車の一括査定サービスを利用すると、複数の業者に競合させて査定金額を比較できます。そして、交渉次第では査定金額をアップしてくれる可能性もあるでしょう。

車の買取価格交渉というと、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、ここで紹介するいくつかのポイントを知っておけば、買取業者への交渉もしやすくなるでしょう。

これから一括査定を利用する方は、ここで挙げる交渉術を参考にしてみてください。

車の一括査定のときこそ交渉しよう!

車の一括査定のときこそ交渉しよう!
車を売る時に、買取店側が示した買取価格だけを参考にするのではなく、自分の希望金額をきちんと示して価格交渉ができれば理想的です。

車の一括査定は、このような価格交渉をしやすいと言えます。なぜなら、一括査定はもともと複数の業者が競合しているのが当然なので、業者としてもライバル店を出し抜いて車を買い取る方法を模索しているからです。

買取価格の交渉をすれば多少の価格アップには応じてくれるかもしれません。

車の一括査定で交渉が必要な理由

車の一括査定で交渉が必要な理由
車の一括査定サービスは、専用サイトを通して一度に複数の業者へ査定を申し込むことができます。自力で複数の業者に一件、一件、出張査定を依頼するのとは異なり、申し込みの手間が省けるのが魅力です。

この、自動的に複数の業者へ一気に依頼できるという点がポイントです。依頼を受ける買取業者でも、複数の業者との競合になることは分かっているので、可能な限り他よりも査定金額を高くするなどして車を買い取ろうとします。そのため、ここで交渉の余地が出てきます。

他の業者がつけた価格や相場価格などよりも少し高めの金額を希望すれば、業者によってはそれに応じてくれるかもしれません。むしろそれが可能な点も、一括査定のメリットと言えるでしょう。

もともと一括査定は、複数の業者の査定価格を比較し、最も高値をつけた業者に売却できることがメリットとして挙げられます。交渉することで、このメリットを最大限に活かすことができるのです。

一括査定で使える12の交渉術

一括査定で使える12の交渉術
車の一括査定は価格交渉がしやすいものの、実際に交渉するとなると多少のコツがいります。

以下では、そのコツを12個紹介しますので、査定前や査定後のそれぞれのステップで、可能な方法を試してみるといいでしょう。

1.売る意志があることを示す

まず「自分には車を売る意志がある」ということを、しっかり示しておきましょう。いわゆる冷やかしで車を査定してもらうわけではなく、必要なら交渉にも真剣に臨むつもりでいるという気持ちを言葉や態度で表現してください。

こちらが車を売るつもりがないと見なされれば、業者の対応もそれなりのものになってしまいます。価格アップを狙うなら、やはりこちらが本気を見せ、査定士にも本気になってもらうことが必要です。

買取業者も慣れているので、車のオーナーが曖昧な態度でいれば、そもそも売る気があるのかないのかはすぐに見抜けます。

なんとなく売却価格を知りたいだけの冷やかし半分で査定を受けても、意味がないことが多いです。

2.いつまでに売却したいのかを示す

買取業者としては、車をすぐにでも買い取りたいというのが本音です。そのため、売却予定時期をわざと少し先に設定しておくことで、査定価格をアップしてでも早く買い取りたいという気持ちに誘導するのも有効な方法です。

話す順序としては、まず売却予定時期は数ヶ月先になることを告げます。そして、相場の変動を踏まえて、そのタイミングなら買取価格はいくらになるのか、もし今売却したらいくらになるのかを続けて確認します。

業者が本気で「今売ってほしい」と考えているなら、先に確認した数ヶ月先の買取価格よりも高めの額を示す可能性が高いです。

このとき、必ず先に数ヶ月後の価格を聞き、その後で現在の売却価格を聞くようにしましょう。

3.本当の希望価格は言わない

査定の際、買取業者から「いくらで売却したいのか」を聞かれても、正直な価格は言わないのが得策です。

なぜなら、業者はできるだけ安く買い取ろうとするので、先に希望額を示すとそれ以上高値がつかなくなるからです。

希望価格を聞かれたら、とりあえず相場よりもかなり高めの額を言っておいてもいいでしょう。後は交渉次第として、状況によっては譲歩するという可能性も示唆しておけば、業者も妥当な価格をつけるはずです。

もしも車の相場を知っており、中古車市場での自分の車の価値がどれくらいなのか把握していても、あまり詳しくないふりをすることをおすすめします。その上で、タイミングを見て相場よりも少し高めの希望額を示すのが大切です。

4.車体の小さな傷や凹みのことは言わない

査定を受ける時は、車に劣化や損傷などがないかが大きなポイントになります。

過去に事故に遭遇したなどの理由で重要な骨格部分を損傷していたりすると、大きな減額となります。しかし、こうした修復歴は嘘をついて隠したりせずに、こちらからきちんと伝えましょう。

隠してもほとんどの場合は後になってからバレてしまいますし、告知義務違反として最悪の場合は訴訟沙汰になることも考えられます。

一方で、車の機能や安全性とは無関係の小さな傷や凹み程度であれば、特にこちらから言う必要はありません。その程度なら査定士もすぐに気付きますし、スルーされても後でトラブルに発展する可能性が低いです。

5.好材料は強調する

査定の際、価格アップのための好材料になりそうな事柄は、積極的にアピールしていくのも重要です。

例えば、タイヤやワイパーなどの消耗品が比較的新しいものであればアピールポイントになります。また、車のオプションや車検の残り日数についても同様です。

オプションについては、人気のものやメーカーオプションがあれば積極的に価値を強調できます。特にカーナビや、後付けできないサンルーフなどがあればプラス査定が期待できます。

そして、車検の残り日数が3ヶ月ある場合も査定を受ける上で有利です。その他、定期的なメンテナンスやこまめなオイル交換を心がけていた場合は、点検整備記録簿を提示してアピールしていくといいでしょう。

6.愛車を大切にしてきたことも強調する

上記の「好材料は強調する」という内容にも通じますが、売却する車を持ち主としてどれくらい大切に扱ってきたかをアピールするのも大切です。

言葉での表現に限らず、車内や車外を綺麗にしておいたりすることで伝わるでしょう。

また、車の付属品を前もって揃えておくのも重要です。リモコンや取扱説明書、メンテナンスノート、スペアキーがあると査定時の印象もよくなります。

傷や凹みなどは、下手に修理すると状態が悪化しがちなのでやめましょう。

7.買取店側の気持ちも考える

車を売却する経験が少ない方の場合、交渉と言うと、業者との「駆け引き」の側面ばかりが気になって身構えてしまうものです。

しかし、本当の交渉は売り手と買い手とが納得できる落としどころの金額を決めるのが目的です。そのため、価格アップという目的にとらわれて、業者に無理な注文はしないほうがいいでしょう。

売り手としては、相手が悪徳業者でないか気になるところですが、業者のほうでも売り手が誠実な人かどうか観察しています。

8.即決はしない

車の査定において、業者から「今ここで決めてくれたら、査定額をアップします」と提案されることがあるかもしれません。しかし、その場で即決してしまうと、他の業者の査定額と比較して高値で売却できるという一括査定のメリットが活かせなくなります。

実際のところ、複数の業者のうち一社だけが極端に高値をつけるということはほとんどありません。言葉巧みに即決を促されても、「他の業者の査定額と比べる」と言っていったん保留にしておきましょう。

もしも他の業者と比べて、あるいは相場と比較して極端に高い査定価格を提示されても、冷静に対応してください。中には、最初に高値を示しておいて後で減額するという悪質な手口もあります。

9.価格交渉は最後にする

査定の際、「価格交渉しなければ」と気持ちが前のめりになるかもしれません。しかし、全ての業者の査定が終了し、見積もりが出揃ってから交渉するのがおすすめです。

その前に価格交渉をして金額を変動させてしまうと、比較する基準が曖昧になって分かりにくくなります。

見積もりが出揃ってから、業者の信頼度なども含めて広い視野で改めて考えましょう。

また、ここで紹介している交渉テクニックも、それぞれ利用するのに適したタイミングがあります。査定を受ける前に心得ておくべきこともあれば、査定後にじっくり交渉する際に使えるテクニックもあります。

いきなり全てのテクニックを駆使して価格交渉せずに、段階を踏んで適切なタイミングでカードを切るようにしましょう。

10.相場よりも少し高めの額で交渉してみる

価格交渉という観点で見た場合、どういう段階で希望買取価格を提示するのが適切なのでしょう?

まず本当の希望買取価格は伏せておくことが大切で、提案する希望金額は少し高めにしておくのがベストです。

最初に業者から「いくらで買い取るならすぐに売却できますか?」と確認される場合も多いです。その際は、通常の買取相場か、他の業者が先に出した見積金額があれば、それらよりも高めの額で答えるようにしてください。

なぜなら、業者では基本的に相場よりも数万円〜100,000円以上低い金額から交渉しようとするからです。こちらから最初に低めの額を出すと、損をすることになります。

売り手は相場よりも高めのところから交渉をスタートさせるほうが有利です。

11.一番高い査定額より少し高めの額で交渉してみる

他の業者が先に査定して見積もりを出している段階で、「いくらならすぐに車を売ってくれますか?」と聞かれたら、先にもらった見積もりよりも少し高めの額で答えましょう。これは、前項の「価格相場よりも高めの額で交渉する」とも通じることです。

複数の買取価格を比較するために一括査定を利用するとはいえ、一社だけが飛び抜けて高い金額を出すことはありません。どれも普通は買取相場を踏まえた金額を提示してくるものです。

そのため、先に提示された査定金額よりも高めの額を示しておけば、おおむね相場よりも少し高めということになるでしょう。結果的に、こちらにとって有利なところから交渉をスタートさせることができます。

12.他店の査定額を示してみる

業者と交渉する際、他社が提示した査定額をオープンにしてしまっても問題ありません。少し気が引けるかもしれませんが、むしろ業者としてはそのほうが具体的な買取金額を挙げながら交渉していけるので、やりなすくなることもあります。

ただし、ここで価格アップを狙うために嘘の金額を伝えるのは厳禁です。ほとんどの業者は価格相場を踏まえた金額を出してくるものなので、不自然な数字を示してもバレるか、不審に思われるのは確実です。

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高値買取のための注意点

高値買取のための注意点
ここまでで査定時に使える交渉テクニックをいくつか紹介しましたが、もし車そのものに問題があれば、いくら交渉をうまく進めても意味がありません。

以下では、車を高く売るためにできるいくつかの方法を説明します。

相場はあらかじめチェックしておく

車を有利に売却したいなら、日頃から中古車の買取相場をチェックしておくことをおすすめします。

自分の売りたい車がどれくらいの価格で市場に出回っているのか、どのようなタイミングで価格が変動するのかなどを覚えておくと便利です。

相場を把握しておくことで、例えば業者との交渉の場面で、先述したようにあえて少し高めの金額を希望することも可能になります。

また、不自然な査定価格をつけられた場合も見破りやすいでしょう。

高く売れる時期を狙う

車には、高値で売却しやすい時期があります。

1~2月

4月が進学や就職などで人が動く時期であることから車の需要が増え、それに合わせて買取店も事前に在庫を多く確保しようとするためです。

また、3月末は決算期なので、できるだけ多くの車を売って実績を上げたいという思惑もあります。こうしたタイミングだと、業者も少し高値になってもできるだけ多くの車を買い取ろうとするので、高価買取が期待できます。

モデルチェンジの前

同じ車種でも、数年に一度、安全や機能面の向上のためにモデルチェンジが行われます。そのため、旧モデルは「型落ち」となり、市場価値が下がります。

ただし、モデルチェンジがいつ行われるか、そのタイミングは決まっていません。かつては2~4年周期と言われていましたが、最近は車の性能も向上しており6~8年とも言われています。

厳密にタイミングを見極めるのは、少し難しいでしょう。

洗車・清掃をしておく

車を査定に出す時は、できるだけ事前に洗車・清掃を行いましょう。

車の査定基準に洗車や清掃の項目はありませんが、車があまりに汚いと、査定で「管理が行き届いていない」と判断される恐れがあります。

清掃する際のポイントはいくつかありますが、特にタバコやペットの臭いには気を付けましょう。車の持ち主は気付かなくても、査定時に臭いが原因で減額となることもあるので、査定前に念入りに消臭と脱臭をすることをおすすめします。

キズ隠しなどの修理はしない

傷などの損傷がある車を査定に出すとなると、あらかじめ修理しておいたほうが有利になるのではないか?と思う方もいるでしょう。確かに傷は査定時にマイナスとなりますが、自身で修理する必要はありません。

なぜなら、こうした傷は素人が修理するとかえって状態が悪化し、かえってマイナスになる可能性があるからです。これは傷の大小に関わらず同じことが言えます。

大きい損傷の場合は修理費も高くつくので、高値で売却できたとしても得になることはありません。

事故歴・修復歴は隠さない

一括査定に限らず、査定では、あらかじめ車の状態について大まかなヒアリングが行われます。この時、大きな故障・損傷・修復歴については、隠したり嘘をついたりしないで正直に説明してください。

特に大きな修復歴がある車の場合は、業界用語で「事故車」と見なされ、慎重に取り扱われることになります。査定でも減額の対象となりますが、隠していた場合、後でバレると契約キャンセルや損害賠償に発展するかもしれません。

修復歴や事故車の定義は厳密に決まっており、大まかに言えば車の安全性・機能面に関する重要部位が損傷したり、それを直した経歴があったりするものを指します。

ただし、これは専門知識がないと詳細を把握するのは難しいです。そのため、とにかく大きな故障・修理の履歴は隠さないことが大切です。

このように自分の車がいわゆる「事故車」に該当するのではないかという心当たりがある場合は、最初に話しておきましょう。

売り手側も観察されている

交渉の場面では、業者の営業トークに言いくるめられないようにしなければと、つい構えてしまうかもしれません。

しかし、買取業者のほうも売り手側が「車を本当に売る気があるのか」「中古車売買の知識はあるのか」「誠実な態度で査定に臨んでいるのか」などを観察しているということを忘れないようにしましょう。

売り手と買い手の駆け引きになると、勝負ごとのように感じられるかもしれませんが、車の査定や売却も、基本的にはお互いの信頼関係の上で成り立っています。

まとめ

①一括査定は複数の業者の競争が前提なので交渉の余地がある
②査定の際は「売る意志」「車を大切にした事実」「車のアピールポイント」を強調する
③査定の際は「本当の希望価格」「小さな傷の存在」は言わないようにする
④即決はせず、査定見積額が全部揃ってから交渉する
⑤交渉時は相場あるいは一番高い査定額よりも少し高めの金額を希望してみる
⑥競合する業者の査定額を示すのもあり
⑦査定してもらう前にあらかじめ車の相場を確認したり、洗車や清掃などをしておく

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