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エンジンをかけたとき、メーターのところにあるマークがチカチカ点灯するでしょう。普通ならしばらくするとすべて消えるはずですが、ずっと点灯もしくは点滅しているようであれば要注意です。
マークのついているランプは「警告灯」といいます。ランプがついていれば、その部分に何かしらの不具合が発生しているかもしれません。
そこで、ここでは点検マークの意味と、どのように対処すればいいかについて見ていきます。
車の点検マークの基礎知識
メーター類の周辺にいろいろなマークがあり、点灯することは知っている方も多いでしょう。しかし、そのマークの点灯が何を意味しているのかまでは、よく知らないという方も多いかもしれません。
そこで、ここでは点検マークの基本的な事柄についてみていきます。点検マークの意味合いを理解していると、トラブルの早期発見につながります。
メーター周りのマークについたランプですが、これは「警告灯」といいます。
警告灯は、車の走行性能に関する何かしらの異常が発生している場合に、点灯もしくは点滅します。また、ドライバーが誤った操作をした場合に点滅することもありますので、注意が必要です。
この警告灯のマークは、誰でもすぐに内容を理解できるように工夫されています。車の警告灯は、世界基準で規格化されているので、国産車でも外車でも、警告灯のデザインに大きな違いはありません。
今まで国産車に乗ってきた人が、外車に乗り換えても警告灯について違和感はないはずです。ほとんどが直感的にわかるマークになっていますが、一部意味を勘違いしやすいものもあるので注意しましょう。
警告灯が点灯することで、ドライバーが車に何らかの問題が起きていることに気付けます。早期に問題点を発見できれば、事故防止につなげることができます。
また、点検マークといわれることもありますが、ランプが点灯すればその部分を重点的に点検・整備がなされるはずです。そうすれば、本格的に故障する前に何らかの対策を講じられるでしょう。
そして、ドライバーの誤操作に関する警告もしてくれます。例えば半ドアに関する警告灯が設けられているのですが、ドアがきちんとしまっていない状態で運転すれば危険です。ドアが開いたまま運転していると、近くを走っている車やバイク、自転車にぶつかるかもしれません。
このような事故防止の意味でも、警告灯の意味合いを理解しておくことが重要となります。
自分の愛車の警告灯を見てみてください。赤色と黄色もしくはオレンジ色の2種類のライトが点滅しているはずです。色の違いはメッセージの違いを意味しています。
すぐに運転をやめるべき状況ではありません。しかし、何らかの異常が出てきているので、速やかに対応した方がいいでしょう。
緊急性の高いトラブルが起きていることを意味します。安全な場所を見つけ次第、速やかに車を停めてください。
このように点灯しているライトの色によって、問題の深刻度が変わってきます。赤のライトがついているのであれば、運転の継続は危険だと考えてください。
すぐに点検したい車のマーク一覧
警告灯のマークの中には、深刻なものから速やかに点検した方がいいけれども緊急性は少ないものまでいろいろです。
まずはじめに、できるだけ早く点検した方がいい警告灯についてみていきます。どんなマークなのか、どんな意味合いがあるのか理解しておくと深刻な状況を回避できるでしょう。
ヘリコプターのような角ばったマークは「エンジン警告灯」です。エンジンもしくはトランスミッションに何らかの異常が発見されたときに、黄色もしくはオレンジ色で点灯します。
エンジン警告灯が点滅しても、すぐに運転ができなくなるわけではありません。しかし、警告灯がついているのに放置していると、エンジンに大きなダメージを与える可能性があります。最終的にエンジンが完全に故障してしまって、運転できなくなるかもしれません。
もし、エンジン警告灯が点灯したら、異音や異臭などの異常が起きていないか点検しましょう。ただ、素人が見てもわからないことも多いので、ディーラーや整備工場にチェックしてもらうのが賢明です。
ABSとかかれているマークのランプは「ABS警告灯」のことです。ABSに何かしらの異常を感知した場合に点灯します。
ただし、このABS警告灯は問題が起きていないときでも点灯することがあります。例えば、雪道などの滑りやすい道を運転してブレーキを踏み込んだときに点灯することがありますが、これは異常ではありません。
一方、普通のブレーキングでそんなに強くブレーキを踏んでいない、ブレーキを使っていないときに点灯した場合には注意が必要です。この場合、センサーもしくはシステム本体に何かしらのトラブルが発生していると考えられます。
ABSのトラブルについては、素人が原因を把握するのは難しいです。工場に持っていって、プロに詳しく点検してもらった方がいいでしょう。
魔法のランプやカレーのルー入れのようなマークがあるはずです。これは「油圧警告灯」もしくは「エンジンオイルランプ」といいます。エンジンオイルの油圧が何らかの理由で下がったときに、点灯もしくは点滅します。
エンジンオイルはエンジンをスムーズに動かすために欠かせないものです。もし警告ランプを無視して走行し続けると、エンジンが焼き付いて動かなくなることもあり得ます。
これは油圧低下を意味していて、エンジンオイルの量を表しているわけではありません。油圧警告灯は赤色で点滅・点灯します。このランプがついたのであれば、すぐに安全な場所に停車しましょう。
エンジンオイルの点検・整備は素人には難しいです。ロードサービスを呼んで、専門家に対処してもらってください。
警告灯の中で波のマークの上に温度計のようなデザインをしたものは「水温警告灯」になります。エンジンの冷却水の温度が異常に上昇すると、赤色で点滅もしくは点灯します。
赤色の点灯の場合、速やかに停車してエンジンを切りロードサービスもしくはディーラーに連絡しましょう。
一部の車種では水温警告灯が青く点灯することがあります。これは異常ではなく、まだエンジンが暖まっていないことを表します。エンジンが冷えているのにいきなり高回転域に持っていくと、大きな負荷がかかってしまうので、エンジンをいたわるような運転を心がけましょう。
四角い箱のようなランプがあるでしょう。これは「充電警告灯」を表していて、バッテリーに関する異常が発生しているときに、このランプが点灯します。
バッテリー本体以外にも、周辺パーツのオルタネーターやベルトに異常が発生した際も同様です。
充電系にトラブルが発生すると、車の運転に大きな支障をきたします。発電量が不十分だと、エンジンが突然道の真ん中で停止することもあり得ます。
もしこのランプが点灯したら、安全な場所に速やかに停車してください。その上でロードサービスを呼んで原因を究明してもらって、適切に対処してもらうことが必要となります。
三角形の中に「!」マークのついている警告灯は「マスターウォーニングランプ」といいます。今まで紹介してきた警告灯と異なり、特定の部分の異常を表していません。
車のシステム全般に何らかの異常が発生していることを意味します。赤く点灯・点滅するので、緊急性が高い警告灯です。
もしマスターウォーニングランプが点灯したのであれば、速やかに安全な場所に停車し、ロードサービスやディーラーに連絡しましょう。
車種によってはただ単にランプが点灯するだけでなく、ブザーが鳴るものもあります。またマスターウォーニングランプだけでなく、ほかの警告灯も一緒に点灯するケースも少なくありません。
ハイブリッドカーを運転している方は、車のマークに「!」のついている警告灯があるのを見たことがあるでしょう。これは「ハイブリッドシステム異常警告灯」で、基本的には電気モーターのバッテリーに異常があるときに点灯します。
しかし、ハイブリッドカーは車全体が精密機器のようなものです。そのため、システムのどこかで異常が起きると、ハイブリッドシステム異常警告灯が作動することもあります。
素人が異常を特定するのは難しいでしょう。もしこの警告灯が点灯した場合には、プロに点検を依頼するのがおすすめです。
丸の中に「!」マークのあしらわれている警告灯は「ブレーキ警告灯」です。ブレーキ警告灯は、ブレーキに関する異常が起きると点灯します。ブレーキフルードが不足している、ABSに何らかの問題が起きている場合などです。
また、サイドブレーキが効いている状態でも点灯する場合があります。例えばサイドブレーキを引いたままで運転しようとすると、こちらが点灯したままとなります。
ABSにトラブルが発生している場合、ブレーキ警告灯だけでなく、ABS警告灯も同時に点灯するはずです。ブレーキ警告が点灯した際にはサイドブレーキを確認したり、ブレーキフルードの残量を確認したりするだけでなく、ほかの警告灯が点灯していないか確認して対処しましょう。
上部の開いたデザインに「!」マークの警告灯は「タイヤ空気圧警告灯」です。文字通りタイヤの空気圧が不足したときに点灯します。
自分の愛車をチェックしてみてください。該当するマークがないという方もいるでしょう。実はこのタイヤ空気圧警告灯は、車種によっては搭載されていないものもあります。
空気圧の異常のほかにも、センサー本体に異常がある場合にも点灯する可能性があります。タイヤそのものは問題がないですが、このままだと本当に異常が発生しても検知できないかもしれません。また、センサーが電池切れになったときに点灯する場合もあります。
どのような場合でもこの警告灯が点灯したら、整備工場などで詳しく検査してもらいましょう。
シートベルトをした人間と丸マークの警告灯は「エアバッグ警告灯」です。エアバッグやシートベルトプリテンショナーに異常があるときに点灯します。
ただし、このエアバッグ警告灯、正常に動作しても点灯する場合があります。点灯したら即故障と考えないようにしましょう。
シートベルトプリテンショナーは、急ブレーキをかけたときなどにシートベルトをロックさせる機能のことです。強いブレーキングでロックした場合に点灯しても、正常に作動しているので心配する必要はありません。
ただし、シートベルトプリテンショナーが作動しないような条件ではないのに警告灯が点灯した場合には、注意してください。何らかの異常が発生している可能性があります。
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日常時に注意したい警告灯一覧
車の警告灯の中には、今すぐに点検や停車する必要のないものもあります。しかし、日常的にチェックしておくことで、大きなトラブルを回避できるかもしれません。
日常的にチェックしておきたい警告灯について、いくつかピックアップしてみました。もし以下で紹介する警告灯が点灯した場合、速やかに適切に対処しましょう!
シートベルトを締めている人物をモチーフにした警告灯は「シートベルト警告灯」です。エンジンスイッチを入れた段階でシートベルトを装着していないと点灯します。
この警告灯を無視して走行すると、点灯から点滅に変わります。最終的にはブザーなどの警告音が鳴るので、速やかにシートベルトを装着してください。
シートベルトをしていても、警告灯がつくこともあります。これは金具がしっかり締まっていない可能性が考えられます。
2020年9月以前は、運転席と助手席のみが警告の対象でした。しかし、それ以降は後部座席でシートベルトを着けていないと点灯するようになっています。
シートベルトを装着しているかどうかで、万が一事故を起こしたときの体にかかるダメージも違ってきます。どこの席に座っていてもシートベルトはしっかりつましょう。
車を上から見てドアの開いている警告灯は「半ドア警告灯」です。エンジンのスイッチの入っている状態で、いずれかのドアが開きっぱなしになっている、締まりきっていないときに点灯します。
一度ドアを開けてしっかり閉めてください。そのまま走行していると突然ドアが開いて、同乗者や荷物の落下する危険性もあります。
ミニバンやハッチバックの車種の場合、荷室のバックドアが開きっぱなしになっていても警告灯が点灯します。しっかり閉まっていると思っても衣類などが挟まっていて、閉まりきれていないのかもしません。
何度もドアを閉め直しても警告灯が消えない場合は、センサーに異常が発生している可能性を疑いましょう。
ガソリンスタンドの給油機のマークは「燃料残量警告灯」です。ガソリン残量が少なくなると、この警告灯が点灯します。
燃料残量警告灯が点灯してもガソリンがゼロになって、とたんに動かなくなるということはありません。しかし、できるだけ早く給油することをおすすめします。
特に高速道路に乗っているときに点灯したら、次のパーキングエリアにあるガソリンスタンドもしくは、速やかに高速を降りて近くのガソリンスタンドで給油してください。
どれくらいの残量になったら警告灯が点灯するかは、車種によって異なります。マニュアルに載っているはずなので、自分の愛車はどうなっているか確認しておきましょう。
給油して間もないのに点灯した場合、ガソリンが漏れているかもしれません。速やかに車を停めてエンジンを切り、燃料タンクを確認してください。
ウォッシャーのマークは「ウォッシャー液警告灯」を意味します。ウォッシャー液が不足しているために点灯します。
ウォッシャー液が不足していても、車が故障して動かなくなることはありません。しかしウォッシャー液が不足していると、フロントガラスの汚れをしっかり落とすことができないため、走行に支障をきたします。視界不良の中で運転を強いられ、危険性が増すことになるでしょう。
また、ウォッシャー液がからの状態でスイッチを入れてしまうと、ウォッシャー液を噴射するためのポンプが故障してしまいます。そのため、警告灯が点灯すれば、できるだけ早くウォッシャー液を補充してください。
車が蛇行しているようなデザインの警告灯は「スリップ表示灯」です。悪路を走行していてタイヤがスリップして、ブレーキ制御装置が作動しているときに点灯します。
トラクションコントロール、ABS、ヒルスタートアシスト、車両姿勢制御装置が作動していることを意味します。これらが作動しているときに点灯しているのであれば、問題ありません。
ただし、舗装した道路でドライの環境で普通に走っているにもかかわらず点灯している場合には、注意が必要です。普通の道路を普通に運転している場合、ブレーキ制御装置が作動しているとは考えにくいためです。
ブレーキ装置のどこかに異常の発生している可能性も疑われます。重大な装置なので、早めに整備に出すことをおすすめします。