溶接&金属加工入門　メタル門松

ビギナーでもチャレンジOK!
鋼材で製作する金属製の門松

　正月に家の門の前に立てる「門松」の材料といったら竹が当たり前。そんな常識を覆したテーブルサイズの金属製の門松。それが「メタル門松」で、必要な材料を1セットにしたオリジナルキットが用意されている。
　これは金属加工に不慣れなビギナーでも無理なく作れるよう開発された、体験イベント向けの製作キット（イベント参加費込みで4000円）とのこと。そこで、手始めに、見た目のインパクトがあって金属加工の基本を体験できるこのキットを利用して、各種工作機械の使い方や金属加工のプロのワザを披露してもらうことにした。
　さて、加工は金属の丸パイプを斜めに切断するところから始まる。なお、「メタル門松」を製作できる体験イベントは直近では’16年の12月10日に実施※された。「門松」という正月用のアイテムのため、また年末付近に実施されるかもしれない。興味があったら問い合わせてみるといいだろう。
※2017年時点での情報

竹をかたどる丸パイプと覆いの角パイプ、設置台となる治具組み付け穴が開けられている金属板に専用治具がセットされたオリジナルだ。

まず、竹をかたどる丸パイプをカットする。作業にはロータリーバンドソーを使用。平バイスの固定プレートのボルトを緩めて傾け、調整目盛りに従って45度にセットする。

丸パイプをセットし、ノブを押し込んで移動プレートを材料に密着。スクリューホルダーを被せて固定する。

パイプ半分の位置に刃が重なるよう調整してノブを締め込んで固定。

電源スイッチを入れ、ハンドルをゆっくり押し下げる。

刃がぶれないよう最初はゆっくり慎重に切っていく。

切断できたら刃の回転が止まるのを確認しハンドルを引き上げる。

切り出したパイプの片側をさらに半分にカットしたところで、平バイスの固定プレートの固定角を0度に調整し直す。そして、両端が斜めにカットされている側をセットする。

そして、両端が斜めにカットされている側をセットする。

斜めになった面をカットしてパイプ片面の切り口を平らにする。

金属パイプの切断面にはどうしてもバリが生じる。竹をかたどるパイプの仕上げにこれを処理する。

ベルトサンダーを利用して切断面の外周に生じたバリを削り落とし、エッジを丸める。

切断面内周のバリは回転構造によって刃の食い込みを防ぎ、均一なバリ取り、面取り加工が行えるバリ取りナイフで処理する。

右側が未処理の切断面で左側が処理後。目につく部分なので、このようにていねいに仕上げる。

設置台となる金属の固定ベースには治具を組み付ける穴が既に開けられているが、切断面や表面は切り出したままの未処理。これを処理する。直角面用の面取りツールにセットして外周を面取りする。

ガイドレールに沿ってゆっくり移動させるだけで、このように均等にきれいにエッジが落とされて丸められる。

上面が数ミリ飛び出した状態でバイスに固定。

ベルトサンダーで研磨して表面をツルツルに仕上げる。

固定ベースの組み付け穴に専用治具を組み付け、竹をかたどるパイプをまっすぐはめ込む。

斜めにカットした面が正面を向くよう固定位置を調整し、溶接用マグネットホールドを利用して垂直に立った状態で安定させる。

パイプ底部と固定ベースの接触面を溶接。しっかり固定したら残り2本を順に、同様の手順で固定ベースに固定していく。

溶接面が多少凸凹してしまったとしても大丈夫。覆いの角パイプからはみ出すようならその面を削り落として完成だ。

なお、この覆い部分を丸パイプにしたバージョンもある。

提供元：オートメカニック