故障・修理
更新日:2018.08.21 / 掲載日:2018.08.21

ポンコツジムニーハコ替え計画 その4

「オープンのジムニーに乗りたい」という安易な思いつきからJA71Cを衝動買い。ろくに調べもせずにボディを取り外したものの、いまだに装着できるのかは不明。とりあえず穴の空いた右フロアを張り替えることに。

今回も誌面には登場しないが、このJA22にJA71のボディを載せ替えてしまう予定。以前の連載で苦労して塗装したのが少しもったいない。

新品のフロアを注文したらJA22用はすでに生産終了?!


 ジムニーはラダーフレームの上にボディが載っかっている構造。トライアル競技や激しいオフロード走行を楽しんでいるユーザーの間では、転倒してボディが凹んだら中古のボディと入れ替える、なんてのはごく普通のこと。2代目のジムニーは80年のSJ30から98年のJA22までボディの基本構造は同じ。それなら他の型式のボディとも入れ替えられるんじゃないかと、オープンボディのJA71Cを手に入れ、ボディをシャシーから切り離したのが前回まで。取り外したボディはサビや腐食が多く状態が良くないので、ボディを入れ替える前に、とりあえずフロア部分だけでも補修しようと作業を開始した。
 運転席のサビ穴は大きく、継ぎ当てで補修するより、新品のフロアに張り替えた方が早いと判断。せっかく張り替えるならJA22用にしてしまえば、シートの加工も必要なく(シートレールの形状がJA11以前とJA22では異なる)、今のシートが使えるのでは?と、フロント右のフロア、サブメンバーなど諸々をスズキに注文。
 ところが、JA22用のフロア周りのパーツはすでに生産終了とのこと。SJ30でもJA71でもJA11でもいいから、フロアを探して、とお願いすると、JA71/JA11用なら出るということ。なぜだ。より古い年式のパーツは出るのだ。ちょっと解せないが、リヤフェンダーなどのサビがひどかった部分のパーツや、フロア周りの必要なパーツもまとめて注文することにした。

フロアに開いている大穴を修理
ボディを載せ替えるといっても全てを使うわけではない。ドアやフロント周りはJA22用を使うので、修復するのはフロアとリヤ側のパネル。

今回用意したパーツ。フロアパネルは片側2万円もするので、今回は右側のみ。フェンダーや小物パーツを合わせて5万円オーバー。懐が痛い。

邪魔になりそうなドア付近のモールを取り外す。この後、地獄の苦しみが訪れることも知らず、ニヤニヤしている筆者、真面目に仕事しろ!

フロント右側のパネルを剥がす。一見綺麗に見えるが、前側には大きな穴が数カ所空いており、どうせやるなら全て張り替えることにした。

ビニール製のフロアカーペットを固定するためのホックを取り外す。補修後はフロアカーペットを取り付ける予定はないので、取り外してポイ。

サンダー購入

スポット部分の塗装を剥がすためのサンダーが必要。ガレージにはなかったので、今後の作業を考えてランダムサンダーを購入。

スポット部分を剥がすには、専用のスポットカッターが必要。先端がフラットになっていて、スポット溶接部分を効率よく削ってスポットを剥がす。

スポットカッター

フロアは簡単には剥がれない
フロアには防音のための樹脂マットが貼り付けられている。シーリング材とともに、スポット溶接にかかっている部分は、全てスクレーパーで剥がしていく。

シートレールを固定するサブメンバーの取り外し。スポット部分を剥がしたら、隙間にタガネを突っ込んでひたすら叩く!ここではパネルボンドを使っていないので、スポットを剥がせば外れる。

フロアパネルを剥がす作業に入る前に、新品のパネルをあててみて、どの部分がスポット溶接されて接着されているのかを確認。右後ろのシートレール固定ステーはすでにパネルに付いている。

メンバーを剥がすときにも邪魔になった、防音の樹脂マットと、接合部分にビッチリと塗布されているシーリング材をひたすら剥がす。

フロアパネルを剥がすときに邪魔になる、縁の部分だけを作業したのに、ぐるっと一周のシーリング材と樹脂マットでかなりのゴミが出た。掃除機で除去。

シートレールを固定するステーは、右後ろはパネルに付いているのでそのままで大丈夫だが、左後ろは取り外しておく。

フロアパネルの中央左側は錆と腐食ですでにパネルには隙間が。この時代はまだパネルボンドの固定ではなく、スポット溶接とシーリングか?

センタートンネルのパネルと、フロアパネルの隙間にタガネを差し込み、ガンガン叩いて剥がしていく。けっこう強力にくっついている。

剥がれてきた!

右側はサイドシルとの隙間にタガネを入れる。ガンガン叩いていたら、サイドシルの中から錆とともに大量の泥が。中は錆が進行しているかも?

ようやく前半分が剥がれた。しっかりスポット溶接されているので、スポットカッターで溶接部をカットしてから作業すればよかった。

上からは一回り全てのスポットを剥がしたものの、パネルはびくともしない。これは裏側からも溶接されているのかもしれないが、下に潜るスペースがない。

新しいパネルを観察してみる。フロア後方、横に2本、補強のパネルが入っていて、これが両側で溶接されているようだ。これはリフトアップしないとダメ。

時間はすでに午後8時。鈑金作業は大きな音が出るので近所迷惑になるため、今日はここまで。手が滑って何度もハンマーで左手を叩いたので痛い。今日はもうやめよう。

ガンガンとパネルを叩いていると音が反響して耳がキーンとなるよ
 パーツも揃ったので早速作業を開始する。シャシーから引き剥がしたボディは、手作りの(粗末な)スタンドに載せてあるので、このまま作業をはじめた。運転席側パネルには、シートレールの前側を固定するためにサブメンバーが取り付けられているので、これを取り外す。スポット溶接で固定されているので、まずは塗装を剥がすのだが、フロアには防音のための樹脂マットが貼り付けられている。このマットが接合部分にまで乗っかっているので、これをスクレーパーで剥がし、スポット溶接部分をスポットカッターというドリルの刃でスポット部を削る。ある程度溶接部が剥がれたら、隙間からタガネを突っ込んで、叩いて溶接を剥がしていく。これでサブメンバーが外れた。
 フロアパネルと周囲のパネルの接合部分には、シーリング剤は塗られている。パネルを剥がすには、まずこのシーリング材を取り除かなければならない。ここもスクレーパーでゴシゴシを剥がすのだが、このシーリング材は結構硬くなっているので、ながなか剥がれない。苦労して1周分を剥がし終えると、パネル同士の隙間が見えた。ここにタガネを差し込んで剥がしていく。当初はこのパネル同士はパネルボンドで接着されていると思って作業を始めたが、この時代のクルマはまだスポット溶接でした。上から見える接合部を剥がしたが、パネルはびくともしない。どうやら下側も溶接されているようだ。このままではリフトに上げられないし、もう時間は遅いし、左手は痛いし。というわけで今回はここまで。続きは次回!



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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