車検を受けるにあたってディーラーや整備工場に愛車を預ける形になります。預けた当日に戻ってくればいいですが、数日預かるというケースも少なくありません。

愛車を預けている間、車の移動が必要な方もいるでしょう。その場合は代車をどこかで借りる必要が出てきます。代車を借りるにあたって料金が発生するのか気になるところですが、これはケースバイケースとなります。

ここでは、代車を借りる際の費用やどのような注意点があるかについてまとめました。

車検時の代車の費用

車検時の代車の費用
車検でマイカーを預けている間に代車が必要な場合、費用が発生するかどうかについてまずは見ていきます。

これは店舗によって対応が異なり、業種別で無料のところが多い場合もあれば、有料化する傾向のあるところも見られるようです。

有料である場合に注意しておきたいポイントについても紹介します。

無料と有料両方の場合が考えられる

車検期間中の代車の提供は、かつては業者のサービスの一環という位置づけでした。サービスである以上、無料で受けられました。

現在でもなお、無料で貸し出しを行っているお店も少なくありません。しかし、一方で有料制にしている業者も増加傾向にあります。

なぜ有料化した業者が増えているのかとい言うと、借りる側の問題が関係しているようです。代車を貸しても、車を適当に扱う事例が目立つようになりました。マナー違反をする人が増えてきたために、企業側も防衛策の一環として有料化するようになったと言われています。

もし代車を希望する際にはレンタル料がかかるかどうか、あらかじめお店のスタッフに確認しておいた方がいいでしょう。

店舗別の対応について

店舗別の対応について
車検をお願いするお店は数種類あります。どの形態の店舗に車検をお願いするかによって、有料か無料か対応も分かれます。

ディーラーと整備工場の場合

ほとんどのケースで無料貸し出しを行っていると考えていいでしょう。ただし、貸し出せる車には限りがあります。代車を借りようと思っていてもすべて出払っている可能性もあるので、車検を申し込んだ時に代車の予約手配を進めておくのがおすすめです。

カー用品店とガソリンスタンドの場合

代車の貸し出しを行っていますが、無料かどうかは店によりけりなので、前もって確認しておくと安心です。

車検専門店の場合

原則代車の貸し出しを行っていません。ただし1日以内で検査が終わるため、車がないことによる支障は生じにくいはずです。

代車が有料な場合の注意点

代車を有料でレンタルしている場合、1日あたりいくらという形で計算していることが多いです。

また、自前で貸し出すのではなく、レンタカー会社と提携して代車サービスを実施しているところもあります。その場合はレンタカー会社の料金システムに則って金額請求されることになります。どのような料金体系になっているのか、事前に確認しておくと安心です。

代車が有料の業者の場合、車検の見積もりにレンタル料が盛り込まれている場合も少なくありません。もし愛車を預けている間、代車が必要なければその旨を伝えておきましょう。代車が必要ない場合、見積もりからレンタル料が差し引かれますので、結果的に数千円程度、車検費用がお得になるかもしれません。

車検時に代車を借りる際の注意点

車検でマイカーを預けている間、代車を提供している店舗は多いです。日常的に運転している方にとっては、ありがたいサービスでしょう。

しかし、代車を借りるにあたっていくつか注意すべきポイントがあります。後々業者側とトラブルにならないためにも、注意するポイントを押さえておいてください。

車検代車の保険の有無について

車検代車の保険の有無について
代車を借りる際に、借りる車両が保険に加入しているかどうか確認しておきましょう。

レンタカーであれば、保険加入が義務なので会社の方で入っているはずです。しかし、代車の場合は加入義務がないので、店によって対応がまちまちです。

保険に入っていないと事故を起こした際に、莫大な賠償請求をされてしまうかもしれません。

もし保険に加入していない場合、万が一事故を起こした時の対応についても確認しておくことをおすすめします。例えば修理費用についてどちらが負担しているかなど、確認しておくべきです。

また、保険に加入していても、フルカバーできていない可能性もあります。補償内容がどうなっているかも念のため、確認しておいた方が安心です。

代車の状態を確認する

代車を借りることになった場合、車の状態はその場で確認しておいてください。中にはすでに車体に傷がついている車を借りることもあり得ます。

代車を借りた際に目視で確認するのはもちろんですが、それに加えてスマホのカメラなどで車の状態を全体的に撮影しておきましょう。それは代車を返却する際に傷のことを指摘される可能性があるからです。

最初からあった傷であると証明できなければ、修理代を請求されるかもしれません。スマホなどで傷がすでにあったことを証明できれば、修理費用を請求される心配もなくなります。

現場にスタッフがいれば、一緒に傷の状態を確認しておくと後々トラブルも発生しにくいです。

洗車や掃除をしてから返却する

洗車や掃除をしてから返却する
代車を返却する際に、洗車などをすべきか迷う方もいるでしょう。原則は洗車する義務は借りた側には発生しないので、そのまま返却しても問題ありません。

ただし、借りた時と比較して明らかに車が汚れているのであれば、洗車をした方が良いです。これは一種のエチケットとも言えます。

外装だけでなく、車内の状態も確認しておいてください。汚れているのであれば、簡単な掃除だけでもしておいた方が賢明です。

特にジュースやコーヒーなどの飲み物をこぼしてそのままにしておくと、シミになってしまいます。こぼした時にペーパーなどできれいに拭き取っておきましょう。

大きなゴミをそのままにしているのもマナー違反です。捨て忘れているゴミが車内に残っていないか、返却前に今一度確認してください。

チャイルドシートは自前で準備する

小さな子供がいる家庭の場合、チャイルドシートを乗車時に使用している世帯もあるはずです。代車サービスを行っているお店では、チャイルドシートの貸し出しを行っているところはほとんどないと思ってください。

つまり、チャイルドシートは自前で用意する必要があります。車検に出す前に、チャイルドシートはマイカーから取り外しておきましょう。外したチャイルドシートは、代車に設置しておきます。もちろん、返却する際には外します。

もしチャイルドシートが必要なければ、愛車につけたままで検査に出しても構いません。そのままでも車検を通すことは可能です。

車検時の代車はガソリンを給油して返却する

車検時の代車はガソリンを給油して返却する
代車を借りた際には、ガソリンがどの程度入っているか確認しましょう。代車は車を貸し出すサービスのため、ガソリンが常に満タンとは限りません。

満タンで貸し出しているところもあれば、半分以下しか残っていない場合もあります。ここで問題になるのは返却する際、給油すべきかという点です。

基本的には、借りた状態に戻して返却する形になります。もし満タンの状態で借りたのであれば、返却する際には同じく満タンに給油しましょう。

それ以外の場合には、レンタルした際と同じ量に給油しておきます。使用した分のガソリンは、給油して返却するのがマナーだと考えてください。

車検期間中に代車で事故を起こした場合に保険は有効なのか?

車検期間中に代車で事故を起こした場合に保険は有効なのか?
代車を運転している時に事故を起こした場合の対応について見ていきます。これは、保険に入っているのかどうかで変わってきます。

レンタカーであれば、保険加入しているので保険が利用可能です。ただし、その他の店を用意した代車の場合、保険に加入しているとは限らないので注意が必要です。

代車の保険は2パターンに分類される

代車が保険加入しているかは、どこで借りるかで変わってきます。

前述した通り、レンタカーであれば保険加入しているので、この部分は問題ありません。しかし、業者が用意する代車は保険に加入している場合としていない場合があります。

車を借りる際に保険がどのようになっているか、お店の担当者に確認しておくと安心です。

レンタカーを代車にしている場合

代車を提供しているお店の中には、レンタカー会社と提携してそこから車を貸し出している場合があります。この場合、レンタカー会社と契約して代車を借りる形です。

レンタカーの場合、保険に加入することが義務付けられています。そのため、万が一事故を起こした場合でも、こちらの保険を使って補償されます。

レンタカー会社に代車を借りる場合、保険に関する説明が契約時に行われることが多いです。事故を起こした時の自己負担に関する説明もなされるでしょう。

ちなみに保険料についてですが、レンタル料金の中にすでに含まれています。追加料金が発生することもないので、わかりやすいです。

お店の用意した代車の場合

業者から代車を直接借りる場合、対象の車両が保険加入しているかは店によりけりです。

代車については保険加入する義務はありません。そのため、代車を借りる際には保険に加入しているかどうか、確認しておいた方がいいでしょう。

また保険に加入している場合でも、補償内容は店によって差があります。中には必要最低限の補償内容にとどめている場合もあります。事故を起こした際に、損害が保険でカバーされない可能性もあるので、注意してください。

代車を借りる際には、保険で対応できるのか、弁償する際には全額自己負担か一部店で負担してくれるのかなども確認しておくと安心です。

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車検の代車の修理を任意保険で賄う

代車の場合、保険に入っている場合と入っていない場合があります。加入していたとしても、必要最低限の補償内容しか入っていない可能性も考えられます。

これでは安心して運転できないという方もいるでしょう。そこで注目されているのが、自分の任意保険でカバーする方法です。

自動車保険の中には、愛車以外の車を補償できる特約「他車運転特約」があります。もし代車を運転する機会があれば、補償内容を次の車検の前に見直してみるといいかもしれません。

他車運転特約とは?

他車運転特約をつけていると、代車を運転中に事故を起こした際に自分の愛車と同じ条件の補償が受けられます。代車のほかにもレンタカーや友達から借りた場合でも適用されます。

対人事故や対物事故を起こした場合、自分の自動車保険の対人賠償保険・対物賠償保険に基づき、保険金が支払われる形です。ただし、車両保険が自分の保険に含まれていない場合には、補償の対象外になるので注意してください。

他車運転特約の際に注意すべきポイントは「等級」の問題です。自分の保険を使う形になるので、愛車で事故を起こした時と同じ扱いになります。つまり、他車運転特約を利用すると、翌年は3等級ダウンとなり事故有係数がついてしまいます。

この部分に注意して、他車運転特約を利用するかどうか判断しましょう。

ロードサービスの代車提供サービスを利用する

ロードサービスの代車提供サービスを利用する
自動車保険のほとんど全部に無料でロードサービスがついています。ロードサービスの中で、代車提供サービスがあります。

車検の時にロードサービスを利用すればいいと思っている方もいるかもしれません。しかし、代車提供サービスは車検時には利用できないと思った方がいいでしょう。

ロードサービスにおける代車提供サービスは事故を起こして、愛車が自走走行できなくなった時に緊急の移動手段として車を貸し出すものです。車検の時には利用できないことがほとんどです。

しかし、車検の有効期限が切れてしまって公道を走行できなくなった場合などには、ロードサービスが利用できます。

ロードサービスの中にレッカー移動サービスがあります。レッカー移動を使って整備工場まで愛車を持ち込んで、検査を受けることができるので車検切れになったら利用も検討しましょう。

1日自動車保険は認められない

1日自動車保険という商品もあります。文字通り1日単位で補償を受けられる保険で、他人の車を一時的に借りる時だけ補償が欲しいといった場合に活用されます。

しかし、1日自動車保険の中では、車検時に代車を借りるケースは対象外になる可能性があります。代車は法人が所有する車両で、1日自動車保険では補償の対象外になるかもしれません。

ただし、代車が1日自動車保険の対象になるかどうかは、保険会社によって判断が分かれるようです。もし1日自動車保険を利用する場合、代車は対象なのか申し込む前に保険会社に確認をとっておくといいでしょう。

1日自動車保険を利用できれば、万が一事故を起こしても自分の車両の等級がダウンしません。また他車運転特約と違って、車両保険に入っていない人でも加入できるのもメリットの一つです。

臨時代替自動車特約の活用

臨時代替自動車特約の活用
自動車保険に加入しているのであれば、「臨時代替自動車補償特約」を活用する方法も考えられます。

臨時代替自動車補償特約とは?
一時的に借りた車両を契約している車両と同じとみなして補償を受けられる特約のことです。

具体的には整備工場に車両を修理に出している場合が想定できます。その他にも今回のように、車を車検で出していてディーラーや工場から代車を借りて運転している場合も対象です。

特約と言いますが、自動車保険によっては契約した段階で自動的に付帯されている商品も見られます。自動車保険に加入しているのであれば、臨時代替自動車補償特約がついているかどうか確認するといいでしょう。

臨時代替自動車特約の注意点

臨時代替自動車特約は、自動車保険の多くで自動付帯されています。しかし、すべての保険に付帯されているとは限らないので、まずは自分の保険に含まれているかどうか確認しましょう。

また、契約内容によっては、補償の対象外になります。例えば記名被保険者が法人で個人被保険者を設定している場合には、補償が受けられないという商品も見られました。

代車が誰の所有かによっても、補償が受けられるかどうか違ってきます。家族の車両は認められない可能性が高いです。「家族」とは何かと言うと、まず配偶者や同居している親族が挙げられます。また、別居していても未婚の子供の場合も、補償の対象外になることもあります。

記名被保険者の役員や使用人が保有する車も認められません。ディーラーなどから代車を借りる場合には、まず問題はないと言えます。

代車で事故を起こした場合の対処法

代車で事故を起こした場合の対処法
もし車検で代車を運転している時に事故を起こした場合、人や自転車相手の事故であれば救護を最優先し、その上で警察に連絡してください。

このような初期対応を済ませてから、車を借りているディーラーや整備工場に連絡しましょう。そしてどう対応すればいいか、判断を仰ぐのが無難です。

自動車保険に加入している場合、臨時代替自動車特約などの自分の補償が使えるかもしれません。もし代車を貸しているところから「自分の保険を使って対処するように」と言われたのであれば、保険会社に連絡し、代車で事故を起こした旨などを伝えます。

その上でどう対処すればいいか、案内してもらってください。

まとめ

①車検時の代車は無料で借りられる場合もあれば有料のケースもある
②代車を借りる際には伊豆や汚れなどを事前確認する
③返却する際にはきれいにして給油した状態にするのがマナー
④代車が保険加入しているかどうかはケースバイケース
⑤自分の自動車保険に特約をつけることで補償することも可能

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