自動車保険に加入したいけれども、保険料負担はできるだけ軽くしたいと思っている方も多いでしょう。自動車保険では、いろいろな割引制度を用意しています。

その中の一つに、今回紹介する無事故割引があります。文字通り、事故を起こすことなく一定期間経過すれば保険料が割引になるというものです。

ここでは、自動車保険の無事故割引を中心に、どのような割引制度があるかについて紹介します。また、無事故を続けるために普段運転時どのようなことに気をつけるべきかについてもまとめましたので、参考にしてください。

自動車保険の無事故割引の概要

自動車保険の無事故割引の概要
保険会社の中には「無事故割引」と呼ばれる割引制度を用意しているところがあります。これは、自動車保険の契約中に交通事故を起こさず、保険を使わなかった場合に翌年度の保険料が割引になるというものです。

保険料の割引の程度は保険会社によってまちまちです。保険料に対して一定の割合で割引くところもあれば、数千円と一律の割引を採用している保険会社もあります。

また、保険料の支払方法によって割引の方法が異なりますので、注意してください。保険料は月々の分割払いをしている方もいれば、一括払いを選択している方もいるでしょう。

どちらの支払いかによって割引の程度が異なる可能性もあるので、保険会社に確認してみることをおすすめします。

ノンフリート等級も無事故だと翌年度の保険料が安くなる

ノンフリート等級も無事故だと翌年度の保険料が安くなる
「無事故割引」という名称で、割引制度を導入していない保険会社もありますが、どの自動車保険でも原則は1年間無事故だと翌年は実質保険料が割引かれます。

その理由は、自動車保険でノンフリート契約の場合、等級制度が適用されるからです。これを「ノンフリート等級」と呼びます。

ノンフリート等級には、契約者の事故リスクをベースに1等級~20等級まで分類されています。

自動車保険に新規契約した場合は、6等級からのスタートです。6等級の割引率は19%となります。

そこから1年間無事故で保険を使わなかった場合、7等級に上がります。7等級の割引率は30%なので実質保険料はお得になるわけです。

最高等級は20等級となります。20等級になると割引率は63%ですから、かなり保険料が節約できます。

しかし、事故を起こして保険を使った場合は、翌年等級がダウンして割引率が下がるので注意が必要です。

長期無事故割引を導入している自動車保険もある

長期無事故割引を導入している自動車保険もある
保険会社の中には、ノンフリート等級が20等級で1年以上無事故だった場合、さらに保険料が割引になる制度である「長期無事故割引」を採用しているところもあります。

保険会社によって異なりますが、数パーセントの割引になるところが多いです。

マイカーに自動車保険をかけている場合、ほとんどがノンフリート契約でしょう。ノンフリート契約だと、通常は20等級まで上がってしまえば、そこから無事故になっても本来さらなる割引はありません。

しかし、保険会社の中には20等級でさらに無事故だとプラスの割引が受けられる所もありますので、こちらを活用してみましょう。

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無事故割引の無事故について

無事故割引の無事故について
無事故割引といわれると、1年間全く事故を起こさなかった車両が対象だと思うかもしれませんが、厳密にいうと、無事故以外にも無事故割引が適用されるケースがあります。

自動車保険は通常、保険を使うと3等級ダウンします。しかし、中には等級がダウンしないノーカウント事故もあります。

このノーカウント事故であれば、保険を使っても無事故扱いになります。

自動車保険の無事故割引は事故を起こしてしまうと適用されないのでしょうか?
無事故以外でも割引が適用されるケースはあります。それはノーカウント事故の場合です。事故を起こして保険を使うと本来は等級がダウンしますが、事故の内容によっては等級がダウンしないものもあり、それをノーカウント事故といいます。ノーカウント事故で保険を使った場合は無事故割引が適用されることがあります。
等級と事故の関係

自動車保険に加入していれば、交通事故を起こしたら保険を使うことになるでしょう。その場合、翌年度の等級がダウンして、保険料の割引率もダウンしてしまいます。

通常、保険を使うと3等級ダウンとなります。例えば、新規契約で6等級だった時に事故を起こして保険を使えば、3等級ダウンとなるため翌年度は3等級となります。

6等級の割引率は19%ですが、3等級になると12%の割増率が適用されます。そのため、事故を起こすと翌年度の保険料がぐんと上がることが分かります。

等級ダウン事故の場合は無事故割引の対象外

自動車保険を事故で使った場合、大抵のケースだと3等級ダウンとなります。3等級ダウンした場合、無事故割引は翌年度には適用されないので注意してください。

しかし、3等級ダウンだけではなく1等級だけダウンするような事故もありますが、たとえ1等級ダウンの事故だったとしても、事故扱いにはなるので無事故割引の対象外となります。

3等級ダウン事故の例ですが、基本的に交通事故を起こした場合と考えて良いでしょう。対人賠償や対物賠償、車両保険のいずれかを使った場合は3等級ダウンとなります。

一方、1等級ダウンは不可抗力によって車が破損し、車両保険を使った場合が当てはまります。自然災害や飛び石、イタズラなどで車を傷つけられ、車両保険を使うと1等級ダウンとなります。

ノーカウント事故のみだった場合は無事故割引の対象

事故で保険を使った場合、基本的には等級がダウンしますが、中には「ノーカウント事故」と呼ばれる項目もあります。

ノーカウント事故は、人身傷害保険や搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険などを使った場合が当てはまります。

この「ノーカウント」とは、事故で保険を使ったとしても保険会社では事故としてカウントしないもののことです。

そのため、ノーカウント事故でのみ保険を使った場合は、翌年度の等級はダウンしません。また、無事故扱いとなるため、無事故割引も引き続き適用されます。

保険を使わないという選択肢も

交通事故を起こしたら「自動車保険を使おう!」と安易に考えることはおすすめできません。自動車保険を使うと、翌年度の等級がダウンして保険料がアップしてしまうからです。

例えば、交通事故を起こして3等級ダウンになった場合、1年間無事故だと1等級アップするので、これまでの等級に持ち直すまでに最短でも3年はかかります。

つまり、3年間は余計な保険料を支払い続けるということです。その上、「事故有係数」というものがかかるので、余計に費用負担しなければなりません。

自動車保険のノンフリート等級では「事故有係数」と「無事故係数」があります。これは、同じ等級であっても、事故有係数が適用されていれば保険料が割高に設定されています。

もし軽微な事故であれば、あえて自動車保険を使わずに全額自己負担にしたほうが余計に支払う保険料よりも安く済むかもしれません。保険を使った場合と使わない場合をシミュレーションしてから、どっちにするか検討しましょう。

自動車保険の割引の種類について

自動車保険には、ここで紹介した無事故割引の他にもいろいろな割引制度が用意されています。もしかすると、活用できる割引制度があるかもしれません。

保険会社によって割引制度はまちまちですが、ここでは多くの保険会社で導入されている主要な割引制度について、いくつかピックアップしてみました。

自動車保険には無事故割引以外にどんな割引がありますか?
無事故割引以外にもいろいろな割引を用意している保険会社が多いです。例えば、ネットで申し込みをすれば割引になる「インターネット割引」、紙の保険証券を発行しなければ保険料が割引かれる「保険証券不発行割引」などがあります。
インターネット割引

インターネット割引
誰でも利用できる割引としては、インターネット割引があります。これは、ネットで契約した場合に保険料が割引になるというものです。

自動車保険の申込方法は、代理店などの対面形式のほかにも郵送や電話、Webなどがあります。インターネットの場合、パソコンだけではなくスマホからでも手続き可能な保険会社が多いです。

もしインターネットを普段使いこなしているのであれば、ネット申込みで保険料をお得にするのも一考です。

手続きは、全て自分一人で行わないといけないため「自分にできるのだろうか…」と不安になる方もいるでしょう。しかし、画面の案内に従って操作するだけなので、そんなに難しくはありません。

保険証券不発行割引

保険証券不発行割引も、誰でも適用される割引制度の一つです。通常、自動車保険に契約すると紙の保険証券が発行されます。この紙の保険証券を発行しなければ、保険料が割引かれます。

保険会社によって割引額はまちまちですが、500円程度のところが多いです。

保険証券には、補償内容など契約に関する情報が記載されています。保険証券を発行しなければ、契約内容をどこで確認すれば分からないかもしれません。

しかし、そういった内容はインターネットで確認できます。保険会社のホームページからログインしてマイページにアクセスすればいつでも確認できるので、利用しましょう。

早期割引


早期割引もおすすめの自動車保険の割引制度です。これは、保険始期日の一定期間よりも前に契約手続きを済ませることで、割引の対象になります。

保険会社によってどのくらい前に契約すれば割引になるかは様々です。30日前というところもあれば50日前、80日前といったところも見られます。

また、中には数段階に分けて割引になるシステムの保険会社もあります。より早期に契約したほうが、割引も大きくなるのが一般的です。

早期割引の割引額は保険会社によって若干異なります。おおよそ数百円程度と考えておきましょう。

早期割引は採用していない保険会社もありますので、適用できるかどうかは契約する前に確認しておきましょう。

継続割引

継続割引を採用している保険会社もあります。

通常、自動車保険の契約期間は1年で、満期になれば別の保険会社に乗り換えることもできます。

もしかするとより条件の良い自動車保険が出てくるかもしれないので、満期のたびに見直すのも一考ですが、中には今まで通りの自動車保険を継続して契約しようと考えている方もいるでしょう。

もし引き続き同じ自動車保険で契約更新する場合、継続割引が適用されます。

割引率に関しては、保険会社によってまちまちです。保険料の数パーセントとしているところもあれば、数百円定額といった保険会社も見られます。また、2年目よりも3年目といった感じで、継続期間が長くなると割引も大きくなる保険会社もあります。

新車割引

もし新車を購入して自動車保険に加入すれば、保険料が割引になる可能性があります。これを新車割引といいます。

新車割引の条件を細かく見ると、まず自家用車で普通車・軽自動車・小型車が対象です。

そして、始期日の属する月に車両の初度登録・検査年月から25か月(保険会社により49か月のところもあり)以内の車両になります。そのため、新古車で25か月あるいは49か月経過していなければ新車割引が適用される可能性があります。

ただし、細かな新車割引の適用条件は保険会社によって異なるので、あらかじめ確認しておくと安心です。これから新車を購入しようと思っているのであれば、新車割引の有無も意識すると良いでしょう。

ゴールド免許割引

ゴールド免許割引
ゴールド免許割引とは、自動車保険の記名被保険者がゴールド免許の場合に適用される割引のことです。

ゴールド免許は優良運転者の証で、過去5年間無事故・無違反の方を対象にした免許です。過去5年間無事故なので、今後も保険を使用するリスクが低いと判断されるため、保険料の割引対象になるわけです。

ゴールド免許割引による割引率は、数パーセントから10パーセントの保険会社が多くなっています。

ゴールド免許割引の場合、注意しなければならないのは、記名被保険者の免許証でなければいけない点です。契約者の免許証の色ではないので、勘違いしないように注意しましょう。

エコカー割引

エコカーを所有している方は、エコカー割引によって保険料がお得になるかもしれません。

エコカーとは、環境に配慮した車両のことです。ハイブリッドカーや電気自動車、天然ガス自動車などが該当します。

エコカー割引の割引率は数パーセント程度です。ただし、保険会社によってエコカー割引の適用条件が異なる可能性がありますので、注意してください。

また、車種や初度登録年月などの条件が設けられている可能性があります。前もって確認してから申し込みましょう。

エコカーは税金で優遇されたり、燃費が良いためガソリン代の節約ができたりと、おすすめの車両です。

無事故割引を受けるためのコツについて

無事故割引を受けるためのコツについて
自動車保険の無事故割引が適用されれば、保険料がお得になります。適用されるためには、無事故を常日頃から心がけることが何よりも重要です。

では、事故を起こさないように運転するためにはどんなことに注意すれば良いのでしょう?

ここからは、安全運転の基本について紹介しますので、参考にしてください。

自動車保険で無事故割引を適用するためにコツはありますか?
事故を起こさないように安全運転を常日頃から心がけることです。運転がうまいと過信せず、「事故を起こすかもしれない」と常に注意深く周囲の状況を観察するように意識しましょう。
正しい姿勢で運転すること

正しい姿勢で運転すると、事故リスクを軽減できるとされています。ドライビングポジションが正しければ、運転中に十分な視界を確保でき、周辺の交通状況を的確に把握できるからです。

また、ハンドルやペダル操作も正しいタイミングでできるので、事故リスクを低減できるでしょう。

正しいドライビングポジションにするには、背もたれに空きのないように深く腰掛けます。そして、左足をフットレスト、右足でアクセルとブレーキペダルを操作します。

ハンドルの最上部に左右の手を合わせて、肘がある程度曲がった状態になるようにシートを調節します。このような運転姿勢がとれているかどうか、常に確認しましょう。

ながら運転をしない

交通事故の理由の中で多いのが、何かをしながら運転する「ながら運転」です。

特に近年は、スマホや携帯電話をいじりながら運転をしていたため事故を起こすというケースが少なくありません。スマホや携帯電話を使用するのはもちろんのこと、保持しているだけでも懲役刑を科せられる可能性もあります。

その他にも、食べながらや化粧をしながらの運転も危険です。これらの運転はながら運転には該当しませんが、注意散漫になるので事故リスクがどうしても高くなります。

車を運転する際は他のことをやらずに、運転することだけに集中するように心がけましょう。

リスクの高いシチュエーションは特に注意

事故リスクの高いシチュエーションはいくつかあります。

まずは雨の日です。視界が悪くなりますし、制動距離も伸び、スリップしやすくなります。

また、夕方も事故リスクが高いので注意して運転してください。薄暗くなるので見えにくくなり、ライトをつけていない車両を視認できない恐れがあります。

交通事故の発生場所を見ると、半分以上が交差点で起きているといわれています。自動車のほかにもバイクや自転車、歩行者が行き交っているので、細心の注意を払って運転しましょう。

まとめ

①自動車保険の無事故割引は、1年間無事故だった場合に保険料が割引になる制度のこと
②1年間無事故の場合は、等級も上がるので保険料の割引率が大きくなる
③自動車保険には無事故割引以外にもいろいろな割引制度がある
④無事故割引を活用するなら安全運転を心がける

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