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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.07.09 / 掲載日:2018.07.09

ポンコツジムニーハコ替え計画 その2

いよいよ始動したポンコツジムニーの新プロジェクト。今回はドナーカーからハコを摘出。つまり、シャシーからボディを分離してしまいます。

SUZUKI ジムニー(JA22)
1981年に発売されたSJ30から引き続いた四角いボディを持つJA22は、ジムニー初のコイルスプリングの足まわりを採用して1995年に登場。旧型ボディ最後のモデル。

ジムニーのボディはシャシーに載っているだけ

 ジムニーは最近のクルマのようなモノコックではなく、ラダーフレーム。はしご状のフレームの上にボディが載っている構造だ。フレームとボディを分離させることができるため、傷んだボディを程度の良いボディを交換することもできる。オフロードでハードに乗り回すジムニー乗りの間では割とメジャーなボディの修理方法だ。中には他のボディを乗せてしまうカスタムカーもあるくらい。
 ポンコツジムニーは1996年式のJA22型。この時代のボディは1981年に発売されたSJ30型からボディの基本構造やデザインはほとんど変わっていないので、同じJA22型でなくてもボディの入れ替えはできるはず。という思いつきから、幌仕様のボディに交換するべく、1988年式の550ccエンジンを積むJA71の中古車を手に入れた。
 前回は汚いジムニーを洗浄しつつ、ボディの状態を確認。フロアやフェンダーに大きな錆穴があるものの、買ってしまったからにはやるしかないだろう。ってことで、今回はドナーからボディを摘出。つまりシャシーからボディを切り離す作業を開始した。 ボディに付いている部品とシャシーに付いている部品を見極め、その間を繋ぐワイヤー類や配管を切り離してしまえば、シャシーからボディを取り外すことができる。構造がシンプルなジムニーならきっと作業は簡単なはず。軽い気持ちでスタートしたのだが。

ドナーカーの分解開始!
「JA71C」としてのこの姿ともこれでお別れ。シャシーからボディを取り外してしまいます。無事に分離できるのか不安でいっぱい。

ラジエターはボディ側に付いている。ホース類やラジエター本体も分離の時に邪魔になるので取り外すため、クーラントを抜く。

バキュームホースやハーネス類など、シャシーとボディを繋ぐように接続されているパーツを全て取り外す。

エアクリーナーはボディ側に付いているので、エンジンとクリーナーをつないでいるジョイントホースを取り外す。

クーラントが抜けたらホースを取り外す。新車時から交換されていないのか、ゴムが硬化している。これは再使用不可です。

ロアホースは奥まった部分にあり、硬化してホースが全然抜けない。再使用することはないので、容赦無くカットする。

ラジエターとシュラウドを取り外す。ボディを引き抜く時にこれらが邪魔になってしまうからだ。

エアコンの配管はボディ側に付いているので、コンプレッサーにつながるホースとコンデンサーにつながる配管を切り離す。

幸いガスが抜けていたのでフロンを大気に放出することなく分離。コンデンサーもボディ側から摘出した。

ラジエターの下にはアンダーカバーが取り付けられているが、下からは外せず、ラジエターを取り出してようやく取り外せた。

燃料のリターンホースを取り外そうと引っ張ったら、チェックバルブのジョイント部分が折れてしまった。まぁ、もう使わないからいいか。

アクセルワイヤーの取り外し。前に修理したメカニックが取り回しを間違えたのか、クラッチケーブルに接触していて、スポンジが挟まっていた。

バキュームホースを取り外す。ホース類はほとんどが硬化してしまっているので、簡単には取り外せなかった。

細かいコネクターやホースの配管が多い

 JA71ジムニーは現代のクルマのような電子デバイスがほとんどないので、エンジン周りのパーツも少なく作業は簡単だと思われたが、現代のクルマのようにパーツがユニット化されていないので、それぞれの部品ごとにコネクターやギボシ端子、ボディアースなどがされていて、一つ一つ取り外さなければならない。さらにワイヤー類の取り回しやパーツの取り付け方向などで多少戸惑うことはあったが、無事にパーツ類の切り離しは完了した。
 次はいよいよボディとシャシーの切り離しに入る。このジムニーのボディは、前後バンパーと共締めでボディとフレームを締結しているボルトが前後2か所づつの4か所。フレーム前側に2か所、中央部分が4か所、リヤ部分が2か所の計12か所のボルト、ナットによってボディがフレームに固定されている。これらのボルト/ナットを取り外せば、シャシーからボディが切り離せる。
 ボルト/ナット類をすべて取り外したら、次はボディを分離する方法を考える。リフトで簡単に持ち上げられると思っていたが、ホイールベースが短いのでうまくボディだけにアーム部分を掛けることができない。散々悩んだ挙句、木材を挟み込むことでボディだけを持ち上げることに成功した。ゆっくりと持ち上がるボディ。途中、1か所パーツの外し忘れも発覚したが、無事にシャシーからボディが取り外された。

作りはシンプルなのだが……
センサー類は装着されているプレートごとボディから取り外しておく。コネクターを外せば、ボディ側との切り離しOK。

コイルとデスビはボディを切り離す時に邪魔になりそうなので、エンジンから取り外しておく。プラグコードはそのままでいい。

ヒーターホースはカチカチに固着して外れない。再使用はしないのでカッターで切り込みを入れて取り外した。

エンジン周りのハーネスはコネクターにまとめられていないので、インジェクターなどコネクターやギボシ端子などを一つ一つ取り外す。

ステアリングシャフトはギアボックスにつながるジョイント部分のボルトを外し、シャシー側と切り離しておく。

ブレーキはマスターバッグをボディ側に残したまま、マスターシリンダーを取り外す。

ブレーキフルードの漏れ跡がひどく錆が発生している。

クラッチワイヤーを取り外し、これでエンジンルーム内のボディとシャシーを繋ぐパーツは全て取り外した。

室内側で邪魔になりそうなシフトレバーはミッションから取り外す。

トランスファーはブーツだけ取り去った。これで大丈夫なハズ。

シャシーとボディが分離!
リヤ周りで分離に邪魔になるのは給油口まわり。荷室側のカバーは1カ所がアイボルトで止められていたが、サビついていたので取り外す時に折れてしまった。

タンクと給油口を繋ぐゴムホースも硬化してカチカチ。ウォーターポンププライヤーでグリグリしながらようやく外すことができた。

リヤのこの14mmのボルトがバンパーの固定とフレーム&シャシーの固定を兼ねている。ここは固着なく外れた。

テールランプのレンズを外してテールランプユニットを取り出し、内側にあるボルト2か所を外せばリヤバンパーが取り外せる。

フロント側はヘッドライトのベゼルを取り外し、その下側にある14mmボルトを取り外すのだが、ボルトは錆びついて外れない。

少し緩めては少し締め込む、を繰り返しながら慎重に錆びたボルトを外していたが、途中でポキっと折れてしまった。

右側のボルトは錆が進行してボルトが痩せてしまい、14mmのソケットでは空回り。ターボソケットを噛ませて取り外した。ってういか折れた。

前2か所、中央4か所、後ろ2か所の計12か所がこんな感じのマウントでシャシーとフレームが固定されている。

マウントのゴムパーツは劣化してカチカチ。このマウントを新品にするだけで乗り心地が良くなりそう。

ホイールベースが短すぎるので、AMガレージのリフトだとアームが長くてフレームに接触してしまう。急遽木材を挟んで対応。

ゆっくり、ゆっくりリフトを上昇させながらフレームとボディを引き剥がす。ボディがはなれはじめたその時、リヤから異音が。

一旦リフトを少し下降させて確認してみると、給油ホースのホイールハウス側のカバーを外し忘れていた。これを取り外して続行。

ついに、シャシーとボディの分離に成功した! あとはこのボディを補修してJA22のシャシーと合体するだけ。だが、そんなに簡単にうまくいくとは思えないなぁ。



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

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