オールラウンドに使えるSUV以外の4WDを探しています【輸入車コンシェルジュ】

相談者［D・Iさん］46歳／大手メーカー勤務／既婚
　学生時代はサークルに参加し、季節ごとにスポーツやアウトドアを楽しんできたという相談者。そのときに先輩が乗っていたレガシィツーリングワゴンが、今でも忘れられないのだとか。今回のクルマ選びでは、その万能感と格好よさを両立させたいというのが要望になります。

　峠道ではスポーツカーと肩を並べるほど走りがよくて、夏には海、冬にはスキーにと活躍する。そんなオールラウンダーなクルマを探しているという相談者。聞けば、イメージしているのは、90年代に大活躍したレガシィツーリングワゴン。学生時代に先輩に乗せてもらった印象が、ずっと残っているというのです。
　その一方で、相談者がもうひとつこだわっているのがSUV以外ということ。本当は2ドアクーペに乗りたいけど、仕事や家族のことを考えると難しいため、セダンやワゴンでそうした1台を探しているとのこと。
　なるほど、オールラウンダーといえばSUVがすぐにイメージに浮かびますが、今回はセダン、またはワゴン縛り。でも大丈夫です。輸入車ならばそんなクルマは存在します。
　高い運動性能と道や天候を選ばない順応性をクリアするには、4WDが必要不可欠になります。じつはこのジャンル、ここ数年の欧州車で最も競争の激しい領域でもあり、魅力的なモデルが多数登場しているのです。
　今回は、そのなかでも相談者がイメージしている、2ドアクーペ的なスタイリッシュさも加味し、オススメモデルをご用意しました。きっと気に入っていただけるでしょう。

　アルファ ロメオといえば、走りや格好よさには定評があるものの、あまり万能というイメージはないかもしれません。しかし、2017年に登場したこのジュリアは、「新しいアルファ ロメオ」のイメージを作り出すくらいの力作となっています。
　まず、なんといっても「ジョルジオ」と名付けられた新世代プラットフォームに力が入っています。ブランドの立ち位置を上級移行すべく、20年以上ぶりとなる後輪駆動を基本としたアーキテクチャを新規開発したのです。これで走りの質感はグッとレベルアップしました。
　後輪駆動であることが自慢のジュリアですが、オススメするのは、これをベースに、長年こだわってきた舗装路向け4WD機構である「Q4」を組み合わせた「ジュリア 2.0ターボ Q4 ヴェローチェ」。まるでスポーツカーのようなハンドリングと、抜群の安心感を両立させています。
　機構の関係上、左ハンドルしか設定はありませんが、そこもまた輸入車の魅力とポジティブにとらえていただけると幸いです。

2017年 アルファ ロメオ ジュリア 2.0ターボ Q4 ヴェローチェ（８速AT） ●全長×全幅×全高：4655×1865×1435mm ●ホイールベース：2820mm ●車両重量：1670kg ●エンジン：直４DOHCターボ　●排気量：1995cc ●最高出力：280ps／5250rpm ●最大トルク：40.8kgm／2250rpm ●中古車参考価格：350万円～450万円（17年～20年 2.0ターボ Q4 ヴェローチェのみ）

　本当の意味では、このクルマこそ輸入車版レガシィツーリングワゴンかもしれません。いえ、むしろスバルがお手本にしたのが、「元祖オンロード系4WD」を世に送り出したアウディ。S4アバントならばユーティリティについても文句なし。どこから見ても隙のない、ハイレベルな１台。

2016年 アウディ S4 アバント（８速AT） ●全長×全幅×全高：4745×1840×1435mm ●ホイールベース：2825mm ●車両重量：1690kg ●エンジン：V6DOHCターボ　●排気量：2994cc ●最高出力：354ps／5400-6400rpm ●最大トルク：51.0kgm／1370-4500rpm ●中古車参考価格：400万円～700万円（16年～20年 S4 アバント全グレード）

　ジュリアのキャラクターをさらにラグジュアリー方向に高めたのがマセラティ ギブリ。ボディサイズが全長約５ｍ、全幅約1.95ｍとビッグサイズで、価格も当然ハイクラスになりますが、その分見せてくれる世界もひとクラス上。まさに大人のゆとり。背伸びしてみたくなる魅力がそこにあります。

2014年 マセラティ ギブリ S Q4（８速AT） ●全長×全幅×全高：4970×1945×1485mm ●ホイールベース：3000mm ●車両重量：2030kg ●エンジン：V6DOHCターボ　●排気量：2979cc ●最高出力：410ps／5500rpm ●最大トルク：56.1kgm／1750-5000rpm ●中古車参考価格：350万円～760万円（13年～20年 S Q4のみ）