面白きクルマは輸入車にこそアリ！ジャガーXF　いまや元気なのは国産よりも輸入車なのだゾ！

【本記事は2009年8月にベストカーに掲載された記事となります。】ジャガーのアッパーミドルクラスセダンに当たるXFが新開発エンジンを搭載した3グレードのモデルを発売した。エンジンは従来の4.2L、V8のNA、スーパーチャージャーともに5Rに拡大。グレードは5Lのプレミアムラグジュアリーに、さらにラグジュアリーなポートフォリオを追加、スーパーチャージャー付きはXFRとなった。

経営に苦しむフォードから、新興インドの波に乗るタタの傘下となって動向が危ぶまれたが、聞けば豊富な資金と自由なクルマ作りが可能となったようだ。近年名門が消えてゆく状況にあって、まずはひと安心。

さて、ボンネットにルーバーが、またバンパーにアンダーグリルが加えられたXFRは優雅なボディに精悍さが備わる。セミバケット仕立てのシートに体を預けてセレクターをDレンジへ回し、スロットルペダルを踏むやいなやエンジンはすばやく反応し、滑らかに突き進む。以前の4.2Lに比べレスポンスの鋭さとトルクの太さが明らかに違う。シャシーは当然固めだが、アダプティブダンパー組み込みのフットワークはシナヤカさを失わず乗り味は快適。セダンながらハシリのための中枢はXKRから移植されたも同然で、ネームの「R」にナットク。

いっぽうのNAのV8は、太いトルクがフラットに愉しめるのが魅力。また、スーパーチャージャーのレスポンスが鋭いとはいえ街中での小技やタイトなワインディングの立ち上がりにはわずかながらラグが感じられるのに対し、NAの滑らかなレスポンスは使いやすい。絶対的なパワーが恩恵となるようなハシリがメッタにない状況ではノーマルで、いやノーマルがベターに思われた。

パワーを筆頭としたハシリというとBMWのM5やAMGのE63、あるいはアウディS6やレクサスLSなど少なからずあるが、モータースポーツ用ならいざ知らず、上質な高性能セダンを愉しむには新たなXFの魅力は高いようだ。

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