車のオーナーであれば新車は3年後、それ以降は2年に1回のペースで車検を通さないといけません。車検を通すためには、ある程度まとまった費用が必要です。
中には車検の時期に想定外の出費が重なって、費用を捻出できないという人もいるでしょう。その場合でもクレジットカードが利用できたり、車検ローンを組んだりできるので期間内に車検を通すことができます。
ここでは車検の費用を一括で支払えなかった場合の対処法について、まとめました。いざというときの参考にしてください。
車検費用の内容について紹介
まずは車検の費用についてみていきます。車検費用は大きく2つに分類でき、法定費用と車検基本料で構成されます。
車検はどこで手続きをするかで費用が変わってきますが、これは車検基本料の違いによるものです。具体的にどういうことなのか、以下で解説していきます。
車検費用の一部を構成する法定費用とは、自動車重量税や自賠責保険料、印紙代のことです。これらはどこで車検を通しても費用は一緒です。
まず自動車重量税は文字通り、車両の重量によって税額が決められます。自賠責保険料も軽自動車や普通車など車両の種別で一律料金が決められているので、どこで支払っても一緒です。
印紙代とは、車検を通すにあたっての手数料のようなものと考えておきましょう。こちらも車両の区分に応じて料金が決まります。
法定費用はこのように車両によって、あらかじめ料金が決まっています。そのため、どこで通しても一緒ですし、交渉しても値下げすることはできません。
車検費用を構成するもう一つの要素である車検基本料は、具体的な車検にかかわる費用のことです。具体的には点検や整備にかかる費用、事務手続きを代行する際の手数料などが含まれます。
この車検基本料は、どこで車検を通すかによって金額は変わってきます。もしそんなに車検のために捻出できる資金がなければ、車検基本料の安いところに依頼するのがおすすめです。
車検基本料はどの程度整備を行うかによって変わってきます。丁寧に整備をする業者であればあるほど、費用もかさむ傾向にあります。
また整備内容によっては、部品を交換しなければならない状況もあるでしょう。そうなると部品代も車検基本料の中に含まれます。
車検を通すことのできる場所は、いくつか選択肢があります。例を挙げると以下の5つがあります。
- ディーラー
- 整備工場
- カー用品店
- ガソリンスタンド
- ユーザー車検 など
この中で最も費用がかさむのは、ディーラーです。法定費用+4~10万円といったところが相場とい言われています。
なぜ費用がかかるのかと言うと、整備に力を入れているからです。車検の検査以外にも細かなところもチェックして、安心して車を使うために必要な整備を行うためどうしても費用がかさみます。その分しっかりと整備を行ってくれるので、車のコンディションは維持できます。
一方費用が安いのはユーザー車検です。自分で車検を通す形になるので、法定費用だけが必要になります。ただし検査を通すだけなので、メンテナンスは常日頃から自分で行わないといけません。
車検費用の支払方法
車検を通すためには、もちろん費用を負担する必要があります。車検費用の支払方法にどのようなものがあるでしょう。
基本的には現金による一括払いが基本です。しかし、一部業者ではクレジットカードによる支払いや車検ローンを組めるようなところも見られます。
車検の支払方法は、基本的には現金一括払いになると思ってください。クレジットカード払い対応のお店も増えていますが、カードによる分割払いやローンの場合、金利手数料などがかかってくるので、総額でみると余計な費用を負担しなければなりません。
現金一括払いにすれば、コストカットができると言えます。また、プラスアルファのサービスが受けられる場合もあります。
例えば、一部整備費用の割引や洗車の無料サービスなどの特典などです。もし資金的に余裕があれば、現金一括払いを選択するといいでしょう。
ただし資金的に余裕がなければ、ほかの選択肢を模索しなければなりません。
前日しましたが、車検に対応している店舗の中には一部、クレジットカードによる支払いを受け付けているところもあります。カードを持っているのであれば、クレジット決済を選択するのも一つの方法です。
クレジットカードの場合、一括のほかにも分割払いがあります。分割を選択すれば、車検の費用を一度に支払えない人でも少しずつでも支払可能です。
またクレジットカードを利用すれば、車検の支払いを引き延ばせるメリットもあります。カードを利用してから1~2ヶ月間の猶予ができるはずです。
1ヶ月もすれば給料が入ってくるので代金を支払えるけれども今すぐは…という方は、カードで一括払いをするのがおすすめです。カードを使用することでポイントを獲得できるのもメリットになります。
ただし、法定費用の部分に関してはクレジットカード払いができないところが大半ですので、注意しましょう。
車検費用を一括で支払えないのであれば、ローンを組むのも一つの方法です。ローンを組む場合、2種類のアプローチが考えられます。
- 車検を行っている業者で提供しているローンを組んで通す方法
- 金融機関で提供しているマイカーローンを組んで支払う方法
それぞれどのような内容か、以下で詳しく見ていきます。
車検を取り扱っている業者の中では、自前の車検ローンを提供しているところもあります。ローンを組んで、月々分割で支払っていく手法です。
自前の車検ローンといってもお店が提供しているわけではありません。お店が信販会社と提携して提供する形が一般的です。
車検ローンのいいところは、手続きに手間取らない点です。お店で申し込みができるので、ワンストップでローンが組めます。
また、審査が比較的早いのもメリットの一つです。お店としても自分のところで車検を通してほしいので、審査も甘めになりがちです。
ただし、金利はやや高めになるので注意しましょう。これは業者によってまちまちですが、だいたい10%程度というのが相場です。
金融機関でマイカーローンを取り扱っているところも少なくありません。マイカーローンというと、自動車の購入代金のために組むものだと思っている方もいるでしょう。
マイカーローンは、車関係の費用を融資するためのローンです。車検費用のために借り入れることもできます。
マイカーローンのメリットは、低金利の商品が多い点です。金融機関によって若干の違いがありますが、だいたい2~5%が相場で、業者の自社ローンと比較しても低金利です。
しかし金利が低い分、審査は厳しくなる傾向があります。また、審査結果が出るまでに時間がかかるので、早めに申し込んでおいた方がいいでしょう。
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車検をカードなどの分割払いにする際の注意点
クレジットカードやローンなど、車検費用を分割で支払う方法もあります。ただしこのような分割払いで費用負担する場合には、注意すべきポイントもいくつか見られます。
もし車検費用を分割で支払おうと思っているのであれば、以下のポイントに注意しましょう。場合によっては、全額分割にできない事態も考えられます。
車検費用を分割払いにする場合、法定費用の取り扱いがどうなっているか確認しましょう。ローンが組めるのは車検基本料だけで、法定料金は一括前払いというところも少なくありません。
法定費用は業者の収益にはなりません。業者が仲介して自治体などに支払う費用です。
もし法定費用も分割にしてしまうと、業者が立て替える形になってしまいます。相手が支払えなくなると、業者が損失を被ってしまうわけです。
そのようなリスクは背負えないということで、一括払いにしているところも多いです。分割を選択する場合でも法定費用の支払いのために、あらかじめ現金は準備しておいてください。
ローンを組む場合、ほかのローン商品と一緒で審査がある点も、忘れないようにしましょう。これはマイカーローンでも車検業者の提供するローンでも一緒です。
もしローン会社の提供する基準をクリアしていなければ審査落ち、つまり融資を受けられない可能性もあります。ローンの審査基準はまちまちですが、基本的に安定・継続的な収入のあることが条件です。
また信販会社のローンの場合、総量規制に基づき融資が実行されます。総量規制とは、年収の1/3を超えて融資できないというルールです。
信用情報に問題があれば、融資は受けられません。債務整理を行ったことがある、数ヶ月単位の長期の滞納があると信用情報に傷がついているので融資を受けられない可能性が高いです。
車検ローンの申し込みをする際、必要書類の提出が求められます。書類に不備があると、その日のうちに申し込みができなくなるかもしれません。
必要書類は、ローンによって若干異なります。一般的には本人確認書類と借りたお金の用途を証明する書類は必要です。
借りたお金の用途を証明する書類とは、借りたお金を車検費用のために使うことの証明できる書類です。車検費用の見積書などを準備すればいいでしょう。
場合によっては収入を証明する書類が必要になるかもしれません。多額の融資を希望する場合には、収入証明書が必要になる場合が多いです。
収入証明書は給与所得者だと、源泉徴収票や給与明細が該当します。フリーランスや自営業者の場合、確定申告書や納税証明書などです。
車検が払えないときの対処法
現金一括払いができない、分割払いであっても厳しい、審査に通らないかもしれないという人もいるかもしれません。それでも車検を通さないといけない場合、どうすればいいでしょう。
車検が払えない場合、いくつか対処法がありますので、代表的な方法を紹介します。
ローンを組めたとしても、法定費用は現金一括で前払いしなければならないところも少なくありません。もし法定費用を用意できなければ、知り合いからお金を借りるのも一つの選択肢です。
家族にお願いしてお金を借りるのも一つの方法です。家族であれば身内ですから、しばらく返済を猶予してもらったり、金利なしで返済できたりするのもメリットと言えます。
もし知り合いなど他人にお金を借りる場合、借用書などを作っておいた方がお互い安心できます。いつまでに返済するかなど明記されたものを作成してください。
借用書などを作っておかないと、後々返済をめぐってトラブルになるかもしれません。お金を貸す場合には、本当に返済してくれる信頼できる人に限定して貸すように心がけましょう。
車検費用を捻出する方法がどうしても見つからない場合、マイカーを売却してしまうのも一つの方法です。車検の期限前に売却すれば、車検を通す必要がない、すなわち車検費用を負担する必要もなくなります。
実際車の売却をする人を見てみると、車検のタイミングで買取や下取りに出すパターンが多いです。車を売却すれば、ある程度まとまったお金を手にできます。
家計のやりくりなどが厳しくなっているのであれば、いったん車両を売却するのも一つの選択肢です。売却益を家計に充てることで、お金のやりくりも楽になるでしょう。
またまとまったお金が手に入れば、それを元手に別の車両を購入できるかもしれません。
車検費用が支払えないのであれば、車の使い方を考え直してみるといいでしょう。今では車を保有することなく、必要な時だけドライブできる方法もあります。
例えばレンタカーを利用する方法です。必要な時だけ車を借りて運転するので、車検を自分で通す必要もありません。
また、最近話題になっているのがカーリースです。月々定額を支払って、車を自由に運転できるサービスです。
法定費用や車検費用はこの月額の中に含まれているため、車検費用を別途で捻出する必要がありません。カーリースの中にはリーズナブルな料金で利用できるサービスもあります。
月々1万円台で車に乗れるサービスもあるので、利用を検討してみるのもいいでしょう。
車検費用は後払いに対応している?
車検の費用を支払うタイミングですが、基本的には前払いです。しかし、中には車検の時にはお金が準備できないけれども後払いなら…という人もいるかもしれません。
費用の一部を後払いできる業者もあるようなので、以下で詳しく見ていきます。
車検費用について支払うタイミングは、基本的に前払いとなっています。車検を通せるお店にはいくつか種類がありますが、どこでも原則前払いと思ってください。
前述しましたが、車検費用の後払いを認めていないのは、法定費用が含まれているからです。法定費用は法律で決められた費用なので、後払いにすると業者が立て替える形になってしまいます。
もし1日に何台もの車検を受け付けていると、後払いにした場合まとまった法定費用を負担しないといけません。それだけ資金を用意しなければならない、ということです。
規模のそれほど大きくない業者の場合、まとまった資金を用意できない場合もあるでしょう。このため、後払いを認めていないわけなのです。
車検費用は原則前払いですが、一部店舗では後払いを認めているところもあります。例えばディーラーの中には、後払いを認めているところも見られるようです。
ディーラーの場合、メンテナンスや修理などで定期的に訪れているお得意様だと後払いを特別に認めてくれる場合もあります。カード払いに対応しているところも見られます。
ガソリンスタンドの場合、2回分割にしているところも多いです。まず法定費用を前払いで支払います。
車検の完了したところ、納車された時に車検基本料を支払う流れです。ガソリンスタンドの場合、いったん整備工場に持ち込んでそこで検査をする形が多く費用が確定しないためです。
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初めての利用時は後払いは難しい
後払いに対応しているところでも、いきなり初めから後払い可能だというところは多くありません。
後払いの場合、法定費用を立て替える形になるからです。一部費用を立て替えても、きちんと後日支払ってくれる信頼できる人だとお店が判断しない限り、後払いを認めてくれないでしょう。そのため、最初から後払いはできないと思った方が無難です。
車検をお願いする業者を見つけたら、最初のうちは指示通りにお金を支払ってください。お店の人が「この人はきちんと支払いをしてくれる信頼できる人だ」と思えば、後払いも後々可能になっていきます。
後払いOKの業者でもすべての費用を含む場合もあれば、法定費用は前払いにしている業者もあります。前もってお店に確認しておきましょう。