自動車ローンを利用する時、金利はどの位なのかは気になるところでしょう。中残価設定型クレジットは、通常のローンと比べて金利が低いのか高いのか、利用を検討する上で知っておきたいものです。
各自動車メーカーによって金利も差があります。できる限り低金利でローンを組むためにも、またお得に返済するためにも残価設定クレジットの金利について調べておくと、利用するにあたり役立つはずです。
残価設定クレジット(残クレ)ってどんなローン?
残価設定クレジットは、一般的な車のローンとは違います。ローンの契約年数後の車の価値を「残価」として、その残価を車両本体価格から差し引いた額でローンを組みます。
(車両本体価格)-(残価)=ローン金額
残価はローンの最終回の支払いまで据え置きです。そして、最終回の支払い前(契約終了時)には「車や残価をどうするか」以下の3つから選ぶことができます。
- 残価を払わないで車を返却する
- 下取りに出して別の車に乗り換える
- 残価を支払って買い取る
買い取る場合は再度ローンを組んで、分割払いをすることも可能です。
自動車ローンには、銀行や信用組合などが提供している「銀行系マイカーローン」や、ディーラーが提供している「ディーラー系ローン」などがあります。そして、残価設定クレジットはディーラー系ローンの一つにあたります。
自動車ローンを選ぶ時、金利はとても気になるポイントでしょう。各ローンで金利に違いがありますので見ていきましょう。
金利は「2~5%」位だと言われていて、低金利というのが特徴です。中には1%台の金融機関もあります。
金利はやや高めで「4~7%」位だと言われています。
金利は「3~5%」が平均的です。ただし、低金利キャンペーンが行われると2%や1%台の金利になることもあります。
残クレの金利をメーカーごとに比較してみよう
国内の主要な自動車メーカーでは、残価設定クレジットプランを打ち出しています。
残価設定クレジットは残価分を下取り額として下取りに出せるので、新しい車に乗り換えしやすいということで人気もあります。
3年~5年という短期間でローンを組むことが多いため、新車の販売台数が増えることになります。また、状態の良い中古車が手に入るので、中古車部門をもつディーラー側にも多大なメリットが生じると考えられています。そのため、ディーラー側は金利を低くしてでも、残価設定クレジットでのローン契約を推奨するというからくりがあるのです。
各自動車メーカーの残価設定クレジットの仕組みは同じですが、独自の特典が付けられており差別化も図られています。金利に関しても差があるので比較して見ていきましょう。
トヨタの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
トヨタの残価設定クレジットの金利は販売店によって差があり、約3.6~4.9%です。ただし、景気によってはさらに低金利となる場合もあります。
新春初売などの特別キャンペーン開催中は、対象車は決まっていますが実質年利1.9%と、2%を切る金利を打ち出している販売店もあります。お得なキャンペーンをチェックしてタイミングよくローンを組めば、かなりの低金利が期待できるでしょう。
フルローンのトヨタクレジットは、18歳~70歳までと幅広い年齢の人が利用できて、支払い回数などが自由に選べるローンです。
支払い回数が3~84回までの間で、返済額も毎月3000円以上なら自分で自由に返済プランを決められる「e-way」というローンもあります。こちらの金利は販売店によって異なりますが、約6~7%と高めの設定になっています。残価設定クレジットと比較すると、3~5%前後の違いがあると言えます。
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ホンダの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
ホンダの残価設定クレジットの金利は3.5%で全国統一されています。フルローンのホンダクレジットやバリュー保証の金利も同じ3.5%です。とはいっても、実質年利は見直されることもあるのでいつも3.5%とは限らず、変動するのでこまめな確認が必要です。
ただし、残価設定クレジットに関しては低金利キャンペーンが行われると、2.5%や1.9%など通常金利よりもかなり低くなるのでお得になります。
特別金利対象車は「ステップワゴン」「フリード」「オデッセイ」など、ディーラー側が売りたい人気車に限定されている場合がほとんどです。
ホンダクレジットは、支払い回数や返済金額などが、条件を満たせば自分で自由に決めることができます。
バリュー保証は、3年後の残価を設定し、購入時と3年後の2回払いが条件となっています。残クレと似ていますが、どちらかとい言うと一括払い希望の人向けのローンです。2回目の支払い時に残価分を支払い買い取るか、車を返却するか、下取りに出して乗り換えるかを選びます。
日産の残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
日産の残価設定クレジットは「日産テーガク5」と「日産ビックバリュー・クレジット」の2つのプランがあります。
日産テーガク5は5年の残クレになります。通常は3年のメーカー保証が、5年に延長されるのでお得です。5年目までの定期点検と3年目の車検がメンテナンスサービスとして付いているのも魅力の一つです。また、半年ごとのオイル交換やオイル交換2回に1回のオイルフィルター交換も、追加費用なしで利用できます。
テーガク5の金利は3、4%台が多いとされています。特別金利キャンペーン中は、1.9%や2.9%などかなりの低金利が打ち出されることもあるので、こまめな情報収集が必要です。
テーガク5は対象車両が限定されています。日産の中でもよく売れている、人気車種が対象となっているので多くの人が利用しやすいとも言えます。
そして、日産ビックバリュー・クレジットは3~5年で組める残クレです。日産の全ての車両が対象となっている一般的な残クレと同じ内容となっています。テーガク5と同じ位の金利設定となっていますが、低金利キャンペーンなどは少ないので、テーガク5を利用するのがお得とも言われています。通常ローンの金利が6~7%なので、かなり金利に差が生じるでしょう。
マツダの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
マツダの残価設定クレジットは、「マツダスカイプラン」と5年残クレプランの「マツダアドバンテージローン」があります。
マツダスカイプランは一般的な残クレの内容とほぼ同じです。月間走行距離の制限があって、月間1000㎞以内と1500㎞以内で選択できます。
残価率は月間1000㎞以内だと3年で車両本体価格の約55%、4年で約43%、5年で約35%、6年で約30%と高い水準を保っているところが特徴です。
一方、5年残クレプランのマツダアドバンテージローンは、残価を据置額としています。5年後の残価を保証しておらず、契約終了時の残価が下がる可能性もあります。ただし、その分残価保証条件がなく、カスタマイズもある程度許されているので、車好きな人には適していると言えます。
マツダの2つの残クレプランの金利はかなり低く、実質年利は1.99%に設定されており利用しやすいでしょう。通常ローンの金利は約6~8%位と言われており、残クレの金利とはかなりの差があるのが分かります。
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スバルの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
スバルの残価設定クレジットは、新車対象の「安心プロテクト3」と中古車対象の「スマートプランU」があります。
安心プロテクト3は3つの補償が特典として付いているのが特徴です。バンパーとドアミラー、ドアパンチに対しての修理が、一部自己負担ですが3年間補償付きとなるので万一の際にも安心です。こちらは3年もしくは5年のローン契約になります。
中古車対象のスマートプランUは、据置設定型のローンです。残価はローンの最終回まで保証されず、据置となるので残価の変動があるかもしれません。ただし、残価は利用者が決められた金額内で自由に決めることができます。
安心プロテクト3とスマートプランUの実質金利は4~5%程だと言われており、販売店によって差がありますが、低金利キャンぺーン中だと3%台の場合もあります。
スバルの場合は、金利は他のメーカーのプランに比べるとやや高めかもしれません。通常ローンに関しては7~8%程だと言われています。
スズキの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
スズキの残価設定クレジットプランは新車、中古車に対応している「かえるプラン」になります。
かえるプランは、スズキの「安心メンテナンスパック」が特典として付いているのが特徴です。こちらは半年ごとの定期点検とオイル交換がサービスで行われる、という内容になっています。
さらに、残クレ後にスズキの新車に乗り換えれば、最大で5万円、中古車なら4万円がキャッシュバックされるという特典も魅力です。
かえるプランの金利は軽自動車では約3~4%、普通車では約2~3%とかなりの低金利になっています。通常のクレジットは支払い回数が選べるなど、支払い方法がある程度自由なので利用しやすいと言えます。
ただし、金利に関しては6~7%と、他の自動車会社と比べても高めなので利息の支払いが多くなるでしょう。販売店によって金利は違ってくるので確認が必要です。
三菱の残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
三菱の残価設定クレジットは「スーパーマイカープラン」になります。このプランには助かる補償が付いているのが特徴の一つです。
窓ガラスとドアミラーの補償が各7万円、タイヤの単独交換や修理補償が1本につき4万円という内容になっています。
残クレの場合は契約期間中に事故により車が傷つくと、契約終了時の査定で減点となり、場合によっては追加金が発生します。この事故歴に関しても、査定の下落10万円までは補償してもらえるのです。
また、走行距離に関しては月間1000㎞もしくは1500㎞と制限があります。
スーパーマイカーローンの金利は3~4%位です。低金利キャンペーンが行われるとさらに低くなり、2%台、1%台になることもあります。一方で通常ローンは金利が5~7%位だとされています。
ダイハツの残価設定クレジットの金利
ダイハツの残価設定クレジットプランは、「ワンダフルクレジット」と「ワンダフルツイン」の2つです。ダイハツのディーラーローンは通常のカーローンはなく、残クレのみとなっています。
ワンダフルクレジットは、3~5年の期間の一般的な残クレです。走行距離の上限があり、3年の場合は年間4万㎞以内、4年では年間5万㎞以内、5年では年間6万㎞以内と決まっています。契約期間中の事故による車の損傷は、査定減点が50点を超えると追加金が発生します。
ワンダフルツインは、一般的な残クレとは異なり3年の契約です。3年後の残価を設定し、初回と3年後の2回に分けてのローン返済となります。
ワンダフルクレジットの金利は約3~4%でワンダフルツインの方がやや低利となり、約2~4%だとされています。また、低金利キャンペーン中はワンダフルクレジットは1%台、ワンダフルツインは1%を切る場合もあるのでお得です。
レクサスの残価設定クレジットの金利・フルローンとの比較
レクサスの残価設定クレジットは、「スマートバリュープラン」と「スマートバリュープラントゥワイス」の2つあります。
スマートバリュープランは、1~5年の契約年数を選ぶことができます。残価は据置額となるため、契約終了時まで保証されません。しかし、契約終了時に査定額が据置額を上回ると差額分が返ってくるという特徴もあります。
スマートバリュープラントゥワイスは、契約年数や残価が据置額となる点はスマートバリュープランと同じです。月々の分割支払いになるのではなく、車両本体価格から据置額を差し引いた金額を全額1回で支払うプランとなります。
スマートバリュープランと、スマートバリュープラントゥワイスの金利は3~4%とされています。低金利キャンペーン中は1%台となる場合もあるのでこまめにチェックしましょう。また、通常ローンの金利は、6~7%程だとされており、残クレのの方が低金利なのが分かります。
金利は変化するのでこまめな情報収集が大事
自動車ローンの金利は、時期によって変動しやすいものです。ただ、ディーラー側は少しでも新車の販売台数を増やしたいので、よく低金利キャンペーンを開催します。
新春初売や年度末の決算期にあたる3月、ボーナス時期の6月や12月などが多いです。新春初売やボーナス時期は、ユーザーの懐が潤っているので新車購入に目を向けやすい時期とも言えます。
この間にディーラーを訪れるお客さまも新車購入を本気で考えている人が多いので、ディーラー側も新車販売に熱を入れ、金利を低くしてでも売上を増やそうと動きます。
また、ディーラーの決算期は利益を少しでも上げるために、いわば駆け込みの状態で、ディーラー側も1台でも多く新車を販売しようと低金利作戦に打って出ているのです。
低金利キャンペーンは対象車種が各ディーラーである程度決まっていることが多いので、希望の車種が該当しているかも忘れずにチェックしましょう。
車は高額な買い物となるので、少しでも安く手に入れるために低金利キャンペーンの情報収集を行い、金利が低くなるタイミングを狙うとお得です。
残クレの再クレジットでは金利が高くなる?
残クレではローンの最終回の支払いを前にして、車を返却するか買い取るか、もしくは下取りに出して乗り換えるかを選ぶことができます。
「乗っているうちに気に入った」または、「ライフスタイルの変化などから、残クレで購入した車をそのまま買い取って乗り続けたい」という人も少なくありません。
買い取る場合は残価を返済する必要があります。その場合、残価を一括返済するだけではなく、再クレジットを組んで再び分割で支払うことも可能です。
ただし、再クレジットの場合は金利が残クレ期間中よりも高くなる場合が多いので注意が必要です!
せっかく残クレを低金利キャンペーンを利用してローンを組んだとしても、再クレジットでは低金利が適用されない場合がほとんどです。再クレジットでは通常のローンの金利が適用されることが多いので、最終的な総支払額は通常ローンよりも増えてしまうことがあります。
もちろん利息をプラスすると残価分以上の金額を支払うことになるので注意しましょう。
残クレを利用する際は自分にとってメリットが多いかで慎重に判断を
残価設定クレジットにはメリットとデメリットがあることを理解しておきましょう。
- 月々の支払額が通常ローンよりも安くなる
- 短いスパンで新車に乗り換えることができる
- 残価が契約終了時まで保証されている など
- 利息が高い
- カスタマイズが禁止されている
- 契約中の事故で車が傷ついたら追加金が発生する など
全てのユーザーにとって必ずしも「残クレはお得」というわけではありません。人によっては損するリスクもあるので注意が必要となります。
自身のカーライフや収入状況などを見て、残クレの使用が得なのか損なのかをきちんと見極める必要があります。金利の低さだけに目を向けないで、総合的な視点から利用するかどうかをじっくり検討していきましょう。