徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2017.12.21
【レクサス RX】予算200万円から買える先代RXのベストバイモデルは?
高値が続くレクサスブランドのなかで、先代RXはリーズナブル
2005年、日本で初めてレクサスブランドが展開された。レクサスはもともと北米市場をターゲットとしたトヨタの高級車ブランドで、1989年に海外で誕生している。その当時のモデル展開は、日本におけるトヨタ車のバッジエンジニアリング(バッジをレクサスに変えたもの)で、価格をリーズナブルに抑えながら一流のサービスを提供するというコンセプトだった。そんなレクサスが北米から遅れること16年、ようやく日本でも販売されることになり、話題となったのを覚えているひとも多いだろう。そして、これ以降の新生レクサスは、メルセデスやBMWなど世界のプレミアムブランドに対抗すべく、「トヨタ車のバッジ変え戦略」を止めて、すべてオリジナルのクルマが用意されることになった。デザインフィロソフィーやクルマの品質まで専門部門において徹底管理され、トヨタとは別の新しいブランドとして生まれ変わったのである。
レクサスの魅力は、なんと言っても国産車であること。日本には「メルセデスやBMWがイイのはわかるけど、でも外車でしょ?」と、輸入車に対して、心理的な壁を作ってしまうひとが意外と多い。レクサスは、そんなユーザーの心をガッチリ捕らえ、日本で成功を収めている。だからレクサスの中古車はどれも相場が高めで、多くのモデルはそれなりの購入予算が必要となってくる。しかし、レクサス導入から12年が経ったいま、モデルバリエーションが増えて、ねらい目のクルマもちゃんとある。それが今回紹介する先代RXなのだ。
RXは、レクサスSUVシリーズの中核モデル。同ブランドでは、ほかにNX、LXというふたつのSUVが用意され、NXはいわゆるプレミアムなミッドサイズSUV、LXはランクルと共通のメカを備えるフルサイズSUV、そしてRXはその中間に位置するモデルとなっている。先代RXは、全長が4770mm、全幅1885mm、全高1690mm(前期型のRX350値)と、最近流行りのコンパクトSUVに慣れてしまうと、かなりボリューム感のあるサイズ。でも新生レクサス以降のモデルだけあり、内装の質感は「やっぱり高級車だな」と感じるほどハイレベル。2015年には2代目(日本市場)となり、さらにプレミアム感のあるスタイルに進化したが、それでも先代はまだまだ魅力ある存在。しかも新型登場の影響で、先代がグッとリーズナブルなゾーンに下がっているのは、見逃せない事案だろう。
買いはハイブリッド? グレード別に見る先代RXの相場動向
2009年1月、先代RXは3.5L V6エンジンを搭載した「RX350」で販売をスタートした。同年4月には3.5L V6エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド仕様「RX450h」が登場。そして、2010年には2.7L 直4を搭載するエントリーグレード「RX270」がラインアップに加わり、現行型が登場するまで、この3モデル構成となっている。そして、各モデルに上級装備を与えた「バージョンL」やスポーティな「バージョンS」などが設定される。それを踏まえ、エンジン別の中古車平均価格をチェックしてみよう。
グレード | 中古車平均価格 |
●RX270 | 293万円 |
●RX350 | 256万円 |
●RX450h | 304万円 |
もっとも価格が低いのは、中間グレードの「RX350」で、256万円。しかし、ここで注目したいのはハイブリッドの「RX450h」だ。こちらは新車時価格が570万円~650万円(2009年4月時点)と、「RX350」と比べても100万円以上高いモデルである。だから値落ちの幅はハイブリッドのほうが大きく、お買い得感のある選択肢となっている。さらに注目したいのが物件数。もっとも少ないのが意外にも「RX350」で、それよりも少し多いのが「RX270」なのに対し、最上級モデルの「RX450h」はこれらの7倍ほど物件が流通している。だから、先代RXを買うならハイブリッドに注目できるのだ。
ハイブリッドは中古車平均価格がちょっと高めなのが気になるところだが、全体のボリュームが多い分、価格が下限の物件も多い。走行距離が5万~8万kmになるが、100万円台後半の物件もそれなりに流通している。250万円の予算があれば、さらにゆとりをもったクルマ探しができるはずだ。
ちなみに、バージョン別の物件数を調べてみると、セミアニリン本革シートを標準装備する「バージョンL」が8割近くを占めている。専用サスのスポーティ仕様「バージョンS」は探すのが難しいことも留意しておこう。
前期型と後期型、どちらがお買い得?
2009年から2015年までのモデルライフのなかで、とくに大きな変化があったのは2012年4月。このタイミングでマイナーチェンジが行われた。もっとも注目したいのが、デザインのリニューアル。レクサスは現行型GS以降、押し出し感のあるスピンドルグリルというデザインを導入し、RXもこれに準じた改良が施された。また「バージョンS」が廃止され、新たに「Fスポーツ」を設定。そのほかナビゲーションシステムが一新され、パソコンのマウスのような操作感の第2世代リモートタッチが導入されたこともトピック。先代RX購入の上で、前期型と後期型でどれほど価格差があるのか気になるところだが、まずは年式別の中古車平均価格を見てみよう。
年式 | 中古車平均価格 |
2009年 | 233万円 |
2010年式 | 240万円 |
2011年式 | 253万円 |
2012年式 | 321万円 |
2013年式 | 345万円 |
2014年式 | 383万円 |
2015年式 | 370万円 |
上のデータをみると、マイナーチェンジ前後の相場に70万円近い開きがあるのがわかる。現行型レクサスはすべてスピンドルグリルが導入されているため、それ以前のモデルはやや古く見えてしまうのは否めなく、その動向が中古車市場にもきちんと反映されているようだ。後期型に絞ると最低でも250万円~300万円程度の予算が必要となるので、お買い得感はあまり高くない。メカニズム面では前期型と後期型に大きな差がないことを考えたら、低走行でコンディションのよい前期型はオススメできる。ちなみに、物件数は両者とも十分に流通している。
レクサスSUVの相場を総ざらいチェック!
ひとクラス下のNXと比べても、先代RXの安さが際立っている。トヨタ ハリアーの現行モデルと比べると同程度の相場。また先代RXと現行RX同士を比較すると、相場が倍ほど違うことにも驚きだ。プレミアムブランドは世代交代すると従来モデルは大きく値崩れすることが多いが、今回紹介したRXはそうした傾向が強く出ているようだ。一方、フラッグシップのLXは、デビューが2015年9月とまだ新しいモデルのため、平均価格が1108万円と超高値。2017年11月現在の新車価格(LX570)が1115万円だから、ほぼ同額となっている。このようなモデルも、5年後、10年後にどのような相場の推移をたどるのか興味深いところでもある。
まとめると、全体的に高値傾向のレクサスブランドのなかで、先代RXは価格が下がってお買い得ゾーンに入っている。価格重視なら「RX350」だが、環境性能と動力性能を高い次元で両立する「RX450h」は、コストパフォーマンスを考えるとベストバイと言えるだろう。