マイカーを購入して、一生涯ずっと同じ車に乗り続ける人は少数派でしょう。大概の人が車の買い替えを何度かするはずです。
この車の買い替えは、いつ行うかが重要なポイントになります。そこで、今回は車の買い替えを考えるタイミングについてまとめました。
また、年間で車の買い替えがおすすめな時期がいくつかあります。時期についても見ていきますので、買い替えを検討している方は参考にしてみてください。
車の買い替えを検討すべきタイミング
車の買い替えを検討すべきタイミングとして、代表的なきっかけはいくつかあります。車検前であったり、車を取り巻く環境に変化が見られた時などが考えられます。
具体的にどのようなタイミングなのか、まずは見ていきましょう。
買い替えのタイミング①車検前
乗用車の場合、新車を購入した場合には3年目、その後は2年に1回のペースで車検を受けるでしょう。
車検を受ける際には、それなりに費用を負担しなければなりません。税金や自賠責保険料などの法定費用に、点検整備に関する費用もかかります。
少なくても数万円、ディーラーなどにお願いすれば10万円前後かかってしまいます。そこで、費用負担を避けるために、車検前に車の買い替えを検討する方は少なくありません。
特に年数が経過すると、いろいろなパーツが劣化して交換する必要が出てきます。すると、メンテナンス費用がどうしてもかさみます。
その費用を捻出するくらいであれば、買い替えた方が結局お得になる可能性が高いです。
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買い替えのタイミング②ライフスタイルの変化
車の用途は、その時々によって微妙に変化します。ライフスタイルが変わったのを機に、買い替えを検討する方も少なくありません。
例えば、転勤や転職で職場環境が変わった時です。これまで電車やバス通勤だったのが、マイカー通勤になった場合、より燃費の良い車に買い替える方も多いです。
また、結婚や出産を機に車の買い替えを検討する方もいます。それまで1人や2人暮らしであれば、軽自動車やコンパクトカーでも良かったかもしれません。しかし、家庭を持ったり家族が増えたりすると、今までの車では不便になることも考えられます。ミニバンやSUVのような、ある程度車内スペースの広い車種に買い替えた方がいいでしょう。
買い替えのタイミング③税負担が大きくなった時
車を所有している方は、毎年自動車税を負担しているでしょう。
毎年4月1日時点で車の所有者に対して課せられる税金で、5月ごろに納付書が例年届きます。
この自動車税、年式によって税額が変わるため、古い車に関しては一定期間が経過すると税額が高くなります。
普通自動車でガソリンエンジンの場合、税負担がアップするのは新車登録から13年を超えてからです。車種によって異なりますが、15%程度税負担が大きくなります。
軽自動車の場合も同様です。13年を超えると重課の対象になり、おおむね20%税額がアップするので家計の負担も大きくなるでしょう。
税金が高くなるのを前にして、今の車を手放して新しいものに買い替える方も多いです。
買い替えのタイミング④メーカー保証がきかなくなった時
マイカーを新車で購入する方もいるでしょう。新車の場合、メーカー保証が付いてくることが多いです。
保証期間中であれば車に何かしらの不具合が発生した場合、無償で交換や修理をしてもらえます。そのため、万が一トラブルが発生しても安心です。
保証内容は、エンジンオイルなどの消耗品が対象外となる場合も少なくありません。対象部品は多岐にわたります。ただし、メーカー保証は期間限定です。
メーカー保証がきかなくなった時をきっかけに車の買い替えを検討する方もいます。
保証がなければ、修理は全額自己負担となります。場合によっては修理費用のかさむ恐れがあるので、買い替えてしまおうというわけです。
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新車登録からの年数や走行距離(10年・10万km)について
車は乗り続けていると、どうしても徐々に経年劣化が進みます。そのため、古い車であればあるほど、不具合が起こりやすいです。
そこで、ある程度新車登録から時間の経過したところで乗り換える方もいます。一般的な目安と言われているのが新車登録から10年、走行距離10万kmを超えるタイミングです。
10年・10万kmを超えてくると、いろいろな部品にガタが来やすくなります。
例えば、タイミングベルトの耐用年数の目安は、走行距離10,000kmとされてきました。また、エンジン内部も10年を超えてくると、いろいろな不具合が起こりやすいと言われています。
エンジンは構造が繊細で、運転している時には大きな負荷がかかりがちです。10年を超えるとエンジンやタイミングベルトを中心に、交換の必要が出てくる部品が出てきます。
しかし、交換したくてもその部品がないという可能性もありますので、注意が必要です。自動車とその部品メーカーでは、10年間は同じ部品の流通をするという取り決めがあります。
つまり、10年を超えると部品の生産を中止する可能性が高くなるということです。
部品の交換ができなくなる恐れがあるので、10年をきっかけに買い替えるのも一考です。
10年・10万kmを超えてくると、車のメンテナンス費用が高くなる傾向が見られます。
各パーツが経年劣化する可能性が高いので、より多くの部品の交換が必要です。そうなると、そのぶんだけ修理費用もかさみます。
例えば、10年で寿命を迎えるパーツに、タイミングベルトがあります。タイミングベルトが劣化して切れてしまうと、車が動かなくなってしまう公算が高くなります。
運転している時に「キー」という甲高い音がしていれば、タイミングベルトが劣化している証拠かもしれません。
タイミングベルト一つ交換するだけでも、だいたい50,000円前後が相場です。他にも交換する部品が出てくれば、100,000円前後整備費用がかかることも十分考えられます。
これだけコストがかかるのであれば、思い切って買い替えるのも選択肢の一つになるでしょう。
車検と買い替えの関係
車検をきっかけに車の買い替えを検討する方は多いです。
車検は新車の場合3年後、それ以降は2年に1回のペースで受けなければなりません。それぞれの車検のタイミングで買い替える場合で、状況は変化します。
ここでは個別の車検のタイミングで買い替える場合、どのようなところに留意すればいいかまとめました。
最初の車検は新車登録してから3年経過したタイミングです。3年後の車検で車の買い替えをする方は、少数派といえます。
日本自動車工業会の調査によると、この時期に買い替えをする方は全体の1割未満となっています。買い替えをする方は乗っている車に何らかの不満があったり、ライフステージが変わったりすることが理由のようです。
新車から3年経過の車であれば、まだまだ状態はいいでしょう。リセールバリューの高い車も多いので、買取業者に査定に出せば高値がつく可能性も高いです。
ただし、ここで注意しなければならないのは、3年の間にモデルチェンジが行われた場合です。たとえマイナーチェンジでも旧モデルの車は、大きく査定額が減額されるかもしれません。
5年目の車検を迎える段階で、車の買い替えを行う方は多いです。5年経過するとメーカー保証の期限切れを迎えるからです。
また5年目の車検では、消耗部品を中心として交換もいろいろと出てくるかもしれません。整備費用が高くつく可能性があるので、費用負担をするくらいなら買い替えてしまおうと考える方も少なくありません。
4年落ちの車であれば、まだリセールバリューも高いでしょう。買い替えをする際の査定額も、高額が出る可能性は十分あります。
故障発生の心配をしながら乗り続けるのであれば、思い切って買い替えるのも選択肢の一つです。
また、5年目に差し掛かると愛車と比較して性能のアップした新車も出てくるので、チェックしてみるのもいいかもしれません。
7年目の車検で買い替える場合、リセールバリューは期待できません。車種や状態によって変わってきますが、新車の1割以下の査定額しか出ない車種も出てきます。
7年目の車検で買い替えるのは、メンテナンスコストを抑制することが主な目的です。不具合が起こりやすい上に、部品の交換もいろいろと必要になるでしょう。
整備費用がかさむので、このタイミングで乗り換えようと考える方が多くなります。
また、7年も経過すると安全性能や燃費が大きく向上した車が出ていることが多いです。車を買い替えた方が、メンテナンスコストを抑えられるかもしれません。
13年目の車検で車を買い替える方もいます。
13年経過すると普通車・軽自動車共に自動車税が増税されます。
また、13年も乗り続けていると、部品の交換など整備費用がかさみます。交換したくても部品の生産が終わっているので、該当する部品が見つからないこともあるでしょう。
13年経過した車になると、リセールバリューは期待できません。しかし車種によっては、思っているよりも高額査定がつく場合もあります。
特に中古車市場の近年の傾向を見ると、SUVやミニバンは人気です。状態が良ければ高値がつく可能性があるので、車検を迎える前に買取業者に査定に出してみることをおすすめします。
1年の中でおすすめなのが決算期
同じ車でも1年のうちいつ査定に出すかで、買取金額が変わってくることもあります。少しでも高く車を売りたければ、決算期が狙い目です。
買取業界では大抵が3月が決算期で、9月が中間決算のタイミングです。
なぜ決算期に売却すると高値がつきやすいのか、以下で詳しく見ていきます。
決算期に車の買い替えがおすすめなのは、高値がつく可能性が高いからです。買取業者やディーラーを見てみると、決算期を単位にして売り上げを出しています。
また、ノルマが設定されているところも少なくありません。ノルマを達成するため、売り上げを少しでも伸ばすために1台でも多くの車を買い取りたい、多くの車を売りたいという心理が働きます。
買取業者として見れば少しでも在庫を確保するために、普段よりも甘めに査定する傾向が見られます。ディーラーも売り上げを伸ばすために、値下げ交渉に応じやすいです。
また、下取りに出す場合でも、車を売りたいディーラーは査定を普段よりもアップする可能性が高くなります。決算期の直前をめどにして、車の買い替えを進めましょう。
自動車業界を見てみると、3月を決算期にしているところが多いです。この時期、車の買い替えをする方は少なくありません。
3月というと年度末です。新しい年度を迎えるにあたって、車を購入したいと考える方は1年の中でも多いです。中古車市場の需要も高まるので、買い取りに出した時に高値がつくかもしれません。
しかし、3月に買い替えを検討しているのであれば、早めの準備が求められます。多くの方が新しい車を購入するので、3月に入ってからだと欲しい車が見つからないこともあります。
できれば12月~1月にかけて、購入する店舗を決めて次の車をチェックしておくといいでしょう。
決算期は3月でしたが、中間決算期は9月としているお店も多いです。そのため、9月に買い替えをするのもおすすめです。
3月と比較すると9月はそこまで忙しくはありません。そのため、数か月前から準備しないと、納車が間に合わないといったことは起こりにくいです。
3月の場合、数か月前から準備しなければならないと紹介しました。しかし9月の場合、2~3週間もすれば納車完了することが多いようです。
時間的に余裕があるので、買い取りも購入も数店舗回ってみましょう。見積書を出してもらって、その内訳や価格などを比較してベストの選択肢を見つけてください。
もう一つ押さえておかないといけないのは、モデルチェンジ前に売却することです。
新型モデルが販売されると、旧型のモデルが一気に中古車市場に出回ります。そのため、前のモデルの値崩れが起きる恐れが高いです。
モデルチェンジ後に車を売っても、思っているような高値はつかないかもしれません。
車種によって、モデルチェンジのタイミングは異なります。しかし、一般的に早ければ5年、遅くても10年も経過すれば何らかのモデルチェンジが行われる可能性は高いです。
モデルチェンジの情報は、自動車専門誌や専門サイトなどで情報提供されています。車の買い替えを検討しているのなら、自分の愛車が近々モデルチェンジが行われないか確認しましょう。
車を買い替える前の準備とは?
車を買い替える際、おすすめのタイミングについて紹介してきました。しかし、手続きにもたついた結果、せっかくの好機を逸してしまっては元も子もありません。
特に注意しなければならないのは、手続きに不備のないようにしておくことです。買い替えをする前に注意したい事柄について、ここで詳しく見ていきます。
自動車税は毎年4月1日の段階でオーナーに納税義務が発生します。大抵は5月ごろになると納付書が自宅に送付されます。
車の買い替えをするにあたって、自動車税の納税証明書を提出しなければなりません。納税を済ませているかどうか確認しましょう。
納税証明書がどのようなものか、わからないという方もいるかもしれません。納付書をコンビニや銀行などに持っていき納税すると、収受のハンコが押された半券が渡されます。これが納税証明書です。
もしどこかになくしてしまって見つからないようであれば、都道府県の税事務所で再発行手続きができます。車の買い替えをする前に、再発行手続きを済ませておいてください。
自動車税管理事務所でも再発行手続きを受け付けています。
買取業者に査定に出して、提示された金額が妥当なものか、専門知識を持っていないと判断できないでしょう。自分の愛車の価値がわかっていないと、安く買い叩かれる恐れがあります。
そこで、査定に出す前に自分の車の相場を把握しておくことが大事です。愛車の査定の相場を把握することは、今ではそんなに難しくありません。
インターネットで検索にかければ、おおよその愛車の買取価格がわかります。空き時間を利用して、調べておきましょう。
また時間に余裕があれば、複数店舗を回って見積もりを出してもらうのがおすすめです。そうすればおおよその相場がわかり、どこが高く買い取ってくれるかもわかるでしょう。
車を購入するにあたって、自動車ローンを組んでいる方も多いでしょう。まだローンを完済していない段階でも、車の買い替えは可能です。
もし現在の愛車の買取価格が残債よりも高ければ、買取代金でローンを完済できます。
ただし、問題は査定額が残債よりも下回った場合です。下回った場合、買取代金を差し引いた残高を自分で支払わないといけません。
もしくは次購入する車のローンに残債分を上乗せする必要があります。今の車のローンを上乗せすると、今後の返済負担が重たくなります。
まずは車を査定に出して買取金額で今のローンを完済できそうかどうか確認し、買取業者にも相談しておきましょう。