ブレーキランプは安全運転のためにも重要な電灯です。しかし、車を運転しているときには気付かないことが多い箇所でもあります。
ブレーキランプがつかない状況での運転は、後続車にとって危険が伴うばかりか、自分の車に追突されてしまうことも考えられます。特に夜間の走行は事故率も必然と高くなるので、念には念を入れて安心した運転を行いたいものです。
今回は、車の日々点検におけるブレーキランプを含めた罰則や確認方法・交換方法について詳しく解説していきます。
ブレーキランプの電球切れは罰則の対象になる
ブレーキランプが切れたまま走行していると、整備不良とみなされます。突如電球切れをしていることが多いので、指摘されて始めて気付いたということもあるかもしれません。
また、後続車のドライバーさんに教えてもらった経験があるという方もいるでしょう。もし警官に停止させられてしまった場合には、減点や反則金を支払うことになります。
両方切れていることは稀ではありますが、片方が切れている車を見かけることがあるかもしれません。
後部に点灯していることもあり、ヘッドライトが切れているよりは、発見が遅くなるケースが多いです。それは、後頭部にあるテールランプも同様です。テールランプが切れているときも減点・罰則の対象になりますので、注意が必要となります。
安全に運転するためにも、タイヤ等も含め日常点検をしておきたいところです。
ブレーキランプとは?
あらためて、ランプについて詳細を見ていきます。
ブレーキランプは、ブレーキペダルを踏んだときに点灯する赤いランプのことです。
道路輸送車両法に基づく保安基準によると「後面2箇所に赤色の灯火をつけること」と決められています。
基本的にブレーキランプは左右に一つずつ必要です。また、車の形状によっては2灯を両側に配置することもあり、その際は車体の中心から対象の位置に設置するように定められています。
光量については、電球は15w以上60w以下、100m離れたところからでも確認できるものでテールランプより5倍の光量で点灯するようにする基準があります。
また「ハイマウントストップランプ」が日本でも2006年から義務化されました。車を運転中に前方の車がブレーキを踏むと、両サイドのブレーキランプだけでなく、中央部分も光るのを確認できるはずです。それがハイマウントストップランプです。
車両中心に取り付けられ「取り付け数は1箇所」「取り付け位置の高さは0.85m以上でブレーキランプよりも高い位置で設置すること」「テールランプと兼用ではなくブレーキランプと連動して点灯すること」と法律で決まっています。
後続車に存在していることをはっきりさせるためにも、重要な役割になります。減速していることを周りに知らせる役割を果たしているブレーキランプが切れていることで、安全運転することが難しくなるでしょう。
そのため、日々チェックすることが必要です。
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テールランプとは?
テールランプは、ヘッドライトをつけた際に点灯するライトです。夜の暗闇時や悪天候のときに、後続車に存在を確認してもらうために利用します。
保安基準として「色は赤色」であること、「夜間に後方300mの距離から確認でき、光源が5w以上30w以下になっていること」などです。
また、テールランプの周りには車の存在を分かりやすくするために反射板が入れられています。それによって駐停車している場合でも、後続車のヘッドライトが当たると反射してさらに車がいることを確認できるようにしています。
安全性を意識した構造をしているのは、当然のことです。特に日中ではなく夜間走行の多い場合には、頻度を高めて確認することで安心して運転することが可能になります。
ブレーキランプの違反点数や反則金についても気になる、という方もいるかもしれません。実際どのような状況になってしまうのか、見ていきましょう。
片方でもブレーキランプが電球切れを起こしていた場合には制御灯の整備不良になり、違反点数2点で普通乗用車の場合の反則金は9,000円です。ちなみに、大型車は12,000円、二輪車7,000円、小型特殊・原付は6,000円になります。
内閣府から出ている「事故類型別交通事故発生件数構成率の推移」によると、平成30年度における追突事故件数は149,561件で構成率は34.7%で最も多くなっています。次いで出会い頭衝突が構成率24.8%、右左折時衝突が12.6%と続き、3つを含めると全体の72.1%を占めるそうです。
そのためブレーキランプが切れてしまっていることは、追突事故を引き起こしてしまう要因にもなると言えます。
自動車同士の追突を防ぐのにはブレーキランプの存在は欠かせないものです。そのことを考えると、車を運転するときに点灯しているかを確認することが大事です。
テールランプも片方でも切れている場合は尾灯の整備不良になり、違反点数1点で普通乗用車の反則金は7,000円です。ちなみに大型車は9,000円、二輪車6,000円、小型特殊・原付5,000円です。
すぐに交換するならと見逃してくれる警官もいるかもしれませんが、厳密に違反とされる場合もあります。そのため、切れたことを確認したらすぐに交換することが必要です。
ブレーキランプやテールランプはすぐに交換しましょう。
道路輸送車両法47条に「当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」と定められています。
道路交通法62条にも「車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、整備不良車両を運転させ、又は運転してはならない」とあります。
ブレーキランプやテールランプが切れた状態で走行することは法律に違反することになり、警察に止められてしまう可能性が高いです。
1人でも簡単!ブレーキランプの電球切れを確認する3つの方法
ブレーキランプやテールランプの電球切れを確認する必要性は、理解できたと思います。電球が切れてしまうと罰則もあり、安全性を確保することが難しい状態です。
それでは、どのようにして確認をするのがいいのでしょう。同乗者がいるなど車を確認できる人が複数人いる場合であれば、ついているかどうか確認してもらうことができますが、1人だと確認しづらいこともあります。
できれば1人で確認できる方法があれば知りたいと思っている方もいるかと思います。
ここでは、1人でも確認できる方法を3つお伝えします。日常生活で意識するとできる方法なので、実践してみてください。
まずは、車の運転中でも確認できる、手軽な方法を紹介します。それは、後続車の反射を利用する方法です。
例えば、大型トラックのフロント部分が銀色のメッキでおおわれている場合は鏡のように反射するため、自分が運転している後頭部が見やすくなります。信号で車が停止したときを利用しましょう。
ルームミラーから見れば、点灯しているかどうか確認することができます。運転しているときに意識しておくだけで、電球切れを早期に発見しやすくなります。
次の方法は、駐車場で確認する方法です。コンビニなどの店舗に駐車するとき、窓ガラスの反射で確認する方法となります。
例えば通勤の途中などで日頃利用するコンビニがあれば、そこで確認するのもいいでしょう。やり方としては車を前から駐車せずに、バックで店舗側に向かって駐車します。
そうすれば、窓ガラスに自分の車が映るため、点灯しているブレーキランプが確認できます。買い物のついでに実施できるので、一石二鳥です。
日中や夜間でも見やすいので、お店に寄った際にはチェックしてみてください。
自分自身で目視して確認したい場合の方法を紹介します。エンジンを切った状況で、ブレーキ棒を使ってペダルを踏んだ状態にしておきます。
そうすれば、車外に出て目視での確認が可能となります。この方法で点検する場合は、周りが安全な場所で実施するようにしてください。
タイヤのひび割れ等がないかも確認できるので、一緒に行えば日常点検にもなり、安心して運転できるでしょう。
ブレーキランプ・テールランプがつかなくなったことをお知らせする警告灯がある車種もあります。
特に事業用で使うバスなどにも装備されていることが多いようです。一般の普通乗用車で見かけることは少ないかもしれませんが、あれば活用しましょう。
ブレーキランプの交換方法と費用は?
先程までブレーキランプ・テールランプの確認方法についてお伝えしてきました。日頃のちょっとしたところで行えることは分かったかと思います。
普段から日常点検の中に取り入れることで発見しやすく、時間をかけずに行うことができるでしょう。
次は、電球が切れてしまったときに交換するにはどのように行ったら良いのかを紹介します。方法としては以下の2つがあります。
- 自分で交換する
- 専門の修理業者に依頼する
どちらの方法で行ったとしても、早急に電球を変えることが必要です。それでは、交換方法やかかる費用について解説していきます。
まず、自分でブレーキランプを交換する場合です。
カー用品店には各種電球が陳列されているコーナーがあるので、そこで電球を購入します。
あらかじめ、最低限、車種と年式は事前に確認をしておいてください。メーカーや車種によって使用する電球は異なりますので、適合しているものを利用するようにしましょう。
もし分からなければ、店内に適合表があるので確認するか、店員に伝えれば教えてもらえます。その際には車検証があると確実です。
詳しい方なら最近ではインターネットでも購入できますので、時間に余裕がないときには利用するのも良いかもしれません。
個人で電球を購入するときの費用は、白熱球で500円程、LED電球で1,000円~2,000円程です。
ブレーキランプの電球をみると、配線が2本入っている形状である場合が多いです。それは、フィラメントが2本、中に入っている電球です。
夜間で走行しているときはテールランプが光っていますが、ブレーキを踏むとさらに明るく光ります。
同じ配線で同じ電球を使い、ブレーキランプとテールランプを光らせる形状の場合にはダブル球を使っています。例えば、定格のところに「12V 21/5w」と書かれていれば、ブレーキランプが21wでテールランプが5wを使っているという意味です。
実際作業するときは、以下の手順で実施していきます。必要な工具としてドライバーを用意しておいてください。時間は15分位で作業できます。
点灯時や消灯直後に行うと電球が高温になっている場合があります。それに触れると火傷の恐れもありますので、冷えた状態で行うようにしましょう。
ネジで固定されているものやはめ込みタイプのものもあるため、車によって異なります。ランプの本体がツメで固定されているので、ツメを折らないよう注意が必要です。
電球を左右に回すと簡単に交換できるようになっています。事前にどのようについていたかは、写真などを撮っておくとわからなくならずに済みます。
ブレーキペダルを踏んで点灯するか確認します。その際、エンジンをかける必要はありません。
これで正常にブレーキランプやテールライトが点灯すれば、作業完了です。
ご自身でブレーキランプを交換することもできますが、自分で行うことに不安を感じる方も多いと思います。そのときは修理業者に依頼するのも手です。
交換依頼をすることのできる業者は以下になります。
- ガソリンスタンド
- ディーラー
- カー用品店 など
業者に内容を説明すると行ってくれます。
それほど手間のかかることではないので、10分から15分位で対応してくれるのが一般的です。もし待ち時間が読めないときには、事前に連絡を入れてから来店するのが良いでしょう。
修理費用については、電球の実費と技術料です。技術料は1,000円位になります。金額的にはあまりかからないので、自信がないときは修理業者にお任せするのが時間や手間を考えると有効な方法と言えそうです。
以前は白熱球が主流でしたが、近年は消費電力の少ないLED電球が注目を集めています。自宅の蛍光灯等も、LEDに変えたという方もいると思いますが、自動車も同様に変化しています。
白熱球の点灯時間は1,000時間~2,000時間が目安です。
車の使用方法や環境によっても左右されますが、日常的に車を利用している場合には、突然の電球切れに気をつけることが必要です。年数が経過している自動車を所有している場合には、日常点検の頻度を上げておくと電球切れを早期に気付くことも可能になるでしょう。
LED電球は点灯時間が白熱球よりも長く、多いもので50,000時間位の商品も出てきています。
近年販売されている新車についてはLED電球を使っていることも多く、以前のように途中で電球が切れる心配も少なくなっています。そのため、車を乗り換えるまで交換をしないケースも多いです。
もう一つ、LED電球のメリットとして挙げられるのは、すぐに切れないということです。徐々に光量は落ちてくることはあっても、白熱球のように突然消えてしまうことがないのは、安全面を考えても良いところです。
もし日常点検で光量が落ちていることが目視で分かった際には、交換時期であることを意識しておきましょう。
電球を交換したときに、ブレーキランプ等がつかないケースがあります。
例えば、ヘッドライトを点灯するとつかない現象やギヤをバックに入れるとブレーキランプが消えてしまうことなど、車種によっても異なります。
その際は、すぐに修理業者に点検してもらうのがおすすめです。配線部分に関しては、専門に行っている業者は様々な状況を理解して、点検箇所も探っていきます。
電球がつくのはプラスとマイナスの電線が繋がることで点灯します。構造にもよりますが、ブレーキランプとテールランプを点灯させるのに同じ電球を利用している車種に関しては、アース線の接続不良や断線が起こりやすいと言われています。
安全に車を運転するためにも、気が付いたときには修理業者に依頼するのが得策です。
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