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キズ・へこみ直し
更新日:2017.12.08 / 掲載日:2017.12.08

DIYリペア術「ボディを擦ってミラーも折れた!」

Before

After

パッと見の被害は甚大でも、冷静に観察したら比較的軽症でDIYで十分対処できる。そんなケースが多々ある。モデル車がまさにそれ。キズは浅く、プレスラインは潰れていない。凹面も裏に手が入る位置にあるため、特殊工具を使うことなく修復できる。

Step1>>折れたミラーを仮補修して走れる状態にする

部品調達までどうしても時間が掛かるため、それまでの繋ぎとして暫定的に修理する

 擦りキズは見た目はハデだが、塗膜の表面に浅いキズが入っているだけというケースが多く、意外に簡単に修復できる。
 また、凹んだ部位がフロントフェンダーなら、インナーを取り外すことで容易に裏側にアクセスすることができるため鈑金しやすく、手始めにチャレンジするには最適。プレスラインが潰れてなければチャレンジしてみる価値がある。
 このような条件に合致したならDIYリペアにチャレンジしたい。
 さて、折れたドアミラーは損傷が激しいため、Uパーツと交換する。が、パーツが手元に届くまでどうしても時間がかかる。補修用の塗料類もまたしかり。それまでドアミラーが垂れ下がった状態で走り回るわけにもいかないため、とりあえず取り外して仮補修することにした。

【1】ミラーの脱着のためにドアトリムを取り外す

1)ドアミラーの固定ボルトはドアトリムの裏側にあるため、まずドアトリムを取り外す。アームレスト周辺に設けられている固定ネジを取り外す。

2)インナーハンドルの中央の固定ネジを外して分離する。

3)トリム下部の角からこじり上げて樹脂クリップを引き抜く。

4)ドアトリムを真上に引き上げて上端部の引っかかりを外し、取り外す。

【2】ドアミラーを取り外し、損傷具合を確認する

1)ホールシールの上部隅を剥がしてドアミラーハーネスの接続カプラを分岐する。

2)サービスホールの奥に設置されているドアミラーの固定ナットを外し、ドアミラーを取り外す。

3)ミラー本体の支柱下部の固定ネジ部に残っている固定ベースの破片を取り外す。

4)取り外した破片を固定ベースにはめ込んで再現可能か確認する。欠損部は多いものの定位置にキッチリ収まる。これなら再現可能だ。

【3】残っていた固定ベースを定位置に配置し、ズレないよう仮固定する

1)BONDIC(ボンディック):専用UV LEDライトで紫外線を約4秒あてるだけで接合できる補修剤。

2)固定ベースの破損面にBONDICをムラなく均等に塗布する。

3)破片を定位置にはめ込み、固定ベースとの接触面の隙間にBONDICを流し込む。

4)UV LEDライトを照射して硬化させる。ズレやすい破片も、この補修剤を利用すれば短時間で確実に目的の位置に固定することができる。

【4】欠損部位をプラリペアで埋めて補強する

1)プラリペアPK-80:型取くんも付属するフルセット。

2)欠損範囲が広かったためプラリペアで埋めつつ補強する。容器側面を軽く押してリキッドを垂らし、混ざってできた玉を刺し取る。そして、破断面に持っていき、容器を軽く押してリキッドごと垂らし落とす。

3)これを繰り返すことで隙間を埋めつつ盛り上げる。

4)広がったネジ穴は、外径の大きいワッシャーでカバーする。ワッシャー端が割れずに残っている面にもかかるため、より確実に固定できて一石二鳥。

5)走行には支障ない程度に補修できた。

Step2>>色違いのUパーツを同色に塗装する

色は塗り替えられるので、愛車に合致する程度のよいパーツを見つけたら迷わず入手したい

 Uパーツは生き物! 目的のパーツがほしい時に手に入るとは限らない。色物の外装パーツとなるとなおさらで、愛車と同色の物にこだわっていると程度のよいパーツを見逃すことになる。
 このため、愛車に適合する程度のよい外装パーツを見つけた時は、色違いだったとしても迷うことなく入手したい。色は塗り替えてしまえばよく、純正の塗装膜がきれいに残っているパーツならその塗り替えも容易に行えるからだ。
 ただし、この色の塗り替え、外せるパーツは可能な限り外して行いたい。手間はかかるものの隙間の奥まで確実に色がのせられ、よりきれいに仕上がるからだ。

【1】鏡面を取り外して内部へのアクセスルートを確保

1)中古のドアミラーをネットオークションで入手。色違いながら、程度がよかったため迷わず落札した。

2)ミラー上部を押し込ん下面の隙間を広げ、フックとミラーホルダーの接続ポイントの直近までリムーバーを差し込み、ゆっくりこじり上げて嵌合を解除する。

3)ミラー下面を引き上げつつ、上面側の嵌合を外してミラーを取り外す。

【2】ミラーベースを分離する

1)カバー内に正面からセットされている固定ネジを外してフレームをフリーに。

2)正面カバーを引き抜く。

3)ミラー台座にはめ込まれている樹脂カバーを引き抜く。

4)ミラー台座を完全に分離するためにはハーネスを引き抜く必要があるが、ハーネス穴のサイズは狭くカプラーごと引き抜くことはできない。端子をすべて引き抜くにはハーネスから分離する必要がある。

5)側面カバーの端をこじり上げてロックを外し、引き起こす。

6)細いマイナスドライバーで端子を固定している爪を引き起こし、後方に引き抜く。

7)ミラー台座の固定スクリューを外しフレームから分離。

8)ハーネスを引き抜き固定ベースを分離。

【3】開閉ユニットを抜き出してカバー単体にする

1)ミラー台座の裏にセットされているフレームの固定ネジを取り外す。

2)カバーからフレームを抜き出し、ミラーウインカーの固定ネジをすべて取り外す。

3)ミラーウインカーのカバーから引き抜いて分解完了。

4)カバー/正面カバー/ミラー台座とそれぞ単体にすることで、容易かつ確実に色を塗り替えることができる。

【4】足付けしてプラサフを塗布する

1)ソフト99/ボデーペンホワイトプラサフ

2)カバー類を水洗いして汚れをきれいに落とし、#1000の耐水ペーパーで全体をムラなく研磨(水研ぎ)して足付けする。

3)水分をキッチリ拭き取り、シリコンオフで拭いて脱脂する。

4)下地は生きているため、単純に塗り替えるだけなら直接スプレーしてもよい。が、塗り替え色の赤は下が透けやすいため、発色の向上も狙ってホワイトプラサフを塗布する。

【5】ボディと同色のカラースプレーで塗装し直す

1)ソフト99/ボデーペン純正色ソリッド

2)まず、全体に均等に、うっすらと色をのせる。

3)15分ほど放置し、乾燥した頃合いで2回目を塗布。塗装した面がムラなく濡れた感じになるまで塗る。一気に厚塗りすると塗料が垂れるので注意! 休止・乾燥を最低でも3~4回繰り返して徐々に色をのせていく。

4)塗り終わったら完全に乾燥するまで少なくとも一晩放置する。

【6】一晩放置して乾燥後、元通り組み上げる

1)塗装面をキズ付けないよう作業台にきれいなウエスを広げ、その上で組み上げていく。まず、台座取り付け穴からハーネスを引き出す。

2)ミラーウインカーをはめ込み、固定ネジを締めて固定。

3)フレームを定位置にはめ込み、ミラー台座裏の固定ネジを締め付ける。

4)正面カバーを元通りはめ込み、固定ネジで固定。ミラー台座も元通り組み付ける。

5)壊れたミラーのカプラーを見本に、引き抜いた各端子をカプラーに元通り組み付ける。

6)ミラー上面側の嵌合爪をミラーホルダーにはめ込む。

7)下部嵌合爪をはめ込み部に重ね、まっすぐ押し込んで嵌合して完成!

8)ミラーが完成。

Step3>>凹みと歪みを可能な限り叩き出して均す

パテをむやみに厚盛りするとヒビ割れたり剥がれ落ちやすくなるので注意!

 ボディの凹みは「パテを盛って成形すればいい」と単純に考えがち。確かに、10mmくらいの深さの凹みまでパテで対処することができる。
 しかし、パテはできるだけ薄く塗り込むのが基本。むやみに厚盛りすると、なにかの拍子にパネルに歪みを生じさせている力が抜けた時元に戻ろうとする力でヒビ割れたり、走行中の振動でボロッと剥がれ落ちることがあるからだ。
 このため、小さな凹みだったとしても可能な限り事前に叩き出す。きれいに叩き出すことができなかったとしても、パテ盛りを必要最小限の厚みで済ますことができるからだ。

【1】凹んだ面の真裏へのアクセスルートを確保する

1)ヒットポイントはフロントフェンダー末端で、ドア前方端にも押し込まれた跡がある。これらの凹みを叩き出すため、裏面へのアクセスルートを確保する。

2)ジャッキアップしてリジットラックをセットし、フロントタイヤを取り外す。

3)フェンダーインナーを固定している樹脂クリップを外して引き抜く。

【2】歪みポイントを叩いて力を抜いていく

1)凹みの頂点をドーリーで裏から支えつつ、周囲の盛り上がっている面を叩いて歪みの力を抜いていく。

2)叩き方はトントンと軽くでよく、凹面の突っ張りが徐々に弛んで少しずつ盛り上がってくる。

3)裏に手が入らないためフェンダー下端の固定ボルトを外して下端を軽く引き出す。

4)裏面に手を入れて支えつつ表から掌で押すことで大きな歪みを修正する。

5)歪みは残っているもののほぼ押し出すことができた。

【3】裏から押し出し、突起した面を叩き戻す

1)ドア前方端の凹み位置は鉄板の折り返し面。このような部分に生じた凹みは力ずくで押し出すしかない。

2)フェンダーを軽く引き上げて隙間をつくり、凹みの真裏にバール(プライバー)を押し込む。

3)バールをこじり上げて凹んだ面を押し出す。

4)若干、山なりになるよう押し出しておき、突起した面を鈑金ハンマーで叩いて平らに均して完了。

5)これでほぼ平らになる。

【4】水研ぎでキズ溝の底まで研磨して平らに均す

1)ドア最下部には下地にまで達する深い溝が入っているが、上部は爪が軽くひっかかる程度の浅い溝が塗膜表面に入っている状態。キズ溝の底まで研磨して周囲との段差を落として塗装し直すだけできれいになる。

2)#400の耐水ペーパーを用意し、研磨ブロックに巻き付ける。

3)ブロックごと水に浸けながら、

4)キズ面を水研ぎする。

5)どこを削っているのかを常に意識しつつ、キズ溝を中心に周囲となだらかに繋げるよう塗膜を削り落とす。

6)他のキズも同様に、キズ溝の底まで水研ぎする。

7)このように下地を残したままキズのみ消し去ることができる。

【5】表面にこびりついた異物を削り落とす

1)真ん中のキズは塗装色とは明らかに異なる突起状の異物が塗装表面に付着した状態で、軽く擦った程度ならコンパウンドで磨き落とすことができる。

2)今回はガッチリ付着しているため水研ぎで削り落とす。

3)異物を削り落とせば、このとおり平らになる。

【6】塗料カスはコンパウンドで磨き落とす

1)後席ドアの黒い筋。これは軽く擦ったことでぶつかった相手の削れカスや塗膜が付着した状態で、コンパウンドで処理できる。

2)ソフト99/液体コンパウンド3000

3)コンパウンド専用スポンジにコンパウンドを小指の先くらいの量を絞り出す。

4)キズ溝と平行に直線的に磨く。

5)10回ほど磨いたら拭き取り落ち具合を確認。

6)異物が落ちて目立たなくなるまで、磨いて拭き取るの繰り返しで少しずつ磨いていく。

Step4>>残った凹みを埋めてカラースプレーで塗装する

パテは盛って乾かし研磨して再度盛っての繰り返し。じっくり腰を据えて取り組む必要がある

 凹凸の差が激しかったり波打っている面は補修用のパテを盛って整形すればきれいに均すことができる。
 ところが、キッチリ仕上げるためにはテクニックもさることながら、とにかく手間がかかる。パテで元通りの形状を再現するのは意外に難しい。平面は歪みやすく、曲面は平らになりやすいからで、1回ではきれいに埋まらない。乾燥した上に塗り込むように塗り重ねることで少しずつ、時間をかけて仕上げていく。

【1】取りきれない凹みはパテで埋めて均す

1)鈑金で修正しきれなかったフロントフェンダー末端とドア前方端に残った凹みは、パテで埋めて平らに均す。

2)前項で指摘したドア下部の下地にまで達する深いキズ溝が入った部分。これも凹みを伴っているものの叩き出すほどの深さではないため、パテ盛りして修正する。

【2】パテを盛る面の塗装を削って地肌を露出させる

1)効率よく研磨するため粗目の#120をサンダーにセット。

2)パテ盛りする面を研磨して塗膜を削り落とす。

3)真っ先に削れ落ちるのが凸部で、塗膜が残っているのが凹部。その塗装が残っている面がパテ盛りの中心部となるので、その範囲を目に焼き付けておく。

4)凹みに残った塗料をピンポイントで研磨していく。

5)周囲となだらかに繋げる必要があるため、周囲も2~3回りほど広めに削り出し、シリコンオフで削れカスを拭き取りつつ脱脂。

6)これで一段落。

【3】筋状に凹んだ面も同様に研磨する

1)筋状に凹んでいる面も同様に研磨し、パテを埋める範囲を確認する。

2)埋める必要がある面積は意外に少なかった。確認したところで凹部に残っている塗膜を残さず確実に削り落とし、シリコンオフで削れカスを拭き取りつつ脱脂する。

【4】硬化剤を添加して混ぜ合わせる

1)ソフト99/厚づけ用ボデーパテ徳用缶

2)パレットに厚づけパテを適量取り出し、指定量の硬化剤を混ぜ合わせる。

3)混合率2%で、ゴルフボール(主剤)に対しパチンコ玉(硬化剤)が目安だ。

4)主剤と硬化剤の色が混ざって均一になるまで、よく混ぜ合わせる。ただし、気泡が生じないようパレットに練り込む感じに混ぜ合わせていく。

【5】ヘラ先にとって一方向に盛り付ける

1)パテを棒状に均し、パレットからこそげ取るようにしてヘラ先に横一線に付着させる。

2)凹みの底までムラなくパテが入り込むようヘラ先に力を入れてしごく感じに押し付けつつ一方向に塗り付けていく。

3)おおまかに凹みが埋まって周囲との段差がなくなるまで盛り付けたら、硬化するまで放置する。

【6】粗目のペーパーで研磨して平らに均す

1)#120で研磨して大きな段差を削り落としつつ、

2)周囲との段差がなくなるよう均していく。

3)まだ段差が残っていたら再度パテを盛って研磨。これを指先で軽くなぜるように触って歪みが感じ取れなくなるまで繰り返す。

4)また、細部の研磨は#400耐水ペーパーによる手作業で、仕上がり具合を確認しながら少しずつ削っていく。

5)ドアのパテ盛り面も同様の手順で削り出す。

【7】パネルの切れ目でマスキング

1)ドアとフェンダーはまるまる塗ってしまうため、まずパネルの周囲の区切り面に沿ってマスキングテープを貼り付ける。

2)ソフト99/幅広マスキングシート

3)マスキングテープの上にマスキングシートのテープ面を重ねるように貼りけていき、余ったフィルムとテープをハサミでカット。

4)フィルムを広げてマスキング面に密着させ、端がバタつかないようテープで固定する。

5)そして、塗装するパネル以外の面をキッチリカバーする。

【8】パテ面を盛った面にプラサフを塗布する

1)ソフト99/ボデーペンホワイトプラサフ

2)パテ盛りに伴って研磨した塗装面以外の全塗装面を#1000耐水ペーパーで研磨して足付けする。

3)パテ面と研磨作業によって鉄板面が露出してしまった面にプラサフを吹き付ける。

4)プラサフが乾燥したら#1000前後の耐水ペーパーで研磨して滑らかに仕上げて下地の完成!

【9】本塗装し、ミラーを組み付ける

1)下地が完成したところで本塗装。1回目は少し遠めから全体に均等にうっすらと色をのせる。

2)2回目以降は20~25cmの間隔でまっすぐ平行移動しつつパターン幅の2/3を塗り重ねて徐々に塗膜を厚くしていき、最終的に艶がでるまで塗り込む。

3)塗料が半乾きになった頃合いでマスキングを取り除く。

4)ドアミラーを取り付け、ドアトリムを元通り組み付け、

5)ミラー制御やガラス昇降等が問題なく行えることを確認して完成だ。

提供元:オートメカニック

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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