車の査定は基本価格をベースにして車両状態を加味して計算されます
車の査定の計算方法は、日本自動車査定協会(JAAI)によって決められています。まず車はクラス分けがなされています。
これは車種によって分けられ、国産車の場合8つのクラスに分類されます。輸入車の場合、クラスは7つに分けられています。
この中でもどのクラスに該当するか、そして市場で取引されている相場をベースにして基本価格を決めます。さらにここから個別の車両の状態をチェックし、査定金額が計算されます。
車の査定額を出すにあたって査定員がチェックするポイントはいくつかあります
基本価格があって、そこから車の状態を見て加点・減点して買取金額を計算します。査定員がチェックするポイントはいろいろとあります。
まずは、車体のスペック面からポイントをご紹介しましょう。
車が初年度登録された年度は重要なポイントです。年式が新しいものを俗に高年式といいますが、新しければ新しいほど評価が高くなります。
一方、車両が古い低年式の場合、マイナス査定になる恐れがあります。ただし例外もあって、人気はあるけれども市場に出回っている数が少ない、希少性の高い車であれば、逆に加点される可能性も考えられます。
車の走行距離も重要なポイントです。走りすぎると車の負担も大きくなりますし、逆に走行距離が少ないと動かしていないことになり、故障を起こしやすくなります。
車の平均的な走行距離で好ましいとされるのが、普通自動車で年間1万kmです。軽自動車はもう少し少なく年間8000km程度といわれています。
例えば5年間乗り続けた車の場合、普通車は5万km、軽自動車は4万kmまでが好ましいとされる距離です。この基準に近いとプラスに評価されます。
なお、平均走行距離があまりに多いと、不具合の出るリスクが高いと評価されます。このため、マイナス査定の要因となるでしょう。
車の走行性能も査定の中では重視されます。特に車を走らせるのに欠かせないエンジン回りの状態は査定員が細かくチェックします。
エンジンを実際にかけて、異音の有無やオイルやプラグの状態などを確認します。もしエンジンをオーバーホールしている場合にはそれを申告すると、プラス査定になる場合もあります。
もし改ざんをしている場合には、買取を拒否される場合もありますから注意しましょう。車台番号をチェックすれば、改ざんなどはすぐにわかってしまいます。
社外パーツのついている車は、一般的にはマイナス査定になる傾向が見られます。しかしカスタムカーを専門に取り扱っている買取業者で、人気のあるパーツなら社外品でもプラスに評価してくれる可能性はあります。
ただし、車検を通せないようなカスタマイズをした改造車の場合、マイナス査定になりますから注意しましょう。あまりにひどい状態であれば、買取そのものを拒否される可能性も出てきます。
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スペックでは表せない外装や内装は査定の大きなポイントです
車体の年式、走行距離、エンジン回りなどは車の使い心地に大きく関わるポイントですが、見た目である外装や、直接肌に触れる内装も大きなポイントとなります。
車のボディの状態は査定に関わる大きなチェックポイントの一つです。たとえば、ボディに傷や汚れがあると、マイナス査定になる恐れがあります。
ただし、数が少なく、ひっかき傷のようなごく浅いものであればマイナスにならない場合もあります。車を運転していて砂利や小石を拾い上げてボディにぶつかり、小さな傷がつくということは普通に起こるからです。
一方、傷がたくさんついている、ボディがへこんでいるなど目立つキズの場合、そのままでは売りに出せません。修理する必要があり、その分査定がマイナスになってしまいます。
そのほかにはランプがきちんとつくか、アンテナなどに破損がないかなどもチェックされます。さらにボディカラーも意外と重要な要素です。
ホワイトやブラック、シルバーのようなオーソドックスな色の場合、買い手が付きやすくプラス査定になりがちです。そのほか車のモデルの中にはイメージカラーをつけているものもあって、このような色もプラス評価になりやすいです。
外装だけでなく、内装の状態も査定の評価対象になります。特にシートやフロアマットの汚れの状態については重視される傾向があります。
靴に付着していた砂利や泥などがマットに付着して意外と汚れているものです。あまりに汚れがひどいと交換する必要があり、査定金額が大幅に下がってしまうこともあり得ます。
また内装の場合、重要なのは臭いです。自分では気づかなくても、習慣によって特定の臭いが染み付いているケースが結構あります。
特に車内でタバコを吸う、ペットと一緒に乗っている場合、マイナス評価となる可能性が高くなります。特にタバコの場合は焦げ跡が残ったり、ペットだと粗相をしてシミができていたりするとさらに査定金額が下がってしまいかねません。
車の査定でプラス要因になるものはいろいろあります
車の査定の中で状態が良ければ、プラス査定になる可能性があります。以下で主にどのようなものがプラス査定対象になるかについて紹介します。なお、以下で紹介している1点は1000円と考えてください。
ボディと内装については、きれいかどうかがポイントになります。内装は汚れや傷など減点する対象がない場合には20点プラスされます。
ボディの場合も無傷で新品同様であれば、40点加点されます。しかし無傷とまではいかないまでも許容範囲であれば、20点の加点査定となります。
タイヤは溝がどの程度残っているかが加点ポイントになります。溝が5mm以上残っている場合には、加点対象になりえます。
これはタイヤのサイズによって決まります。軽自動車の場合13インチのタイヤが主流ですが、この場合2点プラスです。
コンパクトカーの場合14~15インチが多いので、3~4点プラスになるでしょう。普通車は15~16インチがメインで4~5点プラスされるでしょう。
逆にあまり溝が残っていなくて交換が必要な場合には、減点となります。溝が残り1.6mm未満はマイナス査定の対象になると考えましょう。
オプションをつけている車の場合、それが加点ポイントになり得ます。例えばパワーウィンドウのついている車であれば、10~30点の加点となります。
アンチロックブレーキシステムを導入している車も10~30点の加点が期待できます。ただし後輪のみの場合には、半分の5〜15点となります。
本革シートの場合、大きな加点が期待できます。10~110点程度のプラスになりますが、穴や破れのある場合には加点されないことも考えられます。
サンルーフは10~70点の加点です。しかし6年以上経過した軽自動車などは加点の対象外になるので留意しておきましょう。
エアバッグは運転席のみの場合5~30点のプラスが見込めます。助手席にもついている場合には20~50点とさらなる加点も期待できます。
カーナビを取り付けた車を運転している人も多いでしょう。このカーナビも加点対象になりますが、どのようなモデルを取り付けているかによって点数が変わってきます。
まず、インダッシュは外付けと比較して加点ポイントが大きくなります。そのほかにはDVDタイプよりもHDDタイプのカーナビの方がプラス査定は多くなります。
さらに地上デジタル放送に対応したモデルであれば、さらに加点があります。ツインモニターの搭載されているモデルも同様です。
車を購入した際に、車に関連する書類も受け取っているはずです。この書類は、なくさずに保管しておくことをおすすめします。
というのも関係書類の有無で、買取価格が変わってくるからです。その中でも重要なのは、定期点検整備記録簿の有無です。
定期点検整備記録簿とは、文字通り定期的に点検・整備を受けた際にどこにどのような作業を行ったか記録している書類のことです。いわば自動車のカルテのようなものです。
もし定期点検整備記録簿があれば、大きな加点が期待できます。クラスによって異なりますが、10~20点のプラスが期待できます。
そのほかには整備手帳や取扱説明書があれば、これもプラス査定の対象です。それぞれ有していると5点加点されます。
計算方法が決められていますが同じ査定金額にはなりません
このように車を査定するときの計算方法は、JAAIという団体の決めたルールに従って行われます。クラスによって基本価格が決まり、そこから個別の車の状態を見て加減していく方式です。
同じ基準を使っているけれども、買取業者によって同じ車でも査定金額が異なることは往々にしてあります。これは実際に評価を行う査定員の見方が異なるからです。
同じ傷の状態でも減点しないと判断する査定員もいれば、減点対象と考える査定員は出てきます。いくら標準化された基準があっても、実際に運用しているのは人間であるが故のばらつきだといえます。
査定員のほとんどは経験豊富なプロで、重要な加点ポイントの見落としをすることは考えにくいです。しかし100%絶対とも言い切れません。
そこで加点ポイントになる部分は査定を受けているときにアピールすることも大事です。特にオプションは加点ポイントになるので、見落としのないようにアピールしておきたいところです。
中古車買取は、愛車の売り込みと一緒です。少しでも高値査定にするために、アピールすべきところはきちんとアピールすることです。
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(まとめ)車の査定はどのように計算されますか?
車の査定はJAAIという組織によって決められた車両クラスをベースにした上で、その時々の市場の売買価格を加味して基本価格を決めます。さらに個別の車両状態を踏まえて、査定金額を計算します。
車の査定金額は個別の車両の状態を考慮して計算します。多種多様なチェック項目があり、エンジンなど走行性能、社外パーツが取り付けられているかなどを確認して総合的に金額を算出します。
外装や内装なども、査定に関わる大きなポイントになります。ボディの細かなキズ程度であれば、さほど問題はありませんが、大きなへこみなどはマイナス査定に関わるでしょう。
また、シートや車内の臭いなどについても、気をつける必要があります。
外装や内装の状態がきれいかどうか、オプションがついているかなどで加点される場合があります。特にカーナビがついている車の場合、中には大幅な加点が期待できるケースも考えられます。
査定の計算方法は統一されているのですが、人間が査定を行うため人によって買取価格が異なることも少なくありません。また、プロの査定に見落としはほとんどありませんが、愛車の価格をあげるため加点ポイントはアピールしておきたいところです。