自動車保険は従来の「代理店型」以外にも「ダイレクト型」も台頭してきています。コマーシャルでもしばしば宣伝しているので、知っている方も多いでしょう。しかし、ダイレクト型に興味はあるけど、特徴がよく分からないという方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、ダイレクト型自動車保険のメリットとデメリットについて詳しく説明していきます。
また、ダイレクト型自動車保険を選ぶにあたって、どのようなポイントを押さえておくべきかも紹介するので参考にしてください。
ダイレクト型自動車保険の特徴とは?
ダイレクト型自動車保険は、代理店を通さずに直接保険会社と加入手続きする保険を指します。
従来の代理店型では、代理店の担当者と対面形式で手続きを進めていきますが、ダイレクト型の場合は電話もしくはWebで保険会社と契約する形です。
分からないことがあれば、代理店型の場合は担当者に質問できます。また、どのような補償内容にするかも担当者と相談して決められます。
しかし、ダイレクト型の場合は基本的に自分で調べて補償内容をどうするか決める必要があります。もし分からないことがあれば、電話もしくはWebサイトから質問することになります。
事故対応はダイレクト型のほうが満足度が高い!
ダイレクト型自動車保険の場合、いざというときのために事故対応に不安があるという声が聞かれますが、これは誤解です。
代理店型とダイレクト型では、事故対応についてあまり差がないのが現状です。むしろダイレクト型のほうが満足度は高いというデータも出てきています。
とある保険相談窓口がアンケート調査を行ったところ、事故対応時の満足度はダイレクト型のほうが高いという結果が出ました。
「満足している」「やや満足している」を合わせてダイレクト型は70%近くを占めていますが、代理店型の結果を見てみると60%弱にとどまっています。
10%近くダイレクト型自動車保険のほうが満足度が高い結果となっています。
事故を起こした場合、先方と示談交渉をする必要があります。保険に入っていれば保険会社が代行してくれますが、代理店型とダイレクト型で違いはありません。
保険会社同士で示談交渉する場合、過失割合をベースにして、どうするかを決めます。過失割合をベースにするのはどの保険会社でも一緒です。
過失割合は過去の事故の裁判例や裁判所が公表している基準に基づくものです。そのため、どこが交渉しても結果に大きな差が生じることはないと言えます。
保険会社の規模が小さいからといって、示談交渉が弱いということもありません。ダイレクト型だからといって、示談交渉で不利な立場に立たされるような心配はないでしょう。
契約時にダイレクト型は代理店型のように対面でいろいろと相談できません。しかし、ダイレクト型自動車保険ではコールセンターを用意していて電話での問い合わせに対応しています。また、Webサイト上にチャットを用意していて、こちらでも質問を受け付けています。
分からないことがあってもこのようなサービスがあるので、うやむやのままで契約することもありません。
契約時のフォローは、アプローチの方法が異なるものの両者にはあまり違いがないと思っていいでしょう。
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ダイレクト型のメリット
ダイレクト型自動車保険のメリットについて、まずは見ていきましょう。
ネット上で手続きできるので時間を気にすることもなく手間がかからないのは魅力です。
また、一般的な傾向として代理店型の自動車保険と比較すると安いのもメリットと言えます。割引サービスも豊富なので、さらに保険料を安くすることも可能です。
これらのメリットについて以下で詳しく説明していきます。
同じ補償内容であれば代理店型と比較して、ダイレクト型の方が保険料が安めというのがメリットです。これは運営コストの違いによるものです。
代理店型の場合、お客さんと対面するための店舗を確保しなければなりません。店舗の運営コストが発生するので、その分保険料に上乗せする必要があります。
一方、ダイレクト型の場合はネットで対応するので店舗を構える必要がありません。その上、代理店型と比較するとより少ない必要最低限の人数で切り盛りできるため、コストをかなり圧縮できます。その分が保険料に反映されるので、代理店型と比較して割安なものが多いということです。
ダイレクト型の場合、一定の条件を満たすと保険料が割引になるサービスを実施しているのもメリットの一つです。
特にインターネット割引を実施しているところは少なくありません。これはインターネットで加入もしくは継続手続きをした場合、保険料が割引になるというサービスです。割引の度合いは保険会社によって異なるので、比較する際の参考にしましょう。
また、従来であれば自動車保険の契約をすると保険証券が発行されますが、ダイレクト型の自動車保険の中には、保険証券を発行しない選択肢を用意しているところもあります。もし保険証券を発行しない、ペーパーレスで契約するとさらに保険料が割引になるかもしれません。
ダイレクト型に加入する場合には、どのような割引があるのかチェックしておくと良いでしょう。
ダイレクト型の場合、基本的には手続きは全てインターネット上で完結します。代理店型のように代理店にわざわざ訪れる必要がありません。
仕事などの都合で、代理店に行く時間をなかなか確保できない方もいるでしょう。ダイレクト型の場合、パソコンやスマホでその場から手続きできるのでお手軽です。
また、代理店の場合だと店舗の営業時間内に訪れないといけません。一方、ダイレクト型はWeb手続きなので24時間いつでも受け付けています。残業などで帰宅が夜遅くなったとしても、時間を気にせず手続きすることができます。
自分の好きなタイミングで自動車保険に関する手続きを希望するなら、ダイレクト型がおすすめです。
ダイレクト型のデメリット
メリットもある半面、ダイレクト型にはデメリットもあります。そのため、デメリットも理解した上で、加入するかどうか検討しましょう。
代理店型のように担当者がつかないため、基本的には自分で全て保険に関する情報を調べないといけません。また、事故対応力が低い場合もあります。
これらのデメリットについて以下で詳しく説明していきます。
ダイレクト型自動車保険の場合、代理店型のように専任の担当者がつかないのでデメリットに感じる方はいるでしょう。
自動車保険に加入する際に担当者にいろいろと確認しながら手続きを進められないため、ダイレクト型では電話やインターネットでのお問い合わせ窓口から確認する必要があります。そのため、対面で親身にサポートしてほしいという方は不満に感じるかもしれません。
ダイレクト型での電話によるお問い合わせでは、担当するオペレーターは常に別の人が受け付けしています。オペレーター間で契約者情報は共有しているので、別人が対応しても基本的に問題はありませんが、専任の担当者がいないことに心細さを感じるかもしれません。
代理店型の場合、契約内容や補償内容については担当者に直接確認しながら手続きを進めていけますが、ダイレクト型の場合は担当者がいないので直接確認できません。
そのため、契約内容や補償内容についてはインターネットで調べたり、問い合わせたりして自分で全て確認する必要があります。調べることが多いのはデメリットと言えるでしょう。
電話やインターネットで契約内容や補償内容について、質問することは可能ですが、ダイレクト型の場合は最終的には自分で全て決めないといけません。手続きも自分で進めていく必要があります。
もし自分で全てやるのに不安があれば、代理店型の自動車保険に加入したほうがいいでしょう。
ダイレクト型自動車保険の事故対応は、代理店型と比較して変わりはありません。しかし、全てのダイレクト型がそうかというと、そうではないのが実情です。
ダイレクト型自動車保険にもいろいろあり、中にはコスト削減を追求しすぎた結果、事故対応能力が低くなっているところも一部あると言われています。そのため、加入する前に事故対応能力がどの程度あるのか調べておいたほうがいいでしょう。中には、事故対応の時間に制約を設けているようなところもあります。
事故対応力がどうか確認するには、口コミを活用するのがおすすめです。実際に事故を起こした人が保険会社の事故対応をどのように感じているかが分かります。
代理店型とダイレクト型の自動車保険はどちらがおすすめ?
代理店型とダイレクト型、どちらの自動車保険がいいかは一概には言えません。何を重視するかで向いている自動車保険は変わってきます。
ダイレクト型自動車保険に向いている方は、とにかく保険料の安さ重視の方です。また、補償内容について自分でネットを活用していろいろと調べるのが苦でない方も向いていると言えます。
一方、自動車保険に関する知識が全くない初心者の方は、手厚いサポートの受けられる代理店型がおすすめです。また、補償内容や契約内容など自分ですべて決めるのに不安のある方も代理店型のほうが適しているでしょう。
このように何を重視するかでどちらがおすすめか分かれてきますので、自分はどっちのタイプに該当するかよく検討してください。
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ダイレクト型自動車保険を選ぶときのポイント
ダイレクト型自動車保険といっても、商品はいろいろとあります。その中でもどの自動車保険に加入すべきか迷う方もいるでしょう。
ここからは、ダイレクト自動車保険を選ぶときのポイントについて紹介していきます。保険料や補償内容、口コミなど多角的に比較することが大切です。
ダイレクト型というよりも自動車保険全般で選ぶ場合に重要なことは、保険料で比較することです。
同じ補償内容でも商品によって保険料は変わってくるので、保険料のより安いところに加入すれば、よりコスパに優れた補償が受けられるので満足度も高くなるでしょう。複数の保険会社で見積もりを取り、その内容を比較してみてください。
自動車保険業界では自由化が進んでいて、保険料は保険会社がおのおの自由に決められるようになりました。そのため、同じ内容でも保険料が異なることも珍しくありません。
年間で数千円、場合によっては1万円以上変わってくることもあるので、保険料を意識して保険選びするのが賢明です。
特約の内容で比較するのも、ダイレクト型自動車保険選びのポイントです。
近年の傾向として、ユニークな特約やオプションをつけることで他社との差別化を図る保険会社も多いです。
例えば、事故の時に自動車だけでなく、車の中にあった物まで補償する特約や事故時に警備会社のスタッフが現場に急行する特約などがあります。
補償内容でなかなか選べなければ、このような特約の内容で比較するのも一つの方法です。特約をチェックする時には、自分のライフスタイルにマッチするものがあるかで絞り込んでみましょう。
特約の中には魅力的なものもたくさんありますが、あれもこれもつけてしまうと保険料も上がってしまうので注意が必要です。
ダイレクト型の自動車保険の多くでは、ロードサービスが無料で付帯されています。その内容で候補を絞り込んでみるのも一つの方法です。
ロードサービスの比較ポイントとして、拠点数をチェックしましょう。日本各地にたくさん拠点があれば、どこで車に不具合が起きても現場に急行してもらえるので安心です。
また、レッカーサービスの上限についてもチェックすることをおすすめします。レッカーサービスの移動に制約があり、それ以上の移動だと料金を請求される場合があります。
そして、宿泊費用や移動費の負担の有無も確認しましょう。車が動かなくなると近くで宿泊したり、他の交通手段で帰宅しなければならなくなったりするからです。
自動車保険は実際に事故を起こさないと事故対応などは分かりません。その意味では選びにくい商品と言えます。
そこで、実際に事故を経験して自動車保険のお世話になった人の口コミをチェックするといいでしょう。事故対応はどうだったのか、補償内容が充実しているかといった口コミが掲載されている場合も少なくありません。
もし複数の自動車保険で迷っているようであれば、口コミ情報を確認してみてください。複数の口コミの意見でおおむね高評価であれば、その自動車保険は信頼性が高いと言えます。
ダイレクト型自動車保険の利用方法
ダイレクト型自動車保険を利用するにあたって、加入する時はどのような流れになるのか、保険料はどのようにして支払うのか、といった疑問があると思います。以下で、その内容を詳しく説明していきます。
ダイレクト型自動車保険の場合、インターネットを使って自分で手続きを進める必要があります。
まずは、保険料がいくらになるのか見積もりを取りましょう。見積もりを依頼するとおすすめのプランが提示されるので、その内容を踏まえてどのような補償内容にするか決めます。
ここで、もし分からないことや確認したいことがあれば、コールセンターに問い合わせてください。
実際に保険が決まったら、加入手続きに進みます。加入手続きはWebサイトの案内に従って、申し込みフォームに必要事項を入力します。
申し込み手続きが完了すれば、決められた保険始期日から補償が受けられます。
代理店型のように郵送や必要書類を店舗に持ち込む必要はないため、スピーディに加入ができます。
ダイレクト型自動車保険の場合、保険料の支払方法は主に3つあります。
- 銀行振込
- コンビニ入金
- クレジット決済
クレジット決済の場合、申込時にカード情報を登録する必要があります。
手数料については、支払方法によって様々です。一般的に銀行振込は加入者、コンビニ入金は保険会社の負担になります。クレジット決済についてはカード会社によって対応はまちまちです。そのため、手数料負担がどうなるのかは事前に確認しておきましょう。
支払期限も保険会社によってまちまちです。一般的にはコンビニ入金やクレジット決済の場合、満期日から3日までに支払います。銀行振込だと満期日の1週間までというところが多いです。このような支払期限の内容も比較して、支払方法を決めると良いでしょう。
支払いはできるだけ早く済ませるのがおすすめです。支払いを滞納すると、これまで積み重ねてきた等級が無効になってしまう恐れがあるので注意しましょう。