輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2017.12.21

【メルセデス・ベンツ SLK】新車価格の半額で買えるってホント? 相場を徹底分析してみた

ナンバープレートはハメ込み合成です。

世界初バリオルーフを採用したSLKとは?

 1989年に登場したユーノスロードスターの大成功を受け、世界中のメーカーがオープン2シーターの開発に躍起になった20世紀末。メルセデス・ベンツは、1996年(日本上陸は1997年)に当時のCクラスをベースとしたSLKクラスをデビューさせた。SLKクラスの飛び道具といえば、なんといってもバリオルーフ。オープン時には普通のオープンカーとして楽しめ、クローズド時にはクーペと同等の耐候性と快適性を確保するという、当時としては非常に画期的なモデルだった。ユーノスロードスター、BMW Z4、アウディTTロードスターといったライバルは、いわゆる一般的な幌型オープンモデルだったということもあり、そのスマートな商品性に世界中のユーザーが飛びつき、瞬く間にヒット商品となったのだ。

 そんなSLKの中古車が、いま安くなっているのをご存知だろうか。250万円ほどの予算があれば、SLKオーナーになることも夢ではないのだ。ちなみにデビュー当時の新車価格(2011年)は525万円~770万円だから、半額以下である。現行世代(R172)ということを考えたら、これはバーゲンプライスと言っていいだろう。

200万円台前半から購入可能! 

 そんなSLKクラス。今回我々が注目するのは2011年デビューの3代目(ちなみに2016年には大幅なマイナーチェンジとともに、名称も「SLC」に変更されている)。2011年~2014年の4年間はインポートオープンカーのなかでの販売台数ナンバー1を獲得していて、市場での流通量も豊富だ。デビュー当初のラインアップは1.8L直噴ターボのSLK200シリーズと、3.5L直噴V6のSLK 350の2タイプ。以降途中でMTが追加されるなど、話題も豊富。ここではその変遷を少し追いかけてみよう。

●2011年5月/新型SLK予約注文開始
・SLK 200 ブルーエフィシェンシー スポーツ(1.8L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 200 ブルーエフィシェンシー(1.8L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 350 ブルーエフィシェンシー(3.5L V6/306馬力)

●2012年4月/SLK 200の特別仕様車を発売
・SLK 200 ブルーエフィシェンシー 1st アニバーサリーエディション(1.8L 直4ターボ/184馬力)

●2012年5月/SLK 55 AMGを発売
・SLK 55 AMG(5.5L V8/422馬力)

●2013年2月/SLK 200に新たなグレード「トレンド」追加
・SLK 200 ブルーエフィシェンシー トレンド(1.8L 直4ターボ/184馬力)

●2013年2月/SLK 200に新たなグレード「MT」追加
・SLK 200 ブルーエフィシェンシー MT(1.8L 直4ターボ/184馬力)

●2013年2月/装備充実を中心としたマイナーチェンジ

●2013年10月/SLK 200の限定車を発売
・SLK 200 レーダーセーフティエディション(1.8L 直4ターボ/184馬力)

●2014年8月/装備充実、モデルラインアップ変更のマイナーチェンジ
・SLK 200 MT(1.8L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 200 トレンド+(1.8L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 200 エクスクルーシブ(1.8L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 350 (3.5L V6/306馬力)
・SLK 55 AMG (5.5L V8/422馬力)

●2014年8月/SLK 200の限定車を発売
・SLK 200 カーボンルックエディション(1.8L 直4ターボ/184馬力)

●2015年8月/装備充実、エンジン変更などのマイナーチェンジ
・SLK 200 MT(2.0L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 200 トレンド+(2.0L 直4ターボ/184馬力)
・SLK 200 エクスクルーシブ(2.0L 直4ターボ/184馬力)

 SLKクラスの魅力は、なんといってもそのサイズ感。全長4145mm×全幅1845mm×全高1305mmのスリーサイズは、取りまわし性は抜群。たとえば奥様やパートナーがステアリングを握る場合でも、安心してキーを手渡せる。

 また、走りはいわゆるメルセデスライド。ドシっと安定していて、どの速度域でも安心感に満ちたもの。たまに、走りがおもしろくない!と揶揄されることもあるが、SLKクラスの魅力は(じつはSLクラスもである)、見た目がスポーツカーテイストなのに、走りがサルーン的に快適なのが美点。そこをわかって手に入れると、満足度もひとしおなのだ。

 全体相場は215万円~418万円(2011年~2015年モデル ※AMGを除く)、新車時1000万円クラスのAMGでも418万円~472万円(2012年~2015年モデル)というあんばいだ。メルセデス・ベンツのオープンモデル、しかも高年式がこの価格で購入できるバリューは、SLクラスではとうてい実現不可能じゃありませんか。

「3代目メルセデス・ベンツ SLK(R172)」の価格と年式の分布表はこちら

初代、2代目はさらに安い!

 また、初代はなんと20万円からねらえてしまうという驚きの安さ!(20万円~108万円/1997年~2002年モデル ※AMGを除く)。2代目も68万円からとなっている(68万円~238万円/2003年~2009年 ※AMGを除く)。ただし、とくに初期型は年式からもキモとなるバリオルーフ不具合や、内装の塗装面のベタつき、基本的な整備項目のチェックも増えることから、購入に際してはメンテナンスレコードのしっかりした個体がマストといえるだろう。

「2代目メルセデス・ベンツ SLK(R171)」の中古車を探すならこちら

「初代メルセデス・ベンツ SLK(R170)」の中古車を探すならこちら

気になるライバルの相場はどうなってる?

 輸入車のオープン2シーターとしては、SLKには強力なライバルが存在する。その代表モデルがBMW Z4とアウディ TTロードスター。どちらも排気量、サイズ、価格帯など同クラスとなっているが、両モデルについても軽く触れておこう。

 まずBMW Z4は、現行型の登場が2009年。SLKと同じく電動開閉式のメタルトップを採用し、独特なスタイルと相まって人気のあるモデル。BMWらしくスポーティな走りも魅力のひとつとなっている。ちなみに駆動方式はSLKはFR(後輪駆動)。一方TTロードスターだが、先代モデルは2007年に登場。メルセデスやBMWとは異なり、FF(前輪駆動)または4WDとなるのが大きな違い。しかし、ソリッドな走り味はFR車顔負けで、あらゆるシーンで安定感のあるドライブフィールを実現している。それぞれの相場は、次のとおり。

BMW Z4(09年~16年)/中古車平均価格:292万円
アウディ TTロードスター(07年~15年)/中古車平均価格:193万円

 これを見るとTTロードスターの相場はかなり安い反面、Z4は比較的高値をキープしていることがわかる。また、TTロードスターの物件はかなり少なめだが、Z4は豊富に流通している。これは、TTはクーペのほうが主流であることが理由。Z4は、この世代はボディタイプがひとつしか存在しないため、物件数が多いのだ。

 SLKとZ4はほぼ同程度の中古車相場となっているが、それぞれのキャラクターは異なる。SLKは優雅さ、Z4はスポーティがキーワード。メルセデスの2シーターというブランド性を重視するなら、やはりSLKは有力な選択肢となりそうだ。

「メルセデス・ベンツ SLK」の中古車を探すならこちら

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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