新型車比較・ライバル車対決
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2017.11.30

ハリアーハイブリッド vs NX300h

  • TOYOTA ハリアーハイブリッド

    ●価格帯:377万4600~495万3960円
    ●販売店:トヨペット店

  • LEXUS NX300h

    ●価格帯:504万~596万円
    ●販売店:レクサス店

同じプラットフォームでも、その味付けは大きく異なる

 トヨタとレクサス、ブランドだけでなくクルマ作りでも差別化を行うが、実際はパワートレーンやプラットフォームなど基本コンポーネントを共用する例は多い。その代表的な例が顕著なのがトヨタ ハリアーとレクサス NXだ。
 NXはレクサスブランドSUVの末っ子として素直に登場したのに対して、現行モデルの3代目ハリアーは紆余曲折の生まれである。そもそも初代/2代目ハリアーはレクサスRXの日本仕様だったのだが、レクサスブランド日本導入により消滅の運命をたどる予定だった。しかし、トヨタの販売店から「ハリアーを無くさないでほしい」という熱烈なリクエストに、日本専用モデルとして復活を遂げた。
 ボディサイズはハリアーが全長4725mm×全幅1835mm×全高1690mm、NXが全長4640mm×全幅1845mm×全高1645mmとほぼ同じでホイールベースは共通の2660mm。デザインはハリアーが歴代モデルのイメージを踏襲しながらもSUV版のクラウンと言ったイメージだが、NXはレクサスファミリー共通の、かなりスポーティな性格が与えられRXとは趣が異なる。
 インテリアは前後の居住性はほぼ同じだが、ハリアーがタッチパネルのナビゲーションを中心としたオーソドックスで解放感があるのに対し、NXはナビゲーションを独立させリモートタッチで操作する方式でかなり凝ったデザイン。素材の使い方などはNXのほうが上だがハリアーも決して負けていない。着座姿勢やシートの座り心地も似ているようで違うのだ。
 走りの部分は、どちらも基本コンポーネントを海外専売モデルである4代目トヨタRAV4がベース。だが、レクサスNXはレーザースクリューウェルディングや構造用接着剤などによりボディ剛性が更に引き上げられている。
 サスペンションはどちらもフロント・ストラット/リア・ダブルウィッシュボーンを採用するが、ハリアーはコンベンショナルタイプながらもFSD(振動数感応式)ダンパー採用に対し、NXは電子制御ダンパーを採用。ちなみにハリアーはGRカンパニーがプロデュースしたスポーツコンバージョンモデル「GRスポーツ」もラインナップされる。パワートレーンはどちらも2.0Lターボと2.5Lのハイブリッドだが、ハリアーのみ2.0L NAを設定。駆動方式はFFと電子制御4WDを用意(ハリアーハイブリッドは4WDのみ)。

【CHECK! 装備内容】 プレミアム度対決 ~同じトヨタで質感の差はいかに!?~

質感で言えばNXが圧倒! ただしハリアーも必要十分だ

 どちらもフル装備だが比べてみるとNXのほうが充実している。例えばNXにあってハリアーにない装備はパドルシフト、ステアリングヒーター、後席シートヒーター、後席電動可倒など。素材もNXは本革/木目に対しハリアーは合皮/木目調、オーディオはハリアーが「JBL」に対してNXが「マークレビンソン」と差はある。ただし、安全装備はハリアーが「トヨタセーフティセンスP」、NXが「レクサスセーフティシステム+」を採用し、プリクラッシュブレーキやACC、アダプティブハイビームなど内容は同じである。

  • ハリアーハイブリッド

    ハリアー/機能的にまとめられたインパネ周り。デザインに遊びは無いが質感は十分。

  • NX300h

    NX/デザイン性に富んだインパネは質感も高いが、好みは分かれるだろう。

ハリアーハイブリッド

ハリアーは’17年6月のMCで「Toyota Safety Sense P」が全車標準となり、先進安全装備面でNXと互角となった。

【先進安全装備比較】
 ハリアー、NX共にひと通りの機能は備わるが、「Lexus Safety System+」搭載のNXがオプション含め機能は充実。ただし、単眼カメラ&ミリ波レーダー併用の「Toyota Safety Sense P」搭載のハリアーも必要十分な機能が備わる。このあたりは設計年次の差もあるのだろう。

【CHECK! 装備内容】 判定=NX300hが「買い!」

【CHECK! コストパフォーマンス】 お値打ち対決 ~価格差分の違いはあるか?~

快適装備はハリアーでも十分、NXはさらに贅沢!

 ハリアーとNXを多角度から比べてみると確かに様々な部分に差はあるが、「約100万円の差はあるか?」と言うと、正直言ってそこまでの差はないだろう。そういう意味では装備や走りなどを含めたコストパフォーマンスはハリアーのほうが優れているが、プレミアムSUVはそこだけで判断してはダメ。やはり目に見えない部分や本物感など数値に現れない部分も重要となるが、そういう意味ではNXは高くても仕方ないな……とも思う。ただ、NXは欧州勢と戦う必要があるので、もう少し頑張ってほしいのも本音だ。

価格差の大きな要因 ~ナビの有無~

  • ハリアーハイブリッド

     ハリアーはナビレス仕様となるものの、自分好みの社外品ナビを選択できる点は見逃せない。

  • NX300h

    NXは10.3インチワイド画面の最新鋭ナビが標準となりメーター内の画面と連動、使い勝手に優れるものの、ナビレスはオプションでも選べない。

【CHECK! コストパフォーマンス】 判定=ハリアーハイブリッドが「買い!」

【CHECK! ドライバビリティ】 運転快適性対決 ~同じパワトレで走りは違う?~

価格の高いNXが優位! ただしハリアーでも十分

 基本コンポーネントは同じだが、実際に乗ってみると乗り味は異なる。走りの考え方はハリアーが日本の道路環境で日本人が好む物で、比較的快適性を重視したセットアップ。NXは走りを重視した世界統一スペック。SUVを感じさせない正確性を重視したスポーティなセットアップだ。NXは更にスポーティな味付けの「Fスポーツ」も用意する。しかし、ハリアーはマイナーチェンジで追加されたターボやGRスポーツなどスポーツイメージを高めており、特にGRスポーツの走りはNXに負けず劣らずの仕上がりとなっている。

ホイールサイズは共に17~18インチを標準とする。デザインはハリアー(左)が精巧さと上品さを醸し出す一方、NX(右)はアグレッシブかつスポーティな印象だ。

NXは随所に “スポーティ感”満載!

  • NX300h

    パドルシフト付きステアリング

  • NX300h

    大型の走行モードセレクトスイッチ

【パワトレは同じ】
 パワートレーンについては全く同じであるが、JC08モード燃費はハリアーが若干優位。車両重量は快適装備が豊富なNXがやや重い傾向。ただし、両車とも数値ではほぼ差が無いと言っていいだろう。ただし、4WDしか用意されないハリアーに対し、NXはFFモデルも選択できるのはポイント。ハリアーもFFが設定されれば、より価格が抑えられて優位性が高まるだろう。

【CHECK! ドライバビリティ】 判定=ハリアーハイブリッドが「買い!」

【結論】日本で乗るのであればハリアーハイブリッド!

 価格と性能/装備のバランスを考えると、今回はハリアーに軍配を上げたい。マイナーチェンジで2.0Lターボモデルやスポーツコンバージョンモデル「GRスポーツ」が追加されスポーティイメージを引き上げているが、ハリアーのキャラクターに合っているのはやはりハイブリッドだろう。お勧めグレードはJBLオーディオ付ナビやパノラミックモニター、インテリジェントクリアランスソナーなどが装備される最上級の「プログレス」だが、純正ナビゲーションにこだわらない人なら「プレミアム」でも良いだろう。

icon 【これが「買い!」】 TOYOTA ハリアーハイブリッド プログレス

TOYOTA ハリアーハイブリッド プログレス 460万4040円

ハリアーハイブリッド プログレス=460万4040円

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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