新車値引き情報
更新日:2020.01.24 / 掲載日:2020.01.24

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

見よ! 愛読歴20年の集大成! 聞け! 営業殺しの応酬話法!! 知れ!「リアル」限界値引き!!!

【プロローグ】 現在の愛車は平成26年式のセレナ・ハイウェイスター。新車で購入してから6年目に入っていますが、走行距離は3万8000kmで、まだまだ元気。半年前に「あと2年は乗る」つもりで、車検を通しています。
 ところが、ある日「中古車市場ではセレナ・ハイウェイスターが高値で取引されている。とくに、ボディカラーはブラックが人気で、特別仕様車クロスパッケージも割高になる」との情報を入手しました。
 まさに私のセレナがドンピシャ! といっても、スライドドアとフロントバンパーに目立つキズがあるしなあ……。「走行距離が少ない」「車検が1年半も残っている」などをプラスにみても、厳しく査定すれば130~140万円、あまくしてもらっても150万円が精一杯じゃないだろうか……。
 ともあれ、試しに近所の買い取り専門店(大手のチェーン店)に見せると、
「ぜひ売ってください! 今月中に引き渡してくれれば162万円で買い取ります!」
 6年半も乗ったセレナの値段が、なんと160万円超! 正直、びっくりです。
 この値を聞いた途端に「買い替えちゃおうかな!」との欲望がふつふつと湧き上がってきました。正直、こうなったら、もう歯止めが効きません(笑)。
 勢いにまかせて20年間愛読している月刊自家用車のX氏に名乗りをあげたら、見事に採用!一気に新車購入と相成ったわけであります。

【交渉1日目】 本命はセレナだが、まずはライバルのノアからスタート。応対してくれたのは40代前半と思しきセールス氏。とても感じのいい人で、ひとしきり、若い頃のトヨタ車の話に花が咲く。打ち解けた雰囲気になったところで、本題に。
セ「今日、お乗りになったセレナは下取りに出しますか?」
X「いや、買い取り専門店で高値が付きそうなので、下取りなしでいこうと思っています」
セ「おっしゃる通りです。うちの査定より買い取り専門店のほうが高値になると思います」
 ターゲットの特別仕様車W×Bはエアロパーツが標準装備で、タイヤもインチアップしてあるのが魅力だ。提示してきた条件は車両本体と付属品(約32万円)からいきなり30万円引き。
セ「ほかにはどんなクルマをお考えですか?」
X「セレナやヴォクシーですね」
セ「決めていただけるなら40万円引きまではいけますよ」
 このセールス氏、駆け引きしないタイプのようだ。大いに好感が持てる。雑談で気持ちをほぐしたのが功を奏したかも?(笑)
 お次はヴォクシー。
 相手は20歳代のセールス氏。経験不足のせいか、こちらが質問に対して的確な回答が返ってこない。売り込みの熱意も感じられない。
 やはりセールスマンは覇気がないとねえ……提示してきた値引き条件も「20万円」と覇気が感じられない。
セ「決めていただけるなら30万円引きにします」
X「ノアは『決めていただけるなら40万円引き』だそうです」
セ「ん~40万円ですか……そこまでは厳しいかも……」
 この時点でヴォクシーはボツ。

【交渉2日目】 ホンダに出向く。対象はステップワゴン。セールス氏はノリの良さそうな30歳代。ノアのセールス氏と同じタイプだ。
X「実は、以前ストリームに乗っていたことがあって、この店で車検を通したことがあります」
セ「そうでしたか、ちょっと調べてきますね。(すぐに戻ってきて)記録が残っていました。またホンダに乗っていただきたいので頑張ります!」
X「実は、過去の経験からホンダは値引きが渋いって印象があるんですけど、ほんとに頑張れるんですか?」
セ「以前は厳しかったんですが、いまはある程度やりますよ」
X「じゃ、期待します(笑)
 提示してきた条件は車両本体と付属品約40万円から25万円引き。自分の知っている時代からすると「頑張った!」という感じがするが、月刊自家用車・最新号の値引き情報からすると、購入意欲をそそられるほどではない。
セ「ほかはどんな感じですか?」
X「ノアは『決めてくれるなら40万円引き』とのことです」
セ「なるほど」
 さして驚いた様子はなく、「うちもまだやれます!」的な感じだ。
 続いてマツダへ。私と同年代と思われるセールス氏と商談。大穴と考えているCX-5の見積もりを出してもらった。
 思い切った条件が飛び出したら、本気で考えようと思っていたが、提示してきた値引き条件は車両本体と付属品約10万円からたったの15万円引き。
 トヨタや日産との競合を伝えるが、まったく相手にしていない様子で、
セ「うちは15万円が限界です。これ以上の値引きはできません」
 よほどクルマに自信あるようだ。

ノア=駆け引きなしの40万円! ヴォク=覇気なしの30万円……

【交渉3日目】 いよいよ本命・セレナ。我が家は県境に近いので越境交渉が可能だ。
 まずは地元の日産A店へ。
 この店ではこれまでにセレナを2台乗り継いできている。半年前の車検切れの際に買い替えを勧められたが「その気はまったくありません」と断ってしまった。
 今回、担当セールス氏に「実は気が変わりました」と伝えると「ありがとうございます!」と、大いに喜ぶ(笑)。
 早速、見積もりを出してもらうと、車両本体と付属品約52万円から25万円引きを提示してきた。
X「あれ? 半年前は35万円引きとか言っていましたね?」
セ「セレナは8月にマイナーチェンジをしています。旧型ならかなりやれたんですが、新型は引き締めているんです」
 念のため、私のセレナを査定してもらったが、下取り額は140万円。やはり買い取り専門店に売却するのが正解のようだ。
セ「Xさん、今回もほかの店から見積もりをとってしっかり比較するんですよね」
X「はい、そのつもりです」
セ「他店の数字が出たらまた来てくださいね」
X「その節はよろしくね」
 次は地元の日産B店へ。30歳代のイケメンが応対してくれた。
 提示してきた値引きは20万円。
X「日産A店では25万円でした」
セ「決めてもらえるなら、うちも同じ数字にします」
 心の中で(おいおい、こちらはそれ以上の数字を期待しているんだけど……)と呟く(笑)
 トヨタとの競合も伝えたが、あまり食いついてこない。
 ここで越境。日産C店にお邪魔する。相手は新人の雰囲気が漂うセールス氏で、提示してきた値引きは10万円。こちらがトヨタやほかの日産との競合を伝えると、
セ「では、15万円にします。セレナはマイチェンしたばかりなのでこれ以上は厳しいです」
 事務的な反応に、こちらは戦意喪失。営業って仕事はもっと元気よく応対してくれないと……。
 本日はこれにて終了。

【交渉4日目】 本日も越境。日産D店に乗り込んだ。セールス氏は30歳代前半という感じで、やる気満々、覇気がある。冗談も通じるし、話していて楽しい。やはりセールスマンはこうでないとね。
 値引きはいきなり30万円。セレナでは最高額が飛び出した。「おっ、やるねえ」と思いつつ、冷静な表情を装ったつもりだったが、セールス氏はすかさず、
セ「決めてください!」
 と強烈なプッシュをかけてきた。まずい。ここは冷静に応戦しなくては……。
X「初回の商談ですぐには決められないよ。実は、ライバルのノアが40万円を超える値引きを出してくれそうなんです。トヨタは特別仕様車なんで装備も充実しています。セレナと支払い総額を比べるとかなり開きが出てしまうんだよね」
セ「うちはマイチェンしたばかりなので、トヨタさんと同じ条件を出すのは難しいんですが……もう少し頑張ってみます」
X「30万円引きで支払い総額402万円となっているけれど、とりあえず、この端数の2万円、なんとかかなりませんか?」
セ「少々お待ちください」
 奥に引っ込んで、上司らしき人と相談。すぐに戻ってきて、
セ「店長に許可をもらいました。400万円にします」
 約32万円引きに成功。一気にセレナに気持ちが傾いてきた。
ここでも私のセレナの査定をしてもらったが「最大限で150万円」とのこと。この時点で買い取り専門店に売却を決定する。
セ「どうですか? 決めていただけませんか?」
X「もう少し時間をください。ただし、長くはかかりません。1週間以内に決めるつもりです」
 これにて退店。
 自宅に戻って、各車の見積もりを見ながら、じっくり検討した結果「やはりセレナにしよう!」ということになった。最後まで「ノアも捨てがたい」という気持ちがあったが、e-POWERの魅力が勝ったという感じだ。
 というわけで、ここからは日産同士の競合で攻める。
 日産D店の見積もりをチェックしていたら、メンテナンスパック(13万5000円)が計上されていることに気がついた。そこで、すぐにD店の担当セールス氏に電話を入れて、
X「見積もりにメンテナンスパックが入っているけれど、必要ないので削ってください。これを削っても値引きは32万円のままでいいんですよね」
セ「はい、OKです」
 よし、これで支払い総額は一気に14万円近く下がった。

【交渉5日目】 日産B店にアポをとって訪問。日産D店の32万円引きをぶつけると、やや表情が険しくなって奥に引っ込む。
 しばらくして戻ってきたが、表情は浮かない。
セ「すいません、上司に相談したんですが、うちは30万円引きが限界なんです。値引きではD店さんに及びませんが、Xさんのお宅に近いのでアフターサービスの面で有利です……(さらに利便性を力説してきた)」
X「う~ん……最近の新車ってめったに故障しませんよね。頻繁にディーラーには行くわけではないので、あまりお店の遠い・近いは気にしていません」
 この時点で日産B店は脱落。

印鑑持参で日産3社と勝負! 決め手は「長く付き合える」

【交渉6日目】 日産C店は新人セールス氏のノリがよくないため「参戦させても無駄」と判断して除外することにした。これで日産A店とD店の一騎討ちとなる。
 印鑑持参で、まずはなじみのA店へ出向く。この店の前回の値引きは25万円。
 試しにノアの40万円引きをぶつけてみたが、インパクトはない。そこで、日産D店の32万円引きを伝えると、これにはすぐさま反応してきた。
セ「えっ、32万円ですか……そこまでの数字となると、上司に相談しないと出せません」
 10分ほどして戻ってきた。
セ「お待たせしました。同じ32万円引きにします」
X「同じ数字で決めてしまったら最初に出してくれたD店さんに申しわけないですよ。こちらは今回で3台目なんだから、それなりに納得のいく数字を出してもらわないとなあ……」
セ「Xさん、いくらにすれば買っていただけますか?」
 実は、この言葉を待っていました。ほぼ不可能と思える数字をぶつけることによって、ようやく本当の限界が見えてくる。
X「ズバリ38万円引きです。今日は印鑑を持ってきています。38万円引きにOKなら、この場でD店にお断りを入れて、この場で契約しますよ。正直、先にこちらに来たのは、今までの付き合いからA店さんに最初のチャンスをあたえたかったからです」
セ「ありがとうございます。では、もういちど相談させてください」
 しばらくして、奥から店長さんを引っ張ってきた。
店長「Xさん、申しわけありませんが、新型セレナから38万円引きは無理です。32万円引きでさえも難しいんです。でも、3台目のお得意様ということで、D店を上回る33万円引きにします」
X「う~ん……1万円の上乗せですか……では、もういちどD店と商談してきます。もしも、あちらが33万円以上を出してきたら、すいません、今回はD店で決めることにします」
 実は、ここで待ってください!コールが飛び出すのを期待していたのだが、残念ながら店長さんも担当セールス氏も反応なし。結局、これ以上の上乗せはなく、商談を終了。
 越境して日産D店へ。例の覇気のあるセールス氏が待ち構えていた。実はこの人、最初の商談の翌日に我が家を訪ねてきてポストに手紙を投函している。そこには自筆で「頑張ります。よろしくお願いします」と記してあった。これにはちょっと感動。このセールス氏とは「長く付き合える!」と感じている。
X「いよいよ決着をつけます。地元の日産では33万円引きを提示してくれました。これを上回る条件を出してくれたら決めます。今日は印鑑持参ですよ」
セ「う~ん……前回の32万円引きは店長決裁を取りつけた数字なんです。正直、これ以上の値引きの上乗せはキツイんですが、Xさんにはぜひとも買っていただきたいと思っています。現金値引きの上乗せ以外で、何か、ご要望はありませんか?」
X「これまでの見積もりに計上されているフロアマットは通常タイプ(5万4230円)でしたが、これをe-POWER専用タイプ(6万5780円)に変更してください。ユーロホーン(7962円)もサービスで付けてもらいたいですね。それからナビの操作機能のグレードアップ(3万円相当)もお願いします。おまけにもうひとつ、ガソリン満タンもお願いします」
セ「え~、それ全部、無料サービスですかあ……う~ん……ちょっと相談してきます」
 待つこと十数分。セールス氏が苦笑いしながら戻ってきた。
セ「Xさん、すべてやります! 決めてください!」
X「わかりました。これから良いお付き合いをしましょう」
 これでめでたく契約しました。
 注文書には車両本体とメーカーオプション7万1500円から値引き22万9276円、付属品52万5706円(e-POWERフロアマットとユーロホーンを含む)から値引き12万円と記載されていました。さらに注文書とは別にナビの操作機能のグレードアップとガソリン満タンも約束してくれました。すべて含めると、実質的な値引き合計は38万円を超えています。
 ちなみに、契約後ダメもとで「注文書には納車費用(1万2650円)が計上されているけれど、クルマは自分で取りに行くので、何か付属品をサービスしてもらいたいんだけど……」とお願いしたところ、ナンバー盗難防止ロックナットを付けてくれました。

【追記】 これまで乗ってきたセレナをインターネットの一括査定にかけたところ、買い取り専門店5社が来訪。集まった買い付け担当者に、
「近所の買い取り専門店が165万円で買い取ってくれると言っています」(本当は162万円。ちょっとサバ読みました)
 と伝えたところ、3社は即座にギブアップして退散しましたが、残った2社は「いくらなら売ってくれますか?」とプッシュしてきました。私は「もういちど165万円を付けてくれた店と話をしたいので、しばらく待ってください」と伝えたが、なかなか引き下がりません。そこで「170万円で引き取ってくれるなら即決します」とやりました。すると、1社は「そこまでは無理で」と脱落。残ったもう1社が「170万円でOKです!」となったので、決定しました。やはり噂通りセレナ・ハイウェイスターは中古車市場で高値を付けているようです。

購入データ
From神奈川県
NISSAN セレナ
e-POWERハイウェイスターV(7人)
トータル値引き 34.9万円

値引き採点 5
車両本体とメーカーオプションから22万9276円引き、付属品(52万5706円)から12万円引き。値引き率は8.5%。さらにナビの操作機能のグレードアップとガソリン満タンもサービス。

提供元:月刊自家用車

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