自動車保険の特徴の一つに「ロードサービス」があります。これは、自動車に不具合が発生した時に現場に駆けつけてくれるサービスです。
ロードサービスの内容は保険会社によって異なりますが、多くの場合でバッテリーのトラブルにも対応しています。出先でバッテリーが上がってしまうとエンジンがかからなくなってしまうため、ロードサービスで直してもらえるのはメリットです。
この記事では、バッテリーにトラブルが起きたときのロードサービスの対応について詳しく説明していきます。また、バッテリー上がりの対処法も紹介するので参考にしてください。
自動車保険のロードサービスとバッテリー交換について詳しく知ろう
バッテリーにトラブルが起きたときは、ほとんどの自動車保険で対応してもらえます。自動車保険に加入すると、自動的に付帯されていることがほとんどです。ただし、一部の保険会社では任意付帯になっている可能性もありますので注意してください。
また、契約期間中に1回しか使えない場合もあれば、何度でも利用できる保険会社もありますので、こちらも事前に確認しておきましょう。
もしバッテリー上がりなどのトラブルが発生した場合には、保険会社のロードサービスセンターに連絡してください。オペレーターから指示があるので、その指示に従いロードサービスの救援スタッフを待ちましょう。ジャンピングなどでバッテリーをよみがえらせ、再び走行できる状態にしてくれます。
自宅でも利用可能
バッテリー上がりは、運転中にのみ起こるとは限りません。自宅で運転しようと思ってエンジンをかけようとしたところ、バッテリー上がりに気づいたというケースも多いです。
このようなことは長期間エンジンをかけなかったり、車のライトを消し忘れてずっと放置してしまったりした場合に起こります。
もし自宅でトラブルが起きたとしても、ロードサービスセンターに連絡すれば、救援スタッフが駆けつけて対処してくれます。
ただし、一部保険会社のロードサービスでは、自宅は対象外としている場合もありますので、念のためロードサービスの内容を確認しておいてください。
また、契約期間中に1回しか利用できないロードサービスもあります。この場合、今後のことも考えて自宅でのトラブルは自分で何とかするのも選択肢の一つです。
自賠責保険の名義変更は必要あるの?手続きの仕方も教えます!
自動車保険とJAFのロードサービスの違い
自動車保険のほかに、JAFもロードサービスを行っています。JAFのロードサービスにもバッテリー上がりへの対処は含まれますが、自動車保険に入っているのであれば、保険のロードサービスを利用するのがおすすめです。
自動車保険のロードサービスは基本的には無料です。しかし、JAFの場合はロードサービスを利用するとお金がかかってしまいます。
一般道でバッテリー上がりが起きたときの対処もしくはバッテリーを交換した場合は、12,880円がかかります。夜間は割増しで14,940円です。
また、高速道路でバッテリー対応してもらうと、さらに料金が加算されます。日中は21,110円、夜間は24,190円です。
JAFのロードサービスを使えば、このように費用が発生しますが、自動車保険のロードサービスを利用すれば費用がかからない可能性もあります。
なお、JAFの会員になっていれば無料での対応が可能ですが、年会費の4,000円がかかります。
等級はそのまま
バッテリー上がりで自動車保険を利用すると、等級が下がってしまうのではないかという懸念もあるでしょう。しかし、バッテリー上がりを含め、ロードサービスを利用しただけでは等級は下がらないこととなっています。
ロードサービスで等級は下がらないので、保険料が翌年以降上がる心配もありません。そのため、バッテリーにトラブルが発生した際には迷わず保険会社に連絡しましょう。
また、ロードサービスのほかに特約だけを使った場合でも、原則として等級は下がりません。事故を起こして保険金が支払われた場合に等級は下がります。
バッテリートラブルなど、何か運転中に車両に不具合が発生して困った時には、遠慮せずにロードサービスを活用してください。
バッテリーの代金は負担しなければならない
バッテリートラブルは、自動車保険のロードサービスで無料にて対応してもらえます。ただし、バッテリーが寿命で交換する以外に方法がない場合には、費用が発生しますので注意しましょう。
バッテリー交換した場合、バッテリー代は利用者の負担になります。バッテリーの費用は、車種によって搭載するモデルが異なりピンキリです。安いものであれば5,000円程度ですが、高いものだと40,000円くらいかかる可能性もあります。
純正のバッテリーに交換する場合は、20,000円前後が相場であると考えておきましょう。
HVやEVのようなエコカーの場合、バッテリーの構造が複雑な傾向が見られます。バッテリー代もお金がかかる可能性が高いので、注意が必要です。
自賠責保険の名義変更は必要あるの?手続きの仕方も教えます!
回数制限がある自動車保険も
ロードサービスのバッテリートラブルの対処は、保険会社によって対応が異なる点にも注意が必要です。保険会社の中には契約期間中、無制限で利用できないところもあります。
バッテリー上がりの処置は原則、契約期間中「1回」としている保険会社が多いです。もし契約期間中に2度目のバッテリー上がりを起こして保険会社に連絡しても、処置にかかる費用は自己負担になります。
バッテリー上がりはそう頻繁に起こるトラブルではありません。しかし、もしものことを想定して、バッテリー上がりを起こさないようにメンテナンスや寿命が近ければ新しいものに交換するといった適切な対処を心がけましょう。
自動車保険のロードサービスが対応してくれる内容について
自動車保険に含まれるロードサービスは、バッテリー上がりへの対処だけではありません。その他の様々なトラブルにも対応してもらえます。
ロードサービスの内容は保険会社によって若干異なりますが、ここでは多くの保険会社が採用している主なロードサービスの種類について、いくつかピックアップしてみました。
事故や故障で愛車が自走できなくなることもあるでしょう。この場合、レッカーにて撤去せざるを得ません。
自動車保険に加入していれば、ロードサービスを利用して車をレッカー移動できます。どの保険会社でもこのレッカー移動は、ロードサービスの中に含まれます。
レッカー移動で愛車が運ばれる場所は、基本的に保険会社の提携する修理工場です。もし自分の希望する修理工場に運んでもらうのであれば、一定距離までは無料です。しかし、保険会社の指定する距離を超えた場合には費用が発生します。
この無料の距離の上限は、保険会社によってまちまちです。もし懇意にしている工場があって、そこへの搬入を希望する場合には、距離の上限がどうなっているかあらかじめ確認しておきましょう。
鍵を車内に置いたままドアをロックしてしまうインキーにもロードサービスは対応してくれます。また、外出先で車のキーをどこかに落としてドアを開けられなくなった場合でもロードサービスで対処可能です。
インキーでロードサービスに連絡すると、救援スタッフが現場に急行します。そしてドアロックを解除する流れです。
ドアの施錠解除にかかる費用のうち、工賃は無料ですが、部品代などが発生した際には実費請求される可能性があります。
インキーの利用上限回数などは保険会社によって異なりますので、あらかじめ確認しましょう。
イモビライザーなどのセキュリティ装置つきの鍵についてはサービス対象外にしている保険会社もありますので、注意が必要です。
運転中にガス欠になり、車が走行できなくなった場合でも、自動車保険のロードサービスで対処してもらえます。ロードサービスのデスクに連絡すると、救援スタッフが駆けつけて給油してくれます。
ただし、ガソリン補給といっても満タンにはしてくれません。一定距離走行できる程度のガソリンしか給油してくれないので、速やかに近くのガソリンスタンドでしっかり給油しましょう。
また、ガソリン補給のサービスは回数制限を設けている保険会社がほとんどです。保険会社によってまちまちですが、一般的には契約期間中もしくは年に1回という制限を設けています。
地域によっては近くにガソリンスタンドがない場合もあります。ガソリンの残量が少なくなったら、早めに給油する習慣をつけましょう。
運転中にタイヤがパンクした場合は、ロードサービスのタイヤ交換サービスを利用するといいでしょう。保険会社に連絡すると、救援スタッフがスペアタイヤに交換してくれます。
しかし、最近の車はスペアタイヤを搭載していないものも少なくありません。また2本以上タイヤをパンクした場合は、現場では対処できないため、修理工場までレッカー移動することになります。
タイヤに何らかのトラブルが発生した際には、ロードサービスに相談しましょう。
ただし、すべての自動車保険でタイヤのパンク対応をしているわけではありません。パンク修理は、ロードサービスの対象外としている自動車保険もありますので、いざという時のためにロードサービスの内容は確認しておくことをおすすめします。
もし対象外の場合は、自分で修理の手配をする必要があります。
バッテリー上がりの対処法について
走行中にバッテリー上がりを起こした場合、自動車保険のロードサービスを利用するのがおすすめです。しかし、バッテリー上がりにはロードサービスを依頼せずに自分で対処できる可能性もあります。
ここからは、自分でもできるバッテリートラブルへの対処法についてまとめました。ロードサービスの救援スタッフを待つよりは、早く問題を解決できるかもしれないので、以下の内容を試してみましょう。
バッテリー上がりへの対処法でポピュラーなのは、ジャンピングスタートです。ジャンピングスタートとは、ほかの車のバッテリーと繋いでその電力を分けてもらう方法です。
ジャンピングスタートを実施するには、ほかの車を自分の車両の近くに停め、ブースターケーブルを繋ぎます。プラス端子には赤いケーブル、マイナス端子には黒いケーブルを繋げてください。ケーブルを装着する順番は赤いケーブルは自分の車、黒いケーブルは救援車からです。ケーブルをつけたら、救援車のエンジンをかけましょう。
この時オートマ車ならパーキング、マニュアル車ならニュートラルにギアを入れて、サイドブレーキをかけた状態でエンジンをかけてください。
アクセルを少し踏んでエンジンの回転数を上げた状態で、しばらく待機します。5分くらい充電したところで自分の車のエンジンをかけましょう。
ジャンプスターターを用意していれば、救援車なしでもエンジンをかけることができます。ジャンプスターターはカー用品店などで販売されているので、いざという時のために購入しておくのも一考です。
ジャンプスターターを使用する際には、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
例えば、事前に充電しておかないと使えないということです。電圧や電流も商品によってまちまちなので、自分の車に合うものを購入しなければなりません。
また、救援車と繋いでジャンピングスタートするのと同様、プラスとマイナスを間違えて繋げないように注意してください。取扱説明書を見ながら作業しましょう。
バッテリー交換の時期について
バッテリーは消耗品です。長く使い続けているといずれ寿命が訪れるため、バッテリーは定期的に交換しなければなりません。
ここからは、バッテリーの寿命はどのくらいか、どんな症状が出てくれば寿命に近づいているかについて説明していきます。バッテリーの交換費用についても見ていきますので、参考にしてください。
バッテリーの寿命は、2~5年が目安と言われています。ただし、使い方によっては、もっと短い段階でバッテリーが寿命を迎えることもありますので注意が必要です。
もう少し詳しく見ていくと、一般的なガソリンエンジン車の場合は2~5年ですが、環境に配慮したアイドリングストップ車に搭載されているバッテリーの寿命は、2~3年と言われています。
アイドリングストップは、作動するためにエンジン停止と再始動を繰り返します。バッテリーにかかる負荷が大きいため、早めに交換しないといけません。
燃費が優れているので、自家用車としてハイブリッドカーを導入している家庭も多いでしょう。ハイブリッドカーの場合、駆動バッテリーと補機バッテリーの2つが搭載されていますが、どちらも寿命は4~5年が相場です。
バッテリーの寿命前によく発生する症状に気づけば、早めの対応が可能です。以下で紹介する症状に心当たりがあれば、速やかにバッテリー交換をしましょう。
まずは、エンジンがかかりにくくなるという症状が挙げられます。エンジンをかけるためには、バッテリーの電力でセルモーターを回転させる必要があるからです。
また、以前と比較してヘッドライトが暗くなった場合も要注意です。バッテリーからの電力が十分供給されず、ライトが明るくつかなくなります。ただし、走行中はバッテリーが充電されるので、ヘッドライトの明るさが戻ります。そのため、停車時の明るさがどうなっているかで確認してください。
もし上で紹介した症状に心当たりがあれば、エンジンルームを開けてバッテリーの状態を確認しましょう。バッテリー液が濁っている場合には、寿命の近いサインと考えてください。
バッテリー交換の費用
バッテリーの交換は、「工賃」と「バッテリー本体」の費用がかかります。
工賃は、どこに依頼するかで変わってきます。安いのはカー用品店です。工賃は1,000円程度で、お店でバッテリーを購入した場合には無料で交換してくれるお店もあります。
整備工場やガソリンスタンドで交換する場合には、工賃は2,000~3,000円が相場です。前のバッテリーの廃棄料として、500円程度かかるかもしれません。
また、バッテリー本体を整備工場やガソリンスタンドで購入した場合、カー用品店同様、工賃や廃棄料が無料になるところもあります。普段よく利用しているお店があれば、そこでバッテリー交換を依頼するのも一考です。
ディーラーの場合、工賃は整備工場などと同じく2,000~3,000円が相場です。純正品にこだわりたければ、ディーラーでのバッテリー交換を依頼するといいでしょう。