車を所有していると、定期的に車検を受ける必要があります。その基準になるのが車検の「満了日」ですが、それよりもずっと前に車検を受けることも可能です。

しかし、あまりに早く車検に出すと損をすることもありますし、逆にギリギリのタイミングに出すと車検切れになる可能性もあります。

もちろん満了日後に出せば完全に車検切れとタイミングを見誤った場合のデメリットも大きいです。

ここでは、車検を受けるベストなタイミングなどを説明します。

車検はどんなタイミングで受けてもいいの?

車検はどんなタイミングで受けてもいいの?
車検が近づいてきた時、どのタイミングで受けるのがベストなのか疑問に思った方もいるかもしれません。

「車検は有効期間の満了日よりも前に受けるもの」という決まりは多くの方が知っていますが、それでは適切な時期とそうでない時期の線引きはどこからどこまでなのでしょう?

車検は満了日前であればどんなに早く受けても構いません。ただし、あまりに早いと損をすることがあります。また、車を売却する予定がある場合などでも適切なタイミングは異なるので注意が必要です。

目安は有効期間の満了日

車検には「有効期間満了日」が定められており、車検を受けないまま満了日を過ぎた場合は、その車で公道を走るのは厳禁です。そのため、少なくとも満了日が過ぎて車検切れの状態になる前に、車を車検に出さなければなりません。

つまり、車検はこの有効期間満了日を目安として適切なタイミングを見計らいながら受けることになるでしょう。

車検は満了日の前ならいつでもいいが注意点もある

車検は満了日の前ならいつでもいいが注意点もある
車検は有効期間の満了日よりも前であればいつ受けても問題なく、そのタイミングを定めた法律などもありません。とにかく車検切れになる前であれば、1カ月前でも半年前でも受けることができます。

とはいえ、あまりに早く車検を受けると損をすることもあるので注意が必要です。

車検の申し込みや見積もりは早めに行い、車検に通らない可能性も踏まえて、検査自体は「満了日1カ月前」くらいに受けるのが一般的です。

ここからは、満了日1カ月前に検査を受けたほうがいい理由について説明します。

満了日からあまりに早いとデメリットもある

車検は、満了日よりも前なら1カ月前でも1年前でも受けることが可能です。早めに済ませること自体はいいことのように思えますが、車検については前倒しすることによるデメリットもあります。

車検は、満了日よりも極端に早いタイミングで受けると、次の満了日も繰り上げになってしまいます。

例えば、満了日が2022年4月1日だったとして、これを前倒しして2022年2月1日に受けると、次の満了日は2年後の2024年2月1日となります。

つまり、前回の車検で払った費用によって、本来なら2022年4月1日までの有効期間を得ていたはずが、前倒ししたことで2カ月分が無駄になる計算です。

それでも、2年後の満了日が4月1日であれば帳尻は合いますが、実際は2カ月分繰り上がるので結局2カ月分損していることになります。

これを防ぐには、有効期間満了日の1カ月前に車検を受けることです。上述の例の場合、2022年3月1日から4月1日の間に受けることで、2年後の満了日も変わらない4月1日にできます。

普通自動車の場合、車検費用が100,000円を超えることも珍しくありません。損をしないように、車検のタイミングを見計らいましょう。

満了日ギリギリだとリスクがある

車検で最も注意しなければいけないのは、車検切れになることです。そのため、満了日ギリギリに予約や見積もり確認を行うのも危険です。

万が一予約が取れないと、予約待ちの間に車検切れになるかもしれません。

自動車業界では3月や9月が決算期となり車の出入りが激しいので車検が混雑することがあります。そうなると、予約できるお店を探している間に車検切れになってしまう恐れがあります。

満了日を過ぎると車検切れになる

有効期間満了日までに車検を受けられないと、車検切れの状態になります。

車検切れになると、その車で公道を走ることができなくなり、違反すると摘発対象となり罰金刑を受けることになります。詳細は後述しますが、車検切れと合わせて自賠責保険の期間も切れると、さらに罪は重くなるでしょう。

そうなると、車検を受けるための車の移動には、仮ナンバーを取得するといった手続きを取らなければなりません。

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満了日から2~3カ月前に予約し1カ月を切る頃に車検を受けよう!

満了日から2~3カ月前に予約し1カ月を切る頃に車検を受けよう!
ここまでで、車検は有効期間満了日を基準にして、早すぎず・遅すぎずのタイミングで受けたほうがいいことを説明しました。

ベストなタイミングとしては、満了日から2~3カ月前に予約を入れて、1カ月を切る頃に車検を受けるのが一番良いでしょう。

満了日まで1カ月を切るタイミングで検査を受けれれば、次の有効期間も車検費用が損にならない形で設定されます。

また、2~3カ月前に予約を入れれば、先の混雑を見越して、余裕を持って業者側とスケジュール調整できるでしょう。

デメリットやリスクを避けて車検を受けるには?

ここまでで、車検を受けるタイミングによっては大きなデメリットやリスクが生じるということを説明しました。

改めて、そうしたマイナス要素を避けて車検を受けるには、どのように時期を決めるといいか解説します。

まずポイントは、前項で結論づけた通り、「満了日から2~3カ月前に予約を入れ、1カ月を切る頃に車検を受ける」のがベストだということです。ここから少しでも逸脱すると、デメリットやリスクが生じる恐れがあります。

また、車検を前倒しにすると自賠責保険の残月分の掛金が還付されるので、その点は一見メリットのように見えるかもしれません。実際のところはどうなのか、以下であわせて検証していきましょう。

満了日1カ月前に車検を受ける

車検は、あまり早く受けても損をしますし、満了日ギリギリだと車検の予約が取れず満了日を過ぎる恐れがあります。そして、受ける時期が遅すぎれば満了日を過ぎて車検切れとなり車を運転できなくなるリスクが発生します。

こうしたデメリットやリスクが生じないようにするには、先述した通り「満了日まで1カ月を切るタイミング」で車検を受けることです。それよりも前に受けると、次の車検までの有効期間が前回よりも短くなってしまう可能性があります。

満了日まで1カ月以内のタイミングで車検を受ければ、次の満了日の月日は前回と同様になるので車検費用も損になりません。そのため、業者の選定、予約などのスケジュール調整、見積もり確認は早めに行うようにしましょう。

自賠責保険料が還付されることも

車検を前倒しで受けるのは、マイナス要素ばかりではありません。一般的に、車検の有効期間を更新するのと同時に自賠責保険にも加入し直すことになります。

これを前倒しすると、自賠責保険の掛金(前回の車検で前払いしているお金)が還付されます。この還付金は、加入していた期間の残り分を月割りで計算して算出するものです。

例えば、14~25カ月の契約期間だった場合、6カ月前倒しで車検を受けると、普通車で4,070円、軽自動車で3,970円の還付が受けられます。(※自賠責保険の満期日と車検を受けた日によって多少変動あり)

還付金額を見ると分かる通り、車検全体の費用と比べると自賠責保険は高額なものではありません。そのため、還付金があるのをメリットとしてあえて車検を前倒しする必要はないでしょう。

売却・廃車・買い替え予定の場合は車検の前に行ったほうがいい

売却・廃車・買い替え予定の場合は車検の前に行ったほうがいい
ここまでで車検を受ける適切なタイミングについて説明しました。しかし、一概には言えないところがあります。

車を売却・廃車・買い替えする予定がある場合は、車検のタイミングについての考え方も少し変わってきます。

売却予定の車の場合

近いうちに車を売却する予定の場合は、車検前に売却しましょう。

車検では10万円近い費用がかかるので、その後車が高値で買い取られたとしても、余程のプラス要素がない限り差し引きで得をする可能性は低いです。

売却予定の車となると、低年式であることや車体が劣化していることも多いでしょう。すると買取価格は安くなり、メンテナンスにかかる費用も高くつくので、売却が遅れるほど損をすることになります。

車検の残り期間と査定額の関係については、車検の有効期間が長ければプラス査定が期待できます。しかし、そのプラス分が車検費用を上回ることはまずありません。そして、車検の期限が近いという理由で査定額が減額されることもほとんどありません。

つまり、売却予定の車は車検費用を払おうとすれば高くつきますし、車検を受けたとしても受けなかったとしても買取価格が変わることはありません。また、売却時期が遅れればそれだけ車の価値も下がるので、車検前の早い時期に売却するのが得策です。

廃車予定の車の場合

近いうちに廃車にする予定の車であれば、これも車検を受ける前に廃車手続きを取ったほうが良いです。

有効期間が残っている車を廃車にするのはもったいない気もしますが、実はそうではありません。

車検は10万円近い費用がかかります。廃車という形で車を手放す予定なら、まずは一刻も早く処分して、この費用分を支払わずに済むようにしましょう。

また、廃車といってもただ車を手放して終わりではなく、車の抹消登録をすることで、自動車税や自動車重量税が還付されることがあります。永久抹消か一時抹消か、あるいは普通自動車か軽自動車かなどによって細かい違いはあるものの、この還付分は時間が経てば目減りするので、やはり早めの手続きがおすすめです。

さらに、車を廃車専門の買取業者に引き取ってもらうことで、利益アップにつなげることもできます。廃車にするしかないような低年式車などでも、数万円で買い取ってくれる業者が存在します。

買い替え予定の車の場合

車の買い替えの予定がある場合は、車検を受ける前に買い替えましょう。理由は3つあり、いずれも車検にかかるコスト削減がポイントです。

まず、車検前に車を手放すことで車検費用を節約できます。車検では約10万円の費用がかかりますが、車検のタイミングを避けることでその分が浮き、次の車の購入費用にあてられます。

次に、車検にかかる手間をなくせるということです。車検を受けるとなると業者への予約、書類の準備、車検当日に業者へ車を持ち込んで検査が終われば取りに行き…とさまざまな手間がかかりますが、これらを全て削減できます。

3つ目の理由は、短いスパンで立て続けに車検費用を払わずに済むことです。車検を受けたばかりの車を売却して中古車に買い替えた場合、間を置かずにまた車検を受ける必要が生じることがありますが、車検前に車を売ってしまえばこのリスクを避けられます。

買い替えにあたって車を売却する際、車検の残り期間の有無が査定額に大きく影響することはありません。それよりも車検費用のほうが確実に大きな出費として予想されるので、売却予定の車は車検前に手放して買い替えたほうがお得です。

車検の満了日の確認方法

車検の満了日の確認方法
車検の有効期間の満了日を確認するには、車検証、車検シール、自賠責保険証を参照する方法があります。

車検証で確認する

車検証は正式には「自動車検査証」といい、その車が国の定めた保安基準を満たしていることを証明するものです。

車検証の左下に「有効期間の満了する日」とあるので、ここに記載されている日付を確認しましょう。

車検シールで確認する

車検シールは正式には「検査標章」といい、その車が保安基準を満たしており車検に合格したことを証明するものです。

多くの場合、車のフロントガラスに貼られていて、車の外からも有効期間の満了日を確認することができます。

自賠責保険証で確認する

自賠責保険は車検と同じ期間かプラス1カ月で加入するのが一般的です。そのため、保険証の「保険期間」をチェックすることで車検満了日も推し量ることができます。

車検は何年ごとに受けるの?

車検は車種などによって初回のタイミングと2回目以降の期間が異なるので、それぞれ細かく見ていく必要があります。

自家用乗用車の場合、最初の車検は新車登録から3年後となり、それ以降は2年ごとに受けることになります。

中古車の場合は既に新車登録が済んでいるので、購入のタイミングによって次は3年以内、それ以降は2年ごとです。

貨物車として登録された1あるいは4ナンバーの場合は、最初の車検は新車登録から2年後となり、それ以降は1年ごと、ただし4ナンバーの軽自動車はずっと2年ごとです。

その他、バスやタクシーなど大勢の人を乗せる車は、安全性の確保からさらに短い1年ごとの車検となります。

車検切れになるとどうなるの?

車検切れになるとどうなるの?
何らかの理由で車検を受け損ねて「車検切れ」になった場合、どのようなリスクやデメリットを負うことになるのでしょう?

以下で詳しく説明します。

車検切れそのものに罰則はない

所有する車が車検切れになったからといって、それだけで処罰されることはありません。

ただし。車検切れの車を所有しているだけでも税金は払い続けなければならないので、その点はデメリットです。

公道を走ると処罰される

車検切れの車について、最も注意しなければならないのは公道を走ると処罰されるという点です。

車検切れの状態で公道を走るのは法律違反で、違反点数6点・30日間の免許停止・6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金、といった罰を受けることになります。

少なくとも免許停止処分になりますし、もしも前歴があれば免許取り消しになります。

車検切れかどうかは車検シールなどですぐ確認できるので、期限をきちんと確認しておきましょう。

自賠責保険も切れていると罪が重くなる

車の持ち主が強制的に加入させられる自賠責保険も、有効期間が切れていると処罰されます。

これは車検とは別物ですが、車検と自賠責保険は同じタイミングで手続きするのが一般的で、車検切れと同時に切れることがほとんどです。

両方の有効期限が切れてしまった状態で公道を走ると、違反点数6点・少なくとも90日間の免許停止・1年6カ月以下の懲役か80万円以下の罰金となります。

積載車での移動か仮ナンバーが必要になる

車検切れの車は公道を走れないので、改めて車検を受ける際は車の移動方法を考えなければなりません。

車を運ぶのだから、レッカー移動を頼めばいいと思う方もいるでしょう。しかし、レッカー移動は車の車輪を地面につけて運ぶので、「車検切れの車を公道で走行させた」と見なされます。法律違反になる可能性があり、断られるでしょう。

そのため、車を運搬するのであれば、中型自動車も軽自動車も運べる「積載車」を使うことになります。

ただし、実際に積載車での引き取りをしてくれるかどうかは業者によって異なりますし、自分で積載車をレンタルするとしても、運転には中型あるいは準中型免許などが必要です。

そこで、最も手軽なのは「仮ナンバー」の手続きをすることです。居住する地域の市町村役場で手続きをすれば、移動範囲・期間・用途を限定して、車検切れの車でも一時的に公道を走れるようになります。

車検を出すお店を選ぶ際のポイント

車検を出すお店を選ぶ際のポイント
ここからは、車検を出すお店を選ぶ際に注目すべきポイントについて解説します。

車検にかかる費用は一律ではなく、店舗や車両の状態によって変動するものです。また、車検にかかる時間や、サービス・割引の充実度も店舗ごとで異なるため、車の状態と時間の余裕、予算に応じて最適な場所を選びましょう。

車検費用

車検費用を重視して場所を選ぶ方は珍しくありません。車検は任せる場所によって費用が変わるため、「できるだけ安いところで」と考える方も多いでしょう。しかし、このとき注意したいのが、安いからといって充分な整備が受けられるとは限らない点です。

多くの場合、料金の安い場所は最低限の点検と整備で済ませます。一方、料金の高いところは整備の質が高く融通を利かせやすいため、車検後の安全性は高いでしょう。予算内に収めることも大切ですが、安いところには安いなりの理由があります。

また、料金相場の安い場所でも、パーツ交換や整備箇所が多い状態なら高額な整備費用がかかります。車検費用は、車両の状態が大きな割合を占めるのです。使い古している車、または車検までの間に事故を起こした場合は、車検費用が高くなると思ったほうがよいでしょう。

さらに、車検にかかるお金は、主に整備費用と法定費用の2種類にわかれます。整備費用は、パーツ交換や調整といった整備作業にかかるお金です。こちらは場所を変えることで費用を削減できます。

一方、法定費用は自動車重量税や自賠責保険といった車の維持にかならず発生する費用です。こちらは車の状態にかかわらず金額が固定されているため、どこに車検を任せても同一の費用がかかります。また、法定費用の支払いは現金のみです。クレジットカードは使えない点にご注意ください。

車検を依頼する際は、ある程度まとまった費用を用意しておきましょう。

割引やサービスの充実度

車検の検査項目はどこの業者でもほとんど変わりませんが、場所によっては割引制度やサービスの充実度を売り出しているところもあります。例えば、早期予約特典やネット予約割を実施しているところが多いですし、車検時のエンジンオイル交換をサービスする場所もあるでしょう。

店舗によってサービスの内容や充実度は異なるため、車検場所を決める際は各種割引やサービスにも注目しましょう。

品質

車検の際に重視したいのが、点検・整備の品質です。安価な業者だと十分な整備がされていないケースもあるため、業者の信頼性や技術力を見極めなければなりません。

また、高いからといって整備の質が高いとも限りません。周囲の評判や口コミといった第三者視点の意見を参考にして、信頼できる業者に車検を依頼しましょう。

車は自分の命を預ける乗り物です。とくに、通勤やドライブでひんぱんに運転する方なら、万全の状態で運転したほうがよいでしょう。車の安全性を保つには、品質にも注目しなければなりません。

スピード

車検を依頼する際、完了までのスピードも考慮すべきポイントのひとつです。車検を請け負っている業者のなかには、車検の完了まで日をまたぐケースも珍しくありません。

即日で車検が終わらない場合は代車を用意してもらえますが、当日中に終わらせたいと思う方も多いでしょう。とくに、仕事で時間をあまり取れない方だと、翌日に車を引き取れない場合もあります。

そのため、時間の余裕がない方は、車検のスピードが早い業者へ依頼しましょう。

ただし、スピードが速い業者は、車検に通るための検査のみ実施しているところが多いといわれます。安全性を確保するなら、車検のスケジュールに余裕を持たせたほうがよいでしょう。

車検を受ける場所

車検を受ける場所
車検を受ける場所によって、費用やサービス内容、整備の質といった各要素の傾向は異なります。それぞれに得意不得意があるため、自分の用途に応じて最適な場所を選定しましょう。

ここからは、車検を受ける場所の代表例を紹介します。

ディーラー

品質の高い整備を求めるなら、ディーラー車検がおすすめです。メーカーの純正部品が充実しており、同一メーカーの車に精通しています。最新技術を搭載した車種でも、充分な対応が期待できるでしょう。

ただし、ディーラー車検はほかの場所より費用が高い傾向にあります。車検費用を抑えるなら、ほかの場所に依頼したほうがよいでしょう。また、ディーラー車検は車をきちんと整備する分、日数がかかります。基本的には代車を用意してもらえますが、依頼する際はスケジュールに余裕を持たせなければなりません。

カー用品店

リーズナブルでサービスの充実度を求めるなら、カー用品店での車検がおすすめです。カー用品店ではタイヤやエンジンオイルといった各部品や整備アイテムが揃っているため、高品質な整備が期待できます。また、カー用品店は全国的にも店舗が多いため、アクセスしやすい点も魅力といえるでしょう。

カー用品店での車検では、整備の範囲や内容を店員と相談しながら決定できます。依頼者の要望に合わせて費用や時間を調節できるため、最も融通を利かせやすい場所といえるでしょう。ただし、カー用品店は車検を専門としているわけではないため、複雑な整備や特殊なモデルだと対応しきれない場合があります。また、パーツ交換に純正品ではなく社外品を使うケースも珍しくありません。車に対して強いこだわりがある方は、整備内容を相談するか、ほかの場所を検討するとよいでしょう。

ガソリンスタンド

近年は、ガソリンスタンドでも車検サービスを提供しているところが増えています。整備内容は最低限ですが、費用の安さが魅力です。時間もかからないため、手軽に車検を受けたい方に向いた選択肢といえるでしょう。

また、店舗によっては車検サービスを利用することで、ガソリンの割引チケットや特典をもらえるところもあります。期間限定イベントとして上記のキャンペーンを実施しているケースもあるため、お得に車検を受けるなら公式ホームページやSNSアカウントをチェックしてみましょう。

ただし、ガソリンスタンドはほかの場所より交換用のパーツや設備が揃っていません。整備できる範囲には限りがある点にご注意ください。

車検専門店

車検専門店は、車検のみを専門に行っている業者です。こちらは交換用パーツや設備が充実しているため、スピーディーで効率的に車検を受けられます。費用も比較的安いため、時間とコストパフォーマンスを両立したい方におすすめです。

ただし、短時間で車検を終わらせる場合は最低限の整備しか行われません。整備内容を充実させたい場合は、事前に伝えておいたほうがよいでしょう。

整備スキルがあるならユーザー車検もおすすめ

整備スキルがあるならユーザー車検もおすすめ
自分で車の整備をある程度できる方は、陸運局または軽自動車検査協会にて自ら車検を実施する「ユーザー車検」も選択肢に挙げられます。業者に依頼するのと違い工賃がかからないため、すべての選択肢のなかでも最も費用を抑えられるでしょう。

実施するには整備のスキルと知識を求められますが、車好きで普段からメンテナンスを行っている方はおすすめです。

メリットとデメリット

ユーザー車検の最大のメリットは、費用の安さです。陸運局または軽自動車検査協会に直接車を持ち込んで検査と整備を行うため、最低限の費用で済みます。パーツ交換やエンジンオイルの充填といった作業が必要ない状態なら、コストは法定費用のみです。

デメリットとしては、手間がかかる点が挙げられます。陸運局に出向いて自分で検査を受けなければならないため、書類の手続きや車検ラインの通過、整備作業など慣れていない人にとっては大変です。

また、基本的に代車がないため、整備の規模で当日中に終わらない場合は移動手段がなくなります。車検が不合格の可能性のあるため、ユーザー車検を行うなら数日間は予定を入れないほうがよいでしょう。

予約方法

ユーザー車検を行う場合、事前に陸運局または軽自動車検査協会での予約が必要です。陸運局ではインターネット予約のみ、軽自動車検査協会の場合はインターネット予約と電話予約に対応しています。

予約はスマートフォンでもできますが、個人情報の入力が必要なため周囲に人がいない場所で行ったほうが安心です。

なお、ユーザー車検の予約にはアカウント登録が必要です。一度作成したアカウント情報は保存されますが、予約システムを2年1カ月以上使っていないと自動的に削除されます。

予約タイミングによっては再度アカウント登録を行わなければなりませんが、システムそのものは利用不可でないためご安心ください。

必要書類

ユーザー車検と業者に車検を依頼するのとでは、必要な書類が異なります。

車検証・自賠責保険証・納税証明書・印鑑が必要な点は変わりませんが、ユーザー車検の場合はさらに以下の書類も必要です。

  • 自動車検査票
  • 継続検査申請書
  • 定期点検整備記録

上記の書類は、車検当日に陸運局または軽自動車検査協会の窓口で配布されます。整備作業中に紛失しないよう、大切に保管しましょう。

まとめ

①車検は有効期間の満了日前ならどのタイミングで受けてもいい
②満了日から2~3カ月前に予約を入れ、1カ月前に車検を受けるのがベストなタイミング
③車検をあまりにも早く受けるとデメリットもある
④満了日ギリギリだと車検切れになる恐れがある
⑤満了日を過ぎると車検切れとなり、そのまま公道を走ると処罰される
⑥有効期限は車検証・車検シール・自賠責保険証で確認することができる
⑦売却や買い替え予定の車は、損をしないよう適切なタイミングで車検を受ける

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