日頃どれだけ安全運転を心がけていても、車に乗っている限り事故に遭う可能性は少なからずあります。事故に遭うと怪我だけでなく、車の修理も必要なため「どれぐらいの間、車に乗れないのだろう…」と疑問に思う方もいるでしょう。

結論からいうと、事故車の修理期間は故障パーツごとに異なります。この記事では、事故車の修理期間をパーツごとに紹介していきます。おおよその修理費用も紹介するため、車の修理にかかる期間と出費の目安としてください。

事故車の修理期間は破損部位や範囲で大きく異なる

事故車の修理期間は破損部位や範囲で大きく異なる
事故車の修理期間は破損部分や範囲によって異なります。

例えば、事故車と言ってもバンパーを少し破損した場合とフレームまで曲がった場合では、修理時間が大きく異なります。そのため、まずは「どこが破損しているか」「どのような修理が必要か」を把握した上で台車の手配や保険手続きなどを進めましょう。

なお、事故車は修理期間だけでなく保険手続きや聞き取りの時間もスケジュールに含めましょう。精神的に疲弊している中で多くの手続きがあるため、保険会社や修理業者の指示を受けながら落ち着いて進めていきましょう。

事故車の修理開始までに必要な手続き

事故車の修理開始までに必要な手続き
ここからは、事故車の修理までに必要な手続きを紹介していきます。

事故車は修理する前に、保険会社に連絡をして事故の状況や被害を聞き取りします。修理ももちろん大切ですが、事前に必要な手続きを把握しておき、トラブルなく進めていきましょう。

まずは保険会社に連絡する

事故を起こした後、最初に連絡すべきところは警察や救急車の手配です。まずは怪我人がいれば自分を含め救助を行い、警察の聞き取りに対応します。

事故現場での処理が済んだ後は車の保険会社に連絡をしましょう。保険会社側は連絡を受けて補償の各種手続きを進めます。

事故の詳細を保険会社の担当者に伝える

保険会社に連絡すると事故の詳細の聞き取りが行われます。電話口で説明することもあれば、担当者が来訪して行うこともあります。

事故後すぐに保険会社に連絡するために財布や免許証と一緒に保険会社の連絡先や契約内容が分かるメモを用意しておきましょう。

保険会社によっては免許証ぐらいの大きさで、事故の際のフローを記載したカードを渡しているところもあります。

保険を使う時は聞き取りや写真撮影で時間がかかることもある

車の損害が大きく、保険を使って修理する場合は担当者が来訪し写真撮影や詳細の聞き取りが行われます。

この場合、担当者のスケジュールにあわせて日程を組まれるため、修理までより日数を要します。

写真は修理の金額算出に欠かせない情報のため、省略することは難しいでしょう。なお、しばらく車に乗れない場合は先に代車の手配をしたり、レンタカーを借りたりと手続きが別途必要です。

時期によっては修理開始までに時間がかかる可能性もある

事故が起きた時期によっては処理開始まで日数を要する可能性があります。

例えば、雪の降る地域で冬に事故を起こした場合、スリップ事故や雪の塊にバンパーをぶつけ破損した事故などで修理が立て込んでいる可能性もあります。

また、3月に事故を起こした場合は車検や新車購入の時期と重なって修理が遅れるでしょう。お盆やゴールデンウィークも同様に混み合ったり、板金業者が休みだったりするので修理に日数を要します。

事故を起こした場合、まずどこに連絡しますか?
まずは警察に連絡します。負傷者がいる場合は救急車の手配も行いましょう。事故処理が一段落したら保険会社に連絡します。もし相手がいる事故の場合は相手の保険会社もあわせて確認しておきましょう。

事故車の破損部位ごとに修理期間の平均を紹介!

事故車の破損部位ごとに修理期間の平均を紹介!
ここからは、破損部位ごとに事故車の修理にかかる平均日数や費用の目安を紹介します。

タイヤやホイールなどの軽微な破損の場合は数日程度で修理が完了しますが、ドアやフレーム部分など修理範囲が多岐にわたると数週間~1ヶ月程度の期間が必要になります。

タイヤ・ホイールの修理:1〜2日程度

タイヤのパンクやホイールの破損は、1〜2日程度で修理が可能です。

また、タイヤやホイールの場合、自宅にあるスペアタイヤを使うことも可能です。スペアタイヤを使う場合は自分でタイヤ交換もできるため比較的修理にかかる日数を短縮できるでしょう。

費用相場は数万円〜10万円程度を見込みましょう。

バンパーの修理:2〜4日程度

縁石に乗り上げたり事故の衝撃でバンパーが外れたり破損することもあります。その場合は2〜4日程度の期間を見込みましょう。

ただし、年式が古い車の場合はバンパーの在庫がなかったり中古品を取り寄せたりする必要があるため、より日数がかかります。

費用相場は数万円〜十数万円程度です。

クォーターパネルやドアの交換:5日〜1週間程度

車のドアとボンネットにかかる部分であるクォーターパネルやドアの交換は5日~1週間程度の修理期間を見込みましょう。

これらの修理には溶接や大掛かりな作業が必要なため、修理期間も長くなります。

修理費用としては数万円〜30万円程度を見込みましょう。金額が大きくなる場合は保険の利用も検討しましょう。ただし、保険を使うと一定期間等級が下がり、翌年から保険料が高くなるため注意しましょう。

ガラスの交換やフレーム部分の修理:2週間〜1ヶ月

事故の衝撃が大きく、ガラスが破損したりフレーム部分が歪んでしまった場合、2週間~1ヶ月程度の修理期間が必要です。

ガラスの場合、センサーが付属している商品では高額になったり取り替えに期間を要したりします。

費用相場は10万円程度〜100万円以上と幅があります。フレームがあまりにも歪んでいる場合は修理だけで対応ができず、車の買い替えが必要になります。修理の範囲が広い場合は見積もりを出してもらったタイミングで修理がいいか買い替えがいいかを業者に相談しましょう。

古い車や部品の取り寄せが必要な場合は、より時間がかかるため見積もりが大切

古い車の場合、部品がすでに販売終了になっている可能性があるので新たに中古品を探す必要があります。

また、特殊なパーツを使っている車の場合も同様に修理期間が長くなります。

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事故車の修理期間が長引く原因は3つ

事故車の修理期間が長引く原因は3つ
ここでは、事故車の修理期間が長引く原因を3つ紹介し、必要な対策方法を紹介します。

事故が起こってからだけでなく、事故が起こってしまったことを想定し、日頃から情報収集することが欠かせません。

原因①部品がないため

年式が古い車に乗っている場合、部品が流通しておらず代替品を探したり場合によっては製造したりが必要です。

同じメーカーで他の車種の部品を代用できるケースがありますが、特殊な車の場合はパーツを作るところから始まったり、難しい場合は廃車の可能性もあります。

古い車に乗っている場合は、定期的にネットオークションやパーツの買取店舗で部品を確認したり、購入ルートを確認しておきましょう。

原因②複数の修理が必要なため

事故車の修理は多岐にわたります。パンク修理だけで済むもの、ほぼ全損で多くのパーツを取り替えなければいけないものまで様々です。

足回りとボディ両方の修理が必要な場合やボディもエンジン部分も修理が必要な場合など、複数の修理になれば修理期間が長引きます。

原因③繁忙期や連休と重なるため

繁忙期や連休のタイミングでも修理に時間がかかります。

例えば、修理を依頼する業者が大手で連休中も営業している場合はすぐに修理してもらえますが、個人の修理業者の場合は土日や祝日に休みを取っている可能性もあるでしょう。

普段利用している業者が休みの場合、それに伴って修理日数も延びると考えましょう。

事故を連休中に起こした場合、すぐに修理してもらえますか?
連休中は修理までに時間がかかる可能性が高いです。保険会社の対応が可能だったとしても、修理業者が休みの場合は連休明けに修理開始です。そのため、連休中は車を使わずに過ごしたり、レンタカーを借りたりするなどの対策をとってもよいでしょう。

事故車は修理と廃車どちらがいい?判断基準を紹介

事故車は修理と廃車どちらがいい?判断基準を紹介
ここからは、愛車が事故車となってしまった場合に修理を選ぶべきか、廃車を選ぶべきかの判断基準を紹介します。

大切な車ですが修理費用が高額になる場合は廃車を視野に入れましょう。

ボディが大破している場合

正面衝突やスピードを出した状態でぶつかった事故の場合、ボディが大破している可能性が高いでしょう。

ボディが大破しているとフレームから交換が必要だったり、多くのパーツを取り替えたりするため、修理費用が高額になります。

もちろん保険を使うこともできますが、しばらく等級が下がるためランニングコストが高くなるデメリットがあります。

修理にお金がかかる場合や業者から買い替えを進められた場合は廃車にして車の乗り換えを検討しましょう。

車の年式が古い場合

車の年式が古い場合も事故をきっかけに乗り換えが必要な場合もあります。

メンテナンスを丁寧に行った車は10年や十数年など長く使用可能です。そのため、なかなか買い換えるきっかけがなくて乗っているという方も多いでしょう。

しかし、車の年式が古くなると税金が高くなったり、燃費が悪く維持費がかかったりします。もしも数年以内に車の買い替えを検討している場合は修理を機に、新車や中古車の購入を検討しましょう。

修理に時間とお金がかかる場合

ボディの大破同様、修理に100万円以上かかる場合や1か月以上時間がかかる場合は廃車と乗り換えがおすすめです。

100万円あれば状態の良い中古車を買えるでしょう。また、修理に時間がかかると車を使えない時間が長くなり、不便さを感じたりレンタカーの出費がかさみます。

中古車であれば納車まで1週間程度のものもあるため、お金と時間を少しでも抑えたい場合におすすめです。

事故でつらい思いをした場合

交通事故では車の破損だけでなく、ドライバーや同乗者の精神面でも負担を与えます。

事故にあった車が直ったとしても、車に乗るたびに嫌な気持ちになる場合は廃車を検討しましょう。

警視庁のデータによると、事故に遭った人は突然事故の光景がフラッシュバックしたり、ふとした瞬間に事故について考えてしまったりすると記載されています。

全ての交通事故がトラウマになるわけではありませんし、軽度の接触事故では後遺症の残る可能性も低くなりますが、人によっては事故の思い出がずっと残り、車に乗るたびに嫌な思いをする可能性もあります。

自分や家族が車に乗るたびにストレスを感じる場合は廃車がおすすめです。

事故車を廃車にする基準を教えてください
事故車を廃車にする基準は、「全損した場合」「修理に100万円以上の金額がかかる場合」「事故のことを思い出したくない場合
」などが挙げられます。
修理に高額な費用がかかる場合、新古車や状態の良い中古車を購入する方がお得なケースもあります。また、事故で家族が嫌な思いをしてしまった場合は思い切って乗り換えることも必要になるでしょう。

事故を防ぐために日頃から気をつけたい運転のポイント

事故を防ぐために日頃から気をつけたい運転のポイント
最後に、事故を未然に防ぐために運転のポイントや心がけておきたいことを紹介します。

事故車の修理には、お金も時間もかかるため、できる限り事故を防いで安全なカーライフを送りましょう。

時間にゆとりを持つ

時間にゆとりを持って行動することが事故を防ぎます。

例えば、通勤時間をギリギリに設定し、渋滞や工事に巻き込まれた場合、焦ってスピードを出して事故につながります。

また、旅行先の慣れない道で時間に追われた状態で走るケースにおいても事故を起こす確率が高くなるでしょう。

運転に自信があったとしても常に時間にはゆとりを持って行動しましょう。時間のゆとりが心のゆとりにつながり、歩行者の見逃しを防いだり衝突事故を防止したりします。

「かもしれない」を徹底する

運転免許取得時に教わる「かもしれない運転」を徹底しましょう。

長く運転しているとリスクを予測する機会が減っていきます。しかし、常に「人が飛び出してくるかもしれない」「左折時に後ろから歩行者が歩いてくるかもしれない」など、起こりうる事態を想像しながらの運転が欠かせません。

くれぐれも「多分大丈夫だろう」という「だろう運転」は避けましょう。

スマホを使った運転は厳禁

スマホを使った「ながら運転」も厳禁です。なお、カーナビを操作しながらの運転も禁止されているため注意しましょう。

純正のカーナビの場合、走行中操作ができない商品がほとんどですが、後付けの場合は運転しながらでも操作できるため危険性が高まります。

スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールですが、運転中は使用を控えましょう。またカーナビの使用においても目的地を登録する際は車を停止した状態で入力し、運転中は助手席の人に声かけを行ってもらい、ある程度ルートを把握した上で運転を行いましょう。

「少しくらい大丈夫だろう」という、軽はずみな気持ちが事故を引き起こす可能性もあるため、運転中はスマートフォンをカバンにしまったりマナーモードへの徹底を行いましょう。

気持ちのゆとりが安全運転につながる

事故のきっかけは、ゆとりのなさにあります。時間のゆとりや気持ちのゆとりがないと焦りが生じ、運転もおろそかになってしまいます。

しかし、仕事のストレスや育児の悩みで気持ちにゆとりがなくなることもあるでしょう。仕事でミスをして落ち込んでいたり、子どものワガママに疲れてイライラしていると、つい注意力が散漫になり事故につながります。

自分が心身ともに「疲れているな」「イライラしているな」と感じた場合は運転する際にいつも以上に注意したり、適度に休憩時間を確保したりすることが大切です。

事故を起こしてしまうと車の修理だけでなく、人生そのものに影響を与えることもあります。もしも健康面で気になる場合は車の運転を控えて、公共交通機関を使ったり、徒歩圏内であれば気分転換に歩いてみる方法もよいでしょう。

車は年々技術が進歩しており、快適かつ便利に活用できる交通手段です。しかし、危険性の高い乗り物として今一度理解を深めましょう。

まとめ

①事故車の修理期間における平均日数は故障状況で異なる。
②事故に遭った場合は修理よりも前に保険会社に報告して状況の確認をしてもらう。
③保険会社の聞き取りや写真などの情報を元に修理が進むため必ず連絡しよう。
④修理は繁忙期や連休などで長引く可能性がある。
⑤修理が難しい場合は廃車をして買い替えを検討する方法もある。

※本記事は公開時点の情報になります。
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