【マツダ】初代のロードスターをレストア

初代NAロードスターは、累計12万台が国内で販売されるほど、大変人気のあったモデルです。
発売から28年が経過した現在でも約23,000台（2017年時点）が、
国内を走り続けているという驚異的な車です。

マツダのスポーツカーのコンセプトである「人馬一体」を具現化した、
個性的なフォルムと車を繰る楽しさを教えてくれる魅力の詰まった一台は、
なかなか手放すことができません。

マツダの初代NAロードスターを当時の姿に復元するレストア部門は、
23,000台を守り抜くために新設されました。

国内の自動車メーカーが直接レストアを行うのは非常に稀なケースであり、
マツダとしても世界に誇るライトウエイトスポーツカー「ロードスター」の初代モデルである、
NA型に対する特別な思い入れの表れとも言えるでしょう。

自動車メーカーであるマツダが自ら、
レストア部門を立ち上げたのは多くの初代NAロードスターのオーナーからの熱意でした。

「ずっとロードスターに乗り続けたい」「廃版になった純正パーツの復活を」という、
ファンミーティングの声をしっかり受け止め、実現したレストアプログラムです。

レストアとは、古くなった車を復元修理して蘇らせることです。

自動車愛好者同士でも、情報交換をしたり、オーナー自ら不動車のエンジンを分解し、
供給が止まった部品を手作りするなど、
少しでも長く走りを楽しむためにメンテナンスを行っています。

中には数年単位でコツコツ作業を続けているオーナーもいます。

マツダのレストアは、オーナーと直接面談方式で車の状態や要望を確認しながら、
車に合ったサービスを実施していきます。

レストア作業は「テュフ ラインランドジャパン株式会社（ドイツ本社の第三者検査機関の日本法人）」から、
クラシックカーガレージの認証を受けるマツダ社内の施設で行います。

マツダのレストアでは、廃版になったパーツの再供給も2018年から始める予定です。

その第1弾のパーツは次の通りです。
いずれも当時のNA型では欠かすことのできない入手が困難な絶版パーツです。

・NAロードスターソフトトップ
・ブリヂストン製タイヤSF325 （185/60R14）
・NARDI製ウッドステアリングとシフトノブ

パーツの料金や費用については今後正式に発表する予定です。

それ以外のパーツの復刻供給は、
NAロードスターのオーナーとの対話を通じて取り組んでいくことをマツダが明らかにしています。

初代NAロードスターのレストアは、マツダとして多くの利益を望めるプロジェクトではありません。
それでもレストア部門を立ち上げたのは、高い技術力を持つクラフトマン・シップ、
ユーザーの思いを真摯に受け止め、企業として困難な作業に立ち向かう気概です。

何より、ロードスターのユーザーとマツダのブランドを、
大切にする思いが実を結んだプロジェクトです。

だからこそ、今なお23,000台もの初代NAロードスターが21世紀の道を駆け抜けているのです。