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故障・修理
更新日:2018.08.21 / 掲載日:2018.08.21

スバルサンバーを懐走仕様!ヘッドライトダイレクト 実践編

SUBARU Sambar  V-KV3[1995]SUBARU Sambar V-KV3[1995]

TVサンバーで実験中のバッテリー直ヘッドライトシステムはトラブルもなく明るさを確保できているので、KVサンクラにも実装してみることにした。きちんと基板を作り直しての実装編。分割基板にしたらちょっとトラブルもあったので、これから作る方は今号を参考にして組み立てにチャレンジしてほしい。

耐久性を重視した基板作りをしたら動作不安定に陥る

 前号でTVサンバーに装着したヘッドライトバッテリーダイレクト。まったくトラブルなども出ず、快調に作動してくれているので、KVサンバーにも装着してみることにした。こちらのほうは配線抵抗も大きいので効果は確実だ。
 基板は新しく作るにあたって、秋葉原の部品屋を徘徊していたら、ぴったりのガラスエポキシ基板が見つかったので、それを使って組み立てることに。試作基板はHi-Loを1枚基板にしているが、この状態だと、外側にかぶせる熱収縮チューブが大径となり、そちらのほうが高額になってしまうため、Hi-Lo分割基板にしてコストを下げるのが狙いだ。
 そして単独実装して基板が完成したのだが、その時点での点灯チェックをしてみたら、かなり不安定。これじゃ実装は無理。試作は快調に動いているので、部品や回路を追ってみたがなにひとつ変わっていない。
 今回は簡単にするためにボディアースを別に設けなかったのが敗因。できればライトまわりの「電線追加」のようにしたかったので、電線を一本減らしたことが原因だった。 前回から作製している方もいるだろうから、より確実な配線ということで、一部基板の配線を変更した。回路図と基板の改良方法は図を参考に。
 分割基板は、基板図の左半分を4枚製作すればいい。その時ボディアースの配線は省略して構わない。
 基板が完成したら、点灯チェックを行って作動確認。耐久性を持たせるために各素子をホットボンドを流し込んで固定。振動で素子が揺れて足折れを防止するためだ。その後、熱収縮チューブをかぶせて基板全体を絶縁する。MOS-FETの温度上昇がほぼないので、全体をすっぽり覆うような状態でかぶせる。
 各端子への配線方法はギボシなどの端子を圧着するが、ココも一工夫して耐久性をアップ。圧着端子を抜き差しして端子のすっぽ抜けを経験したユーザーもいるはず。それを防止するのだ。
 まずは配線材の被覆を剥いたら十分に芯線を捩ってハンダ上げを行い、それを圧着端子にカシメる。その時に芯線だけをカシメて、その部分にハンダを流し込んで確実に固定。その後被覆をカシメることで確実性が増すのだ。

KUGADEN AB-J-5。確実性アップのために基板を探していたら、秋葉原千石電商でKUGADENの5分割ガラスエポキシ基板を発見。5枚分で300円!

回路の変更はMOS-FETの作動を確実なものにするため、入力素子をバッテリーアース側に接続することで、ボディアースも省略できる。

変更前。

基板上は黄色丸部分を変更。すでに製作された方も、この変更は容易にできるはずだ。

ハンダ上げといって、芯線にハンダを流し込んでおく作業。端子部分にもハンダを流し、被覆部分を最後にカシメることで溶けることがない。抜き差し作業での端子すっぽ抜けを防止でき+12Vの発火防止にも役立つ。

ロックしない。

ハンダを浸み込ませる。

ロックする。

基板を分割して小さくしたことで、電線の一部のように扱うことができる。すべての配線を完成状態にし一度点灯確認をしておく。

点灯確認をしたら、トランジスタやコンデンサなどを中心にホットボンドを流し込んで素子の足が振動で折れてしまわないようにする。

熱収縮チューブは内径30ミリを使用。スミチューブA20Cだ。内径40ミリを超えるといきなり価格が4倍ほどになるのでこれは正解。

ちょっと手が熱くなるが、位置をうまく修正しながらヒートガンで収縮させた。被覆が厚くドライヤーだとかなり時間がかかる。

この段階で熱がかかっているので、再度点灯確認をしておこう。実車装着以前の最終確認となる。めでたく点灯してくれた。

本来なら古いカプラーを切り離してギボシ端子で接続したほうがコンパクトに仕上がるが、比較撮影があったので、オスカプラー取り付け。

KVの実装は車内だけで配線の取り回しができるのでラク

 いよいよ実装だが、KVサンバーのヘッドライトカバーを外し、助手席下のバッテリーからのラインを追ってみるとKVよりもはるかにラクに配線ができることが判明。なぜかライトまわりもスッキリしているので基板の装着もラクだ。
 バッテリーからはヒューズボックスを通して車内に配線を引き込むが、ちょうど助手席下の一箇所にキャップがしてある部分を発見。シールが貼ってあるので剥がしてみるとベストマッチ。まずはバッテリーからの配線を済ませておいて、そこからこの穴を通過する配線を決めていく。各ドアのスカッフプレートの下に配線を潜り込ませて左右のライトまで電線を配置すると綺麗に仕上がる。
 ちょうど他の配線もシート下にはあるので、それに沿わせて仮固定しながら長さを決めていくといい。
 ライトまわりはカバーの上部に配線用の凹みがあるので、従来のカプラーとスモールランプの配線が分かれているところからカプラーを車内に引き込んで基板側のカプラーに接続する。できることならカプラーを廃止して、新しくギボシ端子で接続するようにすれば、もっとスッキリ仕上がる。
 基板の点灯実験は済んでいるはずだから、最後にバッテリーのマイナス側を接続して、点灯確認しよう。
 配線のボディ通過部分は綿テープを巻いて被覆剥がれを防止。完成検査後にブチルゴムで防水防塵対策をしておく。
 基板本体は軽いので、ライトカバーに両面テープで固定するだけで大丈夫だ。

KVサンバーはライト蓋がボルト2本で固定されている。

TV系に比べるとはるかに手が入りやすい。下方向に引くとライトが見える。

運転席側も同様で、スペースは十分にあるので、配線はラクになる。この状態でバッテリーからの配線全体の引き回しを考える。

助手席下のバッテリーボックスはすでにヒューズボックスなどを配置しておいたが、車内への引き込みは写真では右側部分にキャップ発見!

ドア脇のスカッププレートがシートからライト付近まであるので、この下を通すことで、配線を隠しながらライトまで行けると判断。

車内引き込みの部分はビニール被覆が車体と擦れ合わないように絶縁系のテープなどを巻いて保護しておく。グロメットでもいい。

配線の取り回しは従来からある配線に沿わせるようにするといいだろう。テープで仮押さえをしながら目的地まで位置決めをする。

助手席側スカッフプレートの下側に配置するイメージ。たまたま別の配線があったのでそれに沿わせてみた。最終的には微調整。

足元からライトまわりまでの立ち上げ。この部分だけ電線が露出するので、コルゲートチューブで隠してもいいかもしれない。

運転席側への配線はセンターコンソールの下にも配線があるので、それに沿わせてテープで仮固定しながら長さを決めていく。

ライトカバーの上に凹溝があり、そこにライト系配線がきているので、カプラーだけ室内に戻してユニットと接続する。

運転席側のスカッフプレート下の配線も助手席とほぼ同じだ。足元の固定ネジ部分だけドア寄りに配線を通すと電線が飛び出しにくい。

アクセルスイッチの下にアクセルワイヤー取り出し口がある。

外側を通して、アクセルスイッチの裏側でボディに沿わせて立ち上げる。

配線の様子。この状態のまま蓋をせずにバッテリーを+→-と接続して、動作確認をしよう。Lo/Hi/Pasを確認して点灯できたら完成!

最後に車内引き込みの部分をブチルゴムを巻いて封印しておくと、防塵防水にもなるし絶縁も確保される。振動によるスレが大敵!

完成後日没を待って撮影。露出同一条件、色温度は5500Kで比較。ライトメーカーが左右で違うので配光が違うのはご愛嬌。

バッリーダイレクト、確実に明るい。見た目でもはっきり確認できる。センターも周囲も全体に明るくなった。大成功だ!




提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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