自動車の買取査定を受ける時には、車種や年式、状態といったさまざまな条件から総合的に判断して査定金額が算出されます。査定の要素の一つになるのが、車のオーディオやカーナビといったオプションです。
オーディオやバックモニター等で日常的にカーナビを利用している方も多いでしょう。次に乗る自動車で使いたいからカーナビは外して手元におきたいという方もいるかもしれません。
カーナビがついているかどうかは、買取査定にどのように影響するのか、カーナビと一緒に自動車を買い取ってもらう場合に、覚えておきたいこともまとめて紹介します。
車の査定の時にカーナビはどうする?
自動車を業者に買い取ってもらう時に、どうしても気になるのが査定金額です。できるだけ高額査定にするためには、できるだけ付属品やオプション類も一緒に査定してもらいたいと考える方もいるでしょう。
また、カーナビは引き続き使いたいから取り外したいと考える方もいるかもしれません。カーナビをつけたままにしておくか、取り外しておくかによって査定はどのような影響を受けるのか、紹介します。
車のオプションとしてプラス査定になることもある
自動車を査定するには、多くの専門知識と経験が求められます。自動車を査定して買い取りや下取りの金額を決めるのは、中古車査定士です。
中古車査定士は、一般社団法人日本自動車査定協会(JAAI)が主催するテストに合格した専門家です。中古車査定士が現場で査定をおこなう時には、ホワイトブックという本を基準に車に加減点をして最終的な査定金額を算出しています。
ホワイトブックには、カーナビのようなオプションの査定基準も記載されています。実際の査定では、カーナビは自動車のオプションとして加点方式で評価される流れです。
カーナビは査定で加点されるポイントなので、基本的には取り外さずにそのまま査定を受けることが多いでしょう。
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カーナビが壊れていても大きくマイナスになるわけではない
カーナビがついていても傷がついていたり、壊れてしまっていたりする場合もあるかもしれません。傷ついたり壊れたりしたカーナビなら「取り外した方が良いかもしれない」と考える方もいるでしょう。
しかし、基本的にはカーナビの傷や故障でマイナス査定になることはほとんどありません。特に傷はカーナビの特性上よくあることです。
故障や古い年式のカーナビであっても基本的にはゼロ査定になるだけです。状態が良くないカーナビでも、査定結果に大きな影響があるわけではないので、手間や工賃をかけてまでは外す必要はありません。
カーナビの種類で査定額が変わる
カーナビの査定や評価について理解するためには、カーナビの種類についても知っておかなければいけません。
カーナビの種類は大きく分けると「純正ナビ」「ディーラーオプション」「社外ナビ」の3つがります。
カーナビの査定で最も高く評価されるのが純正ナビです。
純正ナビは、一般的には「メーカーオプションナビ」と呼ばれていて、その自動車の専用に開発されているナビのことです。
設計の段階から車に合わせて製造しているインダッシュタイプ(埋め込み型)は、スペースに無駄なく収まってカラーリングやデザインも車のデザインにフィットしています。さらに車の機能と連動したシステムを搭載されていて、エアコン操作機能があるナビもあります。
純正ナビは、購入者からも人気があり、状態が良ければ高額査定も期待できるでしょう。
また、純正ナビを取り外す作業は難しく、取り外しても他の車種には合わないこともあるため、基本的には車から取り外さずに査定を受けることをおすすめします。
ディーラーオプションは、販売店で取り付けるナビのことです。OEMで開発されていることも多く、汎用性が高くてリーズナブルな点がメリットです。
しかし、純正ナビと比較すると高額査定にはなりにくく、傷がついていたり、モデルが古かったりすれば査定で金額がつかないこともあります。
プラス査定となるケースは、車の年式が新しい(3年程度)のみとなる傾向にあります。
基本的には、取り外さずに査定を受けることをおすすめしますが、次の車で使う場合には取り外しても良いでしょう。
社外ナビは「外付けナビ」と呼ばれることもあり、市販されているのでカー用品店等でも気軽に購入できます。多くの会社が製造しており、機能強化を図っているため、オーディオ機能や最新技術等充実したラインナップから気に入ったものを選んで取り付けられます。
購入者のニーズに合わせてリーズナブルな価格帯のカーナビから、高機能モデルまで販売されていることも社外ナビの特徴です。コストパフォーマンスに優れている点が魅力の社外ナビですが、残念ながら査定に出した場合は高い評価は得にくい傾向があります。
社外ナビの場合は、最新モデル、高級モデルは単体で高く評価されるものの、古いものや傷がついているものは評価されにくくなります。
逆に言えば、取り外していても査定には影響しないので、そのまま次の車に使うのであれば外しておくことも検討してください。
カーナビの中でも、高く評価されるのは統一感がある純正ナビです。また、渋滞情報を調べられたり、ツインモニター搭載モデルが高く評価されたりする場合もあります。
しかし、カーナビやオーディオは市場でも価格変動が大きな製品です。特に社外ナビの評価については、買取業者ごとに判断が違う場合も多いでしょう。
気になる場合には、複数の買取業者から見積もりを取って比較してみてください。
カーナビは、新製品も多く発表され、市場価格も乱高下しやすい製品です。昔であれば100,000円以上出さなければ購入できませんでしたが、近年では30,000円程度でも十分な性能を備えたカーナビを購入できます。
また、現在はスマートフォンやタブレットが普及したため、カーナビに対する需要があまり高くありません。そのため、カーナビでも高値がつくのは一部の高級なカーナビや最新のカーナビ等に限られます。
もともとリーズナブルなナビや社外ナビは値段もつかないこともあるので、自分で保有しておくことも検討してください。リサイクルショップやオークションで売却することもできます。
また少しでも高く評価してもらうためには、取扱説明書や付属品等もきれいな状態で保管しておくようにしましょう。
カーナビを外してから売却することもできる
カーナビは査定がつかないものであれば、取り外してから売却することもできます。査定がつきにくいような古いナビやリーブナブルなナビは外して、次の自動車で使っても良いでしょう。
カーナビは今まで出かけた場所や音楽データ等も残っています。使ってきたカーナビに愛着がある、まだ次の車でも使いたいと考える場合には取り外してください。
カーナビは昔よりも手に入りやすくなりました。故障したから新しいカーナビに変えたり、最新機能がついているものに買い替えたりするために、販売店やインターネットで購入を検討する方もいます。
買取店の査定に出さない場合や新しいカーナビを取り付ける場合には、もともとついているカーナビを取り外さなければいけません。カーナビの中でもケーブルが外に出ているタイプは取り外しが簡単です。
電源コードをシガーソケットから抜いて、液晶や付属品を取り外しましょう。このタイプのカーナビであれば、取り外しに悩むことはありません。
一方でインダッシュタイプと呼ばれるダッシュボードに埋め込むタイプのナビは、取り外しが難しくなります。配線を触ることになるので、知識がないと故障や破損につながる可能性があります。
少しでも不安があれば専門家に取り外しを依頼してください。しかし、カーナビの取り外しをプロに依頼すると工賃がかかってしまいます。
無用なリスクを避けて手間と費用の負担を減らすためには、そのまま査定して買い取ってもらった方が良いかもしれません。
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カーナビに残るデータについて
普段は意識することはありませんが、日常的に使っているカーナビはその人の情報が詰まっています。そのため、カーナビを人に譲る場合や買い取ってもらう場合には、個人情報の取り扱いについても考えなければいけません。
カーナビにどのようなデータが残るのかまとめました。
カーナビは意識していなくても個人情報が詰まっています。ほとんどの優良な買取業者は、個人情報の扱いもマニュアル等で適切に行っているため心配はありません。
しかし、たまたま利用した買取業者が適切に処理しなかった場合や不備があった場合には、第三者に個人情報が渡ってしまう可能性があります。
例えば、自宅や職場等の住所をカーナビに登録している場合です。自宅からの経路を調べる時にも自宅情報があると便利です。しかし、登録した自宅や知人宅、職場の住所が漏洩すると悪用の可能性があります。
住所を知られても問題はないと感じる方もいるかもしれませんが、見知らぬ第三者に住所や職場を知られてしまうことは あまり良いことではありません。ストーキングや犯罪被害に遭う可能性もあります。
予期しないトラブルに発展する可能性もあるので、個人情報は自分で前もって削除しておきましょう。
カーナビに残るデータの中には、音楽データもあります。カーナビに音楽を入れて普段ドライブや通勤中に聞いていた場合は、そのデータも取り出しておきましょう。
音楽の情報は個人情報には当たりませんし、犯罪に発展する可能性も少ないです。しかし、第三者が利用できてしまうことは著作権上は良くありません。
音楽データも取り出しておくか、削除するようにしてください。
カーナビには自分で登録したつもりがないデータも残っています。例えば、走行した際の履歴データです。
GPSが搭載されたカーナビの場合は、走行中の緯度や経度、方向が記録されています。それらのデータを使えば、いつ、どこに向かって走行しているのか、どのような生活パターンを送っているのかを再現できてしまいます。
また、知人宅を訪問していれば、その知人のデータも漏洩してしまうでしょう。ストーキングや犯罪を防ぐためにも走行データも含めて削除してください。
カーナビを付けて売るときの注意点
車を査定に出す時には、内部をあらかじめきれいにしたり私物を出したり準備をおこないます。そこで忘れがちなのがカーナビを査定に出す時の準備です。
カーナビをつけたまま査定に出す時の注意点をまとめました。
個人情報の悪用を避けるためにも、カーナビに残っているデータは削除してから査定に出してください。査定前にはあらかじめ初期化しておくようにしましょう。
初期化の方法は、カーナビのメーカーによっても違います。カーナビについている取扱説明書を見ながら、手順に従って初期化してください。
取扱説明書を紛失してしまった場合には、メーカーのホームページで公開されていないか確認します。どうしても初期化の方法がわからない時には、問い合わせてみましょう。
「次の車でも同じカーナビを使いたい」「愛着があるから取っておきたい」といった理由でカーナビを取り外す方もいます。ただし、カーナビを自分で取り外すのであれば、ある程度の工作や電気の知識が必要です。
また、取り外しが原因でダッシュボードなど目立つ場所に傷がついてしまえば、車体の査定価格にも影響してしまいます。そのため、作業する時には周囲を保護するために養生テープ等も用意してください。
メーカーや車種によってパネルを外す手順も違います。リムーバーやピックツールを使わないと外せない場合もありますが、まずは傷がつきにくい指で試してみてください。
力加減を間違えたり、外す方向を間違えたりすると爪を折ってしまうことがあります。また配線も専門知識がないとショート等の危険があります。
カーナビは種類によってはアンテナやバックモニターと連動するために、複雑に入り組んでいることがあるかもしれません。カーナビの取り外しは業者に依頼しても2万円前後でできるので、少しでも不安がある場合には専門家に任せましょう。
カーナビを自分で処分するには
カーナビを査定に出さない場合や、取り外したものの必要がないといった場合には自分で廃棄することになります。個人情報も入っているので、業者に任せるよりも自分で処分したいと考える方もいるかもしれません。
カーナビを自分で廃棄する場合にはどのような手順、手続きが必要なのでしょう。ごみ回収については地方自治体によって扱いに違いがありますが、一般的な手順を紹介します。
カーナビには多くの個人情報が含まれています。自分で処分する時には、まず個人情報を消去しておくようにしてください。
カーナビを操作して、登録情報や走行履歴のデータを削除するか、初期化します。
ただし、カーナビがすでに壊れていて液晶画面が映らないなどの理由で操作ができなくなってしまっている場合もあります。壊れているのであれば、個人情報が入っていても問題ないと考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
カーナビが壊れていても、中のデータが残っていれば取り出して利用されてしまうことがあります。壊れていてどうしても個人情報を削除できないような場合には、信頼がおける業者に処分を依頼するようにしてください。
カーナビは、動くものであっても故障していても処分するのであれば、ごみとして廃棄することになります。地方自治体ごとに定められたルールに従って処理しましょう。
多くの自治体では、1辺が30センチを超えるものについては、粗大ごみとして取り扱います。実際に長さを測ってみて、30センチを超えていたら粗大ごみとして、30センチを超えない時には不燃ごみとして処理してください。
粗大ごみの処分手続きは地方自治体によっても違います。基本的には持ち込みか粗大ごみの処理券を貼って定められた曜日の決まった場所で回収してもらいます。
粗大ごみの処理券はたいていの自治体で数百円程度で購入できるので、あまり費用をかけることなく処分可能です。さらに、小型家電回収ボックスに入れて回収してもらう方法もあります。
カーナビも小型家電リサイクルの対象なので、小型家電回収ボックスに入れておけば貴重な資源をリサイクルする形でカーナビを処分できます。小型家電回収ボックスは、大型スーパーや家電量販店に設置されていることが多いので、近くにないか調べてみましょう。
この方法であれば、自分が好きなタイミングに費用をかけずに処分できます。回収ボックスに入るサイズかどうかだけ、事前に確認しておいてください。
カーナビは査定に出さなくても、リサイクルショップやオークションで売る方法があります。特にまだ新しくて人気があるカーナビであれば高値で買い取ってもらえるかもしれません。
カーナビは新しい情報が記録されているものが買い取りされやすいので、売却前には地図の更新も済ませておきます。取り付けキットや付属品、取扱説明書があればそれも一緒に出しましょう。