車を査定してもらう際、オプションは査定額に影響を与えるのでしょうか?
実際、オプションを装着していることで査定が高評価になるケースもあるでしょう。しかし、装着していてもあまり査定に影響しないオプションもあります。
この記事では、車のオプションで査定に影響するものや影響しないものを含めて詳しく解説していきます。今後、車を売却しようと思っている方は参考にしてください。
車のオプションは査定に影響する?
車の査定を依頼する時、できるだけ高値で売りたいと考えるものです。
車の査定では、年式や走行距離、傷やヘコみなど多くの項目を確認して算出されます。それ以外に査定額がアップするものとして挙げられるのが「車のオプション」です。
オプションにも項目があり、プラス査定になるものや査定に影響しないものがあります。車にオプションが多く装備されていても全てが査定額アップにつながるわけではありませんので、覚えておくとよいでしょう。
車のオプションは3種類ある
車のオプションにはどのような種類があるのでしょうか?
大きく分けると3種類あるので、詳しく解説していきます。
メーカーオプション(純正オプション)とは、車の製造段階で取り付けられるオプションのことです。新車を購入する際にオプションを選択して、メーカーの工場で取り付けを行います。
メーカーの正規オプションになるため、車種に合わせたデザインになっているので魅力的です。
さらにメーカーオプションは納車後に取り付けができません。新車を注文した時に取り付けられることから、希少価値が高く、査定額が最も上がりやすいとされています。
ただし、一度注文をして契約書を交わしてしまうと、キャンセルや契約後、納車後の追加ができないので注意しましょう。
メーカーオプションの具体的なものとしては、以下の通りです。
- サンルーフ
- LEDランプパッケージ
- 本革シート
- 安全装備(サイドエアバッグ・衝突回避支援など)
基本的に、製造ラインでしか取り付けられないパーツが主流になります。
ディーラーオプションとは、車を製造した後にディーラーで取り付けるオプションのことです。納車後にも取り付けることができます。
ディーラーの裁量に応じて値段も決められるので、比較的装備しやすい価格になる傾向があります。
新車購入の交渉時に本体価格が値引きしにくい場合は、ディーラーオプションを代わりにつけてもらえることもあるでしょう。そのため、ディーラーオプションはメーカーオプションに比べて、希少価値の要素は少ないとされています。
しかし、車種のデザインに応じて作られているため、一貫性があり連動性も高いことから、プラス査定になる可能性はあります。
ディーラーオプションの具体的なものとしては、以下の通りです。
- フロアマット
- シートカバー
- アルミホイール
- オーディオ
- ナビシステム
- エアロパーツ
社外オプションとは、メーカーやディーラーで取り付けず、整備工場やカー用品店などで取り付けるオプションのことです。
社外オプションのポイントは、純正オプションに比べて値段が安く、ご自身の嗜好に合ったデザインを選択できる点です。
そのため、デザインによって好みが分かれてしまう傾向があること、さらに後から取り付け可能なため希少価値が低いという理由から、プラス査定になりにくいと言えます。
車買取業者は買い取った車を再販売することが目的なので、趣味性の強い社外オプションを装備されていると、購入者が限定されるため敬遠される傾向があります。そのため、純正ノーマル車に比べて社外オプションを装着した車は買取査定額が引き下がってしまう可能性が高いです。
ただし、社外オプションの中でも人気があるものも存在するため、一概に査定額が上がらないとは言いきれません。
メーカーオプションが人気の理由は、納車前にメーカー工場で取り付ける点にあります。新車を購入した時のみ装着可能な点で希少価値が高まり、プラス査定に動くことになります。
さらに、メーカーオプションは車のメーカーや関連会社が装着するため、車種に応じたオプションを取り付けることが可能です。統一性を保つことができるため、査定の算出に対して高評価になる傾向が強いと言えます。
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車の査定時に高評価となるオプションの装備とは?
ここまで、車における3種類のオプションについてお伝えしてきました。
それでは、車の査定時に高評価となるオプションの装備にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、その装備を6つ紹介していきます。
高評価される装備の1つ目は、先進安全技術です。
近年、車の安全性における技術は進化しています。ブレーキやハンドルなどの操作違いによる事故の割合が高くなっているため、運転者の操作を支援したり的確に表示や警告を行ったりする「ADAS機能」のような先進安全技術の介入が必要とされています。
先進安全技術はその他にも、以下のような機能があります。
- 衝突被害軽減ブレーキ
- 誤発進抑制制御機能
- 車間距離制御装置(ACC)
- 車線逸脱警報装置
- リアビークルモニタリングシステム
- 自動切替型前照灯
安全を支援するシステムの需要が高まりを見せていることから、先進安全技術を装備した車に関しては、査定額が引き上がる要因になっています。
高評価される装備の2つ目は、レザーシートです。
車内で高級感を演出できる要素として、車の査定額が上がるオプションとなっています。また、レザーシートで電動リクライニング機能が内蔵されているものは需要が高い傾向にあります。
特に純正オプションのレザーシートは高評価を得る傾向があるため、装着している場合はアピールするとよいでしょう。
ただし、レザーシートを標準装備されている車に関しては、レザーシートそのものが基本的な査定額に入っているため、個別のプラス査定はありません。
さらに、レザーシートでも社外オプションで装備したものは、車買取業者によって評価が分かれるため、事前に査定担当者に聞いておくことをおすすめします。
高評価される装備の3つ目は、電動スライドドアです。
ミニバンのようにドアが重い場合、電動スライドドアがあるとお子様や年配の方でも乗り降りが楽になります。
また、狭い駐車場でも少ないスペースで開閉ができるので、壁際でも乗り降りが便利です。このような理由により、人気のオプションだとされています。
両サイド電動スライドドアは、査定で高評価になります。車種によっては片側のみのケースもありますが、スライドドアを装備していないより査定額を引き上げられるでしょう。
高評価される装備の4つ目は、ボディカラーが白黒系であることです。
基本的にボディカラーは、万人受けしやすい色が高額査定になる傾向があります。そのため、国内だけでなく海外でも「ホワイト」「ブラック」といった人気のカラーは、高値で取引きされることが多いです。
特にメーカーオプションである「パールホワイト」は、人気があるため高評価される傾向が強いと言えます。一方、好みが分かれやすいカラーは思ったより査定額に影響しないか、むしろマイナスになることが多いでしょう。
高評価される装備の5つ目は、サイドモニター・バックモニターです。
車の死角を軽減し安全運転をサポートしたり、車庫入れでバックする際のサポートをしたりすることでのメリットがあります。
実際、大きな車であれば車の死角も多くなり、目視しなければいけない箇所も多くなります。しかし、サイドモニターやバックモニターを搭載することで、車と駐車位置を一目で確認できるようになるため、縦列駐車や車庫入れが苦手な方にとって利便性が高くなります。
近年、人気オプションとして装備されていることが多いため、今後も需要が見込まれます。搭載されていると査定額がアップすることにつながるでしょう。
高評価される装備の6つ目は、サンルーフです。
サンルーフはメーカーオプションになるため希少価値も高く、高評価になりやすいです。
サンルーフを装備しているメリットとして、解放感を味わうことができる点が挙げられます。どうしても車の中は個室のようなプライベート空間となってしまいますが、サンルーフから空気が取り込まれれば、青空や星空を感じることもできるでしょう。
同乗者にとって楽しいドライブを楽しめる装備であるため、中古車市場でも人気があります。
プラス査定になりにくいオプションの装備とは?
車の査定時にオプションが搭載されていることで高評価になりやすいものがある反面、プラス査定になりにくいオプションもあります。
どういったものがプラス査定になりにくいのか知っておけば、役立つこともあるかもしれません。
ここからは、プラス査定になりにくいオプションを4つ紹介していきます。
プラス査定になりにくい装備の1つ目は、タイヤです。
「タイヤのオプションはプラス査定になるのでは…」と思う方も多いかもしれませんが、実際はプラス査定になりにくいです。
一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が定めているタイヤ評価基準として、「タイヤの残り溝」があります。査定基準になるのは、タイヤの残り溝が1.6mm未満・1.6mm以上・5mm以上の3段階です。
基本的に1.6mm未満であればマイナス査定になり、1.6mm以上5mm未満であればタイヤの評価は0点です。また、ひび割れや傷があれば、タイヤの溝に関係なく減点されます。
また、新品のタイヤに交換して査定を受けたとしても、それに見合った査定額アップは難しいことは知っておくとよいでしょう。
プラス査定になりにくい装備の2つ目は、エアロパーツです。
エアロパーツには、レーシングカーやドレスアップのエアロパーツが一般的です。「フロントバンパー」「サイドスカート」「リアバンパー」「リアウイング」の4箇所あり、全て揃っていないと評価額が下がります。
また、純正のエアロパーツが装備されていても、年数が経っていたり、損傷があったりすれば、マイナス査定になる傾向があります。
さらに、社外のエアロパーツは嗜好が大きく分かれるケースが多いため、プラス査定になりにくいでしょう。そのため、社外のエアロパーツを取り外した状態にしておけばマイナス査定にされることはなくなります。
ただし、エアロパーツを装着する時にボディに直接穴を開けて装着するタイプもあるため、取り外す前に一度チェックしておくとよいでしょう。
プラス査定になりにくい装備の3つ目は、マフラーです。
純正のマフラーは通常装着されているものなので、査定に影響を与えることはありません。
しかし、社外マフラーを装着していると、中古車市場で価値が下がる可能性が高まります。特に大手車買取業者では、車を再販売する時に多くの購入者が純正マフラーを望んでいるため、買取価格を下げる傾向があります。
また、ディーラーが下取りを行う際は、メーカーとして再販売する時に純正でなければ売れない現状があるため、査定額を大きく下げることが大半です。社外マフラーに取り替えたい時は純正マフラーを保管しておき、査定時に提出できるようにしておきましょう。
プラス査定になりにくい装備の4つ目は、ETCです。
ETCは、近年ほとんどの車に装着されていること、カー用品店やネットショップでも安価に購入可能なため、査定額の影響が少なくなっています。
ただし、影響が少ないからといって、査定前に無理にETCを取り外すことはやめましょう。ご自身で取り外すと内装に傷跡がつけきやすいため、さらに査定額が低くなってしまう可能性があります。
ETCが装着されている場合は、取り外さずにそのまま査定に出したほうが安心です。
オプション以外で査定額をアップさせる方法とは?
ここまで、オプションの査定についてお伝えしてきました。それでは、オプション以外で査定額を高くるす方法はあるのでしょうか?
査定前に実践できることもありますので、どうすると査定額が上がるのか知っておきましょう。
具体的に以下のことを行うと、査定額がアップしやすいとされています。
洗車や清掃がされていて綺麗になっていれば査定士の印象がよくなるため、好意的に査定してもらえる可能性は高まります。
ヘコみや傷を直さない
ヘコみや傷があると直してから査定したいと思うかもしれませんが、修理した金額よりも安く査定されてしまうケースが多いため、そのままの状態で出したほうがよいでしょう。
車検を通してから売却しても車検の金額分を査定額にプラスされることも少ないので、車検前に売却するのが得策です。
複数の車買取業者に査定依頼をする
複数の車買取業者に査定依頼することで競合した分、高価買取を行ってくれる可能性が高くなります。
数社で見積もりすれば、一番高い査定額を出してくれた業者に売却することができます。そのため、査定は一社にするのではなく複数の業者に依頼することが大切です。
買い取ってもらう時期にこだわりがなければ、中古車市場の需要が多い1~3月、9月に売却することで査定額が引き上がる可能性が高くなります。
このように、オプション以外でも査定額を高める方法はありますので、ご自身の車の状況に応じて対策をしましょう。
車の売り時はいつ?タイミングを誤ると損することも!