中古車購入
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2015.11.06

販売店なるほどガイド

販売店での“カンタン購入”を実現する!販売店なるほどガイドポイントを押さえて行動パターンを組み立てよう!

購入初心者はもちろんのこと、たいていの人が何年も隔てて中古車を買うのだから、前回購入時の段取りや知識を忘れてしまっていることも多いだろう。そこで、改めて販売店での行動手順や、店員との話の進め方、注意すべきポイントなどを紹介していこう。

CONTENTS
★販売店でやること案内★初心者が陥りがちな4つの誤解
★ありがちトラブルシューティング★店員に言うべきこと
★こんな症状の物件はいやだ★販売店へ行って初めてできること

気持ち良く購入するためにすこし知っておきたい手順

新車より安価なイメージの中古車とはいえ、毎年乗り換えている人なんてそうはいないはず。となると、たいていの人が複数年間隔を空けて中古車を買うのだから、購入の際の手順やテクニックなどを忘れてしまっていても仕方がない。
とはいえ、中古車購入はそれほど難解なものではない。ただ販売店での作法をすこしだけ知っておいたほうが、お得に買えたり時間を節約できるという話で、以下のページではそれらの方法論を紹介している。
新車のように「40万円値引きゲットだぜ!」といった豪気な話はなかなかないだろうが、販売店を初めて訪れてから納車までの期間、気持ち良く購入することは可能である。欲をかき過ぎず、「購入を楽しむ」心を持って行動することが大切だ。

事前に知っておくと超便利!販売店DEやること案内

販売店に着いて、ただ物件のまわりをぐるっと見てまわればいいってもんじゃないのが中古車購入。そこで、どんな順に何をするべきか、まずは販売店での動きとポイントについて、順を追いながら解説していこう。

  • 指導する人 自動車ライター マリオ高野

    自動車ライター マリオ高野

    お店でやるべきことの“手順”が丸わかり

  • 指導する人 自動車ライター マリオ高野

    新車のセールスマンや車両回送員、工場の期間工などを経て、自動車誌の編集部員に。現在はライターとして、最新の高級車から中古車まであらゆるクルマを取材する日々。

手順を辿りながら進めつつ店員ともしっかり対話する

流れは下のとおりですが、販売店で最も大切なのは、できるだけ店員と対話するということです!
展示車の状態や整備工場や設備の充実度など、チェックしたい部分はたくさんありますが、豊富な経験と知識がなければ、見ただけで物件や販売店の良し悪しを判定するのは難しいというもの。しかし、店員の人柄はある程度誰にでも判断できますし、対話をしながらであれば、その販売店の技術力や信頼度をチェックしやすくなるので、雑談程度でもいいからとにかく会話を交わしながら進めることが大切なのです。

1 店員と会話

まずは自分の目的をハッキリ伝える
人間最初は挨拶が肝心。その後にしっかりと自分の目的を(目当ての物件があればそれを見にきた旨を)伝える。値引き商談のような駆け引きはせず、最初から自分の要望をさらけ出せば、販売店側も話を進めやすい。

2 物件確認~外装~

目で見ながら店員に話も聞いておく

目で見ながら店員に話も聞いておく
自分だけでチェックするのではなく、販売店側にキズや劣化の具合を尋ねて細部を説明してもらうようにする。信頼できる販売店のスタッフなら物件の細部をしっかり把握しており、良い点もネガな部分も即答してくれる。

3 物件確認~内装~

気になったことは質問をぶつける
外装と同様に、自分だけでアラ探しをするようなことはせず、販売店のスタッフに質問をしながら傷みやニオイなどをチェック。「新車時から禁煙車でしたよ」というような前オーナーの情報が得られたりすると信頼性は高い。

4 物件確認~電装系~

動かせる部分はまず動かしてみる

動かせる部分はまず動かしてみる
電装系の劣化や故障は優秀な販売店スタッフでも把握しきれないので、販売店スタッフと一緒に動かせる部分はできるだけすべて動かしてチェック。シートアレンジなど、非電装系の装備もひと通り動かしてみよう。

5 試乗

試乗が難しくてもエンジンはかける

試乗が難しくてもエンジンはかける
異音や異臭をメインにチェック。ハンドリングや加速力などの性能面については販売店スタッフに尋ねる。試乗が無理な場合でも、必ずエンジンをかけてアイドリングやエアコンの効き具合などの状態を確かめること。

6 見積り

支払総額を出してもらい予算と比較
中古車には定価がなく、表示価格からの値引きはあまり期待できないが、下取り査定は交渉できる。支払総額を算出してもらい、予算が厳しければ、年式や走行距離など妥協できる部分を伝えて他の物件を探してもらう。

7 契約手続き

不明点はすべてクリアにしておく

不明点はすべてクリアにしておく
もっとも重要なのは、購入後の機械的なトラブルに対する保証の内容についての確認を入念に行うこと。その他、契約内容の細部で不明な点、わかりにくい点があれば理解できるまで店員に説明してもらうべき。

8 (後日)代金支払い

支払い方法は現金一括のみじゃない
現金一括やローンなど様々な支払い方法があるので、必ず商談時に相談しておく。優良な販売店ならユーザーごとに最適な支払い方法を提案してくれるので、この点も良い販売店かどうかの判断材料のひとつとなる。

9 (後日)納車

安心せずに最後のチェックを

安心せずに最後のチェックを
納車時には商談時にはなかった(チェックできなかった)キズや故障などがないかどうか、保険の車両変更などにも抜かりがないかどうかをチェック。この点は販売店任せにせず、自分自身でしっかり確かめたい。

販売店を訪れたら驚いた!ありがちトラブルシューティング

実際に販売店を訪れてみると、さまざまなトラブルやアクシデントに見舞われることがある。とはいえ、どんなトラブルでもその内容を事前に知っておけば、未然に防いだり、後で解決することが可能なのだ。

事前に把握しておけば恐れることはなし!

これから販売店を訪れようと考えている人にとって、現場での思いがけないトラブルというのは心配の種だ。たしかに、初めて訪れる場所(販売店)で初めて会う人(店員)から、高価な買い物(クルマ)をするのだから、ちょっと考えただけでもさまざまなトラブルやアクシデントが予想される。
とはいえ、それらの原因は、自分自身のミス以外にも、販売店側の行動や誰も悪くない事故のようなものまでさまざま。自分が心がけておけば防げるものもあるが、物件や販売店を変えてしまったほうがいい場合だってあるだろう。
ただ、思いがけないトラブルも事前にその内容を把握しておけば、対策を考えられる。販売店を訪れる前に問題の原因を排除しておこう。

写真に写っていない部分にキズがあった

事前にGoo-netや販売店のホームページで物件の写真はくまなく見た。どの写真も見逃してないはずなのに、実際に実物を見たら、結構目立つキズがついているじゃないか! たしかにこの角度の写真はなかったけど・・・・・・。

  • 解決法 販売店に修理をお願いしてみる

    解決法 販売店に修理をお願いしてみる

    キズの大きさにもよるが、店側も把握してなかったのかもしれないし、把握していたとしても責めることはできない。諦めるか、またはその販売店で修理の依頼をしてみてはどうか。もしかすると格安で修理してくれる可能性もある。

  • 解決法 販売店に修理をお願いしてみる

物件がひどく汚れていた

事前に見た写真ではあんなにピカピカだった物件が、いざ店舗を訪れてみると、ドロや水垢などでかなり汚れていた。事前に「この物件を見に行く」と販売店に伝えていたはずなのに、なぜ洗車もされていないのだろうか。

  • 解決法 どんな販売店なのか疑ってみる

    解決法 どんな販売店なのか疑ってみる

    販売店が物件を常にキレイにしておく義務はない。ただ、お客が来るとわかっているのに汚いままというのは、その販売店の売り方や販売姿勢に対して疑問を持ってもいいかもしれない。汚れているとキズも発見しづらい。

  • 解決法 どんな販売店なのか疑ってみる

試乗の約束をしたが免許証を忘れた

どんな物件でも必ず試乗させてもらえるわけではないと聞いていたが、今回は事前に試乗の予約ができた。ところが、当日販売店に着いたら免許証を忘れていたことが発覚!後日また来るのも面倒なんだけど、どうしよう?

  • 解決法 スタッフの隣で助手席ドライブ

    解決法 スタッフの隣で助手席ドライブ

    当然のごとく無免許での公道試乗はNG! とはいえ、試乗OKの物件ということは走れるのだから、店員に運転してもらって助手席試乗ができないかお願いしてみよう。また、敷地内でエンジンをかけてみるだけでもいいだろう。

  • 解決法 スタッフの隣で助手席ドライブ

プライスボードが掲げられてなかった

中古車って必ずフロントガラスにプライスボードが掲げられているイメージ。ところが、今回見にきた物件にはプライスボードがない!これってどういうこと?掲載情報には詳細が記載されていたのに。

  • 解決法 事前情報をベースに話を進める

    解決法 事前情報をベースに話を進める

    単に販売店が掲示し忘れていただけの場合もあるだろうし、その時ちょうど書き換え中という可能性もある。ともあれ、物件の詳細は事前に来店アポを取った時から変更されていないはずなので、それをもとに交渉を進めよう。

  • 解決法 事前情報をベースに話を進める

目当ての物件が整備中だった

せっかく物件を見るためにお店まで足を運んだのに、着いたら目当ての物件がキャリアに上がってしまっていた。事前にアポを取ったつもりだったんだけど、店の人は「違う時間だと思っていた」なんて言ってるし・・・・・・。

  • 解決法 可能なかぎりの確認作業を

    解決法 可能なかぎりの確認作業を

    販売店が約束の時間をミスするということもありえなくはない。そんな時は、試乗はできないにしても、外観や内装など可能なかぎり確認作業をさせてもらおう。よほどの事情がないかぎり店側も対応してくれるはずだ。

  • 解決法 可能なかぎりの確認作業を

タイヤが減っていて溝がなかった

写真じゃよくわからなかったけど、実物をよく見てみたら、タイヤがかなりすり減っていて溝がない状態に!これって店にアポを取った段階では言われなかったんだけど、タダで新品タイヤに交換してもらえないのかしら?

  • 解決法 素直に諦めて店に相談してみる

    解決法 素直に諦めて店に相談してみる

    気の利いた販売店であれば、普通に走れるレベルのタイヤに交換してから店頭に並べることもある。とはいえ、前所有者が交換しなかっただけで店側に過失はない。中古タイヤが余ってないか販売店に相談してみるのも手だ。

  • 解決法 素直に諦めて店に相談してみる

すでに売れてしまっていた

Goo-netで見つけた極上物件。発見した翌日に販売店まで見に行ったら、なんとすでに「売約済み」とのこと。昨日の時点で情報が載っていたのに!もしかして客を呼び込むために条件のいい物件を載せていただけだったのか?

  • 解決法 販売店を訪れる前に在庫確認!

    解決法 販売店を訪れる前に在庫確認!

    Goo-netに物件情報を載せるにあたり、その作業中にどうしてもタイムラグが生じ、掲載時に物件が売れてしまっているということはまれにある。目当ての物件を見に行く場合、必ず電話かメールで販売店に確認を取ること!

  • 解決法 販売店を訪れる前に在庫確認!

物件を見てから事故車だと知らされた

事前に見てきた物件情報にはいっさい事故車だなんて書いてなかったのに、販売店で店員と話をしたら「実は事故車なんですよ」だって。なんだか騙された感じ。これって店に往復の交通費を請求できるんじゃないの?

  • 解決法 どんな事故なのかその内容を確認

    解決法 どんな事故なのかその内容を確認

    実は中古車販売店には、事故歴の表示義務はない(「修復歴」とは別。詳細は後述)。事故といっても、軽くフェンダーがヘコんだ程度の軽微なものだった可能性もある。まずはどんな事故だったか、どこを修理したかを確認したい。

  • 解決法 どんな事故なのかその内容を確認

バッテリーが上がってしまっていた

販売店まで物件を見に行き、エンジンをかけてみようとキーを回してもウンともスンともいわない。店員さんが「あれれ~」なんて言って調べたら、どうやらバッテリーが上がってしまっているとのこと。別の物件を探すべき?

  • 解決法 店員の対応次第で行動を考える

    解決法 店員の対応次第で行動を考える

    もともとバッテリーが弱っていたり、大量の物件を取り扱っている店の長期在庫車などの場合、管理が行き届かずバッテリーが上がってしまうこともある。「納車時には新品に交換」など店員の対応次第で、次の行動を決めたい。

  • 解決法 店員の対応次第で行動を考える

販売店での“カンタン購入”を実現する!販売店なるほどガイドポイントを押さえて行動パターンを組み立てよう!

COLUMN「こんな症状はいやだ!」 ~販売店で見られる昨今のダメ物件事情について~

いざ販売店へ行ってみたら、物件にちょっとした問題があったなんてことは十分あり得る。そこでここでは、中古車のプロがこれまでに出会ったという、あまり「買いたくない」物件について話を聞いた。参考にしてほしい。

TEXT/伊達軍曹

東京都出身のフリーライターで中古車研究家。長い編集者およびライター生活の間に取材してきた中古車の数はおよそ400台。その豊富な経験をもとに素人でも実践できるさまざまな中古車購入法を自動車誌やWEBなどで指南している。

私が取材中に出会った多彩なダメ物件たち

年式の古いクルマは必ず試乗したい!

年式の古い物件に関しては、足まわりのヘタリなど実際に乗って確認しないとわからないことが多い。現代のクルマと変わらない気持ちで試乗してみると、乗って初めて驚かされるということも多々ある

とある自動車誌で中古のアウディTTを取材した際のこと。その物件はデータによると「3年落ちで走行1.3万km」というなかなかの掘り出しモノ候補。どんなステキなTTと会えるのかと期待に胸をふくらませつつ対面したそれは・・・・・・どう見ても7万kmは使い込まれた感じの、レザー部すべてがスレまくり状態。いや最近はメーター巻き戻しをやる店などほとんどないので、1.3万kmというのは実走距離だと思うのだが、クルマを死ぬほど乱暴に扱う前オーナーだった模様。やはり中古車というのは事前のデータだけで判断してはいけないということを、改めて痛感させられたクソボロ物件であった。
また「試乗」も必須だと思い知らされたのが、「軽自動車よりも遅いポルシェ911事件」だ。とある撮影で年式の古いポルシェ911を借りだしたのはいいが、ショックアブソーバーが完全に抜けてしまっていたため、高速道路で100km/hも出すと右に左に激しく振られて”臨死体験”状態に。仕方ないので速度を70km/hほどまで落とし、さまざまな軽自動車に抜かれまくったのは、わたしの中古車研究家としての黒歴史だ。

これら機能面は中古車にとって重要なファクターだが、それ以外に「ニオイ」も、ドライバーに各種の苦痛を与える。多少のニオイであれば「まぁ中古車だから」ということで割り切れるが、タバコと汗とカビをブレンドしたうえで煮しめたようなニオイを発する中古車を運転するハメになったときは(そういう物件がたまにあるのだ)、正直この稼業をやめたくなる。
そのほか低価格帯というか、正直「格安」の部類に入る中古車でなぜかしばしば見られるのが、車内における強烈な男性化粧品の残香だ。それはマンダムとタクティクスと柳屋のポマードを混ぜたようなニオイにタバコの吸い殻をふりかけたような、なんとなくそんなニオイである場合が多いのだが、どうしたらそういうニオイが生まれるのか、またなぜ低価格帯にそういう物件が多いのか、その理由と因果関係はいまだ不明である。
また、けっこう古い年代の「名車」とされる物件を見に行った際、事前のデータでは「ワンオーナー・記録簿付き!」ということだったので、さぞかし大切に保管されてきた個体であろうと思っていたのだが、実際のそれは雨ざらしの場所に3年は放置されたと思しきボディ状態。情報誌に掲載されたスペックを鵜呑みにするのではなく、「自分の目で確かめること」の大切さを改めて学んだ、衝撃のボディコンディションであった。

  • 写真ではわかりにくい革のコンディション

    物件のコンディションが顕著に表れるのが革シート。定期的にメンテナンスされていたかどうかを見分ける基準にもなる

  • 目に見えないから手に負えない車内のニオイ

    強めの芳香剤を常用していた物件は、どうしても車内にニオイが残ってしまいがち。消臭剤を使っても消えない場合もある

スペックと実際のコンディションは違う!販売店に足を運び確認することが大切だ

スペックと実際のコンディションは違う!販売店に足を運び確認することが大切だ

禁煙車は物件情報でアピールされていることも多いが、喫煙車についてはほとんどの場合表記されていない。ニオイ残りの具合などは実際に確認してみないとわからない

中古車の「スペック」というものは有益なデータだが、実際のコンディションは必ずしもスペック通りではないことも。また逆も真なりで、走行距離が多めであるなどスペック的にイマイチでも、コンディションはかなり良好である場合もある。スペックは参考程度にとどめ、自分の五感をフル活用して「販売店で実際に確認する」ことが大切だ。

中古車販売店 初心者が陥りがちな4つの誤解

購入初心者や購入にあまり慣れていない人からよく誤解されがちだが、試乗は必ずしもできるとは限らない。同様に、誤った認識をされがちな販売店に関するいくつかの定説について、その本当のところを解説していこう。

1 どんな物件でも試乗は必ずできる

いよいよ物件確認のために販売店へ足を運ぶことに。試乗の際のチェックポイントも予習して準備は万全だが?

  • 試乗はあくまでも販売店側のサービス

    中古車は一台一台が大切な商品。試乗できるのは販売店のサービスととらえ、最大限の注意を払って試乗したい

    中古車は一台一台が大切な商品。試乗できるのは販売店のサービスととらえ、最大限の注意を払って試乗したい

    近年は試乗を可能とする販売店が増えている。しかし基本的には、試乗NGな販売店もあると考えていたほうがよい。なぜなら、中古車は新車と違って試乗車がそのまま商品になるため、販売店としてもリスクを減らしたいと考えるから。車検や保険が切れているという場合もある。

  • 中古車は一台一台が大切な商品。試乗できるのは販売店のサービスととらえ、最大限の注意を払って試乗したい

    中古車は一台一台が大切な商品。試乗できるのは販売店のサービスととらえ、最大限の注意を払って試乗したい

2 修復歴表示がなければ事故車ではない

販売店を訪れる前に得られた情報では、今回の物件は「修復歴なし」とのこと。ところが実際は「事故歴あり」?

  • たとえ事故車であってもすべてがアウトではない

    骨格部位とは、フレームやピラー、フロアパネルなど。フェンダーやバンパー交換などは「修復歴」に含まれず

    骨格部位とは、フレームやピラー、フロアパネルなど。フェンダーやバンパー交換などは「修復歴」に含まれず

    最近は修復歴の有無も正確に表示されるようになったが、修復歴の定義は「骨格部位を交換・修復したもの」とされている。つまり、軽度の修理はそこに含まれないということ。ただし、近年は修復技術が進化しているのも確か。しっかり直っていれば問題なく乗れることも多い。

  • 骨格部位とは、フレームやピラー、フロアパネルなど。フェンダーやバンパー交換などは「修復歴」に含まれず

    骨格部位とは、フレームやピラー、フロアパネルなど。フェンダーやバンパー交換などは「修復歴」に含まれず

3 新車と違って値引きはしてもらえない

できるだけ安く買いたいと思っている人にとって値引きは重要。新車のように値引き交渉する余地はあるのか?

  • 基本的には値付けのままだが交渉の余地はある

    店側が早く手放したいと思っている物件や、長期在庫となってしまった物件などにも値引きの可能性はある

    店側が早く手放したいと思っている物件や、長期在庫となってしまった物件などにも値引きの可能性はある

    2台と同じものがなく、販売店側が自由に値付けできる中古車業界では、基本的に値引きはないと考えていい。とはいえ、店員も人の子である。印象をとても良くして、「この人ならすこしおまけしてあげたい」と思わせられれば、場合によっては値引きを引き出せることもある。

  • 店側が早く手放したいと思っている物件や、長期在庫となってしまった物件などにも値引きの可能性はある

    店側が早く手放したいと思っている物件や、長期在庫となってしまった物件などにも値引きの可能性はある

4 新車同様に保証が必ず付いてくる

いい物件が見つかり、契約交渉へ。新車より故障のリスクが高い中古車だけに、手厚い保証に期待してしまうが?

  • 保証は物件の信頼度の高さにもつながる

    よくあるのは1年または1万kmの範囲で、エンジンやミッションの不具合に対するもの。消耗品は含まれない

    よくあるのは1年または1万kmの範囲で、エンジンやミッションの不具合に対するもの。消耗品は含まれない

    近年は保証に力を入れる販売店が増えている。とはいえ、保証内容に「最低でも○○」はなく、すべて販売店次第。ある程度購入の意思が固まった時点で、保証の内容を確認しておくこと。「保証なし」の物件は、販売店も品質に自信が持てないということなのでリスクが高くなる。

  • よくあるのは1年または1万kmの範囲で、エンジンやミッションの不具合に対するもの。消耗品は含まれない

    よくあるのは1年または1万kmの範囲で、エンジンやミッションの不具合に対するもの。消耗品は含まれない

販売店での“カンタン購入”を実現する!販売店なるほどガイドポイントを押さえて行動パターンを組み立てよう!

ハウツートーク 中古車の達人が教える
店員さんにハッキリ言うべきこと・言うべきでないこと

「クルマ選びは人選び」ということで、やはり一番大切なのは店員との関係性だ。そこで、販売店スタッフとの関係を良くするための話し方や態度、対店員におけるトークのコツについて、中古車の達人が解説する。

  • 自動車評論家 清水草一

    自動車評論家 清水草一

    最も大切なのは人間関係です!

  • 自動車評論家 清水草一

    Goo-netをはじめ、さまざまな自動車専門誌や一般誌、WEBサイトなどで活躍するベテラン自動車評論家。数多くの中古車や新車を購入してきた経験に裏打ちされたリアリティの感じられる文章を得意とする。

相手にいい印象を与えることが大切

齢五十を過ぎ、中古車を通算30台ほど購入し、ようやく中古車の達人の域に達したような気もする不肖ワタクシですが、かつては未熟者でございました。
まず犯してしまった間違いは、店員さんに対する見栄っ張りでした。相手はクルマのプロ。それに対するコンプレックスから、「自分だってクルマに詳しいんだ」ということを、ついアピールしたくなってしまうのです。そして、今まで自分が乗ってきたクルマのことを無意味に語ってしまったりしたのです。実に恥ずかしいことでした。
しかしまあ、これは店員さん側から見れば、かわいい行動ではあるでしょう。ああ見栄を張りたいんだな、じゃ張らせてあげましょう!と広い度量で受け入れて、うまく相槌を打ってくれれば、これぞやり手営業マン。が、見栄を張ってしまったこちらとしては、そのことに対する羞恥がほのかにずっと残ります。
一番いけないのは、店員さんに対して高圧的になることでしょうか。これは、相手にずっと嫌な感情が残ります。だからといってボッたくられたりはしないでしょうが、おいしい話、有益な話を持ち掛けようとはしますまい。
なにしろクルマというのは、家に次いで人生で2番目に高い買い物ですし、買った後の付き合いもあるものです。相手といい関係を築くには、ひたすら素直になり、そしてあえて自分の弱点をさらけだすのが吉だと思います。「月収は○○万ぽっちなんです」とか、「カミさんが怖くて予算はこれが限界なんです」とか、「月の小遣いは3万円ポッキリなんです」とか。もちろんその前に、購入検討中のクルマについて素直な質問をあれこれ投げかけ、聞き手に徹してから、ポロリとこういう弱みをさらけ出すと、相手はひと肌脱ごうという気になってくれやすいもの。人間頼られると弱いですから、適度に頼る態度を取るのもいいと思います。店員さんだって人間ですから、そういうもんじゃないですか!
そうやっていい関係を作っておけば、車検などで会うたびに、「あ、小遣い3万円の○○さんだ」と思い出して、あれこれ助けてくれるかもしれません。あくまで「かもしれない」レベルではありますが。

言うべきでないこと その1

見栄っ張りな発言
中古車購入以外でも言えることですが、見栄っ張りは人から嫌われます。自分ではそういうつもりで言ってなくても、人にはイヤミに聞こえることもあります。謙虚さを忘れないようにしましょう。

言うべきでないこと その2

高圧的な態度に基づいた発言
高圧的な人も当然のごとく嫌われます。「こちらは客だ!」なんて上から目線の態度は誰に対しても失礼です。店員と客とはあくまで対等な立場。それを忘れずに交渉を進めていきましょう。

言うべきこと その1

弱点をさらけ出すような発言
多くの日本人が持ち合わせているのが、弱い人を助けたいと思う心。自らの弱点を隠さずにさらけ出すことで、店員の同情心をひきだします。とはいえ、ウソをつくのはダメですよ!

言うべきこと その2

素直に思ったことを尋ねる
中古車店の店員は中古車のプロですから(担当が新人さんじゃなければ)、ある程度の質問には答えられるはずです。わからないことは素直に質問して、会話を弾ませ、良質な関係を築きましょう。

販売店なるほどガイド まとめ
販売店へ行って初めてできること。

「迷わず行けよ、行けばわかるさ」とはある偉人の言葉だが、中古車販売店も行ってみて初めてわかることはたくさんある。まずは販売店へ足を運び、実際に物件を見て、店員と話をしてみよう。きっと新しい発見があるはずだ。

A 物件の見分け方が上手くなる。

なんにでも言えることだが、人間は場数をこなすことで、そのシチュエーションに慣れ、上手くなっていく。中古車購入でも確認した物件の数が多くなるほど、いい部分やダメな部分が見分けられるようになるというものだ。

B 意外な掘り出し物に出会える。

中古車販売の現場に足を運ぶことで、意外な幸運が舞い込むことも十分考えられる。たとえば、下取りされたばかりの物件や長期在庫で眠っていた物件など、情報誌に掲載される前の物件を店頭で発見できるかもしれない。

C クルマの知識を増やせる。

実車をたくさん見ることで、雑誌の記事や写真だけではわからなかった事実が判明することもあるだろう。また、クルマのプロである店員や他の客との会話から、新たなクルマの知識を学べることがあるかもしれない。

D 販売店の雰囲気が予測できるようになる。

販売店を実際に何軒も見ていくうちに、Goo-netなどの掲載情報だけでその販売店の雰囲気が予想できるようになってくる。そしてそれが自分の好みに合わなそうなら、わざわざ足を運んで時間を無駄にすることも減らせるだろう。

E 良質なアフターサービスをゲットできる。

同じ販売店に何度か顔を出していれば、そこの店員といい関係を築くことができるはず。店員と客という関係を超えてまで付き合う必要はないが、良い印象を持たれれば購入後もいいサービスをしてもらえる可能性は高まる。

F クルマを見ずに買うことができる。

過去に何度も中古車を買ってきた経験を持つエキスパートになれば、Goo-net掲載情報だけをたよりに、実車を見ずに購入して時間と費用の浪費を減らすことができる。そのためにも、今は販売店に足を運んで経験を積むべきだ。

まとめ
順序立てて行動すればおのずと道は開ける

事前に連絡しておけば、対応はスムーズになるはず。駅から遠い販売店の場合、駅まで迎えに来てくれることもある

事前に連絡しておけば、対応はスムーズになるはず。駅から遠い販売店の場合、駅まで迎えに来てくれることもある

ここまで販売店での行動手順や注意すべきポイントをいくつか紹介してきたが、自分にとってためになるものは見つかっただろうか。初めて販売店を訪れるという人はもちろん、久々ですこし緊張しているという人も、事前にある程度知識をつけてさえいれば、恐れることはなにもない。
まずは、順序を知っておくこと。やるべきことを順にこなしていけば、あとは店員がリードしてくれる。そして、物件の見方を知ること。どこをチェックすべきか、事前情報でわからなかった部分はどこなのか。あとは、店員との対話である。といっても、常識的なコミュニケーション力さえあればオーケーだ。
これらを知ったうえで、実際に販売店に足を運べば、きっとスムーズに段取りが進んでいくはずである。

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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