して遅刻しそうな朝、また、豪雨や強風の日など特別な日は、自転車で通勤することが億劫になるかもしれません。やはり車があった方が良かったと我慢できなくなることもあるでしょう。
人が車を手放す理由はそれぞれのため、あくまでこれは一例に過ぎませんが、車がないことで思わぬところでデメリットが生じることがあります。事前によく検討しておきましょう。
車を手放す人の中には、日頃のガソリン代や自動車税、車検代など、各種自動車を維持していくために必要な費用がネックで、車を売却する人もいます。完全に車を使う機会がなくなったというのでない限り、いざという時はタクシーやレンタカー、カーシェアリングなどのサービスで代替しようと考える人もいるかもしれません。
もし、このように費用面から不満を感じ車を手放そうとしているのであれば、あらかじめ費用についてしっかりと計算しておくことが重要です。車の維持費が高いと思っていても、車の使用頻度が高いとタクシー代などの方がよほど高くつく場合があります。
また、実際に計算してみると思ったよりも費用が安く抑えられているケース、車を手放しても手放さなくてもあまり変わらないケースなどもあるでしょう。車は一度手放すと取り返しがつかないため、曖昧な状態にしておくのはやめるべきです。
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車を手放す手続きの流れを把握しましょう
車をスムーズに手放すために、手続きの流れや必要なものなどについても全体像を把握しておくべきです。一般的に、車を中古車買取店に売却すると仮定した場合、手続きの流れは以下の通りです。
- 車の売却先を探す
- 査定に来てもらい価格交渉する
- 書類を準備する
- 車を引き取ってもらう
- 入金を待つ
- 任意保険や還付金などについて手続きする
車を売るためには、車に付属している車検証などの書類のほか、本人確認用の書類などを揃えなければなりません。一般的に車を売る時必要になる書類は以下の通りです。
- 車検証
- 自賠責保険証
- リサイクル券の預託証明書
- 譲渡証明書(店側で用意)
- 委任状(店側で用意)
- 自動車税の納税証明書(軽自動車の場合、軽自動車税の納税証明書)
- 実印(軽自動車の場合は認め印可)
- 印鑑証明書(軽自動車の場合は不要)
- 住民票や戸籍謄本(住所や氏名が変更されている場合)
書類を揃える際の注意点としては、普通自動車と軽自動車では書類が異なります。軽自動車の方が書類が簡略化されているのが特徴です。
また、車検証に記載の所有者の情報が古く、引っ越しをして住所が異なる場合や、結婚して姓が異なる場合などは、住民票や戸籍謄本などを別に用意し、車検証に記載されている本人であることを証明する必要があります。もし自分のケースでどの書類が必要か分からない場合は、担当者に聞くのが一番確実です。
書類の中でも、印鑑証明書などは有効期限があるため、取得時期に注意しなければなりません。一般的には発行から3ヶ月以内のものがあれば問題ありませんが、店によっては1ヶ月以内のものを要求されることもあります。
書類の取得はできるだけ直前に行った方が良いです。また、納税証明書などは最新のものを用意しましょう。
納税したばかりで証明書が手元にない場合などは、発行手続きを行う必要があることもあります。
その場で用意できる車検証などと違い、印鑑証明書や戸籍謄本、住民票などは本籍地やお近くの市役所などに赴き発行してもらう必要があります。平日しか取り扱っていないため、平日仕事のサラリーマンなどが車を手放す場合はあらかじめ有給を取るなど工夫することになるでしょう。
また、印鑑証明書についてはコンビニで発行できるケースもありますが、自治体が対応しているかどうかの確認が必要です。さらに、戸籍謄本などを郵送で取り寄せる場合、日数がかかる可能性があるため、少し余裕を見て請求する必要があります。
全てを揃えていくと意外と準備に手間がかかるため、書類の準備は早めに行っておきましょう。
廃車の場合は廃車専門店の利用がお得です
まだ中古車として価値のある車を手放す場合、中古車買取店に査定を依頼することで高値が期待できます。しかし、例えば事故でやむを得ず車を手放すことになった場合など、中古車としても買取価格がつかないと考えられるケースでは、廃車を検討することもあるかもしれません。
廃車手続きは自分で行うこともできますが、このような場合は廃車専門店を利用した方が何かとお得です。
事故で潰れてしまった車など、自走できない状態の車を廃車にする場合、スクラップ場まで持ち込むためのレッカー費用などがネックです。しかし、廃車専門店に依頼すれば、基本的にレッカー費用や解体費用などはかかることなく全て無料で利用できます。
また、事務手続きや還付金の手続きなども代行してもらえる上に、無事な部品などが多くあった場合、買取価格として数千円から数万円程度をもらえる場合もあるでしょう。廃車専門店に依頼することで、自分で廃車手続きをする場合の手間や費用がほぼ丸々かからなくなります。
特殊な事情のある場合を除き、中古車買取店を利用しない場合は廃車専門店に依頼しましょう。
廃車の場合、中古車買取店への売却と大きく違うのが還付金についてです。中古車買取店に売却する場合、自動車税や自賠責保険料などの過払い分に関しては、主に車の査定金額に加算されてひとまとめにして受け取ることができます。
あくまで売却であるため、国からの還付はなく、過払い相当の額を買取店の好意で受け取るというのが一般的です。しかし、廃車の場合は異なります。
廃車の場合車そのものがなくなるため、自動車税や自賠責保険などについては正式に国などからの還付金が発生します。廃車手続きをすることで自動的に手続きされるものもありますが、自賠責保険など自分で保険会社に連絡することで還付金が受け取るものもあるため、注意が必要です。
ただし、これらの手続きも廃車専門店に依頼する場合は代行してもらうことができます。自動車税の還付に関しては自宅にハガキが届くため、それに従えば良いでしょう。
車を手放した後は任意保険の手続きを行いましょう
車を手放すとなると、中古車買取店などのやり取りにばかり気を取られがちです。しかし、無事車を手放した後も別の手続きが待っています。
それが任意保険の手続きです。任意保険に関しては基本的に中古車買取店は関与しません。
そのため、あくまで自分で手続きを進める必要があります。
車を手放した後、再びすぐに新しい車を購入して乗る場合は、車両入替という手続きが必要です。任意保険は保険の対象となる車を車両番号等で管理しています。
そのため、車両入替の手続きを行わないまま新しい車に乗っていると、いざ事故にあった時登録されている車両と違うため、保険の対象となりません。車両入替の手続きは保険会社にもよりますが、インターネットや電話などで手続きできることが多くなっています。
新しい車の納車日が分かっていれば、分かった段階で事前に申請をしておくことで、納車日当日から保険を新しい車に適用することが可能です。いざという時の保険が役に立たないのでは意味がありません。
車両入替は必ず行なっておきましょう。
車を手放した後、もうしばらく車には乗らない、手元に車は一切ないという場合は、「中断証明書」の発行手続きをしてもらいましょう。通常、任意保険では無事故を貫いていると、1年ごとに等級が徐々に上がっていきます。
等級が上がるごとに保険料が割安になるなど、メリットがある仕組みです。車を手放すとなると、当然任意保険は解約手続きをすることになるでしょう。
しかし、この時解約手続きを進めると同時に中断証明書を発行してもらうと、もし将来再び車に乗る時が来た場合に、当時の等級をそのまま引き継ぐことができるのです。また、当時はA社の保険に加入していて車を手放し、解約して7年後にB社の保険に加入したというように、保険会社そのものを変えてもこの中断証明書は有効です。
車の等級を保存して引き継ぐことのできる有効期限は10年間となっています。人生何があるか分かりません。
いざという時のために、たとえもう乗る気がなくとも、念のため中断証明書を発行しておいてもらうとよいでしょう。
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(まとめ)車を手放すとき手続きの注意点は何かある?
車を手放す時、まず大切なのは手続きの流れがイメージできるようにしておくこと、そして車を手放した後の生活についてあらかじめ考えておくことです。トラブル防止のためにも、準備を念入りにしましょう。
車を手放すともう元には戻せません。そのため、車がないとどんな生活をすることになるか、どれくらい費用が浮くのかはしっかり考えておきましょう。
車の使用頻度などそれぞれの事情によっては、手放すと後悔することがあります。
車を手放すための手続きはシンプルですが、書類の準備にはやや手間がかかるものがあります。市役所に申請して入手する書類、有効期限のある書類などもあるため、早めにしつつも早すぎない準備が必要です。
車を手放すにあたり、中古車買取店への売却ではなく廃車を検討している場合、自分では手間や費用がかかります。そのため、廃車専門店を利用するとよいでしょう。
また、廃車の場合は還付金が発生するため、手続きを忘れないよう注意が必要です。
車を手放したら、任意保険の手続きが待っています。新たに別の車に乗り換える場合は車両入替の手続きが、車を完全に手放しもう乗らない場合は中断証明書の発行手続きが必要です。
いざという時のためによく確認しましょう。