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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.03.28 / 掲載日:2018.03.28

プロが教える溶接のコツ

基本姿勢をキープしつつ一定のリズムでビードを刻む!
 溶接の基本は、基本姿勢をキープしつつ一定のリズムでビードを刻んでいくところにある。
 そのためにはまず、身体のブレを抑さえることが大切で、作業は座って行うのが原則となる。さらに、片手での作業は極力控える。ホルダーやハンドトーチを片手ホールドで横にスライドさせていくと母材に近づいたり離れたり、保持角度が狂ったりと、フラフラして安定しないからで、空いた手で軽く支えてブレを抑さえることが大切だ。
 また、ホルダーやハンドトーチの動かし方には「前進法」と「後進法」という2つの方法がある。「前進法」はこれから溶接する面に向かって右から左へと溶接(右手で操作する場合)していく方法で、溶込みが広く浅くなる。これとは逆に左から右に向かうのが「後進法」で、溶込みが狭く深くなる。
 初めてだと溶接する面を追っていく「前進法」が狙いを外しにくく、やりやすそうに感じる。ところが、追っていくにはかなりの技術を要するとのことで、溶接棒がなくなるまで押していくだけでよい「後進法」のほうが楽に溶接することができる。このため、慣れるまでは「後進法」のほうがよいということだ。

前後方向は垂直に、左右は進行方向に傾ける

溶接棒は溶接物に相対して前後方向が90度の直角、左右方向は進行方向側(左から右に移動する後進法時)に70~80度傾ける。溶接中は常に、この状態を維持するのが基本。

そのため、溶接棒をホルダーに装着する時も注意が必要だ。この「溶接物に相対して前後方向が90度の直角」という体勢を保持しやすい角度となるよう、挟むことが肝心だからだ。

空いてる手をホルダーに添えて安定させる!!

基本姿勢は維持できてもホルダーを持つ手がブレたら意味がない。このため、溶接時は空いている手をホルダーに添えて支える。

プロは手持ちの遮光溶接面でもこれを守っている。低い位置で構えることで、持ち手をホルダーに添えるのだ。

自動遮光溶接面なら容易なため初心者ほどこのタイプの利用がおすすめだ。

スパークはブラッシング法がベスト

溶接のスタートのきっかけとなるスパークの発生には溶接棒の先端を軽くコツコツと接触させる「タッピング法」と、横にはらうように擦り付ける「ブラッシング法」の2つの方法がある。これはタッピング法。

パワーが弱い小型溶接機で前者の「タッピング法」を行うと溶接棒が貼り付きやすい。このため、後者の「ブラッシング法」がベストとのことだ。これはブラッシング法。

芯線が隠れてしまったらフラックスを割って露出させる

溶接棒を一度でもスパークさせると芯線(金属部分)が溶けてフラックスの中に埋没しやすい。こうなると電極である芯線が溶接物に接触できないため、スパークが発生させられない。

このため、スパークしにくい時は先端部をチェック! もしも芯線が隠れていたなら先端のフラックスを割って芯線を1~2mmほど露出させる必要がある。

捨て板でスパークさせて溶接ポイントに移動するとよい!

スパークして溶接棒が溶けた直後の先端が赤くなっている時は軽く接触させるだけでスパークする。この現象を応用すれば、パワーが弱い小型溶接機でもスムーズにアークを飛ばすことができる。

溶接箇所の近くに捨て板を置き、そこを擦ってスパーク(ブラッシング法)させ、先端が赤くなっている間に素早く溶接箇所に移動させるのだ。

溶接棒の先端は部材に密着させる!!

溶接棒の先端は溶接物から一定のクリアランスで浮かすと考えがちだが、先端を密着させるのが基本。溶接棒が溶け始めてしまえば芯線はフラックスのアーチの中に収まる。傾ける時も一カ所、母材に付ける。

一定の幅、かつ一定間隔で上下に振りながら移動する

鱗が連続して重なっているように見えるビードは、溶接棒先端が形成されたスラグに半分くらい被る程度の間隔で、軽く上下に振りながら移動することで生まれる。

また、仕上がり時のビードの幅が板厚の半分以上が基本。これができるよう精進したい。

移動スピードは速すぎても遅すぎてもダメ!

最適な速さは40mm引くのに28秒。つまり、1mm移動するのに0.7秒。

上から遅い、普通、速い。

1mmにつき0.7より遅いとビードの幅が太くて短くなり、速いと細長くなってしまった。これではダメだ。

点付け位置へは溶接棒を支えて誘導する

棒径が細い低電圧用の溶接棒はブレやすく、狙った位置からズレてしまいがち。

特に新品時のスパンが長い時は注意を要する。

このため、一点を狙う点付けのように目的位置に正確に誘導したい時は……

溶接棒のブレを抑えるために溶接棒自体を空いた手で支えるよにして保持するとよい。




提供元:オートメカニック




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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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