車の買取査定の方法の一つに「出張査定」があります。そして、出張査定を複数の業者に依頼して「相見積もり」をすることで有利に車を売却することができます。

この出張査定と相見積もりを簡単に行えるのが「一括査定」というサービスです。

一括査定を利用すると利便性は高まりますが、一方でデメリットも高まります。そのため、利用には慎重になる必要があります。

この記事では、出張査定と相見積もりの特徴や利点などを中心に説明していきます。そして、一括査定サービスのメリットや注意点についても紹介します。

一括査定は「出張査定」と「相見積もり」のメリットをフル活用できる!

車を売却する際、まずは査定を受けることになるでしょう。査定方法の中でも便利だとされているのが「出張査定」です。

出張査定は、買取店の査定士に車の保管場所へ直接来てもらって査定を受けるサービスとなります。これを複数の業者に依頼して、それぞれの査定金額の見積もりを比較する「相見積もり」を行えば、より有利に車を売却できます。

この出張査定と相見積もりの双方のメリットをフル活用できるのが「一括査定」という方法です。

「出張査定」と「相見積もり」の組み合わせで車を売却しよう!

「出張査定」と「相見積もり」の組み合わせで車を売却しよう!
先述したように、出張査定は、車の保管場所へ買取業者に直接来てもらい、その場で査定してもらう方法です。それ以外だと店舗へ持ち込む「持ち込み査定」もありますが、これは車を移動させる手間がかかります。

そして、複数の業者に査定を依頼して、それぞれの買取金額の見積もりを比較するやり方が「相見積もり」です。相見積もりをすることで車の相場なども把握できるので、それを材料に買取業者と交渉することも可能となります。

つまり、出張査定と相見積もりを併用すれば、車を動かすことなく可能な限り高値で売却できるということです。

「出張査定+相見積もり」という組み合わせは相性抜群なので、車の売却で全般的に活用できると言えるでしょう。

出張査定のメリット・デメリット

出張査定のメリット・デメリット
出張査定は、相見積もりと組み合わせることで、コストをかけずに車の高値売却を可能にします。以下では、出張査定のさらに詳細なメリットとデメリットを説明していきます。

出張査定のメリットとデメリットは、そのまま一括査定にも当てはまることなので、詳しく知識を身に付けておけば、一括査定を利用する際にも役立つでしょう。

出張査定のメリット

出張査定の主なメリットは3つあります。

それは、店舗に持ち込む必要がないこと、車検切れや故障などで動かせない車でも査定してもらえること、査定に納得がいけばそのまま引き取ってもらえることです。

この3つがいかに利点であるかは、車の査定のもう一つの方法である「持ち込み査定」と比べるとより明瞭になるでしょう。両者を対比しながら、出張査定の利便性の高さについて解説していきます。

メリット①店舗へ持ち込む必要がない

出張査定の大きなメリットは、わざわざ買取業者の店舗へ車を持っていく必要がないことです。

業者に査定を依頼する場合、店舗へ持ち込む「持ち込み査定」というやり方がありますが、これは現車を持参しなければなりません。そのため、事故による故障やバッテリー切れなどで動かない車は、持ち込み査定はできないことになります。

また、持ち込みの場合は飛び込みでも受け付けてもらえるものの、店舗が混雑している場合は待ち時間も長くなるでしょう。

一方、出張査定の場合は最初から査定のスケジュールを打ち合わせるので、こうした無駄な待ち時間は発生しません。複数の業者に依頼するとしても、自分の都合に合わせてスケジュールを立てることができます。

メリット②不動車などでも気軽に査定してもらえる

出張査定は、車の保管場所へ直接来てもらえるので、売り手は車を移動させる必要がありません。動かせないため持ち込み査定ができない車でも、出張査定なら問題なく見てもらえます。

この場合の「動かせない車」とは、事故などで故障や破損した車やバッテリー切れの車、さらに車検切れで公道を走れない車なども含まれます。

出張査定は、そうした問題のある車でも査定を受けることが可能です。また、車を引き渡す時も同様で、買取業者が車を引き取りに来てくれるので安心です。

故障などで動かせず価値がつくか分からないような車は、なおさら「出張査定+相見積もり」が効果的と言えるでしょう。

メリット③そのまま引き取ってもらえる

出張査定で査定してもらい、出された買取金額に納得がいけば、そのまま売買契約を交わして車を引き取ってもらえます。それは、バッテリー切れや車検切れで動かせない車でも問題ありません。

もちろん、複数の業者に査定を依頼しているなら一回の査定で結論を出さず、売却を決めた業者に後で引き取ってもらうこともできます。

査定に来てくれた買取業者を手ぶらで帰らせるのは気が引けるかもしれませんが、気にする必要はありません。

出張査定のデメリット

出張査定のデメリットは「買取業者との打ち合わせが面倒くさい」ということが挙げられます。お店が忙しい時期などはスケジュール調整などに苦労するかもしれません。

また、査定の際、家の中に入られることに抵抗を感じる方もいるでしょう。その場合は、査定からその後の打ち合わせまで、全てガレージや屋外で済ませられるように準備が必要です。

持ち込み査定にしても、予約を入れればスケジュール調整が多少面倒なのは同じなので、総合的に見て出張査定に大きなデメリットはないと言っていいでしょう。

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相見積もりのメリット・デメリット

相見積もりのメリット・デメリット
ここからは、相見積もりのメリットとデメリットを説明します。

メリットとしては、複数の業者から見積もりを出してもらうことで自車の一般的な買取相場が分かる点と、それを踏まえながら高値売却を狙える点です。

デメリットとしては、複数の買取業者に申し込む手間がかかることと、その業者の良し悪しを見極めなければいけないことです。さらに業者による談合が行われる可能性もゼロではないので、これらの点を心得て臨むようにしましょう。

相見積もりのメリット

相見積もりのメリットは、買取業者の査定見積もりを複数比較することにより、おおよその買取相場が分かる点です。

そして、それを参考にすれば、業者と交渉してさらなる高値買取に結び付けることも可能になるでしょう。

メリット①高値買取を狙える

もともと相見積もりは、車をより高値で売却することを目的に行われるものです。

1つの買取業者のみに査定金額を出してもらっても、金額が高値なのか安値なのかは判断できませんが、3~5社のものを比べれば、どこに売ると最もいいかが分かります。

さらに、他の業者が出した査定金額を材料にして、うまく交渉すれば、買取価格をアップさせることもできます。その際は、次の項目で述べる買取相場の価格も参考になるでしょう。

メリット②買取相場が分かる

車の査定基準は基本的に共通なので、複数の業者から出してもらう査定金額は、だいたい似たり寄ったりになりがちです。そのため、出された金額から車のおおよその市場価値が分かります。

業者としても、買取相場から大きく逸脱した査定金額を出すメリットはありません。最初に金額を吊り上げておいて、後で減額する悪質な業者ならともかく、基本的には相場を目安とした査定金額になることが多いです。

売り手は、それを材料に価格交渉ができます。買取相場や他社の査定金額よりもほんの少し高いくらいの金額であれば、値上げ交渉で示す金額としては常識的と言えます。

業者も最初は査定額を低めに見積もることが多いので、強く拒まれることはないでしょう。

相見積もりのデメリット

以下では、相見積もりのデメリットを説明します。

まず、買取業者を選ぶ段階で優良な業者かどうかを確認する必要があります。しかし、これは車を売却するときに避けて通れない問題だと言えるでしょう。

また、複数の業者に査定を依頼するという性質上、特有のデメリットもあります。複数件の査定のセッティングを行う面倒さももちろんありますが、買取業者たちが裏でつながっている可能性も絶対にないとは言い切れません。

デメリット①複数の業者に申し込まないといけない

相見積もりをするためには、査定のスケジュール調整やその後の交渉などについて、複数の業者と並行して連絡を取り合う必要があります。

一件一件査定を依頼してもいいのですが、それでは全ての査定が終わるまで期間が長くかかってしまうので大変です。

相見積もりを行う際には、依頼する前から業者の数やスケジュールをあらかじめ決めておき、それを業者にも教えておくのが理想的です。

また、依頼する業者の数も必要最低限に絞りましょう。

デメリット②業者の良し悪しを見極めないといけない

車の査定先を自分で探す以上は、悪質な買取業者に遭遇することのないよう注意が必要です。依頼をする前に、ネットの口コミなどを利用して、事前に情報を集めておきましょう。

悪質な業者というのはどういったものを指すかというと、例えば他のライバル業者を出し抜いて車を買い取ろうとするあまり、査定の際に「即決」を迫ってきたり、即決するまで居座って帰らなかったりといったタイプがあります。

さらに、査定時には高値での買い取りを謳っておいて、車を引き渡した後で「再査定」を行い減額してくるという手口もあります。

全てこちらで毅然とした対応を取っていいものばかりですが、こうした業者は最初から遭遇しないに越したことはありません。

デメリット③業者に談合されるリスクも

必ずあるとは言い切れませんが、買取業者が裏でつながっており、談合される可能性もゼロではありません。地方ではもともと買取業者が少ないため、広い範囲でランダムに選んだつもりが裏でつながっていた、ということも考えられます。

特定のところが得をしないように業者同士で示し合わせて、査定で高値をつけない可能性があります。こうなると売り手としてもどうしようもなく、交渉したところで価格アップは見込めないでしょう。

査定金額を比較した際、金額が不自然に近い上に交渉にもなかなか応じないなど、不審な点があれば、改めて別の業者に査定を頼むことをおすすめします。

相見積もりにはこうしたリスクも潜んでいます。

一括査定は両者のいいとこどり

買取業者に来てもらって査定を受ける「出張査定」と、複数の業者の査定見積もりを比較する「相見積もり」を併用することで、低コストかつ有利に車を売却できることが分かりました。

これから説明する一括査定は、最初からこの両者のメリットをいいとこ取りしたサービスだと言えます。

以下ではその高い利便性と、避けて通れないデメリットなどを解説しましょう。

一括査定ならではの利便性の高さ

一括査定ならではの利便性の高さ
車の一括査定は、たった一度の手続きだけで複数の業者に出張査定の依頼を出せる、利便性の高いサービスです。

買取業者に一件ずつ連絡をして査定依頼を出すのは大変ですが、一括査定なら業者のほうから連絡をもらえます。

後は、先に説明した「相見積もり」と同様に、より高値で買い取ってくれる業者に車を売却できます。業者から出してもらった査定額の見積もりを比較し、交渉などを経て、最も有利なところに売るといいでしょう。

一括査定の場合、買取業者も他のライバル業者と競合していることを前提に話を進めていきます。よって、業者側もより良い条件で車を買い取ろうとしますし、こちらの交渉にも応じてくれる可能性が高いでしょう。

一括査定には特有のデメリットもある

一括査定には特有のデメリットもある
便利な一括査定ですが、デメリットもあるので紹介します。

以下では、さしあたり大まかなものを2つ挙げますので、利用する際はくれぐれも注意して下さい。

最大のデメリットは電話が大量にかかってくること

一括査定のデメリットと言われているのが、買取業者からの営業電話が大量にかかってくることです。

一括査定に申し込むと、登録している業者に情報が行き渡り、ほとんど間を置かずに「車の査定・売却を任せてほしい」という電話がかかってきます。

一括査定である以上、買取業者たちも他の業者と競合することを心得ているので、先を越されないように電話をかけてきます。その結果、電話が殺到してしまい、何も知らずに申し込んだ方は驚くことになるでしょう。

対策としては、前もって買取業者の数を絞れる一括査定サービスを利用するか、連絡を取り合う時刻などを業者たちと取り決めておくことです。業者の数を絞る場合は、3~5社程度が妥当だと言われています。

そして、その後は選択した複数の業者と、査定の打ち合わせや商談を進めていくことになります。全て並行してこなすのは少し大変ですが、きちんと段取りを組んで査定を受ければ、有利な売却を実現できるでしょう。

業者を選べないことも多い

一括査定専用サイトにもいくつかタイプがあり、買取業者を選べるものと選べないものがあります。

選べないものだった場合、前項で書いたように何件もの買取業者から電話がかかってくるでしょう。

そして、反対に査定を希望する業者が一社も現れないこともあります。例えば、車が低年式車や過走行車だった上に出張査定の行き先が遠すぎたりすると、コストに見合わないと判断されるかもしれません。

最も注意すべきなのは、一括査定サービスに登録している買取業者の中には、悪質な業者も混じっているかもしれないということです。こうした業者に当たってしまい、トラブルに発展するケースもたくさんあります。

具体的には、再査定により減額されてしまうことです。これは、最初の査定では高値を提示しておいて、車を引き渡してから不具合が見つかったという理由で一方的に金額を減らしてくるというものです。

このようなケースでは、売り手が意図的に不具合を隠したりしていなければ応じる必要はなく、悪質な業者もその手口と対処法を知っていれば必要以上に恐れることはありません。

しかし、一括査定にはこのような問題点もあるということは覚えておきましょう。

デメリットとリスクを回避するなら「出張査定+相見積もり」

デメリットとリスクを回避するなら「出張査定+相見積もり」
一括査定には、一回だけの手続きで複数の業者に査定を申し込める点が大きなメリットです。一方、大量の電話がかかってくるデメリットや、悪質な業者に遭遇するかもしれないリスクも潜んでいます。

もっとも、それらの短所のいくつかは一括査定に限った話ではありません。一括査定を利用しなくても、悪質な業者に当たる可能性はあります。

しかし、一括査定というシステムは不安視する方も多いので、手軽さよりも安全性を重視するなら、やはり自分で優良な買取業者を探して「出張査定」と「相見積もり」を利用するといいでしょう。一括査定と比較した場合、業者に申し込む手間だけはかかりますが、結果的には高値で車を売却することができます。

まとめ

①車の価格査定は「出張査定+相見積もり」が有利
②一括査定は「出張買取+相見積もり」よりもさらに利便性が高い
③出張査定にデメリットはほとんどない
④相見積もりには、高値買取が期待できるなどのメリットがある
⑤相見積もりは複数の業者に依頼することによるデメリットもある
⑥一括査定には、これらに加えて特有のデメリットがある
⑦一括査定特有のデメリットを避けたいなら、「出張査定+相見積もり」を選択する

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