愛車を自分のオリジナルにカスタマイズしようと思っている方は多いです。今ではいろいろなパーツが販売されているので、カスタムカーのバリエーションも充実しています。
しかし、カスタマイズする際は車検に引っかからないように注意する必要があります。
この記事では、LEDバーを取り付ける際に車検の観点から注意すべきことについてまとめました。また、LEDバーを取り付けるのが人気な理由も見ていきます。
LEDバーが人気になっている理由
愛車にLEDバーを取り付けるカスタマイズをしている方が近年増えています。
LEDバーを取り付けたものを自分のSNSやブログで紹介しているケースもしばしば見られます。
なぜ、車にLEDバーを取り付けるのが人気なのでしょう?
その理由は主に4つあります。
LEDバーのメリットは、幅広い用途に使える点です。
LEDバーの中にはUSBケーブルが搭載されているものも少なくありません。そのため、いろいろなところに取り付けられます。車にUSB差込口があれば、手軽にセッティングも可能です。
例えば、車中泊をする際にLEDバーを持っていけば、車内を明るく照らせます。室内灯と組み合わせれば、かなりの明るさを確保できます。
また、外部に取り付けることでフォグランプやヘッドライト代わりに使用することも可能です。
延長コードなどを使ってUSB差込口に繋げれば、外部でも使用できます。
車内にUSB差込口がなくても、パソコンなどを車内に持ち込めば、パソコンを電力源としてライトをつけられます。
LEDバーは、いろいろなメーカーから発売されていますが、その中でも調光できるモデルがあります。
LEDバーを購入したけれども薄暗かったり、逆に明るすぎてまぶしくて困る…などと心配な方もいるかもしれません。
そこで、調光できるモデルを使えば自分で光の加減を調整して、ちょうどいい明るさで過ごせます。
また、LEDバーのライトを浴び続けると、目がしょぼしょぼすることがあります。目に大きな負担のかかる、ブルーライトが含まれているからです。そこで、調光できるライトであれば、目にかかる負担も軽減できます。
また、目を保護するためのフィルムのついた商品も販売されています。
このように、ちょうどいい明るさで心地よく使えるのもLEDバーの魅力の一つです。
車に蛍光灯を新たに設置する場合、配線工事を行わないといけません。手間もかかってしまい、とても面倒です。
LEDバーの場合、業者を使わずに自分で簡単に取り付けられるのも人気の理由です。商品を購入して、USBポートに接続すればライトがつきます。
商品によっては、固定するためにねじ穴や金具を準備しなければならないものもあります。車に穴を開けたくなければ、両面テープを用意して貼り付けて使いましょう。
また、マグネットで固定できるような種類も出てきています。
このように自分で簡単に取り付けられ、気軽に導入できるのも人気の理由です。
LEDが普及するようになった一因として、蛍光灯を始めとした従来のライトと比較すると、寿命の長い点が挙げられます。そのため、いったんLEDバーを車に取り付ければ、長いこと利用し続けられるのも人気の理由です。
また、蛍光灯はある日突然なります。蛍光灯が切れて手元にないと、買いに行かないといけません。
LEDの場合は、蛍光灯のようにある日突然ではなく、徐々に暗くなっていくパターンが多いです。寿命の前兆が分かるので、完全に切れる前にストックを用意できます。
白熱灯の場合は、長時間点けていると熱を持ってしまいます。一方LEDバーは熱を持たないので、車内が異常に暑くなるような心配もありません。
LEDバーを取り付けても車検を通せる?
自分の愛車にLEDバーを取り付けたけれども、車検に引っかからないのか心配という方もいるでしょう。
ここからは、LEDバーの設置と車検の関係性についてみていきます。
ランプは車検の検査項目の一つです。保安基準を満たすようにLEDバーを設置するようにしましょう。
LEDバーを自分の愛車に取り付ける際には、道路運送車両法の保安基準に合致するようにしましょう。
車検の保安基準では、ライトの項目もあります。
ライトの項目とは、ヘッドライトやフォグランプなどそれぞれに異なる基準が設けられています。どの辺まで照らせるか、設置する数、光の色などいろいろです。
ライトは車を安全に走行するために欠かせない部品なので、車検の検査項目に含まれます。夜間安全に走行するためや、自分がいることを周囲に知らせるためにも必要です。
そのため、LEDバーを取り付ける際にはどこに設置するか、どのような基準が設けられているかをチェックしてください。
保安基準の見直しにより、一時期フォグランプはフェイドアウトしましたが、LEDが登場したことにより、新しいカスタマイズのアプローチが可能になって人気が再燃しています。
オフロード4WD業界ではLEDランプバーがヒットしたことで、再び脚光を浴びるようになりました。
もしLEDライトをフォグランプとして取り付けるのであれば、保安基準に合致していないと車検を通せません。
フォグランプの場合、まず1回の点灯で点くランプは2個までです。
フォグランプそのものは2個よりも多く取り付けても問題ありませんが、1度に点くのは2個までになるように切り替えられるように調整してください。
また、ヘッドライトの下に左右対称に取り付ける必要があります。そして、地上から250mm以上・最上部から800mm以下のところに取り付けなければなりません。
ハイビームをLEDライトにしようと思っている方もいるでしょう。
この場合、取付位置について細かな規定はありませんが、左右対称に取り付ける必要があります。また、取り付けることのできるのは2個までです。
本来ハイビームは最大4個取り付けられます。しかし車両に2つハイビームがすでに取り付けられるので、追加できるのは2個までとなります。
光の色にも規定があるので注意が必要です。白色のみ取付可能なので、黄色のライトは原則取り付けできません。
また、最高光度の規制もあります。全てのハイビームの合計が430,000cdを超えないようにすることです。そのため光量の調整をしておきましょう。
ワークランプとしてLEDバーを取り付けようとしている方もいるかもしれません。十分な明るさを確保できるので、車内で何か作業する時に重宝するでしょう。
ワークランプの基準については、取付位置について細かな決まりはありません。ただ一点気を付けないといけないのは、点灯スイッチの位置です。
ワークランプの取付条件として、運転席から点灯操作ができないことが条件とされています。そのため、運転席から明らかに届かないような位置にスイッチを取り付ける必要があります。
また、運転中は点灯させることが認められません。車検とは直接関係ありませんが、点灯して走行しているところを警察に見られると切符を切られるかもしれないので注意してください。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!
LEDバーを愛車に取り付ける方法
LEDバーは配線などがそれほど複雑ではないので、DIYで取り付けるのも十分可能です。
では、具体的にどのような手順で取り付ければいいのでしょう?
ここからは、ボンネットにLEDバーを取り付ける方法を一例として見ていきます。
LEDバーをボンネットに取り付ける場合、単体では固定できません。LEDライトバーとそれに付随するアイテムも準備しておきましょう。
まずは「ブラケット」です。カー用品店やホームセンターの他にも、通販サイトで取り寄せられます。
ブラケットは、ステンレスのような雨風に対する耐久性に優れたものがおすすめです。また保護ゴムパッドが取り付けられているものだと、ボディに傷をつけずに済みます。
次に「ハーネス」も用意しておいてください。車内から電力源を供給するために必要です。ショートを起こさないように保護カバーがしっかりしているものがいいでしょう。
また、ボディとマッチするような色合いのものを使用すると違和感がありません。
それでは取り付ける手順を紹介しましょう。
LEDバーから取り付けるか、配線からやるかは別に決まりはありませんが、ここではライトの取り付けから始めた流れについてみていきましょう。
まずは、ブラケットを取り付けるところから始めます。この時注意しないといけないのは、ボルトの長さです。
ボルトが長すぎると別のものを購入しなければなりません。余計な工程が必要になるので、ボンネットの厚みをあらかじめ調べておいてください。
土台から順番に取り付けていきます。ブラケットを購入するとレンチも同梱されている場合が多いので、こちらで締めます。
作業自体は難しくありませんが、LEDライトの長さに合わせて取り付けましょう。
ブラケットの取り付けが完了したら、LEDバーの取り付けに移行します。
そのまま取り付けようとすると、ナットの締め付けのスペースが確保できない場合があります。その場合にはブラケットの角度を調整して、作業しやすいポジションを見つけましょう。
中途半端な締め方だと走行中にナットが外れる可能性があるので、しっかり締め付けてください。
LEDバーを取り付けたら、ボンネットを開けます。開け閉めができないようであれば、取付位置の見直しをしてください。
ボンネットの中央部分に来るようにLEDバーを取り付けると、見た目も良くなります。
外部から正しい位置に取り付けられているか、自分の目で確認しましょう。
次に行うのは、LEDバーに配線を通す作業です。
ボンネットから室内に配線をとることになりますが、場合によってはパネルを外すといった追加の作業が必要になるかもしれません。パネルを外すのであれば、工具を用意しましょう。
まずは車を見て、配線の通り道をどこにするかシミュレーションします。いきなり配線を通そうとすると思わぬハプニングが起きて、作業をやり直さないといけなくなります。
配線が表から見えると少しカッコ悪いかもしれません。
無理のない範囲でパネルやボンネットの下から通せるところはないか、確認しましょう。
最後の工程はスイッチの取り付けです。
スイッチは保安基準により、運転席から操作できないところに取り付けるように決められています。
配線を車内に持ってくる場所は、グローブボックス裏がおすすめです。手で通すことが可能な場合が多いですし、他の配線も通っているのでそれに合わせて通していけば結構簡単に作業は完了します。
あとは配線とスイッチを繋げるだけです。
配線やスイッチは天井など車内に埋め込んだほうがいいでしょう。もしそこまでできなければ、スイッチをボディに埋めずにそのまましばらく使用するのも一考です。
その他のランプの車検基準
ここまでは、LEDランプが使えそうなランプの保安基準について見てきましたが、それ以外のランプにも保安基準が設けられています。
スムーズに車検を通すために、他のライトの基準についてもここで見ていきましょう。
基準に引っかかっていないか、車検前にチェックしておきましょう。
ウィンカーランプは、周りの車両に曲がる方向を知らせる重要なライトです。保安基準ではいくつか条件が設けられています。
まずは、点灯を確認できる距離です。日中100メートル離れたところから点灯の確認できる光量が必要です。
ワット数も決められています。乗用車の場合だとウィンカーは15~60Wのものとなっています。
ランプの色も決められているので注意しましょう。ウィンカーはオレンジ色のランプでなければいけません。
また、LEDランプに取り付け直す場合には、点滅回数に注意してください。点灯回数は1分当たり60~120回の範囲でなければなりません。
LEDランプに変更したことで点滅の回数が変わることもあるので、基準を満たしているかチェックしておきましょう。
ポジションランプは、明るさとワット数の基準が設けられています。
明るさは、夜間に300メートル離れたところから確認できることが条件です。ワット数は、5~30Wと決められています。
色は原則白ですが、ウィンカーランプと兼用するのであればオレンジでも問題ありません。
ポジションランプを車検で通すためには、明るさに注意してください。明るさは300カンデラ以下となっていますが、車検場で計測するのは難しいといわれています。そのため、検査官の見た目で判断されることが多いです。
もしあまりに明るすぎるライトを使っていると車検に引っかかってしまうので、注意しましょう。
テールランプは、赤色と決まっています。
その他にもブレーキを作動させた場合、日中100メートル離れたところから確認できないといけません。
尾灯は夜間点灯させるライトです。こちらは夜間300メートル離れたところから確認できることが条件となります。
テールランプをLEDライトにしようと思っている方もいるでしょう。上で紹介した条件を満たせば、LEDランプを使っても問題ありません。
ただし、尾灯とブレーキランプを兼用している場合、尾灯とブレーキランプを同時に点灯した時の明るさが、尾灯のみ5倍以上とならなければなりません。
車検の際は、検査官の見た目で判断されます。もし十分変化していないと判断されれば車検に落ちしてしまいます。
光度を5倍にするのは、なかなかハードルが高いので、LEDライトに変える際には注意してください。
ナンバー灯をLEDライトにカスタマイズする方も少なくありません。しかし、カスタマイズすることにより車検に引っかかるケースもありますので、取り替えるのであれば注意しましょう。
まず、ライトの色は白でないといけません。LEDランプであればまず問題ありませんが、ムラがあると車検に落ちてしまうので注意してください。ムラの有無については専用の測定機器があります。
LEDの性質として、単一方向にしか光が出ません。すると、ナンバーの一部に影ができるところが出てくる可能性があります。
LEDライトを使用するのであれば、ナンバーに特化した商品が販売されていますので、より確実に車検を通したければナンバー専用のLEDライトでカスタマイズするのがおすすめです。
また、後方20メートルのところからナンバーが読み取れるような明るさも必要なので、頭に入れておきましょう。