フロンドガラスの汚れが気になったときに、サッと噴射して簡単に掃除ができるウォッシャー液。気軽に使えてフロントガラスをすぐにきれいにできますが、補充を忘れていて慌てたことはありませんか。
エンジンオイルやブレーキオイルと違い、ウォッシャー液が切れていても走行に支障はありません。しかし、いざ使いたいときに補充がされていないと困ってしまうでしょう。
この記事では、ウォッシャー液を点検する大切さや補充の際の注意点について解説します。
車の点検ではウォッシャー液も確認しよう
フロントガラスの汚れがひどく、ワイパーを動かしただけでは視界が改善しないとき、特に夜間や逆光で前が見にくいときなどに活躍するアイテムがウォッシャー液です。落ちにくい汚れをしっかり除去して、視界をクリアにしてくれます。
安全運転のためにも欠かせないウォッシャー液ですが、つい補充を忘れてしまい、使いたいときに使えないといった状況に陥ってしまうこともあるでしょう。そのような状況を避けるためにも、重要になるのは定期的なウォッシャー液の残量チェックです。
車の点検をする際には、一緒にウォッシャー液の確認と補充をする習慣をつけましょう。
ウォッシャー液とは?
ウォッシャー液とは、車のフロントガラスに付着した落ちにくい汚れを除去しやすくするための洗浄液です。ひと口に「汚れ」といっても、ホコリや泥汚れから油膜による汚れ、さらに夏に多い虫の汚れなど様々な種類があります。
ワイパーだけでは落としにくい汚れもありますが、ウォッシャー液を噴射してからワイパーを動かせばだいぶきれいになるでしょう。
このようにウォッシャー液には、ワイパーだけではきれいにならない汚れをしっかりきれいにする働きがあります。
ウォッシャー液の役割は、フロントガラスの汚れにより視界が遮られてしまう状態を防止し、安全運転をサポートすることです。
ホコリや油膜などの汚れによってフロントガラスが曇ると、前が見えにくくなり事故の危険性も出てくるでしょう。このような状況を防ぐため、フロントガラスをきれいに洗浄するためのアイテムがウォッシャー液なのです。
特に雨の日や夜間には、多少のくもりでも視界が悪くなります。歩行者を発見するタイミングが一瞬でも遅れると、重大な事故につながる恐れもあるでしょう。ウォッシャー液には、危険を未然に防ぐ役割があるのです。
車を使う頻度や走行する地域によっても異なりますが、ウォッシャー液は半年に1回くらいを目安に補充するとよいでしょう。
よく「ウォッシャー液の交換」といわれますが、同じ種類のウォッシャー液であれば「交換」というより「補充」で大丈夫です。新しいものを、そのまま注ぎ足してください。
高速道路を走行する機会が多いと、ホコリや虫の汚れがつきやすいためウォッシャー液を使う頻度が増えるかもしれません。花粉のシーズンも、付着した花粉をとるためにウォッシャー液の消費が増えます。雨の多い時期も消費しやすいため、このような時期は月に1回くらい確認して補充するとよいでしょう。
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車検とウォッシャー液
車検の際には、フロントガラスのウォッシャー機能についても点検します。
車検は、車の各部品が問題なく機能し安全に走行できるかをチェックするものです。安全に走行するためには、フロントガラスがきれいで前がしっかり見える状態でなくてはいけません。そのため、車検項目の中には「ワイパー」があります。
そして、視界を確保するにはワイパーだけでなくウォッシャー機能も重要です。フロントガラスが汚れた際にはウォッシャー液を噴射して汚れを除去する必要があるため、正常に稼働するかについても車検時にチェックされます。
なお、リアにもワイパーやウォッシャー機能がついた車がありますが、こちらは点検対象ではありません。
定期点検とウォッシャー液
ウォッシャー液の残量が十分にあるか、ウォッシャー液の噴射口が詰まっていないか、ウォッシャー機能は正常に稼働しているかなどは、定期的に点検するようにしましょう。
休日の買い物くらいにしか車を運転しない場合には、ウォッシャー液を使う機会が少ないかもしれません。いざ必要になったときに問題なく使用できるよう、定期的に点検を続ける習慣は大切です。
特に、ウォッシャー液は消耗品で使用するたびに減ってしまいます。タイミングを決めて残量を確認し、補充を忘れないようにしましょう。
ウォッシャー液は主に4種類ある
ウォッシャー液は1種類ではありません。実は大きく分けて4種類あり、種類が異なるものを混ぜてしまうと効果を発揮できなくなる恐れもあります。
そこで、ウォッシャー液の種類と選び方のポイントを紹介します。車を運転する地域や時期によってもおすすめは違うため、ご自身の状況に合わせたものを選んでください。
なお、ウォッシャー液には原液で使うタイプと希釈するタイプがあります。購入時には必ず確認し、指示に従って使用しましょう。
ノーマルタイプは、基本的な洗浄効果を備えた標準的なウォッシャー液です。どのウォッシャー液を使うか迷ったなら、まずはノーマルタイプを使ってみるとよいでしょう。他のタイプよりリーズナブルな点もメリットです。
ただし、氷点下の気温になると凍結してしまう恐れがあるため、使用する時期と地域によっては注意してください。
使用後の拭きあとが気になる場合は、純水を使ったタイプがおすすめです。パッケージに「拭きあとが気にならない」など書かれたものを選んでください。
撥水タイプのウォッシャー液には、水滴を弾く効果があります。雨の日のドライブでも雨水を弾いて視界をしっかり確保してくれ、ワイパーの使用回数も減らせるでしょう。
普段から車を使っていて雨の日でも関係なく運転しなくてはいけない場合などは、撥水タイプのウォッシャー液を選ぶとよいかもしれません。
フロントガラス自体に撥水加工を施すことも可能ですが、ウォッシャー液を撥水タイプに変えるほうがリーズナブルです。ガラスをコーティングする効果もあるため、汚れがつきにくくなるメリットもあります。
油膜取りタイプは、フロントガラスに付着した油膜を少しずつ除去してくれます。
太陽の光や対向車のヘッドライトが乱反射して、前が見にくいと思ったことはありませんか。これはフロントガラスに油膜が付着してしまっているためで、ワイパーだけでは落とせません。このような場合に油膜取りタイプのウォッシャー液を使用すれば、頑固に付着した油膜もきれいに除去してくれるでしょう。
都市部など交通量の多い地域では、アスファルトや排ガスなどの影響で油膜が付着しやすい傾向です。気になるようであれば、このタイプのウォッシャー液をおすすめします。
解氷タイプは、寒冷地で車を運転する方におすすめのウォッシャー液です。通常のウォッシャー液は、気温が氷点下になると凍結してしまう恐れがありますが、このタイプであれば外気温が-30℃くらいまで凍りません。
冬場に仕事で寒冷地へ行かなくてはいけない方や、週末にウインタースポーツを楽しむために車で出かける方なども、解氷タイプを使うようにしてください。
ウォッシャー液に水道水を使用していると、寒冷地では冬場に凍結する恐れがあります。水で希釈するタイプも、やめたほうがよいでしょう。寒冷地で運転する機会がある方は、特に気をつけてください。
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ウォッシャー液が出なくなる原因
ウォッシャー液は普段から頻繁に使うものではないため、いざ使おうと思ったときに出なくて慌ててしまうことがあるかもしれません。ウォッシャー液が出なくなってしまう原因には、次のようなことが考えられます。
使いたいときに使えない状況を避けるためにも、ウォッシャー液も含めた車全体の状態について定期的に点検するようにしましょう。ウォッシャー液を正常に噴射できない場合には、車検にも通りません。
ウォッシャー液をそれほど使っているつもりはなくても、気づくと使用しているケースは意外にあります。ウォッシャー液が出ないため故障かと思って慌てたら、実はウォッシャー液を使い切ってしまっていただけだったといった可能性もあるでしょう。
まずは、焦らずウォッシャータンク内の残量を確認してください。リアウインドウにもウォッシャー液がついている場合には、リアのウォッシャー液が出るかについても確認してみるとよいでしょう。不足しているようであれば、補充してください。
ウォッシャー液の通り道であるウォッシャーホースが破損していたり、ホース自体が外れてしまっていたりする可能性もあります。外れているのであれば、自分でさし直しても大丈夫です。
ただし、なぜ外れてしまったのか、その原因を確認するようにしてください。ホースが破損しているようであれば、ホースを交換しましょう。ホースが経年劣化してしまうと、破損の恐れがあります。
交換の仕方が分からなければ、カー用品店などで交換してもらうことも可能です。自分ではどこに問題があるのか分からないようであれば、早めに修理に出すようにしましょう。
ウォッシャー液が出ない原因として、ウォッシャーノズルが詰まっている可能性も考えられます。ノズル部分の穴は大変小さいため、少しの異物でも詰まってしまうことがあるのです。
詰まりやすい異物としては、砂やホコリなどが考えられます。さらに、ウォッシャー液の成分が固まってしまって詰まることもあるでしょう。
専用のクリーナーを使用して詰まりの原因を除去する方法もありますが、歯ブラシなどで掃除しても構いません。
違う種類のウォッシャー液を混ぜると固化して詰まる恐れがあるため、必ず同じ種類を補充するようにしましょう。
冬の寒い日にウォッシャー液が出ない場合は、凍結している可能性が考えられます。
外気温が氷点下にまで下がるような地域では、ウォッシャー液が凍ることもあるのです。そのため、寒冷地では冬季に解氷タイプのウォッシャー液を使いましょう。
水で希釈するタイプのウォッシャー液は、気温が下がると凍りやすくなります。凍結の心配がある地域や季節は、水で希釈するタイプを控えたほうがよいかもしれません。
旅行で寒冷地に立ち寄ったら、思いがけず凍ってしまったといったようなケースも考えられるでしょう。このような場合は、焦らずに溶けるまで待ってください。
ポンプやモーターが故障したために、ウォッシャー液が出ないケースも考えられます。
ウォッシャー液を噴射させるためのレバーを引いても稼働する音が何もしない場合には、ポンプやモーターが故障している可能性が高いでしょう。この場合は、専門業者に修理してもらうしかありません。
ディーラーや街の修理工場などにできるだけ早く持っていき、修理を依頼してください。自分でなんとかしようとして、余計にひどい状況にしてしまわないようにしましょう。
配線類に不備があったり、コンピューターに問題が起きていたりすると、ウォッシャー液を噴射するための信号が正常に出せずにウォッシャー液が出ないことがあります。
このような不具合の場合、原因を突き止めるのはもちろんですが、修理するにも素人には難しいでしょう。ウォッシャー液の有無など簡単にできる範囲をチェックしたが出ない原因が分からない場合は、無理をせず早めにディーラーや修理工場などに持っていくことをおすすめします。プロの目で見てもらい、しっかり修理してもらいましょう。
長年乗っている車の場合、経年劣化によってウォッシャータンクに穴があいてしまっている可能性もあります。また、事故でぶつけた際にウォッシャータンクに穴があいてしまったケースもあるでしょう。
ウォッシャー液を補充してもなくなるスピードが早いと感じるようであれば、ウォッシャータンクに問題がないか確認してみることをおすすめします。
ウォッシャータンクに穴があいてウォッシャー液が漏れてしまう状況はそれほど珍しいケースではありません。まさかと思っても、念のため確認してみてください。
ウォッシャー液量を確認する方法
ウォッシャータンクはエンジンルームにあります。ボンネットを開けて、ウォッシャータンクを確認してください。
タンクの蓋にゲージがついているタイプの場合には、その目盛りを目安にしてウォッシャー液のおおよその残量を把握できます。
車種によっては、ウォッシャー液の補充が必要になった場合にメーターに警告灯がつくものもあります。ごく一部の車種だけの機能ですが、補充のタイミングが分かりやすくて便利でしょう。
ウォッシャー液を使い切るコツ
ウォッシャー液を補充する際、同じ種類のものであれば混ぜてしまっても構いません。しかし、古い液と新しい液を混ぜたくない場合もあるでしょう。また、これまで使用していたウォッシャー液と種類を変更するのであれば、古い液を使い切ってしまう必要があります。
このような場合に古いウォッシャー液を使い切るコツは、ウォッシャー機能を連続して稼働させ、液の噴射を続けるだけです。連続で噴射させるとモーターに負荷がかかるため、少し時間をあけて何度かに分けて使い切るとよいでしょう。
車種によっては自動で噴射を停止するため、時間をおいて再度噴射させてください。