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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.03.27 / 掲載日:2018.03.27

溶接&金属加工入門 オリジナル作業台

体験イベント以外の日程なら設備だけの利用もできる
 体験イベント以外の平日は1時間2,000円(18:00 ~ 20:00)、土曜日・祝日は1日(9:00 ~ 16:00)12,000円で作業場所と工具類を借りることも可能だ。 その場合でも加工法や各種工具の使い方に関するアドバイスを受けることができるため、作りたいものが決まっているものの機材が心もとなかったり、どうやって加工するか悩んでいたなら利用価値大!そこで、試しに作業台としても使えてコンパクトに収納できる折りたたみ脚式のオリジナル溶接台を製作してみることにした。

設計図を作って必要な材料を書き出す

作るもののおおまかな設計図を書き、製作に必要な鋼材の種類や必要長、パーツ類を割り出していく。

用意した鋼材を必要な長さにカットする

今回は事前に打ち合わせして必要な鋼材を用意してもらった。

各部位の鋼材を選定して切り出し線をケガき、「ロータリーバンドソー」で必要なパーツを切り出していく。なお、今回は特別に製作も杉田氏にお願いした。

また、一般の設備利用でも前金とはなるものの、鋼材を取り揃えてもらうことは可能とのこと

天板枠の接続面を45度にカット

天板の枠組と折りたたみ脚は一辺30mmの角パイプを利用して溶接で組み上げる。

まず天板枠の角の組み合わせ面を加工。「ロータリーバンドソー」にセットして両端を45度にカットする。

ベルトサンダーで切断面のバリを落としておく。

合わせ面を開先加工し溶接する

45度にカットした切断面を組み合わせて収まり具合を確認。

キッチリ組み合わさるのを確認したところで溶接用の開先加工(接合面の端を斜めに削る)を行う。

溶接用マグネットホールドを利用して直角に組み合わせた状態で安定させる。

合わせ面の外側と内側の末端部を溶接で点付けする。

対面の枠も点付けで仮組み。

その後、両者を組み合わせて歪みが生じていないか確認する。

点付けで接合して再度、歪みがないか確認。OKならキッチリ溶接して完全に接合する。

作業台としても使えるよう机と同等の高さ700mmを確保
 天板の枠組みが完成したところで折りたたみ式の脚を組み上げていく。
 この折りたたみ脚、一般的な机と同等の700mmという高さを確保するために天板とほぼ同じ長さ。このため、展開時の強度を確保するため鳥居状に組んだ脚を天板枠裏の左右端にヒンジを介して取り付ける構造とした。が、問題は折りたたみ方。収納時は中央に向かい合わせに折りたたむことになるため、同じ脚幅ではぶつかってしまうのだ。
 そこで、片側は折りたたんだ脚の内側にピッタリ収まるよう幅を狭くすることにした。また、脚の途中には補強枠を入れるが、これまた折りたたみの邪魔となることに。こればかりはいかんともしがたいため、可能な限り突起することなく収まるよう現物合わせで取り付け位置を調整することにした。

折りたたみ脚を組み上げる

脚は脚幅にカットした横枠の左右端に、脚を直角に組み合わせて溶接する。

まず、天板の奥行きと同じ幅の外側の脚から組み上げていく。溶接用マグネットホールドで直角に組み合わせた状態で安定させ、点付けで仮溶接する。

2本の足を歪むことなく直角に接続できたことを確認したところで本溶接する。

組み上がった外側の脚の内面に添うよう内側の脚を組み上げ、溶接用マグネットホールドを利用して横枠と脚がずれないよう密着させる。

そのままの状態で点付けで仮溶接。

スムーズに出し入れできるか確認。

本溶接してしっかり固定する。

アルミ丸棒から脚の補強を切り出す

補強枠は贅沢なことにφ28mmのアルミ無垢の丸棒。これはすりこぎ棒代わりに利用していたという端材で、鋼材とは異なる加工工程を折り込むために採用した。

脚の強度を考えれば路面に近い位置に固定したい。が、それだと収納時に脚が大きく飛び出すため、左右で段違いに固定することで妥協点を見いだした。

「ロータリーバンドソー」で380mmと440mmにカット。

ベルトサンダーで切断面を面取りする。

切断面のセンターを出す

切断面に「青ニス」を塗布する。これはケガキたい面に塗布することで材料とのコントラストがくっきりしてケガいた線が見やすくなるというプロ御用達の便利ツール。勉強になった。

丸棒の太さを計測して半径を割り出す。

半径は14mmで、ハイトゲージのクチバシの高さ位置をこの数値に合わせる。

定盤に丸棒を密着させ、切断面をクチバシ先で擦って半径の高さのケガキ線を数本刻み込む。

ケガキ線が交差している点が中心だ。

雌ねじ用の下穴を開ける

アルミ丸棒は両端に雌ネジを切って脚にボルト留めする。まず、割り出した中心点にオートポンチを押し当ててドリルの誘導穴を開ける。

バイスで垂直に立てて固定し、ボール盤にセット。チャックを手で回してドリル刃中心をポンチ穴に合わせる。

合致したところで下穴を開けていく。なお、使用ボルトはM8で、下穴サイズは6.9mm。

面取りカッターに付け替え。

下穴の上端をさらってバリを取り除きつつ皿取り加工する。

軽く皿取りすることでタップをスムーズにねじ込むことができる。

スパイラルタップで雌ねじを切る

ボール盤のチャックにM8のスパイラルタップ(切りくずを外に出す力が働くため、止まり穴のねじ加工に最適)をセット、下穴に軽く押しつけながらチャックを手回すことで切り刃先端を食い込ませる。

こうすること下穴に対してタップを垂直にねじ込むことができる。

タップを食い込ませたままボール盤から分離してタップハンドルをセットし、切削油を塗布する。

ゆっくりハンドルを回して雌ネジを切っていく。

六角ボルトで脚に固定する

補強枠の固定ポイントにM8の六角ボルトに対応した「段付きドリル」で取り付け穴を開ける。

ねじ穴が貫通したら表面側に段付き面をゆっくり押し付け、キャップ面が収まる穴サイズに拡大する。

丸棒のねじ穴と取り付け穴が合致するよう丸棒を組み付け……

六角ボルトをねじ込み固定する。

これで側面へのボルトの飛び出しを回避できる。反対側の脚も同様に加工して一段落。

折りたたみ脚は脱着式の筋交いで固定する
 折りたたみ脚はヒンジを介して天板枠に固定するが、このような構造にすると作業時にヒンジに無理な力が加わり、ガタが生じる可能性がある。
 このため、ねじの取り付け穴が開けられている一般ドア用はパス。強度優先で「溶接ヒンジ」を利用することにした。鋼材へ溶接で取り付けることを前提としているためプレートが厚く、ガッチリした作りで捻る力が加わっても容易にガタつくことはないと判断したからだ。
 また、開いた脚の固定には当初、市販の固定金具を利用すべくホームセンターで物色したが、「これは」というものが見つからなかった。そこで、両サイドに鋼材の帯状の平鋼で脱着式の筋交いを入れることにした。脱着・収納時の手間はかかるものの、シンプルかつ低予算で確実に固定できるのも魅力だ。

ヒンジに取り付け穴を開ける

開閉機構の要となるヒンジには溶接で取り付ける「溶接ヒンジ」を利用する。ねじ穴が開けられてないため取り付け時の手間は増えるが、強度優先で選定した結果だ。

脚を展開した状態で仮置きし、用意したヒンジをあてがってどこにどのように取り付けるか検討する。

取り付け位置が決まったところで固定。プレート面に「青ニス」を塗布。

ハイトゲージのクチバシの高さ位置を固定。プレート幅の半分に調整。クチバシ先で擦って中心線を刻み込む。

横幅を4分割した交差線を中心線に刻む。

これでケガキ作業は完了。

各交差点にポンチでドリルの誘導穴を開ける。

固定には4mmタッピングビスを使うべく、余裕をみてφ4.5mmの取り付け穴を開けていく。

ヒンジを介して天板枠に取り付ける

ねじ穴を開けた「溶接ヒンジ」を取り付け位置に置き、現物合わせで取り付け穴位置を印していく。

ただし、一度にすべての穴の位置を印すと高確率でズレが生じる。

そのため、まず四隅の一つに下穴を開けてタッピングビスで固定する。

次にヒンジの取り付け位置を微調整後、対角位置を固定する。

これで定位置に収まった状態でズレを心配することなく残りを処理できる。なお、角材のプレート厚はせいぜい1.5mm。固定に4mmタッピングビスを使うべく下穴はφ3.3mmとした。

両端にヒンジを取り付けたらスムーズに折りたためるか確認。

OKなら反対側の脚を取り付ける。

天板枠に鉄板をねじ留めする

500×700mmのサイズで発注しておいた2mm厚の鉄板を天板枠に載せて収まり具合を確認する。

板端がはみ出さないよう微調整してシャコ万で天板枠に固定。

5mmの皿タッピングビスの下穴を開け……

面取りカッターで沈め穴加工する。

四隅と中間点をねじ留め。

天板を固定したところで周囲のエッジを研磨して落としておく。

折りたたみ脚のストッパーを切り出す

筋交いの材料は30mm幅の平鋼で、長さは400mmとした。これが収納時に脚側面にはみ出すことなく収まる取り付け位置を、現物合わせで検討する。

平鋼を「ロータリーバンドソー」にセットして……

400mmの長さにカットする。

ベルトサンダーで切断面を面取りし、四隅の角を落として丸めておく。同様の手順で計4本、製作する。

両端に固定用のねじ穴を開ける。固定はM5の六角ボルトを利用するためサイズは5mm。

脚の側面にストッパーを組み付ける

筋交いは脱着式とするため、脱着を繰り返すと緩くなるタッピングビスは固定に向かない。とはいえ、角パイプの厚みは薄く、雌ねじを切るわけにも……。

そこで、「ナットリベット」を利用することにした。まず、脚側面に現物合わせでねじ穴位置を印す。「ナットリベット」はM6サイズを利用するため、φ9.1mmの下穴を開ける。

M6の「ナットリベット」をハンドナッターにセット。

下穴にまっすぐ、かつ傘がピッタリ接するまで押し込み、ギュッとハンドルを締め込んでかしめる。

片側を仮固定しておいて……

反対端を同様に加工する。

これで固定ボルトが容易に脱着できる。

内側の脚のストッパーは枠内面にセット

内側脚は収納時に外側の脚の内面に収めるため、筋交いを枠外面に設置するわけにはいかない。このため、枠内面にセットする。収納時に補強枠と干渉して脚が折りたたみきれないが……よしとした。

外側の脚と同様の手順で。

ねじ穴位置に「ナットリベット」を取り付け、M6ボルトで固定する。

これで完成! ガタもなくガッチリ仕上がった。

完成

これが折りたたんだ状態。この程度の出っ張りならノープレブレムだ。

溶接物を置くだけでアースが取れる溶接台として機能しつつ、座っても使える高さにしたため作業台としても役立つのだ。




提供元:オートメカニック

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

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自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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