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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

スズキ SX4はオンもオフも大得意!! SUV&スポコン際立つ2つの個性 スイフトスポーツよりスポーティエスクード並みにSUVなSX4

コンパクトカー市場に革命を起こす

【本記事は2006年8月にベストカーに掲載された記事となります。】日本にいるとあまり意識しないけれど、北米では、“クロスオーバー”と呼ばれるジャンルのクルマが流行っている。で、新しいスズキのSX4だが、メーカーではこれを「コンパクトカー市場に革命を起こす」クロスオーバー・レボリューションと謳っている。

3月に欧州でデビュー、今回日本市場へのリリースとなる

フィアットのセディッチ。フロントマスクなどデザインの一部がSX4と違うが、生産はスズキのハンガリー工場となる

フィアットのセディッチ。フロントマスクなどデザインの一部がSX4と違うが、生産はスズキのハンガリー工場となる

そういえば、コンパクトカークラスではまだクロスオーバーの決定版といえるクルマは出ていない。このSX4は3月に欧州でデビュー(ハンガリー工場で生産)を飾ったのを皮切りに、今回の日本市場へのリリース(こちらはすべて日本国内での生産)、秋には北米市場への上陸と、迅速なグローバル展開を目指している。さらにフィアットブランドの「セディチ」も用意されており、これはスズキのハンガリー工場で生産されるOEM。意外に「目のつけドコロは悪くないかも?」というのが、SX4初対面の印象だ。

SUVテイストを演出した1.5XGを用意

SX4のベースとなっているのはスイフトである。しっかりしたボディ、シャシーの作り込みを実感できる、しなやかで安定感のある走行性能。SUVタイプの1.5XGは、タウンユースでも使いやすいサイズ感だ

SX4のベースとなっているのはスイフトである。しっかりしたボディ、シャシーの作り込みを実感できる、しなやかで安定感のある走行性能。SUVタイプの1.5XGは、タウンユースでも使いやすいサイズ感だ

ただし、日本市場ではそもそもSUV人気がブレイク一歩手前という状況でとどまっているため、SX4をうまく軌道に載せるにはひとヒネリが必要となる。そのため日本市場ではスッキリした外観でSUV色を排したバリエーションが主力となる。そしてスパイスとして樹脂製オーバーフェンダーやルーフレールなどでSUVテイストを演出したバリエーション、1.5XGというグレードが用意される。個人的にはデザイン上もこのSUVバージョンが好ましいと思ったが、現状ではコチラはこの1.5XGのみという設定(秋に2.0XSが加わる予定)。“素”のSX4もユーティリティコンパクトとしてグッドデザインだと思うが、SUVバージョンはさらにメリハリがあって活発なイメージ。もうちょっとこちらに力点をおいてもいいんじゃないかと思える。

SUVとしての実力をラッシュ/ビーゴと比べると!?

VSラッシュ/ビーゴ

VSラッシュ/ビーゴ

・SUVとしての実力をラッシュ/ビーゴと比べると!?今回の試乗会に用意されていたバリエーションは、SUVタイプの1.5XGの2WDとスポーツタイプの2.0Sの4WDの2種類だった(本当は1.5XGは4WD、2.0SはFFに乗りたかった)。まず1.5XGについてだが、当然ながらベースとなったスイフトの延長上にある乗り味。わりとビビッドな外観のわりには操安や乗り心地は実用性をよく考えたチューンで、子供連れのお母さんが街中の足として使ってもぜんぜん問題ないコンパクト実用車に仕上がっている点を高く評価したい。1.5LのM15A型は110ps/14.6kgmとスイフトとまったく同スペックで、4速ATも同じ。ただし、150kgほど重くなった車重に対して、最終減速比が4.144→4.375へローギアリング化される。ドライバビリティは6%ほどローギア化されたことで相殺されてスイフトとほとんど変わらぬ活発な走りと評価していい。1.5Lで110psというのは意外にパワフルで、全開で加速していくとコンパクトカーとしては充分に俊足の部類。そういう意味では走りはけっこうスポーティといってもいい。また、スイフトより重くなった車重は乗り心地の重厚感にプラスとして表われていて、コンパクトカーとしては乗り心地がしっとりとしていい感じ。これはスイフトでも評価されていた部分だが、ぽんぽこ跳ね気味の「軽っぽい」乗り心地ではなく、粘っこい欧州車テイストのロードホールディング感覚が活きているのが好ましい。試乗車はFFだったが、ラインアップにはもちろん4WDも用意されており、こちらなら、175mmの最低地上高という余裕を活かして、キャンプ場に向かうちょっとした林道の脇道程度だったら躊躇なく踏み込んでいける安心感がある。乗用車では入っていけないエリアにグイグイと足を踏み入れられるのは、SUVならではの強みといえよう。とはいえこの4WD、電子制御トルクスプリットタイプで、通常は後輪への駆動力をほぼ100%カットする2WDモードで走り、雪や雨などの低μ路ではクルマ側が全部面倒を見てくれるオートモードに切り換えましょうというのがオススメの使い方だ(スタック脱出などのためのロックモードも用意されるがこれは緊急脱出用と考えるべき)。あくまでもクロスオーバーというコンセプトゆえ、本格的な悪路をガシガシ踏破するといった使い方までは想定されておらず、純粋に悪路性能といった点では最低地上高が200mmと高く、本格的なフルタイム4WDを備えるラッシュ/ビーゴにはかなわない。しかし、オンロードの操安性はSX4が一歩もニ歩もリードしている。スズキとしても本格SUVならエスクードがありますよ、ということになるわけだ。

コンパクトスポーツとしての性能は!?

VSスイフトスポーツ

VSスイフトスポーツ

・コンパクトスポーツとしての性能は!?いっぽう、2.0Sのほうはエスクード用のJ20A型を搭載。試乗車は電制カップリングによるオンデマンド4WD仕様が用意される。まず2Lエンジンだが、145ps/19.7kgmとパワフルなんだけど、回転フィールがやや粗い。1.5Lならなんのストレスもなくリミットまで回し切れるが、2Lだとちょっと手前で右足が緩む感じ。もちろん、豊かなトルクを活かしてそんなに回さずとも充分なドライバビリティは確保されているのだが、パワフルなこと以外「上級モデルならではの上質さ」みたいなものが希薄、積極的に2Lを選びたくなる動機付けが訴求できていない。スポーツハッチの走りを本格的に楽しみたいなら、1.6Lで145馬力、キンキン走るスイフトスポーツのほうがおもしろい。SX4の2.0Sはあくまでも余裕を持った走りのなかのスポーティさ、といった感覚だ。

SX4は使い方、好みに応じていろいろ選べる魅力!!

写真左、水色のボディカラーのSX4がスポーツコンパクトタイプの2.0S。他のグレードに対して15mmローダウンされており、最低地上高は160mm、全高は1570mmとなる。写真右のオレンジのSX4がSUVイメージの1.5XG。最低地上高175mmで全高はルーフレールが付いていることもあり1605mmとなる

写真左、水色のボディカラーのSX4がスポーツコンパクトタイプの2.0S。他のグレードに対して15mmローダウンされており、最低地上高は160mm、全高は1570mmとなる。写真右のオレンジのSX4がSUVイメージの1.5XG。最低地上高175mmで全高はルーフレールが付いていることもあり1605mmとなる

・SX4は使い方、好みに応じていろいろ選べる魅力!!結論として、SX4は150万円から手に入るお手軽なコンパクト5ドアHBであるというのが基本で、このベーシックな部分がよくできている点を高く評価したい。このよくできたベース車に、予算に応じて4WDを選ぶもよし、SUVライクな外観を付け加えるもよし。トップエンドではパワフルな2LのFF、さらにはオンロード志向の4WDまで選ぶことができるという、選択肢の広さが魅力となっている。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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