自動車保険の契約期間は通常1年です。しかし、中には「ちょいのり自動車保険」と呼ばれる短期間だけ契約できる保険商品もあります。

この記事では、ちょいのり自動車保険はどのような時に利用すればいいのか、具体的な補償内容について説明していきます。また、ちょいのり自動車保険を利用するメリットについても紹介します。

ちょいのり自動車保険の特徴とメリットデメリットについて紹介

「ちょいのり自動車保険」という商品がよく分からないという方もいるでしょう。

ちょいのり自動車保険とは具体的にどのようなものなのか、そのメリットやデメリットについて詳しく見ていきます。

メリットとデメリットを確認して、自分は加入したほうがいいのか悩んだ時の判断材料にしてください。

ちょいのり自動車保険とは?

ちょいのり自動車保険とは?
ちょいのり自動車保険(1日自動車保険)とは、任意保険に加入していない方や、短期間のみ車を運転する方に向けた任意保険です。通常の自動車保険は1年以上の契約が主流ですが、ちょいのり自動車保険は日数に応じた契約が可能なため、任意保険にかかるコストを抑えられます。

例えば、休日に車を使用する場合や、短期的な旅行、特別なイベントにレンタカーを使うケースが多いでしょう。「必要なときだけ保障を受けたい」というニーズに応えた形の保険といえます。

ちょいのり自動車保険の補償内容はシンプルで、カバーしたい損害に応じて特約の付帯も可能です。主な補償内容は対人補償や対物補償、特約で自損事故傷害特約や弁護士費用特約といった内容を付帯できます。

例えば、旅行で未舗装路を走るときや長距離移動する際は事故に遭う確立があがってしまうため、補償内容を手厚くしたほうがよいでしょう。事故の損害や賠償は数百万円〜数千万円にのぼるケースも珍しくありません。

保険料は割高ですが、長期の自動車保険の契約で使わずじまいで終わったり、無保険で事故に遭ったりするよりは低コストといえるでしょう。

なお、ちょいのり自動車保険の対象は「事業用車以外の他人名義の車」です。例えば自分が持っている車やレンタカー、カーシェアリングといった種類は、1日自動車保険を利用できません。

ちょいのり自動車保険の申し込みに必要なもの

ちょいのり自動車保険の申し込みに必要なもの
ちょいのり自動車保険に申し込む際には、いくつかの証明書類や情報が必要です。スムーズな手続きのために、事前に以下の書類を準備しておきましょう。

①運転免許証とナンバープレート

ちょいのり自動車保険の申請には、運転免許証とナンバープレートの番号が必要です。複数人で運転を交代する場合は、各運転手がちょいのり自動車保険に加入します。ナンバープレートの番号は、運転する車のものです。

②個人情報

契約の際は、運転手の名前や生年月日、場合によっては現住所やメールアドレスも必要です。免許証やスマートフォンで確認できるため、基本的に記入に困ることはないでしょう。

③支払い方法

ちょいのり自動車保険は、主にWebサイトかコンビニで手続きが可能です。対応する支払い方法は、Webサイトならキャリア決済かクレジットカード、コンビニだと現金を用意しましょう。ただし、保険会社によって対応する支払い方法が異なる可能性があるため、気になる方は対象のホームページを確認しましょう。

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ちょいのり自動車保険の手続き方法

ここからは、ちょいのり自動車保険の手続き方法について解説します。Webサイト、コンビニで利用する際の流れは、主に以下の通りです。

①Webサイトから申し込み

ちょいのり自動車保険を提供している保険会社の公式ホームページにパソコンかスマートフォンでアクセスし、申請ページに必要情報を記入します。自宅以外の場所で申し込む際は、ナンバープレートの情報と運転免許証を忘れないようご注意ください。なお、Webサイトの多くでは、メールアドレスの登録を求められます。仮登録メールから本登録するため、迷惑メール設定を事前に確認しておきましょう。

②コンビニから申し込み

コンビニでの申し込みは、主に店頭端末を用います。「各種サービス画面」からちょいのり自動車保険を申し込めるため、事前に登録を済ませる手間がかかりません。手続き終了後は支払い用の発券用紙が出てくるため、有効時間内にレジにて現金を支払いましょう。

なお、コンビニでの手続きでは、スマートフォン専用ページにて事前申請して店頭で料金を支払う方法もあります。前述したWebサイト経由の契約では、キャリア決済かクレジットカードの支払い方法が主体のため、現金で支払いたい方はコンビニを利用するとよいでしょう。

ちょいのり自動車保険を利用するにあたっての条件

ちょいのり自動車保険を利用するにあたっての条件
ちょいのり自動車保険に加入する前提条件として「他人の車を運転する時」が挙げられます。

知人や友人の車を借りて運転する、家族所有の車両だけれども自分が運転者条件から外れている場合などは、ちょいのり自動車保険に加入することが可能です。

また、自家用乗用車であることも加入の条件の一つです。自家用乗用車は普通自動車、小型自動車、軽自動車が該当します。

自家用乗用車かどうか確認するには、ナンバープレートをチェックしましょう。3桁の分類番号が3か5か7から始まるものであれば自家用乗用車なので加入することができます。

対象外になる条件とは?

ちょいのり自動車保険は他人の車に対して補償される保険なので、自分が所有する車にはかけられません。配偶者の所有する車両も対象外になるので、注意してください。

また、他人の車とはいえ、カーシェアリングやレンタカーも加入できません。会社の所有する社用車も、ちょいのり自動車保険の補償対象外になります。

法人所有の車でも、ちょいのり自動車保険に加入できるものも一部あります。しかし、加入するにあたって補償内容をかなり制約される可能性がありますので注意しましょう。

また、車種によって自家用車でも対象外になる可能性があります。具体的には外車やスポーツカーです。ただし、外車やスポーツカーは保険会社によって対象なのかが異なります。そのため、加入する前にあらかじめ問い合わせておくといいでしょう。

どんな時に加入がおすすめ?

どんな時に加入がおすすめ?
ちょいのり自動車保険は、他人の車を借りて運転する際に加入する保険です。普段車は持っていないけれども、1日だけ車が必要になった時などに加入しましょう。

具体的には、家具など大きなものを購入することになった、引っ越しすることになり友人や知人の車を借りる時などです。

さらに友人と一緒にどこかに出かけ、交代でハンドルを握る時も自分が事故を起こした時のために加入しておくといいでしょう。

また、家族の車を期間限定で借りる時も、ちょいのり自動車保険に加入しておくと安心です。例えば、普段は離れて生活しているけれども、実家に帰省した時に家族の車を運転する時などです。

自分が車の補償対象から外れている可能性が高い場合は、ちょいのり自動車保険に加入しておくと安心です。

ちょいのり自動車保険の補償内容とは?

ちょいのり自動車保険の補償内容とは?
ここからは、ちょいのり自動車保険の主な補償内容について解説します。ただし、補償対象や金額は保険会社によって異なるため、用途に合った保険会社を選ぶのが大切です。

ちょいのり自動車保険は、頻繁に車を使わない方に向けたシンプルかつ有効な補償内容を提供しています。一般的な自動車保険に比べてカバー範囲が限定される場合もありますが、それでも基本的な事故や損害に対して備えるには充分です。

具体的な補償内容は、以下の通りです。

対人賠償保険

対人賠償保険とは、事故で相手にケガを負わせてしまったり、死亡させてしまったりした場合の治療費や慰謝料といった賠償に適用される保険です。

本来なら事故相手の死傷については「自賠責保険」の範囲ですが、事故内容によっては自賠責保険の補償でカバーしきれない場合があります。

対物賠償保険

対物賠償保険とは、事故相手の車や所持品といった「物」に対する賠償を補償する保険です。

例えば事故により相手の車が破損した場合は、車の修理費用から過失割合に応じた金額が補償されます。

また、単独事故でガードレールや家屋の壁といった他人の建造物や所有物を壊してしまった場合も対象に含まれます。

自損事故傷害特約

自損事故傷害特約とは、単独事故を起こしたときにかかる治療費を補償するものです。

対人賠償保険や対物賠償保険は、あくまで「他人」を対象としたものです。相手の賠償は補償できても、自身のケガは自己負担しなければなりません。

そのため、相手と自分両方のケガを補償するなら、自損事故傷害特約の付帯をおすすめします。

弁護士費用特約

弁護士費用特約とは、事故後の過失割合の交渉にて、弁護士を立てる際にかかる費用を補償してくれる特約です。主に保険会社が示談交渉に応じられないときに役に立ちます。

例えば、もらい事故は相手の過失が10割のケースが多いですが、このとき自分側の保険会社は示談交渉に参加できません。そのため相手が過失割合に納得しない場合、自分で交渉に応じるか、弁護士を立てなければならないのです。

そんなときでも、弁護士費用特約を付帯していれば追加の費用を心配せずに済みます。

事故現場アシスト

事故現場アシストとは、万が一事故が発生した際に、事故現場で必要なサポートを提供するサービスです。具体的には、事故の際の連絡対応や、現場での緊急措置、または車のレッカー移動の手配といった内容が該当します。

事故直後は冷静な判断が難しくなることが多く、とくに初めて事故に遭遇する方だと、なにをすべきか分からなくなることもあります。このような状況でも、プロのサポートを受けることで、迅速かつ適切な対応が可能です。

要望に応じた対応をしてくれるため、困った際は保険会社に頼りましょう。

ちょいのり自動車保険のメリット

ちょいのり自動車保険のメリット
ちょいのり自動車保険に加入しておけば、いざという時に安心ですし、手軽に手続きできるのも魅力です。また、場合によっては保険料がお得になる可能性もあります。

ここからは、ちょいのり自動車保険のメリットについて詳しく説明していきます。

手軽に手続きできる

ちょいのり自動車保険は、手軽に加入できるのがメリットです。

ほとんどの保険会社でオンラインにて受け付けをしているため、その場で手軽にスマホから加入手続きができます。

また、ちょいのり自動車保険の中には、コンビニにある情報端末から加入できるものもあります。そのため、面倒に感じることはないでしょう。

オンラインやコンビニでの手続きなので、24時間いつでも大丈夫です。仕事が忙しくて日中なかなか時間が取れない方でも、必要な時にすぐに加入ができます。

車両保険を付けられる

ちょいのり自動車保険は、対人賠償や対物賠償保険など基本的な補償内容はすべてカバーできていますが、その他にも車両保険もつけられる保険もあります。

知り合いの車を借りて事故を起こしたら、車両に何らかのダメージを受ける可能性が高いです。車両保険をつけていればちょいのり保険で修理費用を賄えるので、車の持ち主に迷惑をかけずに済みます。

ただし、従来の車両保険とは補償内容が限定される可能性がありますので注意しましょう。おおむね上限が300万円、免責金額も15万円となっています。

バンパーをこすった、どこかにぶつけて軽くへこみができた場合、免責金額の範囲内になるかもしれません。その場合には、修理費用全額を自分で負担することになります。

保険料が割引になる可能性もある

ちょいのり自動車保険は1日限定の保険です。補償期間が短いので、保険料も安く抑えられます。

対人・対物賠償保険など基本的な契約であれば、1日800円程度で加入できます。従来の月々何千円もかかる自動車保険と比較すると、かなりお得です。

その上、保険料がさらに割引になる可能性もあります。保険会社の中には2回目以降は保険料が割引になるサービスを実施しているところもあります。1回あたりの割引は数十円かもしれませんが、何度も繰り返し利用すればその分割引も大きくなります。

何度か繰り返し、ちょいのり自動車保険を利用する可能性があれば、割引がどうなっているのかもチェックするといいでしょう。

ちょいのり自動車保険のデメリット

ちょいのり自動車保険のデメリット
ちょいのり自動車保険にはメリットがある半面、申し込み手続きを繰り返すと面倒になることや人身傷害つきの保険が少ないなどのデメリットもあります。

ここからは、ちょいのり自動車保険のデメリットについて詳しく説明していきます。

申し込みが面倒

ちょいのり自動車保険はスマホやコンビニで加入手続きできるので、1回あたりの手間はさほどかかりません。しかし、他人の車に乗るたびに加入手続きをしなければならないのは面倒に感じるかもしれません。

ちょいのり自動車保険を連続して利用する場合には、一括手続きも可能です。例えば、旅行や出張でしばらく現地に滞在して車を運転する場合、期間中の保険をまとめて加入できます。

ただし、保険会社によってまちまちですが、一括加入できるのは最大で7日程度が限界です。それ以降になると、再度申し込みしなければなりません。

もし何度も繰り返しちょいのり自動車保険を利用する場合には、申込ページをブックマーク登録するなどの対策を講じましょう。

人身傷害保険付きの保険が少ない

ちょいのり自動車保険の中には、人身傷害保険が含まれている商品もありますが、その数は多くありません。

ちょいのり自動車保険は簡易的な保険です。そのため、必要最低限の補償内容になっているものもあります。

人身傷害保険の場合、自分が自動車に乗っているだけでなくバスやタクシーなどの公共交通機関に乗っている時の事故も補償対象となります。もし人身傷害保険も必要なら、補償内容をしっかり確認しましょう。

ただし、人身傷害保険をつけたちょいのり自動車保険は保険料が割高になりますので、注意してください。

ちょいのり自動車保険を比較するときのポイント

ちょいのり自動車保険を比較するときのポイント
ちょいのり自動車保険は、複数の保険会社が提供している商品です。そのため、加入する際はどの保険を選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。

ここからは、ちょいのり自動車保険を比較するときのポイントについて紹介していきます。

必要な補償をカバーしているか

ちょいのり自動車保険に加入する際は、補償内容を確認しておきましょう。いざ保険を使おうと思ったら、補償の対象外だったといことがないようにしましょう。まず、対人・対物賠償保険がついていることは欠かせません。

どの商品でも一部免責金額が設定されているものもありますので、免責がついていないものを選ぶと安心です。

また、示談交渉サービスの有無についても確認しましょう。これは、事故を起こした時に保険会社が変わって対応してくれるサービスのことです。

示談交渉は法律の専門知識が必要なので、素人が対処するのは難しいです。自力でトラブルを解決するには時間もストレスもかかるので、示談交渉してくれる保険を選ぶと良いでしょう。

加入のしやすさ

ちょいのり自動車保険を比較する際、加入のしやすさも見ておくのがおすすめです。

第一に確認したいのが、スマホで申し込みできるかどうかです。スマホで申し込みできれば、自宅でも外出先でもいつでも申し込めます。中にはいわゆる3大キャリアでないとスマホ申し込みできないものもありますので注意が必要です。

また、当日申し込みできるかどうかもチェックすることをおすすめします。ちょいのり自動車保険の多くは、当日加入申し込みにも対応しています。

しかし、車両保険をつける場合には事前申し込みが必要です。保険会社によって異なりますが、利用したい日の7日~8日前までに手続きしなければならないことが多いです。

加入のしやすさについては、口コミサイトを確認するのも一考です。実際にちょいのり自動車保険を利用したことのある人の意見なので、参考になるでしょう。

まとめ

①ちょいのり自動車保険は1日だけ加入できる保険
②友人など他人の車を運転する時に加入ができる
③スマホやコンビニなどで手軽に加入手続きができ、書類の提出も必要なし
④ちょいのり自動車保険は補償内容や加入のしやすさなどで比較すると良い

※本記事は公開時点の情報になります。
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