車を査定してもらう際に手数料がかかるケースがあります。しかし、どのような項目で手数料がかかるのか知らないという方もいるかもしれません。
車を売却する際、できれば手数料を抑えて買い取ってもらいたいのが本音でしょう。そこで、この記事では車の査定における手数料の項目と車を売却する際のポイントについて詳しく解説していきます。
車の売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
車の査定に費用はかかる?
車を売却する場合、買取業者に買い取ってもらう方法やディーラーに下取りをしてもらう方法があります。
買取業者が車を引き取る時は、査定を行って買取額を算出します。この時の査定料は無料にしている業者が大半です。
また、車を店舗に持ち込めない時は出張査定をしてくれる業者があります。こちらを利用する場合も出張料は無料で行っている業者が多いため、費用を請求されることは少ないのが現状です。
ディーラーの下取りとは、新車を購入する際に以前乗っていた車を査定してもらい、購入金額に充当するというものです。
この下取りの査定に関しては、「査定料」や「下取り車諸費用」として手数料が計上されることがあります。どうしても車の査定額に目が行ってしまいがちですが、査定料などの手数料がいくらかかっているのか、明細などをしっかり確認することが大切です。
車の売却時にかかる費用や手数料の項目とは?
車の売却時において、かかる費用や手数料はどのような項目があるのでしょう?
どのような時に手数料がかかるのかを知っておけば、査定してもらう際に査定書を見ながら業者と確認ができます。
ここからは、売却時の費用や手数料について詳しく解説していきます。
査定料は、基本的に査定士の人件費として計上されるものです。
車買取業者は買取だけでなく販売も行っていることが多いため、販売で利益が出ていれば、その分で相殺できるでしょう。そのため、一般的に無料で査定を行うようにして、多くの車を買い取ることで販売できる車を確保しています。
買取業者が有料で査定を行うと在庫確保が困難になる可能性があるため、営業を促進するように無料査定を実施していると言えるでしょう。
車を売却する際には、名義変更が必要となります。
名義変更の手続きは自分で行うこともできますが、買取業者に依頼することも可能です。その際に代行手数料がかかる可能性があります。
もし代行せずに自分で手続きを行う場合は、運輸支局や軽自動車検査協会に出向く必要があります。その上、受付時間が平日のみなので、仕事を休まなければいけなくなるかもしれません。
そのため、運輸支局に出向く費用や手間を考えると、代行してもらうのがよいでしょう。
車買取業者の中には、次の使用者に安心して販売できるよう名義変更の手続きを無料でしてくれるケースもあります。その場合は査定時に費用として計上されているか、確認しておくことをおすすめします。
印紙代は、移転登録を行う際にかかる費用です。費用は500円で、購入した収入印紙を手数料納付書に貼り付けて支払うことになります。
車買取業者が持つ場合もありますので、確認しておきましょう。
レッカー費用がかかるケースは、車検が切れている時、車が故障して動かない時が当てはまります。こういった場合は、公道を走行することができません。
車検切れの車で公道を走行すると、違反点数6点・30日の免停処分になり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を課せられます。
レッカー車で輸送する必要がある場合、輸送費用は5,000円~30,000円程度が一般的です。基本的に、輸送距離が多くなるほど金額も高くなる傾向があります。
しかし、出張査定や引取費用を無料にしている買取業者も存在します。特に車を直接店舗に持っていくことが困難な時は、運搬費用も無料の業者を選ぶとよいでしょう。
廃車を専門に扱う買取業者の場合は不動車を扱うことが多いため、運送費を無料にしている業者が多数あります。もし車の故障や損傷が大きい状態であれば、廃車専門の買取業者を利用することでコストを抑えられるかもしれません。
車の売却時に、手続きの代行手数料や人件費を「雑費」として請求されるケースもあります。
車検証や自賠責保険証を紛失している場合は、「再発行手数料」として請求されるかもしれません。
そのため、雑費の内訳についてどのような項目なのか、買取業者に聞いておくことが大切です。かかる費用を明確にしておき、不明瞭な費用を計上されないように注意しましょう。
普通自動車を売却する場合は印鑑証明書が必要になります。そのため、売却する前に自分で用意しなければなりません。
発行費用は地域によって異なりますが、200円~400円程度かかります。また、印鑑証明書は発行から3か月以内のものでなければいけないので注意しましょう。
印鑑証明書と車検証の住所が相違している場合は、住民票が必要になります。こちらの発行費用も地域差がありますが、200円~400円程度です。
車買取業者は査定する際に、買取時に事前に準備する書類を教えてくれます。そのため、スムーズに手続きが行えるよう、あらかじめ用意しておくとよいでしょう。
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車の売却時で追加費用が発生する項目とは?
車の売却時にかかる費用について紹介してきましたが、ケースによっては追加で発生する費用もあります。自分の車の状況に応じて異なりますので、注意しましょう。
ここからは、追加費用が発生する3項目について詳しく解説していきます。
特に気をつけなければいけないのは、車を売却する際は「ローンを完済」しておく必要があるということです。もしローンの残債がある場合、売却金で支払うことができれば車を売ることもできます。
また、自動車税や軽自動車税が未納の時は、売却時にトラブルになりますので、事前に納めておきましょう。
ローンが残っていると、車の所有者がローン会社になっているため、車を売却することができません。そのため、ローンを完済して所有者を自分名義にする「所有権解除」を行う必要があります。
例外として、銀行ローンを組んでいるケースでは所有者が自分名義になっていることがあります。その際は、車を自由に売却することができます。ただし、銀行によっては返済中の車を売却することを条項として制限しているケースがありますので、事前に確認しておきましょう。
所有者がローン会社になっていてローンが残っていても、車の売却金額でローンの支払いを完済することができれば、車を売却することができます。
つまり、車を売った金額がローン残債を超えているのであれば、問題なく買い取ってもらえるということです。
しかし、売却金でもローンが完済できないケースでは、次のように対処する必要があります。
- 現金でローン残債を一括返済する
- 買い替えを行う場合、ローン残債を新車の購入ローンに上乗せする
- 売却のみであれば、新たにローンを組み直す
ベストなのは売却金額でローンを完済することですが、当てはまらない場合もあります。そのため、事前に査定額を確認して、適切な売却を行うように心がけましょう。
もし自動車税や軽自動車税が未払いの状態で売却した際には、次の所有者とのトラブルになる可能性が高まります。
具体的には、以下のようなことが考えられます。
- 滞納分の支払いが次の所有者に請求される
- 次の所有者が車検を通すことができない
買取業者が必ず確認するので、自動車税や軽自動車税を納めていなければ車の査定金額から引かれるケースが一般的です。
自動車税は毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税されます。そのため、もし車の名義変更が3月末で完了していないと、売却後に課税対象になってしまうことも考えられます。この場合、その年の4月から翌年3月までの自動車税や軽自動車税を支払うことになります。
実際、買取業者は査定額に計上してくれるので問題ないことが多いですが、支払いが必要なケースもあることを知っておくとよいでしょう。
所得税は、購入価格よりも売却価格が高く、50万円を超える利益を得た際に確定申告する必要があります。
希少価値が高い車や高級車であれば所得税を支払うケースもありますが、これは稀なことなので知識として理解しておく程度でよいでしょう。
ちなみに、事業用車とキャンピングカーのようなレジャー用車も課税対象になります。
例えば、レジャー用車にプレミアがつくケースで、300万円で購入した車を450万円で売却できた場合の所得税の計算方法は以下の通りです。
450万円-300万円=150万円
150万円-50万円(控除額)=100万円
この100万円が売却益になり、譲渡所得として所得税がかかります。
下取りは、ディーラーで車を買い替える際に行う査定です。査定額は新車を購入する費用に充当されるため、基本的に現金でもらうことはありません。
そして、ディーラーの下取り査定は、査定士へ依頼するケースが多いです。その人件費が上乗せされるため、査定料がかかることがあるので注意しましょう。
査定料は、5,000~25,000円程度かかるのが一般的です。ディーラーによっては交渉することで査定料を無料にしてもらえる可能性もありますので、店舗担当者に相談するとよいでしょう。
車の買取における手数料の節約方法とは?
車を買い取ってもらう際、手数料を抑える方法はあるのでしょうか?
少しでも手数料を節約できれば手元に残る金額が大きくなるため、費用を抑えたいと思う方も多いかもしれません。
ここからは、手数料を節約する方法について詳しく解説していきます。
また、手数料について明確に提示している業者だと比較が容易にできるので、インターネットサイトの口コミも参考にするとよいでしょう。
手数料を抑える方法として、まず実践できるのが下取りではなく車買取業者に依頼をすることです。
多くの場合、車買取業者では査定料が無料です。そして、一般的にかかる印紙代や印鑑証明書の発行費用などは自己負担となりますが、代行手数料や査定料がかからない状態であれば、費用を抑えることが可能になるでしょう。
前述しましたが、車が公道を走行することが困難な場合は、運送費がかからない業者を選ぶことも重要になります。
車を売却する時に手数料が明確になっていて、費用を抑えることができる業者を事前に調べておくことが大切です。
複数の車買取業者に依頼して比較することも、手数料を抑える方法として有効です。
各業者における手数料を比較しながら、査定額の高いところで売却することができるでしょう。また、手数料だけではなく車の買取価格も競合させることで、査定額を引き上げることができるかもしれません。
車買取業者は、車を買取った後に再販売することが目的なので、中古車を多く確保しておくことが重要になります。そのため、中古車市場で需要がある車を売ってもらうために査定額を引き上げる可能性が高いです。
実際、手数料が抑えられ査定額が高い業者に買い取ってもらうことは、売却者側からすれば大切な要素になります。そのため、1社よりも複数業者に依頼することで、納得できる査定額を算出してくれるでしょう。
また、車買取業者はメーカーや車種、車の状況に応じて得意分野が異なります。例えば、特定の車種の販売経路が確立している時には、他の業者に比べて高価買取を出していることもあります。
もちろん、査定基準はどの車買取業者でも同じですが、中古車市場の需要については業者によって異なる場合があるため、査定額を引き上げたいなら、自分の車を求めている業者に買い取ってもらうことが大切です。
車の正確な価値を知るには有料査定を行う
通常、車の買取ならば、買取業者やディーラーで査定してもらうことになります。しかし、修復歴や評価損の証明が必要なケースであれば、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)で有料査定を行うこともできます。
JAAIは、中古車の査定基準を定めている協会です。車買取業者もそれに基づいて査定額を算出しています。
そのため、適正な評価を行い、認定された査定士が査定を実施し、法的に認められる査定書を発行してもらうことが可能です。
査定料は、2022年4月1日発行分よりナンバープレートの分類番号により区分されています。車種によっても異なりますが、7,150円~19,800円となっています。
基本的に通常の買取であれば、車買取業者に査定依頼をすることで十分です。しかし「事故減価額証明書」が必要な時には役立ちます。
事故減価額証明書とは、事故車の減価額を証明する書面で、事故の相手方と示談交渉を行う際に利用します。ただし、損害賠償金額は過失割合に応じて決まります。事故減価額証明書に記載された金額が相手側に請求できる金額を証明するものではない点に、注意が必要です。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!