車の安全を確保するのに重要な多役割を担っている一つが、ライトです。夜間運転するときには不可欠ですし、バックや左右に曲がるときにもライトが点灯します。
しかし、ときとして不具合を起こし、ライトがつかなくなることもあります。ライトがつかなくなれば、事故のリスクが高まりかねません。
定期的に車のライトがきちんと点灯するか、点検しましょう。ここでは、自分で行うライトの点検方法についてみていきます。
ライトに問題があると、車検を通らない可能性もあります。きちんと機能しているか点検する癖をつけてください。
自動車のライトの点検が必要なわけ
自動車のライトが適切に機能しているかどうか確認するのは、大切なことです。もしライトに何らかの問題があると、車検に引っかかってしまうからです。
また、ライトが点灯していても劣化していると、車検に通らない可能性があります。ライトの点検が必要な事情について、以下にまとめました。
車を所有しているなら、2年に1回のペースで車検を通しているはずです。車検では、車のいろいろな部分を検査します。
もちろん、ライトも検査項目の中に含まれます。車のライトは、ただ単に点灯すればいいという話ではなく、光の明るさや照射範囲も検査対象です。
ライトが検査項目になっているのは、安全に運転するために欠かせない機能だからです。例えばヘッドライトの場合、夜間運転する際に自分の視界を確保する必要があります。
また、ライトの光で対向車にも何らかの影響を与える可能性もあります。照射範囲が悪いまま対向車に光を当てると、相手を事故に巻き込みかねません。
ヘッドライトの状態が基準を満たしていないと車検を通らない可能性もあります。そのため、常日頃からライトの状態をチェックする必要があるということです。
車検時のライトの検査項目ですが、ただ点灯するかだけではありません。
例えばヘッドライトの場合、光度や色、照射範囲、ヘッドライトのカバーの状態など多岐にわたります。
ライトの明るさが基準以上でないと、車検が通りません。またライトの色も重要で白色の光でないとほかの条件を満たしていても不適合にされてしまいます。
またライトの検査基準は時折見直されることもあります。例えば平成10年9月1日が一つのラインです。
9月1日以降に生産された車であれば、ロービームによる検査が実施されます。左側にある歩道の視認性を高めるためにも必要な機能だからです。
また、ヘッドライトカバーが割れていたりヒビが入っていたりすると車検に引っかかる可能性があります。光が漏れて正常な照射範囲を確保できないからです。
ヘッドライトカバーが劣化している場合、車検に引っかかる恐れがあります。ヘッドライトカバーは長年使い続けていると黄ばんだり濁ったりする可能性が高まります。
劣化したヘッドライトカバーを使用すると正確な光度が出なくなるかもしれません。その結果、基準値をクリアできない可能性が出てきてしまいます。
ヘッドライトカバーが劣化して交換するとなると、費用がかかります。普通で片側5万円、純正LEDを使用している車種だと10万円以上かかるものもあるほどです。
ヘッドライトカバーを劣化させないためには、日ごろのメンテナンスが必要です。清掃やコーティングをやり直すなどの対策をしておきましょう。
車のライトが切れた状態でそのまま運転すると、違反行為となります。警察に見られると整備不良ということで止められます。
ヘッドライト・ウインカー・テールランプ、いずれが片方だけでも切れていると違反対象です。違反点数と反則金が発生します。
例えばブレーキランプの不備の場合、交通違反点数は2点です。反則金は車両によってまちまちで普通車は900円、二輪車7,000円、原付6,000円です。
テールランプの場合、違反点数は1点になります。反則金は普通車が7,000円で二輪車6,000円、原付5,000円です。
ライトが切れているのは、ドライバー自身ではなかなか気づけないものです。日常的に点検することで早期発見が求められています。
自動車のライトの点検の順番を紹介
ライトの整備不良は車検で引っかかりますし、反則キップを切られかねません。そこで、定期的にライトの状態を自分で点検する必要があります。
車両にはいろいろなライトがついているのは周知の通りです。どのような順番で点検すればいいかについて以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
まずはヘッドライトの点検から始めましょう。やり方は簡単で、スイッチを入れて自分の目でライトが点灯しているかどうか確認します。
片側でもライトが切れているようであれば、交換してください。片側だけライトがついている状態では、周りの車両がバイクと誤認するなどの危険性があります。
また、ライトがついているだけでは不十分です。ハイビームとロービームの切り替えを行って、両方とも正しく点灯しているかどうか確認します。
夜間走行では前方を照らすための重要なランプです。こまめに確認して、異常が起きていないか確認する癖をつけてください。
次に、クリアランスランプの確認をします。別名「車幅灯」と呼ばれ、自分の車両の車幅を知らせる機能があります。
もしクリアランスランプが切れてしまうと、周りの車が車両の幅を錯覚してしまうかもしれません。定期的にランプが正常に作動するか確認してください。
確認方法は、基本的にヘッドライトのやり方と一緒です。停車した状態でスイッチを入れ、自分の目で確認してください。
多くの車種で、車幅だけの点灯とヘッドライトと同時点灯の2種類のスイッチがあるはずです。この両方を確認して、異常が起きていないかチェックしましょう。
ライトそのものは問題なくても、スイッチとの回路に何らかの不具合が発生していると、整備不良扱いにされてしまいます。
次にウインカーのチェックです。ウインカーは、左右どちらに曲がるかを周囲のドライバーに知らせる役割と、ハザードランプの役割も担っています。
ウインカーを確認する際には、ハザードスイッチを入れてチェックします。左右両方のウインカーが点灯していれば問題ありません。
点滅のタイミングがいつも通りかも、点検してください。いつもよりもタイミングがくるっていると、不具合の前兆の可能性があります。
いつもと比較して極端に早くなっている場合、バッテリーが弱っている可能性もしくはウインカーバルブのどこかが切れている可能性も考えられるので、整備工場などに入れて精査した方がいいでしょう。
テールランプは、車のライトの中でも重要なパーツです。ブレーキをかけたと知らせる役割があります。
テールライトには2種類あるということを、知っている方は少ないかもしれません。ヘッドライトを付つけたときに点灯する尾灯と、ブレーキをかけたときに反応する制動灯の2種類です。
この両方が正しく点灯しているかどうか、点検時には確認してください。まずヘッドライトをつけたときに尾灯が、次にブレーキを踏んだときに制動灯が正しく点灯しているか確認します。
ブレーキを踏んだときは、自分の目で確認するのは不可能です。そのため、家族や友人にお願いして、2人で確認しましょう。
最後に確認するのが、バックアップライトです。バックするときに点灯するライトのことです。
もしこれが切れていると、周囲のドライバーや歩行者にバックしていることを伝えられなくなります。その結果、ほかの車両や歩行者を巻き込む事故につながるかもしれません。
バックアップライトの確認ですが、エンジンを切ります。キーはオンの状態でリバースにギアを入れましょう。
この状態で車外に出て、ライトがついているかどうか確認します。この方法であれば車が動き出すこともないので、自分一人でも確認できます。
かつては、ガソリンスタンドに行って給油するときに店員から指摘されることも少なくありませんでした。しかし最近はセルフが増えているため指摘されることが少なくなっているので、自分で点検した方がいいでしょう。
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自動車ライト点検のチェックポイントとは?
自動車のライトの点検ですが、決してただ単に点灯するだけでは不十分です。ほかにも色や照射範囲などいろいろとチェック項目があります。
では具体的に点検するときに、どのような所を見ればいいのでしょう。ライトの種類別にチェックすべきポイントをまとめましたので、点検する際の参考にしてみてください。
ヘッドライトの点検をする際には、色や照射範囲についても確認します。まず色については白もしくは淡黄色で、左右同じ色合いのものでなければいけません。
また、照射範囲はハイビームは100m先でもライトが確認できるかチェックしましょう。さらにロービームは40m先から確認できるかどうかが基準です。
ロービームの場合、対向車の妨げにならないことも条件の一つとなっています。やや左向きになっているかどうかも自分の目で確認してください。
レンズの位置も基準の対象です。高さは上部が120cm以下、下部が50cm以上に収まっている、またライトの端からボディの側面まで40mm以内に収まっていないといけません。
フォグランプについても細かな規定がありますので、点検の際に確認してください。色については、白もしくは淡黄色でいずれも同じ色でなければなりません。
ランプの数はフロントとリアそれぞれ2つが上限で、左右対称で取り付ける必要があります。フォグランプの位置も基準に含まれます。
前方はライトの上の縁が地面から25~80cmの高さでなければなりません。後方については、ブレーキランプよりも10cm以上離れている必要があります。
また尾灯よりも明るく点灯するのも条件です。ヘッドライトとの点灯と連動しているかどうかも確認しましょう。
ヘッドライトが消えているのにフォグランプだけが点灯していないかも、チェック項目となります。
バックライトは、ランプの色は白のみです。また、同時に点灯するバックライトは2個が上限となりますので、注意しましょう。
もしバックライトが2個ある車両の場合、左右対称にレイアウトされていなければなりません。バックライトも後方どのくらいの距離から確認できるかも条件の一つです。
バックライトの場合、後方75mから確認できるかどうかが基準です。75m離れた所からバックライトが見えるかどうか、点検のたびにチェックしましょう。
自分一人で確認する際には、エンジンは忘れずに切っておいてください。エンジンを切らないと、確認する間に勝手に動き出す危険性があるからです。
ブレーキライトは、点灯するかどうか以外にもいろいろとチェック項目があります。まずブレーキライトの場合、赤でなければなりません。
電球のワット数についても規定があります。15W以上のものでないといけないので、交換する際には注意が必要です。
ブレーキライトも、後方一定の距離から視認できる状態でなければなりません。100m離れた所から確認できるかどうかが基準となります。
車両によってはクリアレンズに変更しているものもあるでしょう。この場合、ライトが赤色に着色されていることが前提条件なので、点検する際に色を確認してください。
自動車のライト交換はどこで行うか?
車のライトを点検し、ライトが点灯しなかった場合、ランプが切れている可能性があります。そのまま運転すると、処罰の対象になります。
ライトが切れているのであれば、速やかに新しいものと交換しましょう。ライトを交換してくれる場所はいくつかありますので、ここで詳しく見ていきます。
ディーラーで車を購入してもしていなくても、ディーラーにお願いしてライトの交換をしてもらえます。ディーラーで交換するメリットで大きいのは安心感でしょう。
ディーラーの場合、純正パーツが取り揃っています。また、整備工場のスタッフも車両について熟知しているので、安心して任せられます。
ただし、ディーラーで交換する場合、費用がかさむので注意が必要です。ヘッドライトの交換で、バルブを交換しただけでも工賃が4,000円以上かかることも珍しくありません。
多少コストがかかっても安心感のある所で交換をお願いしたいと思っている人であれば、ディーラーがおすすめです。メーカー保証の期間内なら無償で交換してもらえる可能性もあります。
整備工場でもライトの交換に対応している所もあります。整備工場でも技術力のある整備士に依頼できるので、安心して任せられるのが長所です。
地方運輸局長の認証を受けている工場であれば、自動車整備士の資格を持った人が担当します。技術力については折り紙付きです。
またディーラーと比較すると、お金があまりかからないのもメリットといえます。バルブ交換の工賃の目安は2,000円程度で、ディーラーの半額程度です。
長くお付き合いをしている整備工場であれば、交換費用を値引きしてくれる場合もあるようです。ただし、純正パーツを用意していない可能性があります。
特にマイナーなメーカーや車種だと、純正パーツがないこともあるので、注意が必要です。
近所にカー用品店があれば、そちらにお願いしてライトを交換してもらえる場合もあります。特に全国にチェーン展開している大手のお店であれば、料金など明確なので安心して任せられます。
カー用品店の場合、費用が安いのが魅力です。カー用品店によってまちまちですが、安い所だとワンコインというケースもあります。
ただしカー用品店の場合、誰が担当するかで当たり外れがあるのに注意しましょう。スタッフが車に精通しているとは限らず、仕上がりに差ができてしまうかもしれません。
手軽に交換をお願いしたい、コスパ重視の方にはおすすめです。カー用品を購入するついでに立ち寄ることができるのも、強みといえます。
ガソリンスタンドでもライトの交換はお願いできます。日本全国にあるので、どこに住んでいる方でも近所でお願いできるのがメリットです。
またガソリンスタンドの場合、24時間営業の所が多いです。深夜や早朝でもお願いできるので、日中忙しい方でもすぐに交換できます。
ただしガソリンスタンドの場合も、誰が担当するかによって当たり外れがあるかもしれません。ガソリンスタンドでライト交換する際には、信頼できるお店を探しておきましょう。
また、行きつけのガソリンスタンドがあれば、それとなく聞いてみるのもいいかもしれません。ライトの交換ができるかなど聞いておいて、いざという時どこでお願いすればいいか候補を絞り込んでおいてください。