カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.04.13 / 掲載日:2018.04.13

MAZDA RX-7 FC 搭載するは伝説の“名機”

REターボパワーが炸裂する和製ピュアスポーツの代表選手

マツダが育んできたローターエンジンはスポーツカーとの相性に優れる。そのことを証明してみせたのが初代RX-7となるSA22C型。そのSAからバトンを受けたのが今回取り上げる2代目のFC3S型サバンナRX-7だ。荒削りだった初代と比べ、各部を熟成し世界のGTカーをライバルとする本格的なピュアスポーツカーとして1985年にデビュー、国内外を含め、未だに多くのファンを有する、魅力溢れるスポーツカーだ。

初代から大きな進化を遂げた、2代目RX-7

 ロータリーエンジン専用の車体を有するピュアスポーツカーとしてRX-7が誕生したのは1978年のこと。オイルショックにより沈んだスポーツカー需要を奮い立たせるカンフル剤の役目を見事に果たし、国内外に多くのファンを生み出した。
 それから7年の時を経た1985年に今回取り上げる2代目となるRX-7が誕生する。型式はFC3S(カブリオレはFC3C)。初代のSA22Cとは全く異なる型式からも分かるように、RX-7は代替わりで大きく進化した。初代も軽量コンパクトなロータリーエンジンの特性を生かす車体作りがなされていたが、FCはより本格的にスポーツカーとしての走るための機能に磨きをかけている。
 エンジンはマツダが作ったロータリーエンジンの中で最も1ローターあたりの排気量が大きな13Bとし、それにターボを組み合わせることで、国内だけではなく海外のGTカーにもひけをとらないパワーを有した。またスポーツカーの機能面でエンジンと同等に重要なシャシー性能は、リヤにセミトレベースのマルチリンクを備える他、フロントにも当時の国産車としては他に類をみないアルミ製ロアアームを備えるなど、初代と比べものにならないほどの高性能化を実現している。
 国内ではスペック上でFCの上をいくスポーツカーも存在したが、その圧倒的な走りの質感や実際の速さは、後のスカイラインGT-Rや3代目となるFDが誕生するまで一線級だったのは間違いない。

●取材協力:Car Craft Factory NOSTALGIA
のす太さんこと彦田さんと従業員の由眞さんがノスタルジアを切り盛りする。ちなみにトップの2台のFCはデモカーという名の彦田さんのコレクション。その他にも販売予定のないのす太コレクションあり。来店時はEメールでの問い合わせが必須となるので要注意。
URL:http://happytown.orahoo.com/nostalgia/


定期的なオイルとプラグの交換で好調が続く!

  ロータリーの専門店は数多いが、FCの専門店となると唯一無二ではなかろうか? 2018年となった現在でもFCに調子よく乗るためのメンテナンスポイントを伺ったノスタルジアは、そんな他に類をみないFC3型RX-7の専門店なのだ。
「今もし調子が悪くないなら、それを維持する定期的なメンテナンスと乗り方を心掛けてほしいな。圧縮圧力の低下をやたら気にする風潮があるけど、7キロ台(約7MPa)もあれば、十分に調子よく走る。まずはポイントを押さえて定期的にメンテナンスするのが重要です」
 というのは代表の彦田さん、通称“のす太さん”だ。そのポイントを押さえたメンテナンスとは?
「エンジンオイルとプラグの交換。まずオイルは3000km以下で必ず交換してほしい。これは定番だからどこでもいうけど、ウチはオイルの量を規定より多い5L入れてる。FDでこれをやっちゃうと、構造上オイルを吹いちゃうけど、FCであれば大丈夫。粘度は15W-50で、フィルターは毎回交換が基本。次にプラグ。これは6000km以下で交換。オイル交換2回に1回交換。このふたつをしっかり定期的にやるだけで間違いなく、コンディションを維持できるんだ」
 長年FC専門でショップを営んできただけに定番を押さえた上で、独自のノウハウが注入された定期メンテ術といえる。他の部分も同様なので、それぞれのメンテ術をぜひ参照してみてほしい。

エンジン 基本的なメンテを欠かさなければ意外やノントラブルで走る

圧縮圧力の低下は構造上仕方なし

ロータリーは各シールにより気密性が保たれるので、ある程度使われれば圧縮圧力が規定値よりも低くなっている場合が多い。しかし実際には下回っていても7PKa台あれば十分に好調な状態なのだ。

オイル漏れはこの2か所を注意

ロータリーはオイル漏れが発生する部分がレシプロに比べ少ない。本体であればリヤオイルシールからの漏れぐらいとなる。

標準でオイルクーラーを備えるがそのホースが経年劣化によりオイル漏れの原因となる。破裂するように切れるので交換がお勧めだ。

規定量を超える5L入れるのがノスタルジア流

オイル交換時の注入量が独自。規定量内ではなく、それを超える5Lを注入する。レベルゲージで見ると写真の矢印の位置までオイル油面が上がっているのが分かる。彦田さん独自のノウハウとなる。

ファンベルト切れに要注意

ファンベルトは要注意。4本のベルトのうち、オルタネーターと冷却ファンを回すベルトが切れやすい。特に不動期間が長い車両はプーリーがサビてベルトを傷める。また切れると冷却ファンが回らずオーバーヒートを併発する。

フィルターの詰まりがエンジン不調の原因にも

エンジン不調の原因のひとつに燃料フィルターの詰まりというものがある。長年交換されてこなかった車両も多く、不調がなくても交換しておいて損はないであろう。

冷却水漏れには注意が必要だ。細かいホースも含め交換時期
冷却系はホース類の経年劣化から冷却水漏れが発生する。特にエンジン後方とバルクヘッドの間に位置するホースは昨今の漏れ多発ポイント。またエンジンのガスケットから水がエンジン内に侵入する水食いの場合はエンジンO/Hが必要となる。

ノーメンテならそろそろ?
セルもそろそろ交換なりO/Hを施したほうがいい時期といえる。セルが回らなくて立ち往生する前に手を打っておくほうがいいだろう。

触媒は内部破損多し
触媒は経年劣化で中身が砕けてしまい機能していないものもあるそうだ。

駆動系 リヤからのボディを叩く打音はマウント要交換の合図

特に弱くもなく、かといって強くもないミッション本体
ミッションは特に定番といったトラブルはなく、それまでどのような使われ方だったかで、コンディションは大きく異なるようだ。ちなみにミッションのオイル交換サイクルは1年に一回、少なくとも車検ごとにということなので、こちらは他車種と大差ない。

ミッションからのオイル漏れ
シフトレバーのミッションへの取り付けフランジ部のパッキンが劣化し、オイル漏れが発生していることが多いようだ。

サーキットを楽しむならば替えておきたいマウント
コーナー途中で変速という場面、マウントが劣化していると変速できない。走り重視なら要交換。

デフ前方を保持するマウントが破断しやすい
デフは後方2点、前方1点のマウントで固定されているが、その前方が切れやすく、切れるとボディに接触するようになる。

デフのドライブシャフトの入るサイドシールからのオイル漏れが多いので要確認。

コーナリングが大きな魅力となるFCだから足回りはリフレッシュしておきたい

足回り リヤマルチリンクサスからの異音が現在の定番トラブル

当時としては超こだわりのアルミ製のロアアームを備えるストラット式を採用。ブレーキも対向4ピストンを奢る。

リヤはセミトレをベースにマルチリンク化され、4WS機構を備える。ブレーキはVディスク+片押しキャリパー。

ステアリングギヤボックスからフルード漏れ
ステアリングギヤボックスのパワステ機構からのフルード漏れが定番といえるトラブルのひとつ。ギヤボックスごとの交換となるので大掛かり。また左右で部品の違うブーツ切れにも要注意だ。

フロントアッパーマウントが切れる
アーム側は年式なりのヘタリとなるので、不具合はないが、そろそろ交換したい部分。

アッパーマウントは写真のように亀裂が入って分断寸前のものが多い。左右で劣化具合が異なると、車高が左右で異なるという状態になる。ピロアッパーなどに交換していない場合は要確認。

異音の発生場所はコントロールリンク
セミトレがベースとなるマルチリンクサスペンション。中央側のアームには写真のようなリンクが入ってアライメント変化を制御するが、リンクがヘタリ、ガタで異音が出るという定番トラブルあり。

フロントハブベアリングのガタ
フロントのハブベアリングのガタが大きくなっている車両が多いようだ。ベアリングだけの交換はできずハブASSYごとの交換となる。

マスターシリンダーからのフルード漏れに要注意
ブレーキマスターシリンダーからのフルード漏れも定番トラブルのひとつ。タンクとシリンダーの間に入るエルボブッシュの劣化が原因。またサーボに繋がるゴムホースも劣化が激しくそろそろ交換時期となっている。

前後キャリパーとも固着していることが多い。特にリヤはサイドブレーキ機構が付くため固着や偏りが発生しやすいようだ。

ABSユニットは既に製造廃止
後期はABS装着車もあるがそのユニットが壊れていることが多く、しかも部品供給が既に終了。対処法としてはABSの除去となるが、配管だけでなくマスターシリンダー(サイズ違い)まで交換する場合がほとんどとなる。

内装 スイッチ類のトラブル多し、部品は出てもかなり高価

樹脂の経年劣化でスイッチ類が……
樹脂製のスイッチ類がトラブルの原因となっていることが多い。P/Wはスイッチだけではなくレギュレーターやワイヤーに不具合がある場合も。ライトやワイパースイッチの不良も定番トラブルだ。部品はまだ出るがどれも高価。

シートベルトが出たまま巻き取りしてくれない
シートベルトの巻き取り部分が機能を失っているという車体が増えているようだ。部品はまだ供給されているが3万円ぐらいと高価。

ダッシュパネルのダメージは?
ダッシュは劣化によりメーターフードとセンターの時計が入るパネル部がめくれ上がる。

シートは他車種同様にサポート部分の切れが発生
シートはスポーツカーらしく大きなサイドサポートが付く。そのサポート部が乗り降りの際に擦れて、傷んでいることが多い。

外装 ドアロックの不具合が現状FCの定番トラブル

モール類がサビてくる
フロントウインドウのモール部やサイドウインドウの水切りの塗装が剥がれて下地が激しくサビている車両が昨今非常に多い。

リヤゲート周辺はサビの多発地帯
サビやすい部分が少ないFCだが、リヤハッチまわりは要注意。経年劣化でウエザーストリップが縮み、水が浸入することでサビが発生する。酷いものだとリヤゲートとリヤガラスの合わせ目中央部が激しくサビている。

ドアの閉まりが悪いなら要注意
ドアロックのパーツの樹脂部分が削れたり劣化するなどして、ドアが閉まった状態を保持できなくなる。部品交換で修理は可能だ。

一部レンズ類の部品が製造廃止に
フロントのウインカーはパッキンが欠品。

フロントスモールレンズやハイマウントストップランプは部品供給がないという状態。車検にも関わる部分だけに深刻な問題となる。




提供元:オートメカニック


この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ