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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
システム出力345馬力完全体感! レクサスGSその走り未体験領域!!
やっとGS450hの衝撃をお伝えできるときがきた!!
夏にデビューするレクサスのフラッグシップLSにも追ってハイブリッドモデルが登場
【本記事は2006年4月にベストカーに掲載された記事となります。】●やっとGS450hの衝撃をお伝えできるときがきた!!4.5L級のパワーを秘め、10・15モード燃費は2L並みの14.2km/Lを誇る世界初のFRハイブリッド、レクサスGS450hが3月16日に登場するが、その走りはいったいどんなものか!? これまでにもいろいろと「うわさ話」的にGS450hの走りについて伝えられており、熱心なベストカー読者ならばまさに興味津々といったところだろう。実はワシ、富士スピードウェイで量産モデルに限りなく近いプロトモデルに試乗しているのであった。やっとそのときのインプレを公表できるときがきた。これまでその衝撃の体験を誰かに言いたくてウズウズしていたのだが、トヨタのとの約束でそれはできなかった。読者の皆様、ごめんなさい。その時はGS450hと同時にGS350、GS430にも試乗しているので違いをハッキリと体感することができた。比較車を用意するということは、トヨタも動力性能、運動性能に大いなる自信があるということ。さっそくその未知の走りをレポートしよう。
停車時はプリウスやハリアーハイブリッドと同じ感覚
●停車時はプリウスやハリアーハイブリッドと同じ感覚外観は一見して普通のGSそのもの。ホイールデザインはハイブリッド専用となるが、それ以外はリアのエンブレムがそれをさりげなく主張するだけ。
タコメーターがない
タコメーターはなく、速度計の左にはシステム出力をあらわすパワーメーターが装着されるのがハイブリッドカーらしい部分だ
こいつがハイブリッドであることを実感するのはコクピットに座ってメーターを見た時だ。タコメーターがない。そのかわり、下からチャージ、エコ、パワーとゾーン表示された半円メーター(ハイブリッドシステムインジケーター)が付き、スピードメーター下にエネルギーモニターが出る。だが、速度計はアナログタイプだし、3眼独立タイプのメーターパネルなど、パッと見た印象は、普通のガソリンエンジン車のインパネと大きく印象は変わらず、いかにもハイブリッドです、といったプリウスのメーターに比べればずっとさりげないデザインだ。
ジェントルさはさすがにレクサス
ハイブリッドカーならではのパワーモニターがナビ画面に表示される。一番上はメーター内のシステム状況を示すパワーメーターである
それではと、エンジンオン。この時、バッテリーがある程度充電されていればエンジンはスタンバイ状態となり回らないが、充電量が少ないと回り出す。ワシが乗った時はスタンバイ状態だったのでエンジンは停止したまま。このあたりはプリウスなどと同じ。そして発進時はモーターのみ。そこでアクセルを踏み込み、ある程度車速が上がるとエンジンも始動する、といった具合で、このあたりの動きはプリウスやハリアーハイブリッドと変わらない。エンジン始動時のショックはほとんどなく、モーター音にエンジン音が加わったことでそれとなく気がつく。このあたりのスムーズさ、ジェントルさはさすがにレクサスのハイブリッドといった感じだ。
ベンツS500とタメ張れる猛烈なスタートダッシュ!!
GS450hの0→100km/h加速は5秒6。ベンツS500が5秒4でほぼ同タイムだが、加速フィールはまったくベツモノといった感じ
●ベンツS500とタメ張れる猛烈なスタートダッシュ!!加速は、とにかく強力そのものだ。特に発進や低速からの加速がすばらしい。ちなみにアクセル全開で発進すると、ため込んだモーターパワーを一気にリリースして滑走路を離陸するジェット機のごとし。エンジンとモーターのパワーがフルに発揮される100km/hあたりの加速力は、ベンツS500よりも強烈に感じた。いや、それどころかV12のS600といい勝負なのではなかろうか!? それほど強烈だ。基本システムはプリウスやハリアーハイブリッドに採用されるハイブリッドシステム=THS II。動力分割機構を使ったミッションは無段変速だから、息つきのないシームレスな加速がいつまでも続くのである。0~100km/h加速5.6秒と発表されているが、これは5Lクラスのサルーンと同じレベルで強力そのもの。シートバックに押さえつけられる加速Gの強さからしてこの加速タイムは本物だ。ちなみに「もの凄い加速」と日産広報マンが言うフーガ450GTの0~100km/hは6秒20、レジェンドは7秒12、ベンツS500が5秒4。タイム的にはベンツS500に0.2秒負けてしまっているが、エンジンのみのベンツS500は80km/hあたりからグイグイ伸びてくる感じ。対してモーターが強力にアシストするGS4540hはスタートの瞬間から“グイッ”と出る。80km/hあたりまでならGS450hが先行するのではなかろうか!? コースがサーキットとあって、フルにパワーチェックできたが、モーターによるアシストパワーは高速域でもけっこう発揮されており、すばらしいスピードの伸びをみせてくれた。低速域ほど加速Gが強いのはエンジン+モーターならではの加速フィールだが、GS450hの場合はトップエンドまで加速Gの落ち込みがこれまでのハイブリッドと比べると格段に少ない。これはモーターに“2段変速リダクション機構”(→つまり、ローとハイの2段変速ギア)を持ったGS450hならではの特徴といえるだろう。100km/hを超えると、通常モーターのアシスト力は弱まってくるのだが、ここでモーター用リダクションギアがハイギアに切り替わり、アシスト力を維持する。エンジンとモーターを加えたシステムパワーはなんと345ps。まさに4.5L級のパワースペックで、これが中高速域での加速やトップスピードの伸びの高さをいかんなく発揮。富士スピードウェイの長いストレートを全開で走らせた時のトップスピードは軽く250km/hをマークしてリミッター作動。恐るべき動力性能である。
スポーツドライビングを楽しむハイブリッド
THS IIは無段変速だが、GS450hではシーケンシャルマニュアルモードで6速AT的に操作することもできる。スポーティなドライビングが楽しくなる
●スポーツドライビングを楽しむハイブリッドミッションはDレンジのほかに6速シーケンシャルモードもある。これはSレンジに入れてレバーを前後に動かせばOK。プリウスやハリアーハイブリッドにはなかったメカで、GS450hはこの点でもスポーティなドライビングが味わえてしまうのだ。この6速は、本来無段階変速のシステムに、擬似的に段数を設定したもので、一般的な6速ATのギアレシオに近い設定にしているという。さらにノーマルモード、パワーモード、スノーモードと3つのセレクトモードもある。センターコンソール下部のスイッチで操作でき、これもGS450hが並みのエコカーでない証しである。減速時やフットブレーキ使用時には回生ブレーキで充電するが、その時の違和感のない自然な減速フィールは、これまでのトヨタハイブリッドカーのなかでも一番。
燃費は14.2km/L!! ハンドリングもチェック
エンジンはV6,3.5Lで最高出力296馬力、最大トルク37.5kgmを発揮する。プリウスのように効率重視のアトキンソンサイクルエンジンではなく、通常の燃焼サイクルのエンジンのままである。GS350よりパワーダウンしているのは、ハイブリッドシステムとのマッチングーのため。これに200馬力を発揮するモーターが組み合わされ、システム出力は345馬力を発揮する!! 10・15モード燃費は14.2km/Lで、2Lミニバンなみ
●燃費は14.2km/L!! ハンドリングもチェックエンジンはGS350の2GR-FSEがベースで296ps/37.5kgmのスペック。GS350は最高出力315馬力、最大トルク38.4kgmなので、GS450h用エンジンはややデチューンしているが、エンジンそのものの実力もかなり高い。スペックがダウンしている理由はハイブリッドシステムの特性に合わせたバルブタイミングなどのチューンとしているため。プリウス用のエンジンみたいな、アトキンソンサイクルを採用するなどといったものではなく、基本的に“ハイパワー指向”のエンジンである。エンジン単体でも3.5Lエンジンとしては充分すぎるパワーを発揮しているのだ。このエンジンに最高出力200psと0~3840回転で28.0kgmを発生する強力なモーターが組み合わされるのだから、GS450hのパワフルぶりをご想像頂けるだろう。これだけのパフォーマンスを発揮しながら、10・15モード燃費は14.2km/Lをマーク。ベンツS500は6.7km/Lだぞ。14.2km/Lといえば150馬力程度の2Lミニバンなみの燃費だ。お見事!!
レベルの高い操安性能
GS450hは5L級の動力性能を見せつけながら、10・15モード燃費は14.2km/Lと2~2.5L級。これはハイブリッドでなければ絶対に実現することはできないものである。ドライブフィールは大排気量NAともターボとも異なりまったく新しい
操安性能もレベルはかなり高い。GS430に比べ、190kgほど重い車重と、同じ18インチの245/40サイズのランフラットタイヤを履くハンディで、サーキットではコーナリングやブレーキング時にパフォーマンスの差をみせたのは確か。しかし、公道におけるスポーティな走りを想定すると不満はなさそう。ハンドリングは予想以上の軽快さをみせてくれた。直進安定性もサルーンにふさわしい、ドッシリとした安定感の高さだ。しかし、レクサスGSにふさわしい乗り味かというと、イマイチと言わざるを得ない。ランフラットタイヤのせいか、ゴツゴツ感のある乗り心地はやや気になるし、反応はけっこうシャープながら手応え感の薄いステアリングフィールもいまいち。ハイパワー高級サルーンらしい、上質な乗り味とは言い難いのが正直なところ。とはいえ、GS450hのハイブリッドによる走りはすばらしかった。5Lサルーン並みのパワーがアベレージの低い日常走行でより発揮してくれるのはモーターをプラスしたハイブリッドならではの魅力だし、中高速域においても衰えの少ないハイパフォーマンスぶりにはハイブリッド技術の進化のスピードを感じさせる。ここまで進化すると心地いいサウンドのチューニングを望みたくなるもの。モーター走行時の静かさは人通りの多い道路で存在感をなくし、危険なクルマになりうるのも事実。その意味でも、サウンドの演出はある程度必要なことだと思う。未知の走りがテンコ盛りのGS450h、デビューがもうすぐだ。公道で乗れば、より新鮮かつパワフルな走りが味わえると思う、待ち遠しいぞ!!
0→100km/h 5.6秒とはどんな世界なの?
エンジンはバルブタイミングの変更により、若干パワーダウンしている
0→100km/h 5.6秒とはどんな世界なの?メーカーから発表されたGS450hの0→100km/h加速タイムは5秒6というもの。果たしてこの数字、どれほどのモノなのだろうか!?比較対象としてわかりやすいのがベンツと500。こちらのゼロヒャク、メーカー発表値は5秒4でほぼ同タイムなのでした。いや、これってもの凄いですよ。怒濤の加速という感じ。ちなみにIS350は6秒0、フーガ450GTは6秒20なので、GS450hの動力性能が5L級というのはまさにドンピシャなのだ。同じハイブリッドで怒濤の加速に度肝を抜かれたハリアーハイブリッドのゼロヒャクは7秒22でありました。GS450hの実力をおわかりいただけましたか!?
3.5L、V6+モーターの秘密と、14.2km/Lの凄さとは?
モーターは起動と同時に最大トルクの28.0kgmを発揮するのだ
3.5L、V6+モーターの秘密と、14.2km/Lの凄さとは?GS450hに搭載されるエンジンはV6、3.5Lで最高出力296馬力、最大トルク37.5m。GS350に搭載されるエンジンは315馬力、38.4kgmなので、若干のスペックダウンとなっているが、これはハイブリッドシステム用にエンジンの始動、停止時のスムーズさを追求したことでバルブタイミングが変更されたため。アトキンソンサイクルを採用しているわけではない。組み合わされるモーターは最高出力200馬力、最大トルク28.0kgmを発揮。パワーコントロールユニットにより288Vのバッテリーは650Vにまで昇圧されモーターは駆動され、モーターとエンジンで発揮されるシステム出力は345馬力!! モーターには2段変速のリダクションギアが組み合わされており、高速時にも強力なモーターアシストが得られるようになっている。トランスミッションはモーター、動力分割機構、ジェネレーターなどで構成され、無段変速機として機能するのだが、GS450hでは6段に区切ってシーケンシャルモードでマニュアル的に扱うことができるのがポイント。Dレンジではシームレスな加速を味わえ、スポーティな走りではマニュアルモードが威力を発揮する。