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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.04.12 / 掲載日:2018.04.12

スバルサンバーを懐走仕様!エアコンレストア編 その1

スバル サンバーバンV-KV3[1995]
スバル サンバーバンV-KV3[1995]

 スバルサンバーの車検取得から1年、トラブルもなく快調に走行を続けている。去年の猛暑はエアコンなしで乗り切ったものの、やはり快適に過ごしたいという願望は捨てきれず、全く手付かずだったエアコン不作動の原因を探る旅に出た。と思ったら、あっけなくエアコンが作動。が、しかしそこから問題点が発生した!

エアコン不動症状とチェック コンプレッサー不動の原因を探るため「真空引き」を実施

エアコン不動症状とチェック

 2017年3月にめでたく車検を通過して、そこからちょこちょこ修復しながら快調に走行を続けているが、1年を経過して気温が上昇し始めると、気になるのがエアコンの不作動だ。昨年は浮かれて猛暑も気にならない(ウソ!)くらいだったが、さすがに2年目となると完調を目指したくなる。

 ACスイッチはオンになるものの、コンプレッサーが作動してくれない。憶測ではいろいろあったが、ガスがなければ圧力スイッチが作動しないので、まずはじめにやる作業として「真空引き」というものを実施した。

 これはエアコンのパーツを交換した時など、経路から空気を追い出して真空状態にし、そこにエアコンガスを充填することで経路が完結するという仕組み。

 また、経路を真空状態にすることで、もしどこか漏れがある場合などは、いくらポンプで吸引しても、その後時間経過とともに大気圧に戻ってしまうので、ガスを入れる前に判断がつく。

 コンプレッサーはガスがあれば作動してくれるので、損傷確認もできるということになる。

 22歳ともなれば、多少キズモノ(汗)になってもおかしくない年齢なので、シールやホースの確認も兼ねての作業だ。

 真空引きをする前に、まずはマニホールドゲージというものを使って配管経路の状態を見ることができる。コンプレッサーで圧縮した経路を高圧側、戻りを低圧側と呼ぶが、その両方にゲージが装着されていて、コンプレッサー近くにあるバルブに接続することで、状態を確認してみる。

 ガスが抜けているので大気圧のゲージは0を指針するかと思えば、マイナス側に振れている。ということは、どこからかガスが消滅してしまったということか。これが謎なのだ。

 とりあえず真空引きを60分ほど行い、その後も1時間以上放置してゲージを確認してみたが、マイナス側に振り切った状態のままだった。本来なら1日放置というのがベストだが。

 ひとまずガスを入れてみたら、あっけなくコンプレッサーは回転し、冷気が吹き出し口から放出された! 万歳!

「真空引き」の手順とは?

真空引き・ガス充填の手順
シングルステージ真空ポンプ
シングルステージ真空ポンプ。吸入量はそれほど多くないので、多少時間はかかるが、小型で確実に経路を真空にできる。ほしい!
エアコンの高圧・低圧側のバルブ
エアコンの高圧・低圧側のバルブはサイズが違うので間違えることはない。L/Hのマーキングもある。経年変化はバルブもありうる。
コンプレッサーにはHFC134a指定と明記
コンプレッサーにはHFC134a指定と明記される。平成5年にR12から切り替わり、混在数が多い。カプラーはガスによってサイズが違う。
エアコンシステム
エンジンコンパートメントの進行方向右側上部にエアコンシステムがある。FHIサンバーはすべて共通位置にある。NA車はベルト1本。
マニホールドゲージのカプラー
マニホールドゲージのカプラーはほとんどがクイックコネクトで、空気の侵入が少ない。色分けとサイズ違いで誤接続もない。
真空引きはエンジン停止状態で行う。
真空引きはエンジン停止状態で行う。経路途中にはバルブなどが存在しないので、接続後はポンプを回して放置。今回は約60分。
真空状態の指針
カプラー接続後、バルブを開くとマイナス表示に。要するに真空状態である。そのまま真空引きを行い、さらにマイナスに変化。ポンプを止め指針変化がゼロ方向に向かえばどこか漏れている。今回60分放置で変化なし。
蛍光ガス注入のステッカー
エアクリーナーケースに貼り付けてあった蛍光ガス注入のステッカー。もしかしたら過去にもエアコンが効かなくなった症状が?
エアコンガス容量
エアコンガス容量は必ず明記されている。HFC134a 0.45~0.55kgとあるので200g缶を3缶弱でフル充填ということになる。
エアコンガス
エアコンガスは通販でも購入できる。バルブは反時計回りに全開にして缶に装着し、時計回りに締め込むと缶に穴が開いた反応がある。
エンジン停止状態でガスを注入
エンジン停止状態でガスを注入。缶を下向きにして上下に振りながら注入するのがコツ。缶が冷たくなるので注意して作業する。

真空引き・ガス充填完了!エンジンを始動してみよう

エンジン始動
2缶注入してエンジン始動。ACスイッチONであっけなく作動。完全暖機後に測定すると、低圧側300kpaでコンプレッサーが回転。
圧力スイッチは正常作動していると判明
冷気がガンガン出ている中、200kpaまで下がるとコンプレッサー開放となった。圧力スイッチは正常作動していると判明。
リキッドタンク
リキッドタンクは助手席側ダッシュボード下のカバーに小窓が。ガスが入っていると、ここに液体が流れていることが分かる。
AC作動中に窓を見ると、ガスが半分ほど流動
AC作動中に窓を見るとガスがやはり足りないようで、半分ほど流動しているのが分かる。経路圧がいきなりかかるのはよくないので、走行して経過観察することに。

冷えたはいいが水が出ない。長期戦になりそうな予感

 めでたく冷気が出てきたので、作動状態を測定していくと、マニュアル記載値とほぼ同じ状態であることが分かった。R134aは200グラム缶を規定量の2/3ほどになる400グラム(2缶)入れてみた。しばらく作動していない状態だったので、高速など連続使用時にホース破裂などが起きないようにという配慮だ。

 なぜかエアコンガス量のラベルが貼ってあるところの近くに、漏れ確認用の蛍光ガスを入れたというラベルが貼ってあるので、かなり以前から、どこかから漏れているのでは?という疑いもある。ただ真空引きの結果は良好なので、ここからは実際の使用でどこまで持つのか?という耐久試験になるだろう。

 もしかすると、知らない間に漏れが止まっている(嬉)という可能性も否定できない。

 冷気が出てくれたので気をよくしたが、ファンスイッチの位置で時々ACランプが不点灯な時があり、その状態の時はコンプレッサーも作動してくれないという、電気接点不良という状況も見えた。

 まだ少し寒い時期とはいえ、エアコン全開ならいくらかでも気化熱による水が出てきてもよさそうだが、ドレンホースが濡れていないという状態が発生。エバポレーターまわりを触ったら、違うところの床が濡れていることを発見。

 エバポまわりとファンスイッチ取り外しは、ダッシュボードを外さなければならないので、今回はここまで。次号ではダッシュボードを外すので、他にもいろいろやれることがありそうな気配だ。ライトまわりやらスピードメーターケーブルなども作業できる。まずは暑くなる前にエアコン完調を目指すぞ!

エアコン作動状態の測定方法とは?

温度最低側を熱電対で測定
ダッシュ中央の吹き出し口からファン全開。温度最低側を熱電対で測定。外気はその付近で測定した。この日は寒く16℃だった。
吹き出し口から3センチほど突っ込んで測定
吹き出し口から3センチほど突っ込んで測定。5℃表示が出た瞬間コンプレッサーのクラッチが開放された。数回計測したが変わらず。
9℃表示が続いてACクラッチが作動して冷却開始となった
9℃表示が続いてACクラッチが作動して冷却開始となった。小数点以下が表示されないので、表示が続く=9℃台後半と思われる。
マグネットクラッチへの電圧を測定
マグネットクラッチへの電圧も測定した。作動していない時は当然0Vだ。2つ見えるカプラーの配線が1本しかないほうがクラッチ。
コンプレッサー作動とともに12.72Vが印加
コンプレッサー作動とともに12.72Vが印加されている。この数値も変わらず、オルタネータの発電も正常であることが分かる。
ACスイッチのランプが作動しない時が…。
ACスイッチのランプはファンがON状態であれば点灯するのだが、ファンスイッチの位置によって消灯し、作動しないという時が…。
放射熱による水がドレンホースから出てこない
快調にエアコンが作動するものの、放射熱による水がドレンホースから一向に出てこない。ホースが詰まっている可能性もある。
リキッドタンク脇ではなく、違うところが濡れていた
リキッドタンク脇にエバポレーターから出た水が流れるはずなので、外してみても詰まりはない。が、違うところが濡れていた(困)。
ウルトのエアコン消臭殺菌スプレーを吹き出し口から流し込む
簡易的にウルトのエアコン消臭殺菌スプレーを吹き出し口から流し込んでみると、クーリングユニット下部からダラダラと流れてきた。
ファンスイッチ接触不良と、ドレンまわりが未解決
ファンスイッチ接触不良と、ドレンまわりを解決しないと、来る酷暑に対応できないため、次号はダッシュボード外しという大作業に!

→次回はスバルサンバーを懐走仕様! 実践編

提供元:オートメカニック

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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