車の自賠責保険の加入・更新は、多くの場合、車検の時に合わせて行われるため、あまり意識されることがありません。
一方、車検の対象にならない原付などは自分で手続きをする必要があり、コンビニなどで気軽に済ませられます。
では、コンビニで手続きすることのメリットは何なのでしょう?また、自賠責保険に関する全ての手続きをコンビニで行うことができるのかも詳しく紹介していきます。
自賠責保険はコンビニでも加入・更新できる
自賠責保険は、加入・更新の手続きをコンビニで行えます。
大手コンビニになると自賠責保険に限らず、自動車の1日保険、自転車保険、がん保険にレジャー保険、ゴルファー保険なども扱っており、大変便利です。
実際、コンビニで自賠責保険の加入・更新を行うと余計なコストもほとんどかからずメリットはとても大きいですが、その一方で注意すべき事柄もいくつかあります。
ここからは、そのメリットと注意点について詳しく解説していきます。
コンビニで手続きする際の条件
自賠責保険はコンビニで加入・更新の手続きが可能ですが、どんな場合でもできるわけではありません。
対象は「原付などのバイクに限られる」「車体番号が必要になる」などいくつかの条件もあります。以下で詳しく説明していきます。
コンビニで自賠責保険の加入・更新が行える車両は、いわゆる原付と軽二輪自動車(排気量126~250ccのバイク)の2種類だけです。
これらは車検制度の適用対象ではなく、「検査対象外軽自動車」と呼ばれています。
また、自賠責保険は日本の本土と沖縄・沖縄離島によって扱いが異なる部分があります。コンビニで手続きすることができず、保険会社や代理店で直接手続きをしなければならない地域もあるので、注意しましょう。
コンビニで加入・更新の手続きを行う場合は、その車の登録番号(いわゆる自動車のナンバー)と車体番号が必要になります。
更新手続きの場合は、先の契約で交付された自賠責保険証明書でいずれの番号も確認できます。
ただし、新規加入の場合は「軽自動車届出済証」や「標識交付証明書」が必要です。車体番号については車両本体にも刻み込まれているので、車種ごとに刻まれている場所を確認して、メモなどに控えていってもいいでしょう。
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コンビニでの主な加入方法
コンビニで自賠責保険の加入手続きをする際の手順を説明します。
概要としては、必要書類などを用意して各店舗に設置されているマルチメディア端末で手続きを行い、レジへ向かうという流れになります。
まず書類は、バイクの場合だと「軽自動車届出済証」、原付の場合は「標識交付証明書」をそれぞれ用意しましょう。あとは保険料支払いのために現金も必要になります。
コンビニのマルチメディア端末には、保険加入の手続きに進めるボタンがありますので、指示に従って操作してください。なお、コンビニによっては、事前にWeb上で手続きをしてバーコードを入手しておく必要があります。
あとは端末から印刷された券をレジに持っていって保険料を支払い、自賠責保険証明書と保険標章のステッカーを受け取るという流れです。
大まかな手順は共通しているものの、コンビニによってはレジでの支払い後に証明書を印刷するなど細かい点が異なるので、事前に確認するようにしましょう。
コンビニでの主な更新方法
コンビニで自賠責保険に加入する手順を説明しましたが、次は保険が有効期限を迎える前に更新する場合のやり方を説明します。
マルチメディア端末を使用する点は同じですが、加入手続きとはまた違った書類やデータを用意する必要があります。
必須となるのが、現在契約している自賠責保険の証明書です。自賠責保険の証明書には車台番号など端末に入力するデータのほか保険の有効期限も記載されているので、前もって内容を確認して更新手続きに備えて準備しておいてください。
また、加入手続きの場合と同じように保険料も必要になるのですが、自賠責保険料は全国の事故発生率などに応じて変動していることがあるため、加入時と同じ金額になるとは限らないので注意しましょう。
多くの場合コンビニで加入手続きを済ませると、更新時期のタイミングで損害保険会社から通知ハガキが届きます。このハガキを持参すると更新手続きも簡単ですので、通知が届くまで待っていてもいいでしょう。
自賠責保険の加入や更新をしないとどうなるの?
自賠責保険に加入していない車で公道を走ると、1年以下の懲役か50万円以下の罰金、さらに違反点数6点で免許停止処分となります。そのため、加入や更新の手続きは絶対に忘れずに済ませましょう。
車検を受ける乗用車の場合、加入や更新の手続きは業者が代行することがほとんどです。そのため、ユーザーは自賠責保険の有効期限やその存在そのものを意識していないことも多いですが、原付など自分で手続きを行う必要がある車両は要注意です。
ただし、自分で手続きを行った場合でも、更新時期になると損害保険会社からきちんと案内が届くことがほとんどです。更新時期を忘れていても、そうした通知を見落としさえしなければ問題ないでしょう。
万が一、自賠責保険の更新をしないまま有効期限を迎えると、そのままでは公道を走れません。コンビニなどで速やかに更新手続きを行い、自賠責保険証明書と保険標章のステッカーが届いてから運転するようにしてください。
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コンビニで手続きをするメリット
ここまでは、コンビニで自賠責保険の加入や更新の手続きをする際の条件や、やり方などを説明してきました。
それでは、こうした手続きをコンビニで行うメリットはどのような点にあるのでしょうか?その利点を5つ詳しく解説します。
コンビニで自賠責保険の手続きを行うことのメリットは、24時間・365日いつでも手続き可能であるという利便性の高さが挙げられます。
保険会社や代理店で手続きをするとなると、店舗の営業日時を気にしなければならず、手間がかかるのは否めません。その点、コンビニだと自分の都合のいい日や時間に手続きを行うことができます。
ただし、最近は様々な事情から24時間営業していないコンビニも増えているので注意しましょう。その利便性をうまく活用するためにも、営業時間を確かめるなどの事前準備が必要です。
コンビニで手続きをすると、自賠責保険証明書とステッカー(保険標章)をその場で受け取れるのも大きなメリットです。
代理店や郵便局で手続きをすると、自賠責保険証明書とステッカーが後日郵送となることもあります。
自賠責保険証明書とステッカーは、原付・バイクで公道を走る際の必需品です。ないと処罰されることがあります。
もしも後日郵送となった場合、届くまでの間に自賠責保険の有効期限が切れてしまうと、その間は公道を走ることはできないので気を付けましょう。
コンビニで手続きをすると、自賠責保険の有効期限が切れるよりも少し前のタイミングで「通知ハガキ」が届きます。
大手コンビニは損害保険会社と提携しているので、その保険会社の名前で送られてきます。
普通乗用車の場合は車検と同時に自賠責保険も更新するので、車検の有効期間さえ見落とさなければ問題ありません。しかし、検査対象外軽自動車は車検を受けないため、こうした通知サービスがあるのはとても便利と言えます。
前項の内容とも関連しますが、損害保険会社からの通知ハガキが届いたら、それを持参してコンビニに行きます。ハガキの内容を確認しつつマルチメディア端末を操作するだけで、自賠責保険の更新手続きは簡単に完了します。
もし自分が手続きをしたコンビニを忘れていても、ハガキを見ればすぐに分かるでしょう。
加入手続きの際は、車体番号や登録番号の用意が必要でしたが、コンビニでの更新手続きはハガキ1枚で簡単に済ませられます。
ごく一部のコンビニに限られますが、事前にWeb上で自賠責保険の更新手続きができる場合もあります。あとは店舗に出向いて簡単な端末機の操作を行うだけで、証明書と保険標章のステッカーを受け取れるので大変便利です。
コンビニで自賠責保険の手続きをする際の注意点
コンビニで自賠責保険の手続きができるのは大変便利ですが、入力ミスなどには気を付けましょう。また、自賠責保険に関わる全ての手続きがコンビニでできるわけではありません。
以下では、こうした注意点をいくつか紹介します。
コンビニで自賠責保険の加入や更新をする場合は、いわゆるマルチメディア端末を使うことになります。そこで車台番号や登録番号(ナンバープレートの番号)、契約者の個人情報などを入力しますが、手続きを終えてから入力ミスに気付くというケースがあります。
端末に入力した内容は、自賠責保険証明書に反映されます。これをレジで受け取ったり自分でコピーしたりして入手した段階で入力ミスに気付いても、その場で修正することはできません。
この場合は、再発行手続きが必要になります。さらに、再発行手続きはコンビニではできないので、加入した損害保険会社に問い合わせるしかありません。
コンビニは各損害保険会社と提携しており、証明書を見るとどの保険会社なのかすぐ分かるので、確認した上で連絡しましょう。
再発行の手続き自体は、電話やオンラインでも応対してもらえることがあります。
ただし、正しい内容の自賠責保険証明書が届くまでは、その車両で公道を運転することはできませんので注意してください。
コンビニでの自賠責保険の更新手続きは、通知ハガキや自賠責証明書があれば必要な情報は全て確認できるため比較的簡単です。
一方で、加入手続きの場合は、そうした書類がまだないがゆえのやりにくさがあります。特に「登録番号」や「車体番号」を入力する際は、戸惑うことも多いかもしれません。
登録番号はいわゆるナンバープレートに表示されている数字のことなのですぐ確認可能ですが、車体番号はどのように確認するといいのでしょう?
車体番号は、「軽自動車届出済証」や「標識交付証明書」などに記載されているので、加入手続きの際は確認できるように準備しておいてください。
ちなみに「車体番号」というのは通称です。正式には「車台番号」と言います。
また、書類がなくても車台番号は車両本体にも刻印されており、原付やバイクもメーカーごとに場所は異なるものの、よく調べれば車体のどこかに必ず記載されています。不明な場合はネットで車種名と「車台番号」というキーワードを入力して、検索してみましょう。
コンビニでできる自賠責保険関係の手続きは、加入と更新の2つに限られています。そのため、自賠責保険証書や保険標章のステッカーの再発行はできません。
そうした証書やステッカーは、紛失や汚損・破損などの理由で再発行が必要になることがあります。もし紛失したままの状態や、ステッカーが傷つくなどして(破損)識別不能な状態で公道を走行していると、摘発対象になってしまいます。
こうした場合の再発行手続きは、契約している損害保険会社に直接依頼するしかなく、販売店や代理店でも受け付けていません。
しかし、具体的にどの保険会社に連絡すべきかは不明なことも多いので、その場合は証書を確認するか、加入や更新をしたコンビニと提携している会社を調べるといいでしょう。
再発行に必要なものは、保険契約者の印鑑と運転免許証などの本人確認書類です。また、証書やステッカーを「紛失」したのではなく汚損・破損した場合は、その現物も持参するようにしましょう。
原付やバイクの持ち主が変わった場合、保険の名義変更や、車を買い替えた場合の契約内容の引き継ぎを行う必要があります。しかし、こういった手続きもコンビニではできません。
名義変更は、原則的に契約している損害保険会社の店舗でしか行えないことになっています。
まずは原付・バイクそのものの名義変更を行い、次に自賠責保険の名義変更をするというのが一般的な手順です。
厳密には、ある車両について保険の契約者が変わることは「権利譲渡」と言います。
必要になる持ち物は以下の通りです。
- 保険会社からもらえる自賠責保険承認請求書
- 譲渡人・譲受人双方の実印や印鑑証明
- 本人確認書類
これら以外にも必要な持ち物があるかもしれないので、手続き前に保険会社によく確認しておきましょう。
新しい原付やバイクへの契約内容の引き継ぎは、「前の車両の廃車手続きが済んでいること」「車種区分が同一であること」「同一保険料内の移動であること」の3つの条件が揃っていればできます。
また、自賠責保険証明書や保険商標のステッカーが必要になるので忘れないようにしましょう。
コンビニで自賠責保険の加入・更新の手続きをする際、保険料を支払う必要がありますが、この時は原則としてクレジットカードは使えません。必ず現金を準備しましょう。
クレジットカードは、手続きをするコンビニと提携しているものも使用できません。また共通ポイントカードも使用できないので注意してください。
一方で、一部のコンビニでは独自の流通系電子マネー・タッチ式決済が利用できることがあります。そのかわり、自賠責保険の支払いではポイントがつきません。
ただし、この流通系電子マネー・タッチ式決済にクレジットカードでチャージして、それを支払いに使うという形で間接的にクレカを利用することもできます。
このやり方なら、「ポイントが溜まる」というクレカ利用のメリットを活かすことができます。
また、インターネットでの手続きならクレジットカードが使用可能です。自賠責保険料は契約期間によっては高額になるので、できるだけお得になる方法を調べてみてもいいでしょう。
コンビニ以外で手続き可能な場所
実はコンビニ以外にも、自賠責保険の手続きができる場所はいくつかあります。それは、保険会社、代理店、郵便局、保険会社のWebサイトなどです。以下で簡単に紹介します。
自賠責保険の加入・更新は、損害保険会社の本店や支店、または営業所に直接出向いて手続きできます。
ただ、その窓口が近くにあるとは限りませんし、営業日時などを気にしなければいけない点はデメリットと言えるでしょう。
バイク販売店の多くは、損害保険会社の代理店として役割も担っています。
バイク購入時の自賠責保険加入の手続きはそのままお店に任せるのが最も手っ取り早いです。そのため、更新時も手続きを依頼してもいいでしょう。
郵便局も、バイク自賠責保険の契約の代理を受託しているので、損害保険会社と同様に加入・更新の手続きができます。
ただし、全ての郵便局で取り扱っているわけではないので、あらかじめWebサイトで確認しましょう。
損害保険会社によっては、Webサイトから自賠責保険の加入や更新の手続きができるところもあります。
24時間いつでも受付可能という点はコンビニと同じで、支払方法がクレジットカードや銀行振込になるという点が特徴的です。
ただし、インターネットでこうした手続きができる損害保険会社は、2022年6月現在で国内2社のみに限定されています。
また、証明書と保険標章のステッカーが郵送されてくるまで1週間~1カ月ほどかかるので注意しましょう。