車検・点検・メンテナンス
更新日:2017.12.08 / 掲載日:2017.12.08

禁断のクルマ実験室 助手席エアバッグの威力を車内で試す

エアバッグ展開で内装側への影響はあるのか?

 エアバッグ単体展開でも、大きな衝撃を持つことが分かったが、実際は車両に取り付けたら状態で作動するため、ダッシュボードを中心に、衝撃が伝わるはず。そこで、ビスタの助手席エアバッグでも強制展開してみた。エアバッグの展開時間は0.03秒、速度は100~300km/hとのことなので、プロ用一眼レフカメラでも展開中の撮影は難しい。連射していても、展開前と展開後しか撮れないものだ。そこでより高速連写が得意なカシオのエクシリムEX-100Fを使い、一瞬の記録にチャレンジした。
 カメラは後席右よりにセットしてスタンバイし、エアバッグにつないだ電源コードを車両の外に引き出しておき、完全防備の車内側カメラマンと呼吸を合わせてスイッチオン!
 こちらもパンッという大きな音とともにエアバッグが見事にフル展開。
 EX-100Fの画像をチェックすると、今まででは撮れなかった展開行程が写っていた!ダッシュ側のリッドが持ち上がって、エアバッグが顔を覗かせたところや飛び出している状態があり、その際のダッシュの歪みも捉えられていた。
 アルファ147用で行ったタイヤ載せと異なり、エアバッグ自体は自由な展開だが、ごく短時間での現象のため、取り付け部が受ける衝撃は大きく、ダッシュボードが弾性変形域でグニャグニャ変形したようだ。そのため展開後になってから、ダッシュ下側の灰皿が飛び出してきていた。
 ダッシュボードは、左端の空調ダクトや、エアコンやオーディオも手前に外れていた(後にビスが外されていた事が判明)。パーツをダッシュに固定するはめ込みのクリップが抜けてしまったのだ。
 ダッシュボードを蹴飛ばしたとしても、ここまでの衝撃を加えるのは難しいだろう。幸いにもフロントガラスが割れなかったので、走行への支障は出なかったが、助手席側は大型な分、衝撃度も大きなことが分かった。

※専用施設等において専門家の指導のもと取材しています。

ダッシュボードが歪みながらエアバッグがオープン

展開前からシャッターを切って撮影スタート。展開始めにリッドが持ち上がっているのが記録できた。この時。左側の空調ダクト付近の合わせ面が大きく開いている。

天井に接するまで展開しサンバイザーが瞬間的に歪む

半分程度展開している状態では、バッグの塊が手前に飛んでくる。ガスが充填されて上下に開くと、サンバイザーに接していてシワがよっている。

フロントガラスが割れるのは、このような状態なのか、リッドがぶつかるからなのか。

上下に揺れながら維持

エアバッグは完全に展開しているが、上下に激しく動いている。これが実際の事故であれば、すでに乗員を受け止めているだろう。

衝撃で灰皿が飛び出してきた

展開終盤に灰皿が飛び出している。ダッシュボードが変形を繰り返しために、突き出されてきたのだろう。

<実験結果>内装への衝撃はかなりのもの。フロントガラスが割れるケースもある

上段の写真は外から1眼レフで連写したものだが、展開サイズのイメージが分かるだろう。ダッシュ上のリッドには、丈夫なヒモが付いていて、飛ばないようになっている(アルファ147ではストラップだった)。幸いフロントガラスは割れなかった。ダッシュ側はエアコンやオーディオが飛び出していたが、これは電装用品の取り外しでオーディオの固定ビスが外されていたため。ともかく、ダッシュボードの受ける衝撃の強さが伺えるテストになった。


提供元:オートメカニック



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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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