車に乗っていると定期的に訪れるのが車検です。乗用車の場合、新車であれば3年、それ以降は2年ごとに車検の時期となりますが、車検では総額の費用が10万円を超えることも十分にあります。
その際に、特典があるからクレジットカードを使って車検の費用を支払いたいという方もいるでしょう。しかし、支払いについては思わぬ注意点もあります。
そこで今回は、車検の費用をクレジットカード支払いする際の注意点やカード払いできるポイントを解説していきます。
車検でクレジットカード払いをすることのメリットとデメリット
はじめに車検の費用をクレジットカード払いする際のメリットとデメリットを紹介していきます。
現在、この国は現金以外の支払い方法としてクレジットカードをはじめとしたキャッシュレス払いを推進している社会となりつつあるため、日常のお買い物などでクレジットカードを頻繁に使って決済しているという人も増えてきているとされています。
ここでは車検の費用をクレジットカードで払おうとしたときにどういった点がメリットなのか、デメリットはどういった点があるのか、ということについて改めて確認していきます。
メリット
まず、車検の費用をクレジットカードで支払うことのメリットを確認していきましょう。
クレジットカードで支払うことのメリットは人によって異なる場合がありますが、基本的には3つあるとされています。
- 多額の現金を持ち歩かなくてもよくなる
- クレジットカードのポイントが付く
- 車検の費用を分割して支払うことができる
ここでは、これら3つのメリットについて詳しく紹介していきます。
車検の費用は車のサイズや車種、行った内容にもよりますが、少なくとも10万円以上の費用がかかってきます。これらの費用を一括して支払うとなると高額な現金を持っていかなければいけなくなってしまうので、考え方によってはリスクを伴います。
そのリスクとしては、「お金が入った財布を落としてしまう」だったり「トラブルに巻き込まれてしまう」だったりということが挙げられるでしょう。
しかし、車検の費用をクレジットカード払いにすれば、これら2つのリスクが身に降りかかってきてしまったとしても、被害を最小限で抑えられるという利点があります。(クレジットカードを紛失した場合は、不正利用を防ぐために直ちにクレジットカードの利用停止の連絡をしなければなりません)
特に最近のディーラーや整備工場は、クレジットカード払いができないところがかなり減ってきているため、クレジットカードを持っていれば支払いに使ってみるのもおすすめです。
クレジットカードには、カード支払いで利用した金額に対してポイントが付与されるものが増えてきました。
貯まったポイントはクレジットカード会社の制度にもよりますが、1ポイント1円で日常の買い物に利用できたり、ポイント交換で商品と交換できたり、クレジットカード以外のポイントに変更できたりといった活用方法があります。また、飛行機をよく利用するという場合は航空会社のマイルに変換できたりと、様々な用途で利用可能です。
現金決済だとこのようなポイントは貯まりませんが、クレジットカードを利用することで同じ金額を支払っていてもポイントが貯まり、のちのちお得にその他のサービスが利用できるという大きなメリットがあります。
クレジットカードと聞くとあまりいいイメージを抱いていない人もいるかもしれませんが、一度利用するとその便利さとお得さに驚くかもしれません。
今まで紹介した2つのメリットは、リスク回避とポイントがお得に貯まるということにフォーカスをしていましたが、クレジットカードには、これら以外にも大きなメリットがあります。そのメリットとは「分割払いができるようになる」ということです。
車検の費用は少なくとも10万円以上かかってくると前段でも説明しましたが、この高額な費用を全員が一括で支払いできるという訳ではありません。まして車は地域によっては生活必需品で、ないと困るという場合もあります。
そのために一括で支払いをするのが難しいという場合には、クレジットカードの分割払いの機能を利用して高額な費用を複数回に分けて支払うことで、日常生活に支障の出ない範囲で無理なく支払うことができます。
しかし、カードの分割払いについては一定の手数料がかかってきますので、クレジットカードの約款などをよく読んでおくことが必要です。
デメリット
車検費用をクレジットカード払いすることについてはメリットもありますが、その反対にデメリットもあります。
そのデメリットとは「クレジットカードを保有することに対して一定の審査が必要となる」ということです。
クレジットカードの「クレジット」には日本語で「信用」という意味があります。クレジットカードは一時的でもクレジットカード会社が立て替え払いする、ということになります。そのため、それ相応の信用があるかどうかということを審査されることを覚えておいてください。
審査基準は明確にはされていませんが、基本的には年収と分割払いに関する事故などがないかという点を見られると言われています。
これ以外のデメリットとして挙げられるのは、「分割払いをする際に、分割手数料として金利を支払わなければならない」ということです。この金利については支払う金額と利率、分割回数によって変わってきます。
分割払いをする前に何%の金利を支払わなければならないのかということを確認しておかないと、思っていた以上に金利を払わなければいけなくなるため、注意が必要です。
車検費用をクレジットカード払いできるものとできないもの
車検の費用はクレジットカードで支払うことができますが、実は車検の費用の中でもクレジットカード払いできるものとできないものがあります。これを把握しておかないと、クレジットカードで全て払おうと思っていたので、現金を持ってきていなくて払えない、ということになってしまいます。
ここでは、10万円以上の車検費用を全額クレジットカード払いできない理由と、クレジットカード支払いできる車検費用とできない車検費用の内訳について詳しく解説をしていきましょう。
まず最初にクレジットカード払いをすることができる車検の費用について確認をしていきましょう。
基本的にクレジットカード払いできる費用というものは「部品代や整備にかかった費用(工賃)」となります。逆にこれ以外にかかる車検費用についてはクレジットカードでの支払いができない、ということを覚えておけば特に問題はありません。
次の項目ではクレジットカード支払いができる費用の内訳や、クレジットカード支払いができない車検費用の詳細についてチェックをしていきます。
まずは、クレジットカードで支払いができる車検費用について確認をしていきましょう。
車検の基本的な整備項目として「法定24ヶ月点検」とそれに付随する工賃に加えて、エンジンオイルやブレーキオイル、冷却水といった消耗品や、これ以外に任意で交換をする可能性のあるバッテリーやタイヤなどといった部品代の他に、これらを交換するためにかかる整備費用(工賃)などがあります。これらの費用については、一般的な日用品の買い物と同じとみなされるため、クレジットカードでの支払いが可能です。
また、これら以外にもクレジットカードで支払いできる費用があります。その費用として挙げられるものとしては、車検の継続手続きをディーラーや整備工場の人に依頼するための「代行手数料」や、車にあるメーカー保証を延長するために加入する「延長保証に関する費用」、そして今回の車検費用と次の車検までの期間に行う、半年ごとの点検やオイル交換の費用を前払いすることでトータルの支払額を抑えられる「メンテナンスパック」といった費用です。
上記以外に車検でかかる費用については、基本的にクレジットカードで支払いをすることができないと覚えておけば特に問題はありませんが、その内訳を確認していきましょう。
車検時にクレジットカード払いできない費用の代表格として「車検諸費用」というものがあります。その諸費用の項目としては「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」という3つの費用が挙げられます。
これらの費用に共通することとしては「陸運局に車検証の更新の申請を行う際に、事前に支払いを済ませておく必要がある」ということです。
法定費用については基本的に現金払いが鉄則となっています。細かく見ていくと、自賠責保険はディーラーや整備工場が保険会社の代理店となってお金を立て替えて保険証券を発行し、保険会社に保険料を納めるという形式をとっています。
自動車重量税や印紙代という項目については全て「税金」というカテゴリーに分類されます。(印紙の正式名称は印紙税)
税金は基本的に立て替え払いできないものとなっていますから、車検に通す前にあらかじめディーラーや整備工場に支払いをしておくことが必要です。
よく車検に入庫する際に、「法定費用は車両を預けた際に」と言われるのはこういった理由があるためです。そのため、法定費用は後払いのクレジットカード払いではなく、現金決済をしなければなりません。
車検の費用を支払う際に気を付けなければならないこと
それでは、車検の費用を支払う際に気を付けておかなければならないことについて、確認をしていきながら基本的なポイントを押さえていきましょう。
ここでは先ほど紹介した「法定費用は前払い」に関する補足事項と「残りの整備費用の支払いのタイミング」について確認をしていきます。
初めて愛車を車検に出す際など、車検の支払いについてよくわからないという方は、前もってチェックしておくことをおすすめします。
先ほども解説しましたが、現金払いをしなければならない自賠責保険料、自動車重量税、印紙代といった法定費用については、前払いが原則となるということについて詳しく解説していきます。
保険料や税金関係についてはその場での納付が基本となるため、車を入庫して預けた段階で前もってお金を支払っておく(ディーラーや整備工場に預けておく)ことが原則です。厳密に言えば後払いでも大丈夫、というお店もありますが、この場合はお店側が立て替えておく必要があるため一時的にお店の負債となります。
一人分や二人分の立て替えであれば何とかなると思いますが、それが何十台何百台となると莫大な費用を立て替えておく必要があり、お店の資金繰りに影響を及ぼすこともあり得ます。
お店を苦しい状況に置かないように配慮するためにも、法定費用は必ず前払いするようにしましょう。もしその場で持ち合わせがない場合は、ATMに下ろしに行くなどの配慮が大切です。
当然と言えば当然のことですが、前払いした法定費用以外にかかった部品代や整備費用に関しては、車検が終わって車を取りに行く際に支払うことになります。
昔はよく「後で振り込む」などといった支払方法が常態化していたようですが、こういった支払い方法は法人(会社)を除けばあり得ないことです。
法定費用でかかった車検の整備費用などについては、必ず車両の引き渡し時に支払いましょう。必ず支払う必要があるため、その場で現金払いできなくてもクレジットカードで支払いができるようになっています。
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車検の費用をクレジットカード払いする際に気をつけておきたいこと
クレジットカード払いをすることはメリットが多いイメージがありますが、逆に気を付けなければならないポイントもあります。
ここでは、カード払いができるお店に関する注意点や分割払いをする際の選択肢、これに加えて車検費用そのものを安くするにはどうすればいいのかという点などを、それぞれ確認をしていきます。
クレジットカード払いに対応しているディーラーや整備工場については、全てが必ずしも当てはまるという訳ではありませんが、整備代(工賃)がやや高めに設定されているケースがあります。
その理由としては、ディーラーや整備工場がクレジットカード会社にカード支払いを代行するために、所定の手数料を支払っているためです。
クレジットカード会社と加盟店の間では「クレジットカード払いをお客さんがした際に発生する手数料を加盟店が負担をする」という契約をしています。そのため、実質的にはディーラーや整備工場に入ってくるお金(収入)が少なくなってしまうのです。
そこでお店によってはその分を回収するために、やや割高な工賃を設定している場合があります。
車検費用をクレジットカードで支払うことができると紹介しましたが、クレジットカードの分割手数料はやや高めの場合もあります。
実はクレジットカード以外にも分割払いをする方法があります。その方法とは銀行ローンや信販系ローンを利用する、といった方法です。
これらはクレジットカードよりも金利手数料が低くなっていますが、その分審査が厳しかったりもします。利用したい場合は車検前に事前審査をするなどして、確認をすることをおすすめします。
車検費用は10万円を超えることが多いですが、法定費用以外の整備費用などについてはお店によって異なってくる場合がほとんどです。
車検の費用を少しでも抑えたい場合には、複数のお店に事前に相談に行って相見積をとり、安いところに車検を頼めば費用を抑えることができます。ただ、これには手間がかかってきますので、時間がある場合にのみ行える方法とも言えます。
これ以外の方法では、自分自身で陸運局に行って車検を通す「ユーザー車検」という方法があり、この方法が最も最安の車検費用で済むでしょう。しかし、車の整備に関する知識がない場合はかなり難しいのであまりおすすめできません。
車検はディーラーや整備工場以外の場所にも頼むことができます。その場所はガソリンスタンドです。
「ガソリンスタンドで車検」と聞くとあまりなじみがないかと思いますが、店舗によっては「車検後の一定期間ガソリンが値引きされる」といった特典を設けているところもあります。
よく行くガソリンスタンドや近所のガソリンスタンドで車検を行っている場合などもありますので、給油の際にスタッフに聞いてみるのもいいでしょう。