車の点検は、オイルやタイヤだけチェックすれば良いと思っている方も多いのではないでしょうか。実は、車を長持ちさせるにはエアコンフィルターの点検も重要です。
この記事では、エアコンフィルターが担う役割と、交換方法について解説します。さらに、エアコンフィルターの選び方も紹介しているため、これから購入を検討している方もぜひ参考にしてください。
車を点検する際はエアコンフィルターも確認しよう!
車の点検をする際、オイルやタイヤのチェックだけではなく、エアコンフィルターの交換も重要です。なぜなら、エアコンフィルターは車内の空気を清潔に保ってくれるからです。
もし、汚れたまま使い続けると快適性や燃費にも悪影響を与えるため注意してください。
ここからは、エアコンフィルターの役割と交換方法について詳しく解説します。エアコンフィルターのメンテナンス初心者の方はぜひ参考にしてください。
定期的な点検や交換で、車内の快適にしながらエアコンの性能を維持しましょう。
エアコンフィルターとは?
エアコンフィルターとは、クリーンフィルターとも呼ばれ、車内に入る空気や室内の循環している空気をろ過して浄化する部品を指します。これがあることで、車のエアコンが取り込む外気からホコリや花粉、排気ガスなどの微粒子を除去しているのです。
空気清浄機のフィルターと同じような役割をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
エアコンフィルターは車内の空気環境を快適に保つために重要なパーツですが、汚れを放置すると蓄積して本来の性能を発揮できなくなるため、定期的な点検が必要です。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!
エアコンフィルターの役割
エアコンフィルターの役割は、空気をろ過するだけではありません。様々な役割を担っており、車内を快適に保っているのです。
ここでは、エアコンフィルターの役割を2つ解説します。
エアコンフィルターは、ホコリや汚れ、花粉を除去し、車内の環境を快適に保ってくれます。中にはPM2.5などの有害物質を除去してくれる機能が搭載されているフィルターもあります。近年ではコロナウイルスの流行に伴い、除菌や抗菌機能が付いた高機能フィルターも人気です。
フィルターが汚れると、除去能力が低下し、嫌な臭いが発生する原因にもなるため、車内の空気を清潔に保てるように定期的に点検・交換しましょう。特に、アレルギー体質の方や小さな子どもがいる家庭では、快適な車内環境を維持するためにもこまめな点検が必要です。
車のエアコンフィルターには、空気を綺麗にするだけではなく、エアコン自体を保護する役割もあります。
実は、車のエアコンのパーツは1つではありません。「ブロアファン」という送風機や、「エバポレーター」という熱交換器も搭載されています。エアコンフィルターは、これらを保護する役割も担っているのです。
もし、エアコンフィルターを設置しないまま使い続けると、これらのパーツの内部までゴミが入り込んでしまいます。その結果、ブロアファンの寿命が短くなったり、エバポレーターのフィンが目詰まりしたりする可能性があるでしょう。
このように、フィルターが詰まるとエアコンが効きが悪くなるだけではなく、車に余計な負荷がかかります。車に負荷がかかると燃費が悪くなったり、エアコン自体の寿命が縮まったりと悪影響を及ぼすため注意が必要です。
もし、運転中にエアコンの効きが悪いと感じたら、フィルターが汚れていないか確認し、早めに交換してください。
エアコンフィルターの点検と交換時期
エアコンフィルターは、1年または10,000~20,000kmごとに交換するのが一般的です。しかし、使用環境によっては早めの交換をおすすめします。
なぜなら、花粉が多い季節に走行したり、砂ぼこりの多い地域を走行したりすると、フィルターの汚れや目詰まりが起こりやすくなるためです。
さらに、目詰まりしたフィルターをそのまま使い続けると、エアコンの風量が弱くなったり、燃費が悪化したりと、エアコンの故障リスクが高まります。そのため、手遅れになる前にしっかり点検しましょう。
点検のタイミングとしては、車の定期点検やオイル交換のタイミングが良いでしょう。あわせてエアコンフィルターの汚れ具合も確認し、必要に応じて交換してください。
エアコンフィルターと車検の関係性
実は、エアコンフィルターは車検の必須項目には含まれていません。そのため、交換は任意で車検の際にチェックされることもないのです。
しかし、ほとんどの整備工場では、点検時にエアコンフィルターの状態を確認してくれます。そして、汚れがひどい場合には交換を推奨されます。
車検でフィルター交換を依頼すると、工賃がかかる場合がありますが、点検と一緒に済ませることで手間を省けるためおすすめです。とはいえ、必ずしも交換しなければならないわけではないため、フィルターの汚れ具合を確認し、必要であれば交換を検討しましょう。
車検付きメンテナンスパックは必要なのか?費用対効果を徹底解説!
車のエアコンフィルターを交換しない場合のリスク
エアコンフィルターを交換せずに使い続けると、車内環境の悪化やエアコン性能の低下に繋がりかねません。さらに、フィルターが目詰まりするとホコリや花粉を除去できず、エアコンの風が弱くなる他、嫌な臭いの原因にもなります。
車の快適性と性能を維持するためには、定期的なフィルター交換が不可欠です。
ここでは、エアコンフィルターを交換しないことで発生する具体的なリスクについて解説します。
エアコンフィルターの目詰まりが進むと、エアコンの風量が低下し、効きが悪くなります。特に暑い夏に使う冷房は、十分な冷気が出ず、車内がなかなか涼しくなりません。
さらに、フィルターに溜まったホコリや汚れが原因で、嫌な臭いが発生することもあるため注意が必要です。もし、エアコンをつけるたびに不快な臭いがする場合、フィルターが汚れていないか確認しましょう。
ただし、エアコンの効きが悪い原因はフィルターだけでなく、冷媒ガスの不足やエバポレーターの汚れなど、他の要因も考えられます。フィルターを交換しても改善しない場合は、専門業者に点検を依頼すると安心です。
エアコンフィルターの目詰まりは、エアコンの負担を増やし、燃費の悪化をさせます。
フィルターが汚れているとコンプレッサーが余計なエネルギーを消費し、その結果、通常より多く燃費を使ってしまうのです。そのため、同じ冷房設定でも、燃料消費量が増えて家計にも影響を及ぼします。
特に、夏場や長時間エアコンを使用する場合、燃費への影響が顕著に表れる可能性があるため注意してください。無駄な燃料消費を防ぎ、経済的に車を運転するためにも、フィルターの定期的な交換を心掛けましょう。
エアコンフィルターを選ぶポイント
エアコンフィルターを選ぶ際には、車種への適合性、価格、機能の3つを基準にするのが重要です。
ここでは、エアコンフィルターを選ぶポイントを3つ解説します。どのポイントを重視するかよく考えて、自分の車と使用環境に最適なエアコンフィルターを選びましょう。
エアコンフィルターは車種によって形状やサイズが異なります。そのため、購入前に車の型式や初年度登録年月を確認し、適合表を見てから選びましょう。
もし、確認せず間違ったものを選ぶと取り付けができず、無駄な出費になるため注意が必要です。特に輸入車や特殊な仕様の車は、適合するフィルターが限られている可能性があるため、事前の確認が重要です。
エアコンフィルターには、1,000円以下の安価なものから、数千円する高性能なものまで様々です。基本的な集塵機能だけで十分という場合は、安価なものでも問題ありません。
ただし、安価なフィルターは消臭や抗菌機能が弱い場合があるため、快適性を求めるなら価格と性能のバランスを考えて選ぶのが良いでしょう。
反対に高価なフィルターだと維持費にお金がかかります。なぜなら、フィルターは定期交換が必須であるからです。そのため、フィルター代に年間いくらなら払えるかきちんと計算した上で選択することが大切です。
車のエアコンフィルターには、基本的な集塵機能に加えて、消臭機能や抗菌機能、抗ウイルス・抗アレルギー機能、防カビ機能を備えたものもあります。そのため、花粉症の人や小さな子どもがいる家庭では、抗アレルギーや抗ウイルス機能を持つ高性能フィルターを選ぶとより快適に過ごせます。
また、タバコやペットの臭いが気になる場合は、活性炭入りの消臭フィルターを選ぶと不快な臭いの軽減に役立つでしょう。
エアコンフィルターの交換方法
エアコンフィルターは自分で交換できるため、手順を覚えておくとメンテナンス費用を節約できます。
交換作業に特別な工具は必要ない上、作業時間も15~30分程度で完了するため、車の点検初心者の人でも比較的簡単に交換可能です。
ここでは、エアコンフィルターの交換方法について解説します。
作業を始める前に、必ずエンジンを切って安全を確保します。なぜなら、エンジンが動いていると、エアコンが作動してしまうためです。
また、エアコンが作動していると、フィルター交換時にホコリが舞って作業しにくくなるため、必ずエンジンを切り、鍵を抜いておきましょう。
外気取り入れモードになっている場合、一度エンジンをかけて内気循環に切り替えてから交換作業を行うとスムーズです。
次に、エアコンフィルターの位置を確認します。
エアコンフィルターの位置が分からない方は、車の取扱説明書に記載されているため、必ず確認しましょう。
一般的な車種では、助手席側のグローブボックスを取り外すとフィルターが見つかりますが、一部の車種では異なる場所に設置されていることもあります。そのため、フィルターを探す際は、取扱説明書を確認し、正しい位置を把握しておくと交換作業がスムーズに進められます。
新しいフィルターは、交換直前に開封してください。その理由は、防カビや消臭機能を持つフィルターは、開封後すぐに効果を発揮するためです。
事前に開封して放置すると、性能が低下する恐れがあるため注意が必要です。
次に、カバーを開けて古いフィルターを取り出します。
エアコンフィルターは、カバーを開けると簡単に取り外し可能です。汚れたフィルターには目に見えないホコリや汚れが蓄積されているため、外す際はホコリを吸い込まないようにマスクを着用し、慎重に作業してください。
また、フィルターの交換時期が近い場合は、見た目が綺麗でも早めに交換しましょう。交換時期が近いフィルターは一見綺麗に見えても、車には負荷がかかっている可能性があります。勿体無いと放置せず、必ず交換することで車の寿命にも繋がります。
次に、新しいエアコンフィルターを開封し、取り付けます。
新しいエアコンフィルターを取り付ける際は、表裏や向きを間違えないように注意してください。フィルターには「UP」や「AIR FLOW」などの表示があり、正しい向きで設置しないとフィルターが適切に機能しない可能性があります。
最後に、取り外した部品を元に戻しましょう。
先ほど説明した手順と逆の作業をしてください。新しいエアコンフィルターをつけた状態でエアコンを作動させ、風量や臭いに問題がないかを確認し、何もなければ作業終了です。
エアコンフィルターの交換は、車種によっては15~30分程度でできます。定期的に交換することで、車内の快適さを維持しながら、エアコンの性能を最大限に引き出しましょう。
ただし、一部の車種では助手席の足元やエンジンルーム内に設置されていることもあるため、車の取扱説明書を参照するのが最も確実な方法です。
エアコンフィルター交換後に臭いがする時の解決策
稀にエアコンフィルターを交換しても、エアコンから嫌な臭いがするケースがあります。原因としては、フィルターだけではなく、車内の環境やエアコン内部に問題があるパターンです。
もし、フィルターを交換したのに臭いが気になる場合、原因を特定して適切な対策を施しましょう。
ここでは、エアコンの嫌な臭いを取り除くための具体的な方法について解説します。
エアコンからの臭いの原因は、必ずしもフィルターだけではありません。実際には、車内のシートやフロアマットに染みついた、食べこぼし、タバコの煙、カビなどが臭いの元になっているケースがあるのです。
特に、湿気がこもりやすい梅雨の季節には、車内のカビや雑菌が繁殖しやすく、エアコンの風とともに不快な臭いが広がりやすいといわれています。
まずは、車内の清掃を徹底し、フロアマットやシートの汚れを取り除きましょう。掃除機をかけた後、消臭スプレーやアルコールで拭き取りをすると、カビや雑菌の繁殖も防げます。
車内を掃除しても臭いが完全に取れない場合は、車用の芳香剤を使用するのもおすすめです。芳香剤の種類は、スプレータイプや車内に置くタイプなど、様々な種類が展開されており、おしゃれなデザインも増えてきました。
芳香剤を使うと、一時的に嫌な臭いを軽減できます。特に、エアコン吹き出し口に取り付けるタイプの芳香剤は、エアコンを使用するたびに心地よい香りを広がるため、効果を実感しやすいでしょう。
ただし、芳香剤はあくまで一時的な対策であり、臭いの根本的な解決にはならないため、定期的な清掃と併用することが大切です。
エアコンフィルターを交換しても臭いが改善されない場合は、エアコン内部の汚れが原因かもしれません。特にエバポレーターと呼ばれる部品には、湿気や汚れが溜まりやすく、そこにカビや雑菌が繁殖すると、エアコンの風とともに嫌な臭いが発生します。
このような時は、専門業者によるカーエアコンクリーニングを依頼するのがおすすめです。エバポレーター洗浄とフィルター交換を同時に行うサービスを利用すると、エアコン内部のカビや汚れをしっかり除去しながら臭いの原因を根本から取り除けます。
料金は車種やサービス内容によりますが、10,000円~20,000円程度です。