故障・修理
更新日:2018.08.21 / 掲載日:2018.08.21
スバルサンバーを懐走仕様!ヘッドライトダイレクト 実践編
TVサンバーで実験中のバッテリー直ヘッドライトシステムはトラブルもなく明るさを確保できているので、KVサンクラにも実装してみることにした。きちんと基板を作り直しての実装編。分割基板にしたらちょっとトラブルもあったので、これから作る方は今号を参考にして組み立てにチャレンジしてほしい。
耐久性を重視した基板作りをしたら動作不安定に陥る
前号でTVサンバーに装着したヘッドライトバッテリーダイレクト。まったくトラブルなども出ず、快調に作動してくれているので、KVサンバーにも装着してみることにした。こちらのほうは配線抵抗も大きいので効果は確実だ。
基板は新しく作るにあたって、秋葉原の部品屋を徘徊していたら、ぴったりのガラスエポキシ基板が見つかったので、それを使って組み立てることに。試作基板はHi-Loを1枚基板にしているが、この状態だと、外側にかぶせる熱収縮チューブが大径となり、そちらのほうが高額になってしまうため、Hi-Lo分割基板にしてコストを下げるのが狙いだ。
そして単独実装して基板が完成したのだが、その時点での点灯チェックをしてみたら、かなり不安定。これじゃ実装は無理。試作は快調に動いているので、部品や回路を追ってみたがなにひとつ変わっていない。
今回は簡単にするためにボディアースを別に設けなかったのが敗因。できればライトまわりの「電線追加」のようにしたかったので、電線を一本減らしたことが原因だった。 前回から作製している方もいるだろうから、より確実な配線ということで、一部基板の配線を変更した。回路図と基板の改良方法は図を参考に。
分割基板は、基板図の左半分を4枚製作すればいい。その時ボディアースの配線は省略して構わない。
基板が完成したら、点灯チェックを行って作動確認。耐久性を持たせるために各素子をホットボンドを流し込んで固定。振動で素子が揺れて足折れを防止するためだ。その後、熱収縮チューブをかぶせて基板全体を絶縁する。MOS-FETの温度上昇がほぼないので、全体をすっぽり覆うような状態でかぶせる。
各端子への配線方法はギボシなどの端子を圧着するが、ココも一工夫して耐久性をアップ。圧着端子を抜き差しして端子のすっぽ抜けを経験したユーザーもいるはず。それを防止するのだ。
まずは配線材の被覆を剥いたら十分に芯線を捩ってハンダ上げを行い、それを圧着端子にカシメる。その時に芯線だけをカシメて、その部分にハンダを流し込んで確実に固定。その後被覆をカシメることで確実性が増すのだ。
KVの実装は車内だけで配線の取り回しができるのでラク
いよいよ実装だが、KVサンバーのヘッドライトカバーを外し、助手席下のバッテリーからのラインを追ってみるとKVよりもはるかにラクに配線ができることが判明。なぜかライトまわりもスッキリしているので基板の装着もラクだ。
バッテリーからはヒューズボックスを通して車内に配線を引き込むが、ちょうど助手席下の一箇所にキャップがしてある部分を発見。シールが貼ってあるので剥がしてみるとベストマッチ。まずはバッテリーからの配線を済ませておいて、そこからこの穴を通過する配線を決めていく。各ドアのスカッフプレートの下に配線を潜り込ませて左右のライトまで電線を配置すると綺麗に仕上がる。
ちょうど他の配線もシート下にはあるので、それに沿わせて仮固定しながら長さを決めていくといい。
ライトまわりはカバーの上部に配線用の凹みがあるので、従来のカプラーとスモールランプの配線が分かれているところからカプラーを車内に引き込んで基板側のカプラーに接続する。できることならカプラーを廃止して、新しくギボシ端子で接続するようにすれば、もっとスッキリ仕上がる。
基板の点灯実験は済んでいるはずだから、最後にバッテリーのマイナス側を接続して、点灯確認しよう。
配線のボディ通過部分は綿テープを巻いて被覆剥がれを防止。完成検査後にブチルゴムで防水防塵対策をしておく。
基板本体は軽いので、ライトカバーに両面テープで固定するだけで大丈夫だ。
提供元:オートメカニック