車の一括査定サービスはとても便利ですが、その手続きは普通の査定とどう違うのでしょうか?
また、査定を受けるにあたり、車の高値買取を狙うにはどのような工夫をするといいのでしょう?
この記事では、これらの疑問について解説していきます。
一括査定にはデメリットやリスクもあると言われています。業者とのトラブルを避けるための注意点なども説明しますので、一括査定サービスの利用を検討している方は参考にしてください。
車の一括査定のやり方と注意点を知って車を有利に売却しよう!
車を売却する際は、一括査定サービスを使う方法があります。
これは1回の手続きで複数の業者に査定を申し込めるサービスです。そのため、業者ごとに1件ずつ出張査定を申し込む手間が省けます。
利便性が高い一方で、営業電話が大量にかかってきたり、どんな業者にあたるか分からなかったりするデメリットやリスクもあります。
そうした点をきちんと踏まえて利用すれば、有利に車を売却できるでしょう。
車の一括査定の仕組みを覚えておこう
車は売却前に必ず査定を受けます。その際に「出張査定」を利用すれば、査定士が自宅などへ来てくれるので、車を動かさずに査定を受けることができます。
さらに、査定を複数の業者に依頼して「相見積もり」をとることによって、業者ごとの査定価格を比較することができます。そして査定額の高い業者に車を売却することができるのです。
この「出張査定+相見積もり」を簡単に行えるのが「一括査定」です。
複数の業者に査定を依頼するとなると、どの業者にするか決める段階から手間がかかります。
一括査定の便利なところは、専用のサイトで1度手続きをすると、複数の業者から査定の打ち合わせの連絡をしてきてくれる点です。
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車の一括査定の流れ
では、車の一括査定サービスを利用する場合、具体的にどのような流れで行うのでしょう?
専用サイトからの申し込み、業者との打ち合わせ、査定から売却に至るまでの「5ステップ」を以下で詳しく説明していきます。
まず一括査定サービスを利用するには、申込用の専用サイトへアクセスする必要があります。
そこで、査定を依頼したい車のメーカー、車種、年式、走行距離などの情報を入力すると、車の大まかな査定金額が提示されます。
さらに、住所・氏名・電話番号などの情報も入力しましょう。個人情報にあたるので、入力することに抵抗がある方もいるかもしれませんが、車を実際に確認しに来てもらうためには必要となります。
情報を入力し終えると、登録している買取業者から連絡が来るでしょう。ここで業者の選別と査定の相談をするのですが、一括査定の利用者の多くは、最初に連絡をくれた業者に車を売却することが多いとも言われています。
そのため、買取業者はライバル業者より少しでも早く査定の予約を取り、車を買い取ろうとします。営業の電話が大量にしつこくかかってくることもあるので、注意が必要です。
連絡してきた買取業者の中から実際に査定を依頼する業者を決めたら、査定に来てもらう日時を打ち合わせます。
複数の業者と並行してスケジュール調整することになるので、無理のない調整をしましょう。
査定当日には、査定士が直接自宅などへ来てくれます。作業は30分~1時間程度で終わることがほとんどで、作業が終了すれば買取価格の見積金額を出してもらえます。
この時、査定士から車に事故歴や修理歴がないか聞かれるので、全ての情報を隠さずに伝えてください。修理歴の内容によっては減額になりますが、下手に隠すと後でバレた時に大きなトラブルにつながります。
また、万が一後で何らかのトラブルが発生した時のために、査定時には第三者に立ち会ってもらってもいいでしょう。トラブル発生時に「言った、言わない」が問題となっても証人になってもらえます。
車の売買に詳しい方に立ち会ってもらえると安心です。
業者ごとの買取金額の見積もりが出そろったら、それぞれを比較します。ここで一番高値をつけてくれた業者へ売却できるのが一括査定の利点ですが、一方で見積金額に不審な点がないか確認も必要です。
一括査定には、顔見知りの業者同士が談合して高値をつけないケースや、逆に一つの業者が最初に高値をつけておいて、後に難癖をつけて減額するというケースがあります。
不審に感じたら、その業者とは慎重に付き合うようにしましょう。
査定金額の見積もりを比較したら、最も納得できる金額を出してくれた業者と売買契約を結びます。後は車や必要書類の引き渡し、売却代金の受け取りなどを経て、一括査定による車の売却は終了となります。
ただし、注意する点もあります。まず、車の引き渡しが終わっても、その後に業者による「再査定」が行われて減額されてしまうことがあります。売主側と業者側とのそれぞれの責任の所在が問題となります。
また、売却代金の支払いがいつになるのかは契約書に書いてあることが多いので、きちんと確認しましょう。中には書き方が曖昧だったり、支払期日が明記されていても、かなり先になっているケースもあります。
車を高値で売るには?
ここまで、車の一括査定サービスとはどんなものなのか、その内容と手続きの流れを説明しました。
では、車をより高値で売却するにはどのような点に気を付けるといいのでしょう?
以下では、そのコツやポイントを4つ紹介します。
自動車の性能は日々向上しており、同じ車種でも機能面や安全面の向上を目的として数年に一度の割合でモデルチェンジが行われます。すると、「型落ち」となった旧モデルの市場価値は大きく下落することになるでしょう。
モデルチェンジがいつ行われるものなのか、その具体的な時期は決まっていませんが、おおむね6年程度と言われています。
愛車を有利に手放すことを考えているのであれば、新しいモデルが出て「型落ち」となる前に売却するのが有効です。
改造した車などを査定に出す場合は、可能な限り交換前の純正部品も揃えておきましょう。
この時、パーツ交換まで行う必要はなく、純正のものがきちんと保管されているだけで査定時に有利になります。
また、純正部品とは少し違いますが、新車時についてきたリモコンや説明書などの付属品、カーナビなどのオプションも揃えておいてください。中古車はフルオプションであったほうが、買取価格がアップする可能性も高まります。
査定の際には、点検整備記録簿は必ず準備しておきたいところです。
点検整備記録簿は、法定点検整備を受けてきたことを証明する書類で、オイルや消耗品を交換した時期などを整備士が必ず記載することになっています。
これがあればメンテナンス履歴も明瞭になるので、査定における減点の要素も減ることになります。
メンテナンス履歴が不明なままだと、故障や不具合の疑いが残ってしまうので、査定時に不利になるのは避けられません。
車を査定に出す時は、できるだけ事前に洗車や清掃を行いましょう。
車の査定は一律の基準に基づいて行われ、その基準に洗車や清掃の項目はありません。しかし、一般的に「査定前の洗車や清掃は必須」とされています。
それには理由があり、車があまりに汚いと査定士から「管理が行き届いていない」と判断される恐れがあるからです。
汚れが原因で重要箇所がチェックしにくくなっていると、それもマイナス要素になるでしょう。
また、一度清掃することにより、査定に出す前に車を隅々までチェックすることができます。その結果、思わぬ部品の劣化や装備品の不具合、付属品の紛失などに気付ければ、査定前に対策を立てることができます。
車の一括査定のメリット
一括査定サービスには、2つの大きなメリットがあります。
1つ目は、車を高値で買い取ってくれる業者を簡単に見つけ出せることです。一括査定では複数の業者が関わっていると最初から分かっているので、業者としても他と競い合う形になります。その上で査定金額を出すので、売り手もその額を比べて、一番高値をつけた業者へ売却できます。
2つ目は、業者へ査定を依頼する時の手間が省けるということです。見積金額の比較のために複数の買取業者に査定を依頼しようと思うと、通常は業者ごとに個別に依頼をしなければなりません。そこで一括査定サービスを利用すれば、専用サイトでのたった一度の申し込みだけで済みます。
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車の一括査定のデメリット
一括査定サービスには、デメリットもあります。
1つ目は、専用サイトでの申し込みの際に個人情報を提供しなければならないことです。素性の分からない業者に個人情報が渡るのは嫌な方もいるでしょう。
2つ目は、買取業者からの営業電話が頻繁にかかってくることです。一括査定には複数の買取業者が関わるので、どの業者もどこよりも早くアポを取るべく電話をしてきます。
3つ目は、査定を受けて売却先となる業者を決めるまでの間に、複数の業者と並行して打ち合わせや交渉などを行う必要があることです。査定スケジュールの調整や価格交渉ともなると、慣れない方には難しいかもしれません。
ここに挙げた3つのデメリットは、一括査定が複数の買取業者へ勝手に情報が流れていくことに起因します。「どの買取業者にするか」「何件の業者に依頼するか」などを自分で決められるサイトを利用すれば、これらのデメリットは軽減されるでしょう。
車の一括査定のリスク
一括査定では、車が高値で売却できなかったり、あるいはほとんど値段がつかなかったりすることもあります。さらにトラブルが発生する場合もあり、こうしたリスクを踏まえて利用する必要があります。
まず、一括査定で手続きをしたから、必ず複数の業者に依頼ができるとは限りません。地域によっては出張査定を希望する業者がいないこともあります。また、車の状態によっては期待したような高値がつかないこともあります。
そして一番困るのは、売買契約を結んだ後で「再査定」による減額が行われるケースです。これは契約を結んだ後にも関わらず、車に不具合が見つかったので買取金額を減らされるというものです。
もちろん、本当に車に問題がある場合もありますし、売り手の責任が問われる場合もありますが、悪質な業者はそういった方法で安く買い叩こうとすることもあるので気を付けましょう。
車の一括査定のトラブルを避けるには
車の一括査定には、メリットと同時にデメリットやリスクが存在することを説明しました。
一括査定では、それが原因でトラブルになることもよくありますので、予防法としてどのような措置を講じておくべきかを説明します。
車を売却する際は、信頼できる事績を持つ業者に依頼するのが失敗しないためのポイントです。
例えば、国内で買い手がつきにくい過走行車や低年式車は、輸出販売が得意な業者に依頼するのが適切です。また、外車や輸入車も専門としている買取業者もあります。
一括査定に限った話ではありませんが、買い取った車を確実に売却できる販売ルートを持っている業者なら、その分を買取価格に反映してもらえるので頼りになるでしょう。
一括査定は、素性の分からない業者に一斉に情報が行き渡るため、悪質な買取業者に遭遇する可能性もゼロではありません。そのため、事前にネットの口コミなどで、信用度の高い業者をチェックするのが得策です。
まず、申込用の専用サイトを選ぶ時点で、サイトを運営している業者をチェックしましょう。そして申込手続きの前後でも、登録されている業者や営業の電話をかけてきた業者の評判を可能な限り確認してください。
一括査定に限らず、車を有利に売却したいなら、できるだけ日頃から買取相場をチェックしておきましょう。
大まかなものでも予備知識を身に付けておけば、最初に極端な高値をつけて後で減額するという、悪質な業者の手口も見破りやすくなります。
相場の動きをある程度知っておくと、逆に足元を見られて買い叩かれるリスクも少なくなります。
また、見積もりに対して相場よりも少しだけ高い金額を希望してみるなど、価格交渉の材料にもなるでしょう。
査定に出す自分の車が、一括査定に適しているかどうか事前に確認しましょう。
一般の買取業者にいくら査定させても高値がつかない故障車などは、廃車専門の買取業者を探すことに時間を費やしたほうがいいとも言えます。
買取業者は、買い取った車を再販売することで利益を上げます。そのため、業者が車を高値で買い取るかどうかの一番の基準は「売れるかどうか」であり、そうでない車は一括査定を利用しても値段がつきにくいです。
例えば、走行距離が長い過走行車、古い低年式車、修復歴ありの車などは、普通の買取業者に査定してもらっても、ほとんど値がつきません。こうした車は一括査定よりも、廃車専門の業者に任せたほうが確実でしょう。
最初の一括査定専用サイトで申し込みを行う段階で、不必要と思われる個人情報を入力させるようなサイトは避けるようにしましょう。
見ず知らずの業者に行き渡る個人情報は、最小限に抑えるほうが賢明です。ただし、住所や電話番号、氏名などの個人情報は、車の正確な査定価格を出すためにどうしても必要になります。
任意の業者やその件数をこちらで選択できるサイトも存在するので、不安ならそうしたサイトを利用することをおすすめします。
一括査定の買取業者とは、電話ではなく電子メールでやり取りすると最初から決めておくのもトラブルを避けることにつながります。それは、一括査定では申込直後から営業電話が大量にかかってくる恐れがあるためです。
中には「電子メール可」の一括査定サイトもあります。ただし、メールだけでは査定してもらう車の情報を詳細に伝えるには限界があります。電話とメールを必要に応じて使い分けることも考えておくといいでしょう。
一括査定は複数の業者が競合することが前提なので、業者側でも競争心理が働き、有利な価格交渉がしやすいと言えます。価格交渉というと難しそうですが、こちらの本当の希望金額は言わないなど、情報の出し方を工夫するだけでも十分です。大切なのは、査定の段階で即決せず、買取価格の見積もりが揃ってから落ち着いて検討することです。その段階で、相場価格よりも少し高い買取価格を提案してみるのもいいでしょう。